AI(人工知能)との競争時代2019年04月20日 08時23分04秒

今から10年ほど前に読んだ新聞の記事の内容を最近ちょっと思い出した。それは、何かの学者(だったと思う)が、これからの未来の予想について書いた話で、要旨だけを言えば、「これからの社会は、ロボットを人間化し、人間をロボット化する時代になる」という内容だった。

「ロボットを人間化する」のほうは確実にそうなりつつあることが、多くの人たちに知られてきている。囲碁や将棋では、AI(人工知能)が人間の最高のプレイヤ―を打ち破った話が話題になったが、今、あらゆる分野でAI(人工知能)は人間の思考パターンを急速に学びつつあり、人間の知性を超える可能性も指摘されている。

その衝撃的意味とは、これからは多くの仕事がAI(人工知能)で間に合う、いや、AI(人工知能)にさせるほうが安上がりという時代がやって来るということだ。

たとえば、私は90年代からパソコンに翻訳ソフト(翻訳の仕事のためではなく、自分が書いた英文メールをチェックするために)を入れているが、90年代のソフトは翻訳の精度がひどくてまず使いものにならなかった。それが最近はパソコンに入っている無料の翻訳ソフトもかなりの精度になっている。もうすぐ非二元の本だってまともに翻訳できるかも(笑)、だ。

新しいパソコンは5年前に比べて、AIがはるかにお利口さんになり、いちいち先走って、勝手に設定し、しかもパソコンの親会社に情報を提供する仕様になっている。対抗しようにも、便利さには抗えない(悲)

スマートフォンに入っている無料の翻訳・通訳、音声認識ソフトでさえ、かなりの精度だ。もう海外旅行程度のために外国語を勉強する必要は全然ない。

こういった分野のAIの進化が何を物語るかと言えば、今は高級な仕事だとみなされている通訳や翻訳の仕事さえ、近い未来AIに置き換わるということである。さらに言えば、少しぐらい外国語ができても仕事上たいして有利にもならないということである。「ああ、その程度なら、AIにやらせますから」という時代がもう来ているのだ。

ということは、外国語を必要とする仕事一つとっても、AIに勝つためには、「自分は、AIにはできない何かができる」ことを証明しなければならないということである。

話を、10年前の記事に書かれていたもう一つのこと、「人間をロボット化する」に戻すと、それは、人間から思考能力を奪い、人間を機械の召使いにする、ということである。こちらのほうの進行も恐ろしいくらい進み、一部の学者たちは警告しているが、ほとんどの人は無意識である。

なぜ無意識かといえば、それは怪物GAFA(巨大IT産業の頭文字をとってこう呼ばれている)などによって提供されている無料で便利なものによって私たちは眠らされ、GAFAたちの奴隷になっていることに気づかないからだ。

たとえば、スマホでメールを打つと、ご親切にも言葉を先走って考えてくれる。スマホでメールを打つときにはとても便利な機能なのだが、実は私たちが自分で文章を作る能力を奪っている。本来は自分の力で脳から検索し、呼び出し、選択するべき作業を機械にやってもらっている。

実は一つの言葉に続ける言葉の選択は無限にあるはずなのに、私たちはもうスマホの言うとおりにメールを書く。これも「機械による奴隷化」の一つである。G社のメールではさらにご親切にも、返事のサンプル文章まで書いてあることがある。(人のメールを勝手に読むな、と思うけど、無料のサービスだから仕方がない)

これを長年続けていると、もう自分一人で文章を書くことができなくなる。昔、ワープロ、パソコンが普及してから、漢字を書く私たちの能力が激減した。そして今はAIの進化によって、自分で考え、文章を書く人の能力も激減しつつある。

最近、教育学者が、今のAIはすでに小学6年生の文章読解能力をうわまわっているという調査・研究を発表し、一部の教育界に衝撃を与えた。このままいけば、あと10年したら、大学生の文章読解能力よりもうわまわるだろう。

30年後には、ホテル、居酒屋、その他接客業で、ほとんど人間そっくりな人型ロボットが出迎える時代が来るかもしれない。

では、AIにできなくて、人間だけができることとは何なのだろうか? あるいは、AIがどうしても不得意で、人間が得意なこととは何なのだろうか?

それを一人ひとりが考えることが、怪物GAFAたちが提供する便利さを少しは享受し、かつ完全な奴隷化からは脱出する道であろう。もうキャリアがほとんど終わっているシンプル堂にはどうでもいいことだけど、これからキャリアを作っていく若い世代の人たちは真剣に考えるべきことだと思う。


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