異星人、たぶん存在するかも……(1) ― 2024年12月20日 06時31分34秒
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*「Master Key toSelf Realization 」の発行は来年となります。諸般の事情で遅れてしまい、お待ちいてだいたいる皆様には、お詫び申し上げます。
たまにSF小説を読んでみたくなる(読書ジャンルとしては、あまり得意ではないけど)。それでこの間、ネットで最近どんなものが出ているのか調べていたら、中国人の作家が書いた『三体』という作品名(劉慈欣著 早川書房)をたまたま目にして、図書館から借りて読んでみた。
ネットの情報によれば、『三体』はヒューゴー賞という権威あるSFの賞をアジア人で初めて受賞した作品だそうで、日本では、2019年に第一部が出版されている。
ネタばれになるのを承知で、超簡単に第一部のストーリーを紹介すると:
話は中国の文化大革命の時代から始まり、中国の科学者、知識人が置かれた過酷の状況が描写されている。そんな過酷な状況を生き抜いた一人の科学者が、地球文明に絶望して、秘かに地球よりも高度の文明に向かってメッセージを送る。そのメッセージの最後のほうは、こんな文章で締めくくられている。
「われわれは理想の社会を建設し、それぞれの人類のメンバーの労働と価値がすべてじゅうぶんに尊重され、すべての人の物質面と精神面の需要がじゅうぶんに満たせるような、さらに安全で美しい地球文明を目指して努力しております。
われわれは美しい理想を抱き、宇宙の他の文明社会との関係を確立することを願っており、またあなたがたとともに、広大な宇宙において、さらにすばらしい生を築いていくことを願っています」
われわれは美しい理想を抱き、宇宙の他の文明社会との関係を確立することを願っており、またあなたがたとともに、広大な宇宙において、さらにすばらしい生を築いていくことを願っています」
礼儀正しく、ていねいな言葉で綴られてはいるが、メッセージの意図とは、「地球は今まで格差、暴力、貧困、戦争などの問題を解決しようと長い間、頑張ってきたけれど、自分たちの力ではもうどうしようもできない。どうか高度の文明の皆様、地球の現状を助けてください」というものだ。
そして、そのメッセージは三体文明という惑星の監視員に受信された。三体文明は地球よりもはるかに高度の科学文明をもってはいるが、生きる環境としては過酷で、彼らは宇宙の中で、自分たちが移住(侵略)できる惑星を探している。
しかも、彼らの社会は超格差社会、独裁国家(地球の北朝鮮のような感じ)で、三体文明では宇宙からのメッセージを監視する仕事、監視員は、社会の最下層の仕事、まったく報われない仕事だ。
地球からのメッセージを受信したその監視人は、三体文明での自分の境遇に嫌気がさし、何の希望もない日々を送っていたところに、未知なる惑星地球から情報が来て、自分たち三体文明に比べて、あまりに美しく楽園のような環境にびっくりし、そこを自分の理想郷と思い描く。
そして、もし自分がこのメッセージを上層部に知らせたら、彼らはすぐにでも地球への侵略に着手し、あの美しい文明が破壊されてしまうことを心配し、自分の独断で地球へ警告のメッセージを送り返す。
その内容は:
「応答するな! 応答するな! (中略)もし応答したら、送信源の座標はただしに特定され、あなたがたの惑星は侵略される。あなたがたの世界は制服される! 応答するな! 応答するな!!!」
ところが、彼の反三体文明的行為は、すぐに上層部に知られることとなり、彼は元首に呼びつけられるが、元首に向かって言い放つ。「社会の最下層にいる何の希望もない自分が、あのように美しい楽園のような文明を知り、彼らを救うことができたら、自分の人生は無駄ではなかった」と。
それを聞いた元首は激怒し(元首は言葉は穏やかではあるが)、彼に最大の罰を与えることを決める。三体文明では、基本、有罪(地球の死刑にあたる)か無罪しかなく、彼は無罪を宣告されたうえ、心理的な罰を与えられた。
その罰とは:
「地球を救うことなどできないと、おまえが確実に知るようにしてやりたい。地球がすべての希望を失うその日まで、おまえを生かしておいてやりたい」
彼を有罪にしない代わりに、三体文明の元首は今回の彼の行為に責任のあった6千人を全員有罪にして、広場で焼き殺すことを決定(←まさに北朝鮮的で笑える)
と、第一部はだいたいこんな感じです。
すでに地球上には、たくさんの三体文明信奉者(三体文明が地球を救ってくれると信じる人たち)がいて、また三体文明は地球のあらゆるコンピュータ・システムにすでにスパイを忍ばせ、地球の情報収集をしている。第二部では、その三体文明信奉者と地球を防衛しようとする人たちとAIスパイが入り乱れて、400年後に迫る(三体文明の技術力でも、艦隊が地球に到着するのに、約400年かかる)地球侵略の話になるらしい(これから読むところです)
私は若い頃から、異星人や異星文明は存在するだろうとは思ってきた。宇宙にはこれだけたくさんの惑星、星、銀河があるのだから、地球だけに知的生命体がいると想定するほうが無理、という理由からだ。
20代の頃、スピリチュアルな本をたくさん読み始めた頃、異星人の話でよく読んだのが、ジョージ・アダムスキーの著作で、『生命の科学』、『テレパシー』(文久書林発行)の2冊の本は今でももっている。今読んでみても、内容は素晴らしい。
しかし、アダムスキーの本は熱心に読んだものの、かといって、私が異星人とか地球外文明に特に関心をもったわけでもなかった。私は本の情報のソース(源泉)が人だろうが異星人だろうが、その他だろうが、自分にフィットすると思うものは熱心に読むし、そうでなければ読まないというだけのことなのだ。あくまでも、私の関心は本にある。
それから、1980年代の後半、バシャール(確か、惑星の名前は「エササニ」だったか)が登場し、スピリチュアル系の人たちはそのチャネリングのメッセージに熱狂し、「ワクワク」という流行語を生み出した。バシャールにはまっている人たちが、あんまり何にでもいつでも、「ワクワク」という言葉を使うのにうんざりはしたが、まあバシャールのメッセージは楽しかった。
それからの長い年月、「異星人」とか「地球外文明」にほとんど関心が向かなかったのが、つい数ヶ月前、数年前に読者の方から紹介してもらった本と、その中の異星人が地球に向けたメッセージの文章を突然思い出した。本のタイトルは、『私は円盤に乗った』(ダニエル・フライ著 ユニバース出版社発行)という本で、著者がコンタクトした異星人アランのメッセージは下記のようなものである。
「地球人は、どんな直接的な試みによっても平和は決して達成されはしないという単純な事実をまだ理解できていないようです。平和は単に、人と人、人種と人種、国と国、それにすべての人々の間の完全な理解と、神として知られている、あまねく広がる力と英知の副産物として自動的に得られるものです。そのような理解が存在しているときには、平和を探すとか平和のために働く必要はありません。平和は自動的に存在します。しかし、これが理解されるまでは、どんな努力も成功はなし得ません」
「まず理解がなければならない…あなた達が使用している理解という言葉は知識、知恵、愛、慈悲としばしば混同されています。これらのすべては望ましい性質ですが、どれも、理解に代わることはできません。あなた方のバイブルでは神と自分の隣人とを愛せよと忠告され命令されています。それがなされたとしたら、それは素晴らしい忠告でしたが、不幸なことに愛は意志に従わない衝動です。忠告され、命令されたという理由ではだれも他人を実際に愛することはできませんし、何か報酬を貰って愛するとしても、あなたは見せかけの愛を作り出し、外見上は完全になし得るかもしれませんが、相手はあなたの偽善の生きたシンボルにすぎません。あなたの心の中には愛などないでしょう。どんな愛や慈悲や知恵がある前にまず、理解がなければなりません」
「地球の人々の文明と社会に最も必要なものは簡単で、人と人の間、国と国の間、すべての人々と自然を制御している偉大なる力と英知の間の基本的な理解です。理解が、あなた方人類が生き残るための鍵です。もし人々の間に理解がなかったら、政府間の協定、協約や保証など全く価値はありません」
「まず理解がなければならない…あなた達が使用している理解という言葉は知識、知恵、愛、慈悲としばしば混同されています。これらのすべては望ましい性質ですが、どれも、理解に代わることはできません。あなた方のバイブルでは神と自分の隣人とを愛せよと忠告され命令されています。それがなされたとしたら、それは素晴らしい忠告でしたが、不幸なことに愛は意志に従わない衝動です。忠告され、命令されたという理由ではだれも他人を実際に愛することはできませんし、何か報酬を貰って愛するとしても、あなたは見せかけの愛を作り出し、外見上は完全になし得るかもしれませんが、相手はあなたの偽善の生きたシンボルにすぎません。あなたの心の中には愛などないでしょう。どんな愛や慈悲や知恵がある前にまず、理解がなければなりません」
「地球の人々の文明と社会に最も必要なものは簡単で、人と人の間、国と国の間、すべての人々と自然を制御している偉大なる力と英知の間の基本的な理解です。理解が、あなた方人類が生き残るための鍵です。もし人々の間に理解がなかったら、政府間の協定、協約や保証など全く価値はありません」
異星人アランの言うことはまったくそのとおりだ。それで私は関心をもち、『私は円盤に乗った』を全部読んでみようと思い、無料英語版PDF(原書タイトル the White Sands Incident)を見つけ、読んでみた。
話は、1950年代のアメリカで起きた話で、ダニエル・フライは円盤に乗せられて、ニューメキシコ州のホワイトサンズから東海岸のニューヨークまでわずか30分で往復した。彼はロケット・エンジンの専門家なので、その道中、円盤の原理や構造などテクニカルの質問をアランにする。その質疑は、素人には理解が難しいが、アランが「すべての原理はシンプルである」と答えるところが印象的だ。
先程の引用以外で、アランがダニエル・フライを通じて、地球人へのメッセージとして言ったことはだいたい次のようなことである(ざっと読んだだけなので、あまり正確ではないかもしれないが)
*科学には3種類あり、一番重要なのが、神(創造主)と人との関係を理解する「スピリチュアルな科学」、それから社会の中での人同士の関係を理解する「社会科学」、そして、「物質科学」がある。
*物質科学は、スピリチュアルな科学と社会科学を土台にして築かないかぎり、最後には衰退し、また原始的レベルに戻ってしまう。
*地球は大昔、今よりもはるかに科学文明が進んでいた時代があった。しかし、スピリチュアルな科学、社会科学の土台がなかったがゆえに、二つの勢力が相争い、大戦争(核戦争?)となり、地球全体が汚染されて、ほとんど住めない状態になった。そして、地球の物質科学も原始的レベルに戻ってしまった。
*そのとき、一部の者たちは宇宙船で地球を脱出し、他の惑星へ移住し、私(アラン)はそのとき地球から逃れた人類の末裔である。地球の中で、唯一汚染されなかった地域がチベットで、一部の地球人はそこに住みついた。
*私たちは地球がよい方向へ進化するように見守ってはいるが、しかしすべては地球人の意志にかかっている。
*今現時点では、私たちが公けに姿を現すと、一部の地球人たちは私たちを神とあがめてしまうか、あるいは敵として攻撃するかもしれないので、そういうことはしない。
*物質科学は、スピリチュアルな科学と社会科学を土台にして築かないかぎり、最後には衰退し、また原始的レベルに戻ってしまう。
*地球は大昔、今よりもはるかに科学文明が進んでいた時代があった。しかし、スピリチュアルな科学、社会科学の土台がなかったがゆえに、二つの勢力が相争い、大戦争(核戦争?)となり、地球全体が汚染されて、ほとんど住めない状態になった。そして、地球の物質科学も原始的レベルに戻ってしまった。
*そのとき、一部の者たちは宇宙船で地球を脱出し、他の惑星へ移住し、私(アラン)はそのとき地球から逃れた人類の末裔である。地球の中で、唯一汚染されなかった地域がチベットで、一部の地球人はそこに住みついた。
*私たちは地球がよい方向へ進化するように見守ってはいるが、しかしすべては地球人の意志にかかっている。
*今現時点では、私たちが公けに姿を現すと、一部の地球人たちは私たちを神とあがめてしまうか、あるいは敵として攻撃するかもしれないので、そういうことはしない。
彼の言っていることはごくまともだし、三つの科学の話はそのとおりだと思う。彼が言っている「スピリチュアルな科学」とは、古くはイエス・キリスト、仏陀から現代までの非二元の教えを指し、本当は宗教と言うより、「科学」として扱われるべきだ。しかし、「スピリチュアルな科学」は21世紀の地球でいまだ全然広まっていないし、地球の現在の権力者たちは核兵器大好き人間が多いようなので、一つ間違えば、(大昔のように?)核戦争で現在の地球文明が滅ぶ可能性もゼロではない。
最初に紹介したSF『三体』に話を戻せば、だから、地球の知性ある科学者が地球の現状に絶望して、宇宙にメッセージを送りたくなる気持ちもよく理解できる。ただ、そのメッセージを受信した文明が、地球を愛する文明というスピリチュアル的展開ではなく、地球を敵対視する北朝鮮的文明という想定がいかにもSF的だ(←スピリチュアル的展開だと、物語としては面白くはないだろうから)。
そんなこんな、しばらくの間、異星人、地球外文明の話にはまって(笑)、他にもいくつか読んでみた。USアマゾンを検索したら、「異星人とのコンタクト」というジャンルの本は今ではものすごく多く出版されていることに驚いた。(長くなってしまったので、次回に続きます)
[昨年出版された本]
[その他の本]
*『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)
目次の詳細は下記へ。
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*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)
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