生への未練2024年02月02日 07時35分01秒

[イベント】

◎オンライン「私とは本当に何かを見る実験の会」

2024年2月18日(日曜日)午前9時から午前11時頃まで
2024年2月29日(木曜日)午後2時から午後4時頃まで



◎オンライン「非二元の探究――「主体」として生きる

2024年3月3日(日曜日)午前9時から午前11時頃まで


[お知らせ]

遅くなりましたが、今年のブログを開始します。お時間があるときに、気楽にお付き合いください。


元旦の午後、母の家で家族全員でくつろいでいたとき、全員のスマホからいっせいに大音響の地震アラートが鳴り響き、その1、2秒後、ものすごい大揺れが家を襲った。すぐに家中の暖房を消したあと、そのあとどうすればいいか、パニックで行動が思い浮かばす、全員で固まっていたら、ほどなく揺れが止まり、テレビをつけると、テレビからは、「津波です。すぐ逃げてください」とアナウンサーの絶叫の声が聞こえてきた。震源地から遠く離れていて、海からも離れているので、津波の心配はなく、家も比較的新しいので、倒壊はないだろうと思ってはいたものの、それでも震度6弱の強烈な揺れは一瞬、家の倒壊の恐怖を呼び起こした。

「大地震が来る」と専門家はいつも警告し、日本ではどこでも地震は起こる可能性はあるので、地震が起こっても驚くことではないはずなのに、それでも個々の人間にとっては、地震はいつも突然来るものだ。大地震のときに湧く一瞬の恐怖心は、(私の場合)人生で経験する最大の恐怖心の一つで、ハートに突き刺さるようなイヤな感じである。地震の揺れが収まっても、そのイヤな感じがしばらく続くのもイヤなことである。そして、自分のところは被害がなくてホットしたあと、被災地の惨状を見ると、さらに胸が痛む。

その元旦の夜にそのイヤな感じについて考えてみた――考えても仕方のないことだけど、愚考が湧くのを止めることもできず、しばらくマインドのおしゃべりに付き合っていた。

たぶんそれは、諸々の恐怖心なのだろう。肉体が傷つくことへの恐怖、生が突然に終わることへの恐怖など、肉体の生への未練なのだろうと思い至った。自分の本質は不死であることは確信しているし、肉体年齢が70歳を超え、生きることに特別に強い未練があるわけでもないと思いながら、しかし実際は、まだ頑張って生きている(笑)母を残して死ぬわけにもいかないとか、やりかけの仕事があるとか、色々なことが片付いていないとか、人間としては未練が残っているような感じである。では、時計の針を進めて、今から10年後に突然に肉体の死を迎えそうになるときだって、もしそのとき、体が元気なら、何かをやっているはずで、やはり未練が残るにちがいない。

生への未練について考えていたら、日本の偉大な禅僧、一休(室町時代の禅師)が臨終のときに言ったとされる言葉、「死にたくない」を思い出した。それから、ダグラス・ハーディングの晩年のワークショップ(彼が車椅子生活になってからのワークショップ)のあとで、みんなでお茶を飲んでいるとき、ダグラスがぼそっと、「死ぬのはイヤなことだ」みたいなことを言って、その場にいた人たちが「ええ?!」と驚いたことがあった。彼ほどの人が口にする言葉とも思えなかったからだ。その中の誰かが彼の言葉の真意を尋ねたが、彼がどう答えたかは残念ながら記憶にない。

こんなふうに、地震のあと、ひとしきり生への未練について考えをめぐらし、最後に、ラメッシ・バルセカールの言葉、「人はどんなふうにいつ死ぬか、初めから決まっている」、つまり、「人の寿命や死に方は人知でコントロールできない」ということを改めて思い出して、なぜかほっとした。

そう、寿命は決まっているのだ。未練があろうがなかろうが、死に際にどんな思考が湧こうが、人の死によって、まわりがどれほど悲しもうが、(残務の後始末をさせられて)迷惑しようが、地震だろうが、何だろうが、病気になろうが、寿命なら死ぬ。そうでなければ、生きる。

私にとっての地震対策は、この単純な事実を受け入れて、一方で矛盾するようだが、日々、中心にいる(本質を見る)練習をすることだ。ダグラス・ハーディングがワークショップで日本に滞在していたとき、たまたま地震があり、そのとき彼は、「地震のときは、自分の中心にいなさい」とそうアドバイスしてくれた。今だに地震の大揺れのときに、情けなくも、中心にいることができない感じになるが、それでも日々練習する――寿命の終わりまで、日々平和に生きることができるように、そして、最後の瞬間に平和に死ぬためにも。


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*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



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