トヨタとタイガー・ウッズ選手2010年03月16日 17時48分41秒

しばらくスピリチャルな話題が続いたので、ちょっとそちらは休憩して、今回は、人間的動物的世界に話題をふってみよう。

昨年から今年にかけて、全米で非常に話題になっていることに、トヨタ自動車の不具合問題とゴルフ界のスーパー・スター、タイガー・ウッズ選手の不倫問題がある。片方は経済の問題、片方はスーパー・スターのゴシップなので、まったく種類が違う問題のように思えるが、私は、その二つの話題に共通性を見出して興味深かった。

トヨタの経営陣は、今回のトヨタ車の不具合の根本的原因は、「販売の急な拡大で、品質管理に問題があった」と説明し、まあ、それは概ね正しい認識であろう。

要するに、アメリカが住宅バブルでわいた数年間、トヨタの車は、自社の品質管理能力をはるかに超えて「売れすぎた」ということである。過剰に売れた分の反動として、今トヨタがかかえている苦境があるのだ。

自分の会社の製品や物が自分たちの能力を超えてたくさん売れているときに、「これは危険性があるかもしれない」と認識する会社や経営者、ビジネス関係者はまれのようであるが、たくさん売れすぎることは、まったく売れないことと同じようにリスクの大きいことである。出版界には、この危険性を表す言葉として、「ベストセラー倒産」という言葉もあるくらいだ。

さて、片や品行方正な家庭人で通っていたタイガー・ウッズ選手であるが、愛人が次から次へと名乗りをあげて、マスコミに「私も……」「私も……」と告白する人が続出し、まさにチンパンジー狂想曲の様相となった。

名声と財力の増加とともに、愛人の数も増えたと思われ、トヨタ経営陣の言葉を真似れば、「愛人の急激な増加で、愛人の品質管理(!?)に問題があった」ということになるのだろうか……あまりにたくさん愛人がいて、本人でさえ、どこに誰がいるのか、正確に把握できない状態だったようである……一人や二人くらいなら、ばれずにすんだかも……

トヨタにしてもタイガー・ウッズ選手にしても、「過剰さ」がもたらしたトラブルであり、ついでに言えばマスコミも「過剰」(過剰な賞賛=過剰な批判)であり、「(何事も)過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し」と昔の賢人は教えたわけであるけれども、賢い教訓をめったに守れないのが、ヒトという生き物である。

ついでに言えば、スポーツの世界で、一番になりたい(一番強いものになりたい)という願望は、きわめて動物的願望であり、一般的には(もちろん例外はあろうけれど)、スポーツ男(オス)の中では、スポーツの能力=浮気能力のようである。

だから、タイガー・ウッズ選手のゴルフの才能は、その浮気能力にも支えられていたかもしれず、ゴルフ界の帝王(=虎やライオン、ゴリラやチンパンジーのボス)に、モーゼの十戒(汝、姦淫するなかれ)なんかを期待してはいけませんね。

森(Woods)の中のタイガー(虎)さん、「誰がかまうもんか!」で、これからも、頑張って!

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