Silence of the Heart (4)2021年09月20日 07時17分32秒

[お知らせ]

Silence of the Heart は、『ハートの静寂』(ナチュラルスピリット発行)というタイトルで10月末に発売予定となりました。

(本体価格 2,980円 税込み価格3,278円 本文ページ約480ページ)

目次は下記に紹介してあります。


今回は、Silence of the Heart 『ハートの静寂』の本について、最後のブログです。

問題だらけの現象世界で、「世界にも個人の人生にも問題は何もない」という彼のメッセージがどこまで理解されるのか、そして、非二元の探究をしている人たちの間でさえも、「問題は何もない」という彼のメッセージがたぶん大きな誤解と混乱を生むかもしれないと感じながら、ロバート・アダムスの言葉を追っていた――本書を読んでいると、「問題は何もない」という彼のメッセージは、彼のサットサンに参加しているほとんどの人に理解されていないことがわかる。

非二元の教えで、「問題は何もない」というときの問題点(笑)はかなり複雑で、その言葉を間違って受け取って、間違った地点に居座っている人たちについては、ロバート・アダムスが本書の中でも所々言及している。それについては改めて別の機会に触れるとして、今回は、ロバート・アダムスが『ハートの静寂』の中で語っている、「私とは何かに目覚めるための」彼の教えを要約してみよう(ただし、彼自身は自分には何も教えることがない、とも言っている)。

「私とは何か」に目覚めるために:

1「私とは何か?」という自己問いかけを真剣に日々おこなう。

2自己問いかけができない人は、「IAM(アイ・
アム)瞑想」をおこなう。

3修行というものがまったくできない人は、すべてを神に明け渡す、「私の意志ではなく、神の意志」という自己明け渡しを実践する。

4「自己問いかけ」のワークと同時に、慈悲、謙虚さという徳を実践する。

5伝統的なヒンドゥー教の宗教的戒律を遵守し、非暴力を実践する(完全ベジタリアンの薦め)

6無私で他人に奉仕する


私は、上記の1から3のことは納得したが、正直なところ、4から6の事柄はそれほど心に響かなかった。私はスピリチュアルな教えに、道徳や宗教的戒律を加えるのは好みではない。

もちろん、私だって、自分の国の法律を守り、出会う人には、自分にできる範囲で親切に接する程度のことは心がけてきたが、それは私にとっては人として生きるための常識のようなもので、特別にスピリチュアルな実践というわけではない。

また、自分自身を思いやりや謙虚さという徳をもった人間だと思ったことも一度もないし、積極的にそうなろうとしたこともなく、むしろ私は20代の頃に非常に影響を受けた、ロシアの神秘思想家、グルジェフの「意識的利己主義者であれ」という教えに共感・納得し、むしろそれを実践してきた。伝統的な道徳とか戒律を一切考えずに、スピリチュアルな探求をしてきたことは、自分自身にとってはよかったことだと思っている。そして、他者への思いやり、愛情などは、「私とは何かに目覚める結果」自然に湧くものという、ハーディングの言うことが、経験からその通りだと納得している。

ただ、ロバート・アダムスが、「自己問いかけ」のワークと同時に、慈悲、謙虚さ、奉仕を実践することを強調するのは、非二元の教えの探究者の多くが、非二元の教えを知的に理解することに留まり、その弊害を彼が長年の間たくさん見聞したせいでもあるのかもしれないし、あるいは彼が長年インドで暮らしたせいでもあるかもしれない。

何をすべきか・すべきでないかという道徳・戒律、そして何を食べるべきかに関しては、自分自身の中から自然に湧くものを信頼し、一人ひとりが納得して、世の中の常識・規範と折り合いをつけるべきものではないかと思う――私自身はベジタリアンではないし、基本、自分の好きなものを食べる主義であるが、ただ心がけることは、食料を無駄にしないこと、そして日々食料が与えられていることに感謝を捧げている。

それから、前にも触れたことがあるが、こういった非二元の本、特に講話にもとづいて作られている本は、ある個所と別の箇所で言っていることが、まったく矛盾しているというところが多くみられる。特に今回のロバート・アダムスの『ハートの静寂』にはその矛盾がはなはだしい。

その理由はたぶん、ロバート・アダムスが彼のサットサンに参加している人たちがどんな人たちかによって、日ごとに話すことの重点を変えるからだ。

今日の参加者はもう充分すぎるほど、修行をやってきた人ばかりで、むしろ修行に執着していると見れば、「あなた方はいつまで修行をやっているのですか? 修行が目覚めさせるわけではありません」という感じになり、反対にほとんど修行を何もしない参加者が多くいれば、「修行を頑張ってやってください」というトーンになる。

こういう本を読むときは、そういった言葉の矛盾は気にしないで読み、むしろ彼が全体を通して語っていることの真髄は何かを意識するとよいのではないかと思う。もちろん彼は言葉ではあちこち矛盾しているが、一貫として、今この瞬間に、自分の真我(本当の自己)に気づいて、自分は一個の肉体であるという観念から解放されて、自由になることを語っている。

さて、(1)の自己問いかけに関して、私はほとんどやったことがないと前に書いたが、実は、本書の編集作業の最中に、ロバート・アダムスの言うとおりに、生まれて初めてほんの少しの間、真面目(笑)にやってみた。

いくつかのやり方をやってみたが、一つは:

ある瞬間、突然止まって、マインドの中で「私とは何か?」と単純にただ問いかけることを、一日中、やってみた。もちろんそれには答えはなく、「私とは何か?」のあとに続くものは、ただ沈黙(静寂)だけ……。別のことを考えている最中でも、「私とは何か?」を問うと、瞬間に思考が止まることがわかる。

その質問をする瞬間に、物質世界からのギャップが生まれるという感じである(ハーディングの指差し実験に近い感覚である)。
それからもう一つは(こちらはけっこう気に入って、今でも気が向くと、やってみる)、音を追うという方法だ。

お風呂に入るとき、水道の蛇口から、湯船の中に数秒おきに水がほんのわずか落ちるようにする。目を閉じて、その音を聞きながら、「この音は誰のところに来ているのか? 私である。私とは何か?」と問い、音を追いかける。すると、音は自然に静寂へと消えていく。

ポタッ……静寂……ポタッ……静寂……ポタッ……静寂……ポタッ……静寂……ポタッ……静寂

音を追っていると、あまりに心地よくなって、寝入って水槽で溺れないように、しっかり目覚めている必要がある(笑)。よかったら、試してみてください。



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