「時間が存在しないとは?」 (2)2018年03月15日 08時34分53秒

 前回、時間に関するダグラス・ハーディングが「開発」(というにはあまりにもシンプルではあるけど)した実験を紹介した。

この実験の意味を言葉でもう少し説明すれば、非二元系の教えにおいては:

1時間とは主体(私)が認識したときに、認識したところにだけある。

2時間を認識する主体(私)には、時間が存在しない。

つまり、主体(私)が時間を認識できるという事実そのものが、主体(私)は時間世界に所属していないという意味である。
 
2のポイントは、ダグラス・ハーディングだけでなく、私が今まで愛読してきた賢者の方々の本にも表現は違うが、同じことが書かれている。

たとえば、
「今、時の経過を認識します。しかし、そう認識するために時間(時の経過)を必要とはしません。時間は存在していません」(タデウス・ゴラス著「なまけ者のさとり方」74p)

そしてもし時間を認識する主体(私) が時間世界に所属していないなら、主体(私)は人間物体ではないし、いかなる物体でもないことが明らかである。前回も書いたように人間物体は時を刻んでいる物質的な時計だからだ。

さて、ここで論理的な方はこう反論するかもしれない。

「どうして、物体が他の物体を認識できないと言えるのですか? 現在では、自動ビデオなどがあって、それらは他の物体を自動的に認識しているはずですから、物体が他の物体を認識できないとは言えないでしょう」

確かに現代、世界中の町中で無人の監視ビデオなどがあふれ、自動で町中の風景を撮り続けている。しかし、無人で「撮る」ことは「認識」することではない。そして主体(私)が「認識」しないかぎり、非二元的に言えば、それは「存在してない」――主体(私)にとっては。

そういった無人監視ビデオの中にあるとされる映像は、主体(私)がその映像を確認(認識)――その映像が「存在している」ことを確認したときに、初めて存在すると言えるのだ

この話は古くは、「人が見ていないときに、月は存在しているのか?」 という量子力学上の論争、あるいは同じく、有名な「シュレーディンガーの猫」 の話とも関係している。

 これらの量子力学の論争や概念をわかりやすく説明するのは私の能力を超えているが、非常にざっくり言ってしまえば、物事の状態は観察者が観察したとき初めて確定するという考え方だ。

量子力学 と非二元系の教えは共通していることが多く、かなり相性がいい。ただ、大きな違いは、私が思うに、物理学では観察する主体はあくまでも人間物体を想定しているのに対して、非二元系の教えでは観察する主体は人間物体でないとしているところである。当然のことながら、科学者は、観察しているのは「人間の私」であると想定し、「観察している私とは何か?」を問わない。これは外側の物質(対象)世界に関心をもつ科学と内側の主体に関心をもつ宗教(スピリチュアル)のほとんど超えられない溝かもしれないと思う。

非二元系の教えの探求者である私たちは科学の知見は参照にはするけど、まあ最終的にはどうでもいいことで、あくまでも関心は主体である「私」とは何か?に戻るわけである。

 ダグラス・ハーディングはワークショップのときに、対象と主体の信じがたいほど対照的違いを見るように参加者に質問という形でしつこいくらい促した。

*色(対象)を認識しているあなた(主体)に、色があるだろうか?

*形 (対象)を認識しているあなた (主体)に、形があるだろうか?

*感触(対象)を認識してるあなた(主体)に、感触があるだろうか?

*音(対象)を認識しているあなた(主体)に、音があるだろうか?
そして、

*時間(対象)を認識しているあなた(主体)に、時間があるだろうか?



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