日本人と英語(英会話)(1)2010年05月09日 13時18分50秒

何年か前に、日本の英会話学校No1だったN社が多くのトラブルを抱えて、倒産し、つい最近、今度はそのあとを継いで(確か)No1だったG社も倒産した。

これだけ子供から大人まで、英会話はブームというのに、何が問題なのだろうか?

それぞれの会社の経営上の色々な問題があろうとは思うけれど、私は一部の英会話学校が採用している多額(だいたい数十万円)の受講料前払い(N社もG社もこのシステムを採用)システムに多くのリスクがあるように前々から感じていた。

たとえば、人が、「さあ、何十万円も払ったし、これから英会話学校に通って、頑張って、英会話をものにするぞ」とまあ、こんな決意をしたとしよう。

ところが、人のやる気はそう長くは続かない。特に大人の場合、忙しい、疲れている、残業が突然入った、進歩が感じられない、退屈、予約がとれない等々の事情で、早々にやる気をなくし、そのうち学校から足が遠のき、そうこうしているうちに受講チケットの期限が切れてしまう――というような話を、そういったシステムの学校に通った経験のある何人かの人から聞いたことがある。

生徒が受講チケットを消化しないままやめていく――これは生徒の側だけでなく、学校(会社)側にとっても、多大な損失であり、多額の受講料前払いシステムではこの損失が起る確率が高くなるのだ。

大昔、大学を卒業した頃、私も英会話をマスターしたいと思い、英会話学校に通った経験がある(学校というより、月謝制の教室のようなところ)。

ところが行くたびに、ストレスを感じてツラクなって半年でやめてしまったのである。毎回、外国人の先生が初めに、「先週は何をしましたか?」と生徒一人一人に尋ねるわけなのだが、毎日似たような生活をしているので、毎回、同じようなことしか言えない。そもそも英語がしゃべれないので、それから先へ話が進まない。毎回同じことをしゃべったあとは黙って、しゃべることができる人たちの楽しそうなおしゃべりをただ聞くだけ――それが最大のストレスだった――私は、自分が英会話学校に何年通っても、英会話ができそうな気がまったくしなかった。

そのあと、高校生や中学生に英語を教える仕事についた機会に、英語の先生が英会話もできないのはさすがに恥ずかしいと思い、さらに、英会話ができないトラウマ(心の傷)がものすごく苦痛となって、独学を決意したのである。約3年(途中やる気を失くした時期もあったので、実質的には2年くらい)で、何とか話せるようになった。

英語が少し話せるようになってから、本当に自分の英語で通じるのか確認するために、もう一度短期間だけ英会話学校(教室)に通ったことがあり、このときは楽しかった。

英語(英会話)――昔の私だけでなく、英語(英会話)は多くの日本人にとってトラウマである。それはよく言われるように、中学、高校、大学と約10年も英語を勉強して(勉強させられて)、なぜ簡単な英語すら話せるようにならないのか、というようなトラウマである。

そのトラウマを解消するために、生活・仕事上、特に必要がなくても、英語(英会話)を勉強している人たちはたくさんいる。でも、必要がなくても、英語(にかぎらず外国語)をやっているうちに、なぜか、その言語が必要な仕事がまわってくるという人生の展開もあるようだ。

さらに、英語やその他の外国語ができると、心理的・文化的世界が広がる、それから、他の国民、文化、宗教を理解できるようになり、異なるものに対して寛容になる、驚くことができる、そして、同時に自国の文化にも改めて感心したり、笑えたりでき、偏狭なナショナリズムに陥らなくてすむ等、色々楽しいことがある。

最終的には、英語や外国語をやるかやらないかは、そういう運命があるかないかの話になるとは思うけれど、それでも、特に若い世代の方には、英語にかぎらず外国語を学ぶことをお勧めしたいと思っている。

たまに英語(英会話)の勉強法を尋ねられることがあるので、このたび、下記のような会を企画しました。

[ イベント]

「楽しい英語の会」日時:2010年5月30日(日曜日午後)(東京)

英語の効果的な学習法・独習法と外国語を話す心理的な面について、講師を交えて皆さんで話し合い、学ぶ会です。英語の学習法に興味のある方は、どなたでも参加可能ですが、一応、英語(英会話)初級レベルを学習している方、これから再学習しようとしている大人の方を対象としています。詳細は下記サイトへ。

http://www.simple-dou.com/CCP006.html



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