心身温かくして、年末年始をお過ごしください2020年12月01日 07時50分08秒



Stay home(家にいなさい)から、いきなり今度は、Go to(外に出かけなさい)って、日本だけではないが、何をやっても、ちぐはぐな国の政策……だけど、100年に一回のパンデミックに賢く対処できる政治家や官僚がいたら、それこそ「奇跡」だろうから、仕方がないとあきらめている(今後パンデミックは、50年に一回とか、20年に一回とか、起こる頻度が上がるかもしれないが)。

世界は本当に大変な時期を通過している。それでも私は、コロナの収束などを「祈らない(願わない)」ほうがいいと思っている。その理由とは?……それは、来年出版予定のジョエル・ゴールドスミスの本(ご質問の方へーー発売時期は現在まだ未定ですを買って読んでください(笑)。彼がキリスト(キリスト教の、ではない)の本当の祈りとは何かを詳しく説明している。

さて、最近時々気分が重い日が続き(たぶん、世の中の空気に多少は感染しているのかも)、久しぶりに音楽に耽溺している。タブレットに好きな歌(ほとんどが20代、30代の時に聞いた歌)を全部詰め込んで、それを聞いて感傷に浸ったり、一緒に歌ったりしている。音楽は、感情のヒーリングにはよく効くものだ。

それでは皆様、心身温かくして、年末年始をお過ごしください。来年は、たぶん、2月頃からブログを再開する予定です。ジョエル・ゴールドスミスのthe art of spiritual healing の続きは、本の発売が決まりましたら、また書きます。

今はこんなに悲しくて、♪♪♪
涙も枯れ果てて、♪♪♪
もう二度と笑顔にはなれそうにないけど♪♪♪

そんな時代もあったねと、いつか話せる日が来るわ♪♪♪
そんな時代もあったねと、きっと笑って話せるわ♪♪♪
だから、今日はクヨクヨしないで、今日の風に吹かれましょう。♪♪♪
「時代」(中島みゆき)


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トランプさんに見る「アメリカ社会の成功ルール」2020年11月08日 09時36分43秒

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この4年間、時々ネットに出ているトランプさんの言動を眺めて、彼はまさに「アメリカ社会における成功ルール」の王道の極端な、そして露骨なタイプなのだと、いつもある種、感心していた。

「アメリカ社会における成功ルール」に初めて気づいたのは、20代の1年ほどアメリカに滞在していたときのことだ。

日本では、沈黙は美徳であり、自分の意見をはっきり言う人間はたいてい嫌われる。しかし、アメリカでは、沈黙していたり、自分の意見をはっきりと言わないと、欲しいものは手に入らず、お金を払って頼んだことさえ、あとまわしにされたり、放っておかれるということを時々経験したものだ。自分の意見をはっきりと主張できない人は、「そこに存在しない」か無価値と、見なされる感じだ。

声高に自分の意見と正しさを主張する――自分の意見や考えが間違っているか、正しいかが重要ではなく、自分の意見や考えを相手に受け入れさせる(時には無理やりでも、違法な方法を使っても)、話術というか押しの強さ、それが「アメリカ社会における成功のもっとも重要なルールの一つ」(他には、お金、家柄とか人脈も重要)だと知った。

声高に自分の意見と正しさを主張する人たちは「強い人」だと思われ、「人気」(人の気)とお金と人脈を集めることができ、それが彼らをますます社会の階級の上へと押し上げる力となる。トランプさんはそうやって社会の階級を駆け上り、大統領にまでなったのだ。

私の印象では、トランプさんは(非白人、マイノリティ、女性などへの)純粋な思想的差別主義者ではなく、純粋な思想的アメリカ第一主義でもなく、彼は単純に「自分第一主義」の人だ。つまり、自分が人生で勝ち続けるために、自分の勝利へ貢献する人たち、自分の言うことを聞く人たち、自分に資金を提供する人たちなら、どんな人種の人とも国とも、どんな主義主張の人とでも手を組むだろうということである。彼の根はずる賢いビジネスマンなのである。自分に対する何千もの訴訟があるにもかかわらず、お金と人脈、ずる賢さで、いまだ刑務所を免れている(笑)とは、ものすごいビジネス能力である。

彼が差別的発言を繰り返し、外国に強硬な言動をするのは、そうすれば、(非白人、マイノリティ、女性などへの)純粋な思想的差別主義者たちや思想的アメリカ第一主義者たちの広告棟として君臨でき、彼らから多大な資金提供を受けることができるからだ。またアメリカ人の感情的大衆(理性よりも感情で動く人たちが)が感情的に喜び、彼にたくさんの「人の気」をプレゼントしてくれるからだ。彼は昔はテレビに出るタレントでもあったので、「人の気」がどれほど「おいしい」ものか、よく熟知している。

負けを認めるのが大嫌いなトランプさんは選挙集計の不正を訴えているが――仮に集計の不正があったとしても、今までトランプさんがやってきたことのカルマ、というところだろう。最後の最後まで、思い切り社会を引っかきまわして、「人の気」を集めるだけ集める――どこまでもしたたかなトランプちゃん、である。

トランプさんが大統領であったこの4年間、アメリカ社会の分断、二極化がますます明らかになっていった。それは彼が分断させたわけでなく、彼の「おかげで」、人々の目にはっきりとアメリカ社会にずっと蓄積してきた分断が、明らかになったというだけであろう。アメリカは「内戦」中、というのがかなり前からの私の認識である。

それは何の分断なのだろうか? それは民主党対共和党でもなければ、保守対革新でもなければ、白人対非白人でもなく、一言で言えば、アメリカ社会における成功のルールとツール(お金、家柄、人脈、強い性格、ずる賢さなど)をもっている者たちと、そういったものをもっていない者たちとの分断なのだと思う。

最近時々読んでいる現代のアメリカ社会を背景にしたミステリーに、あらゆる権力業界(大金持ち、警察、司法、政界、宗教組織など)の中にいるトランプさん的権力者たちが自分たちの私利私欲のために、自分たちの罪を隠蔽し、取引をし、いかなる手段を使っても、「自分の欲しいものを手に入れよう」とする姿がよく描かれている――「もっている」者たちが、「もっていない」者たちを利用したあげく、罪に陥れるゲーム。娯楽本だから、描写は多少の誇張もあると思うけれど、アメリカ社会ではミニ・トランプさん的人たちが、あらゆるところで暗躍していることがよくわかる。

さて、次回から紹介する来年出版予定の本の二人の賢者――ジョエル・ゴールドスミス(Joel S.Goldsimth1892-1964)とロバート・アダムス(Robert Adams1928-1997)――は、たまたま二人ともアメリカ人であるが、彼らの人格と教えは、「声高に自分の意見と正しさを主張する」アメリカ文化とはまったく無縁である。今まで紹介したスピリチュアルな賢者同様に、彼らのメッセージもまた、いつの時代にもある、愚かしくも、そして(トランプさんのような人たちには)楽しい分断のゲームからいかに抜け出て、「神の王国」に入るか=神(私の本質)こそ、すべての成功のルールとツールという真理に目覚めるか、ということである。


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ため息セラピー2020年05月31日 10時22分43秒

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5月の初め頃だったか、民放のバラエティー番組(「世界で一番受けたい授業」?)で作家の五木寛之さんのインタビューを見た。その日の朝、新聞のテレビ欄で、「五木寛之」という名前を見つけ、「わお!五木さん、バラエティ番組に出るんだ」となつかしくなったからだ。

なぜなつかしいかと言うと、高校生の頃の私にとって、五木寛之さんはアイドルで、退屈な学校生活と勉強の合間の唯一の息抜きが彼の本を読むことだったからだ。当時彼は30代後半(私の肉体年齢よりも約二十歳くらい年上)で、ハンサムで陰のあるクールな風貌と彼の文章が高校生の私を惹きつけてやまなかった。私は彼の本によって、「デラシネ」(根無し草)という言葉を覚え、根が地下100メートルも生えているような家庭(笑)に生まれ育った私は、「デラシネ」という言葉に象徴される自由な生活にとてもあこがれたものだ。今から約半世紀前の話である。

大学へ行ってからは、彼の本への熱狂も冷め、それからの長年ほとんど忘れていたが、彼が「大河の一滴」(幻冬舎)を書いたあとから、また少し読み始め、彼が仏教や正当医学によらない健康法(野口整体など)に傾倒していることを知った。一番最近読んだ本は、「親鸞」(講談社)である――「大河の一滴」は彼の自伝的エッセイで、その中で、彼が家族とともに終戦のときに、朝鮮半島から日本へ戻って来たときに見た地獄の風景が綴られている)

そのテレビ番組は彼のインタビューと彼の著書、「大河の一滴」からの引用で構成されていた。冒頭、彼は「自分は性格が暗いので、テンションが高いバラエティ番組には向かないので、今までは、出演の依頼をお断りしてきた」と話し始め、今回はコロナ感染拡大で、苦境にある人たちへ自分なりのメッセージを伝えたいという感じでインタビューは進行していった。

今回の番組の中でいくつか記憶に残っている話は、極限的状況(強制収容所や自然環境が過酷な場所)のときに、どんなことが、人が生き延びるのに役立つかという話で、一つは「ユーモア」、それから、「洗顔や歯磨きや挨拶をきちんとする規則正しい生活」(笑)が重要という話だった。基本的に彼の話は仏教的で、「人生は苦であり」、それをため息をつきながら、受容するというよう
な主旨だ。

それから、本やインタビューの中で五木さんの言葉に強く感じることは、「人が生き延びるということは、他者の犠牲を伴う」という人生観である。これはどういうことかといえば、色々例を挙げてみれば:

*人類という種が生きるために、他の生き物の命をもらっている。
*日本などの先進国の国民が安あがりで快適な生活をするために、より貧しい国の貧しい人々が犠牲になっている。
*強くたくましい人たちは、弱くて心優しい人たちを踏み台にして生きていく。
*一人の成功者の陰に、成功できない大勢の人たちがいる。

というようなことである。

こういった現実は誰もどうすることもできない。だから、自分がどちらの側(強い側、成功した側、あるいは弱い側、失敗した側にいても)、それを眺めることは「悲」であり、その「悲」は仏教の「慈悲」にも通じるものだ。「大河の一滴」以後の五木さんの文章には、特にその「悲」と深いため息を感じる。

彼がどれだけ作家として成功しても(彼は作家としては戦後の日本で、本が売れたという意味で、最も成功した一人であろう)、その成功にそれほどの幸福を感じていないように見えるのは、彼が生きてきた人生の中で、「強くたくましい人たちが、弱くて心優しい人たちを踏み台にして生きていく」風景を見てきたからであり、そして彼は自分もその「強くたくましい側の人間」であることを自覚しているからだと思う。

五木さんが、「大河の一滴」で、そしてバラエティ番組にまで出演して、自分の辛い過去を赤裸々に語るのは、人がどれほど成功していても(あるいは、幸せそうに見えても)、あらゆる人には他の人には理解できないその人特有の苦や不幸というものがあり、「苦しんでいるのはあなただけでありませんよ。みんなが苦を背負って生きていて、それが人生なんですよ」ということを、今、不幸や苦痛の中にいる大勢の人たちに伝えたいからだ、と私は感じている。

しかし、どれだけ自分の苦を言葉で語っても、あるいは共感してくれる人が周囲にいたとしても、本当のところ誰も自分の苦を言葉では語り尽くせるものではない。だから、辛いときは、「仕方ない」(私が好きな日本語の一つです)と、ため息をつきながら生きるしかないのである。そして、ため息をつくことで、苦をちょっとだけ吐き出して、活力を得て、日々少しの喜びを感じて生きる――それがほとんどの人の日常であろう――賢者ニサルガダッタ・マハラジでさえ、自分の教えが理解されない「苦」で、ため息の日々であったことが、「ニサルガダッタ・マハラジが指し示したもの」の本からうかがえる。

番組の最後のほうで、五木さんがよく引用する20世紀前半に活躍したロシアの文豪、ゴーリキーの言葉が紹介されていた。

「人生ってのは本当にひどいもんだ。でも だからといって自分でそれを投げ捨てるほどひどくはない」(という言葉を残したゴーリキーであるが、ウキペディアの情報によれば、政治的からみで暗殺(!)によって死んだらしい)

そんなこんな、半世紀前のアイドルをまじまじ見て、たぶん独自の健康法の効果のせいか、90歳近い年齢(1932年生まれ)で五木さんはとてもお元気そうで、うれしかった。お互いに半世紀、生き延びましたねって、感じで。

さて、最近、姉妹の一人が中国語の勉強を始めて、その音調の一つが日本語のため息、「あぁーあー」に似ているんだそうで、4月5月は何かにつけて、中国語音調風ため息をつきながら、バカバカしいことを言って笑うことが多かった。

あぁーあー、毎日毎日コロナの話ばっかり!
あぁーあー、今日もまたアベチャンのあのだらだら会見!(私たち姉妹は「安倍首相」のことを親しみをこめて、「アベチャン」と呼ぶ)
あぁーあー、アベノマスクなんて、税金の無駄遣いの極み!(まだ届いていないけど)
あぁーあー、今日も生きているか(生かされているか)!
あぁーあー、今日のランチ、何食べる?

もしアベチャンをおちょくる程度では、笑えない方には、井上陽水さんの「からたちの花」風ため息はどうだろうか?

あぁーあー あんたとあたい、頭も悪いし、からだも弱いし、顔も悪いし、運も悪いし、仲も悪い……(人生の)血がにじむ ♪♪


「からたちの花」歌動画
https://www.uta-net.com/movie/41109/

皆さんも、辛いときには、ため息セラピー試してみてください。


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コロナ・ウイルスよりも怖いもの2020年03月15日 11時03分21秒

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先日、トイレット・ぺーパーの在庫がなくなりかけていたので、(トイレット・ぺーパー不足のニュースを知らずに)いつもの薬局へ、いつものブランドのトイレット・ペーパーを買いに行ったら、まだ開店直後だというのに完売していて、一個もない。「ああ、今日は特売で、すごく安かったのかも」と呑気に考えて、値段を見ても、いつもの値段がついている。仕方なく、いつもは買わない高級ブランドのトイレット・ぺーパーが幸いにも2,3個残っていたので、その一つを掴んでレジに向かうと、長蛇の列である。「ああ、何かあったのだ」とやっと気づき、前に並んでいる人に尋ねた。するとその人が、「トイレット・ぺーパーが不足するっていうニュースがネットに出たんですよ。たぶん、デマなんでしょうけど」と教えてくれた。

最近、ネットでもパンデミック(pandemic)というカタカナ語をかなり見かけるようになっているが、この言葉の辞書的意味は、「病気の世界的流行」という意味であり、こういうデマの拡散は「心理的パンデミック」と呼ばれる。

トイレット・ぺーパーが不足すると聞けば、トイレット・ぺーパーは必需品なので、誰でも一瞬は「大変!」と思うはずであり、その反応は止められないものである。しかし、その一瞬の反応のあと、どう行動するかは、人によって様々で、すぐに理性を取り戻す人と、極度の恐怖パンデミックに陥る人、あるいは買い占めて、金儲けをしようとする人など、それぞれである。

マスクが買えないお客から怒られて疲弊している薬局の店員さんの「コロナ・ウイルスよりも人間のほうが怖い」という主旨の投稿がネットに出ていたけれど、マスクが買えないことで、薬局の店員さんに文句を言ったり、怒鳴りつけたりする人たちは、明らかに理性がぶっとんだ恐怖心に乗っ取られている。

なぜなら、冷静に考えれば、店員さんたちは、マスクがないから、「マスクはありません」、いつ入荷するか知らないから、「いつ入荷するかわかりません」と正直に答えているだけで、別に意地悪で、「マスクがない」とか、「いつ入荷するかわからない」と言っているわけではないことが、わかるはずだからである。

そんなことも判断できずに、自分の恐怖心を怒りに変えて、罪のない人にぶつける人たちが、もし大勢出現したら、それこそ怖いことだ。

まさか、マスクやトイレット・ペーパーくらいで、人殺しはないとは思うけど、歴史をひもとけば、集団恐怖パンデミックは、イエス・キリストの虐殺(最近、次の本のために、聖書を読むことが多い)から、ヨーロッパ中世の魔女狩り、ヒットラーのユダヤ人虐殺、そして日本でもかつてデマによって朝鮮人の人たちを虐殺した話など、山ほどある。みな普段は普通の善人たちが、恐怖パンデミックに感染したとたん、理性を失って、人殺しに加担してしまうのである。

私たちは、「恐怖」というものを甘く見るべきではないと思うし、「私は、一個の肉体ではないから、大丈夫」(笑)などという非二元系スピリチュアル的な信念で、自分の恐怖を覆い隠しても役にも立たない。

こんなふうに全国に広がっている感染系の病気の場合、確率的に言えば、100%絶対にかからない人もいなければ、100%絶対にかかる人もいない。ただ私たちにできることは、できるかぎり、かかる確率を下げるだろうと思うことを日々実行することくらいである。

具体的には、常識的に言えば、うがい、手洗い、充分な栄養と充分な睡眠、そして、ストレスを蓄積しないこと、そして、多少スピリチュアル的な話にはなるが、過剰な心配と恐怖心をもたないことなど(過剰な心配と恐怖心は免疫機能に悪影響を与えると、私は感じている)。

要するに、普通程度の予防をして、あとは、「もし普通に予防をしても、万一それでもコロナ・ウイルスに感染したら、それはそれで仕方ない」と、いさぎよく諦める(笑)。そのときこそ、非二元系の教えを学んでいる人は(他人には言わないとしても、自分の心の中で)、「神の意志」をもち出してもよいと思う。

今回のコロナ騒ぎで改めて実感したことは、人類の経済=人間の活動であるということで、人間の活動・移動が制限されたとたん、経済はあっという間に収縮したということだ。しかし、その「おかげ」で、今年の1-2月の地球上の二酸化炭素排出量が激減して、地球温暖化防止のためには「よかった」ようである。

人類にとっての「悪」は、地球環境全体にとっては「善」――心痛む事実ではあるが、地球という一つの巨大生命体にとっては、人類は負担になりつつあるのかも……一部の学者たちの考えによれば、地球上の人類はもはやかなり定員オーバーで、地球が養える適正な人類の数は、35億人、今の約半分くらいなのだそうだ。


[今後のイベント予定]
2020年5月17日(日曜日)(岐阜県岐阜市)
「ニサルガダッタ・マハラジの教え」



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今さらですが、手塚治虫2019年05月05日 10時27分21秒

ここ二か月ほど、手塚治虫の漫画を読みふけっている。

なぜ今になって、手塚治虫(1928年-1989年)かというと…

たまたま2月に読んだあるインタビュー記事の中に、手塚治虫の漫画に言及があり、ちょっと興味を惹かれたからだ。幸い、図書館に手塚治虫全集が入っている。

実は、子供の頃読んだ「リボンの騎士」、テレビで見た「鉄腕アトム」、大人になって読んだ「ブラックジャック」以外、ほとんど手塚治虫の作品を読んだことがなかった。「ブッダ」、「火の鳥」など手塚治虫の主要作品を読みたいと思いながら、私はお金を出して買ってまで読むほどの漫画の愛好家ではない。

それでこの機会に、主要作品をかたっぱしから読み漁り、「陽だまりの樹」、「ブッダ」、「火の鳥」、その他全部で40冊くらいを読んだ。こんなに漫画を集中して読んだのは、たぶん子供の時以来である。マインドの集中力がいらないので、気軽に読めるのが漫画のいいところである。

改めて驚いたことは、手塚治虫って、こんなに多作で、幅広いジャンルを描いているんだ、ということだ。SF、歴史、子供向け、恋愛、その他。しかも早死である。短い期間に膨大な作品。たぶん、仕事中毒の人だったのだろう。

それからもう一つ驚いたことは、彼は今日のAI(人工知能)時代、そしてこれからやって来るかもしれないAIによる人類支配の時代をはるか昔に予見していたことだ。

彼の作品の中に、人間のように話し、考え、行動し、しかも人間を超える能力をもつ存在――いわゆる人造人間――を創造したいという科学者たちがよく登場する。そして、そういった科学者たちが創造したものが、逆に人類を混乱させる、あるいはどちらがどちらを支配するかをめぐって、人類と対立するというテーマがある。

1949年の作品、「メトロポリス」の最後は、次の文章で締めくくられている。

科学の最高芸術である生命の創造はただむだに人間社会を騒がせただけであった。おそらくいつか人間も発達しすぎた科学のためにかえって、自分を滅ぼしてしまうのではないだろうか?

もう一つ彼の作品に色濃く流れるものは、仏教的因果応報、輪廻転生の思想である。彼は「ブッダ」を描くくらいだから、仏教思想をよく知っていたと思われるが、でも同時に、宗教が結局のところ政治の権力闘争の道具に使われるあやうさもよく描いている。

「火の鳥」の中で印象的だったのは、奈良時代を描いた「鳳凰編」:

(あの有名な奈良の)大仏建造のための資金集めに奔走したあげく、結局仏教が政治の道具として使われたことを嘆いて自ら死ぬ僧がこうつぶやく。「宗教など、くだらない。私はただ政治に使われた道具だったのだ」

それから、今から数千年(?)先未来のシャドー(影)対光一族の教団対決、そして奈良時代の狗族対仏教の対立を描いた「太陽編」:

それまで虐げられていたシャド―が権力を握ったとき、その指導者はこう言い放つのだ。
我々は新しい宗教を作り、全人類をわれわれに従わせる。信じないものはかたっぱしから処罰

このくだりを読んで、「数千年先の未来は、全世界が北朝鮮か!」と、私はツッコミを入れたが、たぶん、そうなるのかもしれない(他の作家のSF小説でも、巨大宗教教団とAI一族が入り乱れて、権力闘争を繰り広げる世界が描かれているのを読んだことがある)。

「ブッダ」も大変面白く読めた。ブッダの生涯、そしてブッダが生きた時代のインドの状況も詳しく描かれ、インド史の勉強にもなってよかった。

すべての人の平等を説くブッダの教えは、その時代の宗教的権力者からは嫌われ、迫害の対象となる。手塚治虫が描くブッダは、高見から説教する人ではなく、苦しんでいる人と一緒に苦しむとても人間的なブッダの姿だ。

そして、長年、苦楽をともにした愛弟子が、昔自分の親を殺した敵への復讐心に駆り立てられて、戦争へ出かけ、結局死んでしまい、ブッダが、「自分が長年教えたことは無駄だったのか?」と号泣する場面は、私にとってはブッダ全編の中でも一番印象的な場面だ。

今も昔も、「平和と平等」は人間のマインドには本当には届かず、むしろ「復讐するは我にあり」のほうが、はるかに人間のマインドにはアピールすることが、「ブッダ」「火の鳥」の中でも繰り返し描かれている。

ブッダがもし、自分が生きた千年後(奈良時代)の日本での仏教振興を見たら、喜ぶのか、それとも悲しむのだろうか…大勢の庶民を犠牲にして建てられた大仏を見て、「こんなものは、くだらない」と言うかも、だ。たぶん、仏教や政治の権力者たちより、この時代の仏教支配に対抗して狗族のために戦った犬上宿禰とむしろ気が合ったかもと、私の中で勝手に「ブッダ」と「火の鳥」をつないだ物語を想像してみた。犬上宿禰は「火の鳥」の全登場人物の中で、私が一番気に入ったヒーローである。

あともうしばらく、手塚治虫漫画タイムが続きそうだ。


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AI(人工知能)との競争時代2019年04月20日 08時23分04秒

今から10年ほど前に読んだ新聞の記事の内容を最近ちょっと思い出した。それは、何かの学者(だったと思う)が、これからの未来の予想について書いた話で、要旨だけを言えば、「これからの社会は、ロボットを人間化し、人間をロボット化する時代になる」という内容だった。

「ロボットを人間化する」のほうは確実にそうなりつつあることが、多くの人たちに知られてきている。囲碁や将棋では、AI(人工知能)が人間の最高のプレイヤ―を打ち破った話が話題になったが、今、あらゆる分野でAI(人工知能)は人間の思考パターンを急速に学びつつあり、人間の知性を超える可能性も指摘されている。

その衝撃的意味とは、これからは多くの仕事がAI(人工知能)で間に合う、いや、AI(人工知能)にさせるほうが安上がりという時代がやって来るということだ。

たとえば、私は90年代からパソコンに翻訳ソフト(翻訳の仕事のためではなく、自分が書いた英文メールをチェックするために)を入れているが、90年代のソフトは翻訳の精度がひどくてまず使いものにならなかった。それが最近はパソコンに入っている無料の翻訳ソフトもかなりの精度になっている。もうすぐ非二元の本だってまともに翻訳できるかも(笑)、だ。

新しいパソコンは5年前に比べて、AIがはるかにお利口さんになり、いちいち先走って、勝手に設定し、しかもパソコンの親会社に情報を提供する仕様になっている。対抗しようにも、便利さには抗えない(悲)

スマートフォンに入っている無料の翻訳・通訳、音声認識ソフトでさえ、かなりの精度だ。もう海外旅行程度のために外国語を勉強する必要は全然ない。

こういった分野のAIの進化が何を物語るかと言えば、今は高級な仕事だとみなされている通訳や翻訳の仕事さえ、近い未来AIに置き換わるということである。さらに言えば、少しぐらい外国語ができても仕事上たいして有利にもならないということである。「ああ、その程度なら、AIにやらせますから」という時代がもう来ているのだ。

ということは、外国語を必要とする仕事一つとっても、AIに勝つためには、「自分は、AIにはできない何かができる」ことを証明しなければならないということである。

話を、10年前の記事に書かれていたもう一つのこと、「人間をロボット化する」に戻すと、それは、人間から思考能力を奪い、人間を機械の召使いにする、ということである。こちらのほうの進行も恐ろしいくらい進み、一部の学者たちは警告しているが、ほとんどの人は無意識である。

なぜ無意識かといえば、それは怪物GAFA(巨大IT産業の頭文字をとってこう呼ばれている)などによって提供されている無料で便利なものによって私たちは眠らされ、GAFAたちの奴隷になっていることに気づかないからだ。

たとえば、スマホでメールを打つと、ご親切にも言葉を先走って考えてくれる。スマホでメールを打つときにはとても便利な機能なのだが、実は私たちが自分で文章を作る能力を奪っている。本来は自分の力で脳から検索し、呼び出し、選択するべき作業を機械にやってもらっている。

実は一つの言葉に続ける言葉の選択は無限にあるはずなのに、私たちはもうスマホの言うとおりにメールを書く。これも「機械による奴隷化」の一つである。G社のメールではさらにご親切にも、返事のサンプル文章まで書いてあることがある。(人のメールを勝手に読むな、と思うけど、無料のサービスだから仕方がない)

これを長年続けていると、もう自分一人で文章を書くことができなくなる。昔、ワープロ、パソコンが普及してから、漢字を書く私たちの能力が激減した。そして今はAIの進化によって、自分で考え、文章を書く人の能力も激減しつつある。

最近、教育学者が、今のAIはすでに小学6年生の文章読解能力をうわまわっているという調査・研究を発表し、一部の教育界に衝撃を与えた。このままいけば、あと10年したら、大学生の文章読解能力よりもうわまわるだろう。

30年後には、ホテル、居酒屋、その他接客業で、ほとんど人間そっくりな人型ロボットが出迎える時代が来るかもしれない。

では、AIにできなくて、人間だけができることとは何なのだろうか? あるいは、AIがどうしても不得意で、人間が得意なこととは何なのだろうか?

それを一人ひとりが考えることが、怪物GAFAたちが提供する便利さを少しは享受し、かつ完全な奴隷化からは脱出する道であろう。もうキャリアがほとんど終わっているシンプル堂にはどうでもいいことだけど、これからキャリアを作っていく若い世代の人たちは真剣に考えるべきことだと思う。


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8月に想うこと2018年08月30日 15時10分29秒

 8月は季節柄、新聞やテレビでは戦争の話題が多い。この夏も、私の両親と同じ世代、あるいはそれより少し若い世代の人たちの戦争体験記を新聞でたくさん読んだ。

最近は、特に今まで語られなかった話、あるいは今までは語らなかった人たちの話が多く掲載されている--仲間を海に振り落として生き延びた男性の話や戦争孤児の体験記。その他、終戦直後、日本人の集団が生き延びるために、ロシア人に性を提供させられた女性たちの話など。

実は、私が戦争体験記をたくさん読み、母にも戦争時の話を積極的に尋ねるようになったのは、父が亡くなってからのことだ。父が生きていたときは、父のいる前では戦争体験の話は何となくタブ-というか、ある種の地雷だった。この話題を「地雷」にしてしまった遠因は私にあった。

8月のこの時期になると、今でも鮮明に思い出す心痛む思い出がある。私が大学の夏休み(だったと思う)で帰省したときのことだ。夕食のとき、何かのはずみで話題が戦争の話になり、私が「戦争はバカがするもの」と生意気に言ったとき、日本を守るために出兵し、戦ったことが自慢の父が激怒して、それから激しい口論となり、そのあと私と父はかなり長い期間口をきかなかった。もし父が乱暴な人で、私が男だったら、ひょっとしたら口ゲンカではすまなかったかもしれない激しいケンカだった。私は「あの戦争は正しい戦争だった」などという愚かな考えを自分の父親が信じていることが許せなかった。父は父で、自分の子供にプライドをずたずたに切り裂かれてしまい、しばらくかなり落ち込んでいたようだ。

それから私も少しずつ大人になって、父親との意見の違いを受け入れられるようになってからは激しい口論はしなくなったが、今度はなぜ父が「あの戦争は正しかった」という論にそこまで執着するのかを考えるようになった。父は「あの戦争は正しかった」という論を展開する本をかき集めては読んでいた。

そしてあるとき、ようやく気がついたのだ。父の心の根底にはたぶん無意識の(人を殺したか、傷つけたことに対する)罪悪感があって、それを感じないようにするためには「あの戦争は正しかった」と信じるしかなかったのだと思い至るようになった。もしあの戦争が正しくない戦争だったとしたら、自分たちがやったことは犯罪と同じ暴力で、自分たちは英雄どころか、犯罪人と同じ罪人になってしまう。「正しい戦争」だったからこそ、自分たちのしたことに正当性がある、たぶん、父はこんなふうに無意識に考えていたにちがいない。

私の父もそうだったが、戦争へ送られた若い10代後半の若者はほとんどがみな心優しい青年たちだったと思う。元々暴力的でない人たちが無理やり暴力に参加させられたら、それはものすごい罪悪感やストレスを生むはずだ。(という話を、ベトナム帰還兵の人が書いた「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?(アレン・ネルソン著 講談社発行)」という本を読んだとき知った)

戦後しだいに世の中が「あの戦争は間違っていた」という論調に傾くにつれて、父は無意識にますますかたくなに「あの戦争は正しかった」に固執するようになったのだと思う。

父の死後、遺品を整理していたら、父が所属していた戦友会の人たちが戦後作製したらしい手書きの地図と日誌が出てきた。自分たちの部隊が戦いながら歩いた場所が中国大陸の地図上に記され、「○月○日、××君死亡」や「○月○日、××君発病」、「○○一等兵戦死」などの記載もとろどころにある。出兵時の凜々しい父の写真を眺め、「ああ、そうやってたくさんの仲間の死と敵の死を経験しながら、父はやっと日本に帰国したのだ」と思って胸が痛かった--帰国したとき父は23歳だった。

戦争--人類という種の愚かしさの極み--私は今も昔も、戦争に関してこの見解を変えていないが、今では、人類は自分の意志でこの愚行を止めることができないことも理解している。

このことを言ったのは、二十世紀前半に活躍したロシアの賢者グルジェフで、彼は「戦争は惑星と惑星の関係の影響で起こり、無意識である人類はこの影響を止めることができない。だから人類は自分の意志で戦争を始めることも、止めることもできない」という主旨のことを言っている。驚くべきことに、ニサルガダッタ・マハラジにも似たような発言がある。全然別の時代に別の国に生きた二人の偉大なスピリチュアルな賢者が言っているのだから、たぶんこの見解は正しいのだろうが、本当かどうかを証明するのは難しいことだろう。

よりわかりやすい範囲の理由で言えば、戦争とは「愚」と「欲得」と「恐怖心」が三位一体で結集して、頂点に達するときに起こる可能性が最大になるというのが私の印象だ。政治家と国民の「愚」と「欲得」と「恐怖心」--それが一つの国だけでなく、関連諸国の「愚」と「欲得」と「恐怖心」全部が結集したときに、止めようもなく「戦争」という「愚」という結実になる可能性が大きくなる。人類の歴史は「愚」をめぐって展開し、その「愚」の後始末に長い間人々が苦しまざるをえないことを教えている。

スピリチュアルな賢者たちはほとんど国家の話を語らないが、私が今まで読んだ人の中で、20世紀前半から中頃に活躍した偉大なキリスト教神秘主義者であったジョエル・ゴールド・スミスは、人と同じように国家にもカルマがあるという話を書いている。彼が書いたことによれば、国家は自分が犯した過ちを謝罪しないかぎり、そのカルマの影響を受け続けるということだ。またたとえ、国家が正式に謝罪しなくても、その国民は自国が他国民に与えた苦しみを心の中で一人ひとりが謝罪するべきだとも書いている。

彼がこれを書いたとき、たぶん自国アメリカが日本のヒロシマ、ナガサキへ原爆を投下したことを念頭に置いている。アメリカは原爆投下はおろか、それ以後、世界中で爆弾をばらまき続け多数の人を殺してきた愚行を国家としてはほとんど謝罪していない。

ジョエル・ゴールド・スミスは、(政治的な理由などで)表だっては謝罪を表明できないとしても、あるいは表面的には国家に賛成するふりをしてもかまわないが、少なくともスピリチュアルな道にいる人たちは、心の中で一人ひとりが国家の間違いを謝罪するべきだと言っている。

私はジョエル・ゴールド・スミスの国家のカルマの話に納得したので、日本国が犯した愚行に苦しんだすべての他国民に、特に父が戦った中国の人たちに、父に代わって、謝罪と赦しの祈りを捧げている。
 
新約聖書マタイ伝第6章

*(の国)は私が付け加えたものです。

12 わたしたち(の国)の負い目を赦してください。 わたしたちも自分に負い目のある人(国)を赦しましたように。(新約聖書1文春新書版より)



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2018年9月17 日(月曜日祝日午後) 予約受付終了。
「私とは本当に何かを見る会」(東京新宿)

詳細・予約は下記へ

2018年9月23日(日曜)(大阪市)13:30~16:30
「人をめぐる冒険」ワークショップ

主催:未来から対話する会 協賛:シンプル堂、いのちアカデミー
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2018年9月24日(月曜祝日)(神戸市)11:00~17:00
特別版「私とは本当に何かを見る会」


主催:未来から対話する会 協賛:シンプル堂、いのちアカデミー
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*「動物園から神の王国へ―サルの惑星、のような星で、平和に生きるために」(PDFファイル)ダウンロード版は、DLmarketのサイトで販売しています。お手持ちの機器(パソコン、タブレット、スマートフォン)に、PDFを読むソフト(AdobeReader等)が入っていれば、どなたでも読むことができます。

本書の詳しい目次は下記のサイトに出ています。

1部 ヒトにおけるセックスと闘争・暴力の問題について
2部 サルの壁 人の壁
3部 人生は、ド・アホでいこう!

DLmarketからファイルをダウンロードするためには、まず会員登録をする必要がありますが、Facebook、Twitter、楽天のアカウント、Yahoo!Japan のID、Amazonのアカウントもご利用でき、各種支払いにも対応しています。(銀行振り込み、コンビニ支払い、Amazonペイメント、クレジットカード、Paypal、その他)。

なお現在は、パソコン等では、横書きの文章のほうが読みやすいという人たちもいると思い、縦書き版と横
書き版の二種類の版を用意してあります。 編集の都合上、総ページ数(縦書き版が453ページ、横書き版が367ページ)は異なっていますが、内容はまったく同じです。

*購入についての詳細は、購入前に下記のDLmarketのサイトを見てください
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動物園から神の王国へPDFダウンロード縦書き版」(1500円+税)(453ページ)
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試読版(無料)は上記のサイトから、会員登録等なしに、どなたでも自由にダウンロードできますので、本との相性を確かめて、購入の判断をしていただければと思います。 (画像の下の、「立ち読みできます」をクリックすると、試読版PDFを無料でダウンロードできます)

*DLmarketで下記も販売中です。(無料試読版は会員登録不要で、自由にダウンロードできます――画像の下の「立ち読みできます」をクリックしてください)  
 
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「そうだ、トルコへ行こう!」(1)2018年07月31日 15時38分34秒

皆様、暑中お見舞い申し上げます。 ブログを再開します。

この春のある日、「そうだ、トルコへ行こう!」と突然に思いついた。思いついたのは突然だったけど、トルコへ行きたいという想いはかなり昔からのものだ。

きっかけは、かなり前「シナン上下」(夢枕獏著 中央公論新社) という本を読んだことだった。シナン(1490年頃~1588年)とは、トルコが誇るオスマン帝国時代を代表する建築家のことである。天才シナンの生涯を描いたこの本を読んで、シナンの作品を猛烈に見たくなって、トルコへ行きたいという想いが募ったというわけである。

私は昔から、自分でもなぜかその理由がわからないままイスラム風の建築が好きだ。実際のモスクをほとんど見たことがないにもかかわらず、モスク風の建築を写真で見るだけでもある種の高揚感を感じる。イスラム教の教えをほとんど知らないし、学んだこともないので、自分でもいつも不思議に思ってきた。

もっと昔の話をすれば、私が20代のとき初めてインドのタージ・マハル(ムガール帝国の皇帝が愛妻のために作ったインド・イスラム文化を代表する墓廟)を見たときの感動にまで遡る。タージ・マハルまで辿り着く列車の旅が大変だったこともあって、タージ・マハルを見た瞬間、その美しさに圧倒され涙が流れた。建築を見て涙が出たのはあとにも先にもそのときだけである。そのとき、タージ・マハルがイスラム建築だと知り、以来私の中でイスラム建築の美しさがずっと印象に残ってきた。

で、この春マハラジの本も終わったので、気分転換に、「そうだ、トルコへ行こう!」と思い立ったというわけである。

本当はイスタンブールにずっと滞在して、シナンの建築だけを見る旅でもよかったのだけれど、自分でアレンジするのも面倒だし、初めてのトルコ旅行なので、先月(6月)、トルコの有名な遺跡、世界遺産、観光地を1週間かけてバスで巡る一般向けのツアーに参加してきた。

旅行会社が主催するいわゆる観光パック海外ツアーに参加するのも、一週間もバスに乗る旅行も初体験だったので、出発前どんなものなんだろうと思っていたが、とても楽(らく)で快適だった。

荷物はもって歩かなくていい、ホテルは五つ星高級ホテル、全行程食事付き、どこでもガイドさんのあとについて行けばいい。海外旅行でこんなに緊張感をもたずにすんだのも初めてだった。最初の頃、ホテルの食事がとても豪華でおいしいので、普段の二倍くらい食べていたら、暑さもあって途中で具合が悪くなり一日ほどダウン。

それでもバスの旅は、風景を眺めたり、風景に飽きたら、ガイドブックを読んだり、スマホをやったり、疲れたら昼寝もできるのでとても快適だった。ほとんどの人がバスの中で爆睡していると、ガイドさんから突然「皆さん、ギュナイドン(トルコ語で、おはようございます)。起きてください。もうすぐドライブインです」とアナウンスがあり、ほどなくドラブインに着くと、少ない休憩時間でトイレに行ったり、チャイ(安くておいしいトルコの紅茶)を飲んだり、売店でおみやげを買ったりとかなり忙しい。

最初、イスタンブールに二日ほど滞在して、この街の世界遺産や有名な観光地を駆け足で見てまわった。イスタンブールという街、そしてトルコという国は過去数千年の間に様々な民族、宗教が支配し、その意味では日本や日本の都市とは全然異質の歴史をもっている。今日、観光客が見てまわっている有名な世界遺産、遺跡は多くの民族、宗教に支配されてきたトルコの歴史そのものなのだ。
 
イスタンブールの街はモスクなどが見えなければ、ほとんどヨーロッパの街に似ている。ツアーなので街歩きはほとんどできなかったが、ブラブラ歩いたら楽しそうな街である。盛りだくさんな世界遺産、いつくかのバザール(観光用なので地元の人はあまり利用しないとか)、そして洒落た町並みとボスフォラス海峡。

でもここが現在イスラム教の国だということを感じさせられたのは、イスタンブールに滞在中、一日に数回突然、街中に祈りの声が響いたことだ。早朝や夜ちょうど眠りかけた頃に、突然の大音響の祈りで目が覚め、しばらく祈りの声をベッドの中で聴いていた。祈りの声で目覚めさせられたにもかかわらず、不思議なことに祈りの声はなぜか耳に心地よかった。


[ イベント]

2018年9月23日(日曜)(大阪市)13:30~16:30
「人をめぐる冒険」ワークショップ

主催:未来から対話する会 協賛:シンプル堂、いのちアカデミー
詳細&予約は下記へ
http://www.simple-dou.com/CCP045.html
 
2018年9月24日(月曜祝日)(神戸市)11:00~17:00
特別版「私とは本当に何かを見る会」


主催:未来から対話する会 協賛:シンプル堂、いのちアカデミー
詳細&予約は下記へ
  http://www.ne.jp/asahi/headless/joy/99_blank014.html


2018年9月17日(月曜日祝日午後)(東京)
「私とは本当に何かを見る会」

*予約は8月中旬からです。


[お知らせ]

ラメッシ・バルセカール     『誰がかまうもんか?!』電子書籍版が発売されました。

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[シンプル堂電子書籍]

*「動物園から神の王国へ―サルの惑星、のような星で、平和に生きるために」(PDFファイル)ダウンロード版は、DLmarketのサイトで販売しています。お手持ちの機器(パソコン、タブレット、スマートフォン)に、PDFを読むソフト(AdobeReader等)が入っていれば、どなたでも読むことができます。

本書の詳しい目次は下記のサイトに出ています。

1部 ヒトにおけるセックスと闘争・暴力の問題について
2部 サルの壁 人の壁
3部 人生は、ド・アホでいこう!

DLmarketからファイルをダウンロードするためには、まず会員登録をする必要がありますが、Facebook、Twitter、楽天のアカウント、Yahoo!Japan のID、Amazonのアカウントもご利用でき、各種支払いにも対応しています。(銀行振り込み、コンビニ支払い、Amazonペイメント、クレジットカード、Paypal、その他)。

なお現在は、パソコン等では、横書きの文章のほうが読みやすいという人たちもいると思い、縦書き版と横
書き版の二種類の版を用意してあります。 編集の都合上、総ページ数(縦書き版が453ページ、横書き版が367ページ)は異なっていますが、内容はまったく同じです。

*購入についての詳細は、購入前に下記のDLmarketのサイトを見てください
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動物園から神の王国へPDFダウンロード縦書き版」(1500円+税)(453ページ)
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試読版(無料)は上記のサイトから、会員登録等なしに、どなたでも自由にダウンロードできますので、本との相性を確かめて、購入の判断をしていただければと思います。 (画像の下の、「立ち読みできます」をクリックすると、試読版PDFを無料でダウンロードできます)

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動物園のセクハラ2018年05月01日 10時57分00秒

昔、知人が、「ありがとうを唱える」教えで有名な小林正観さん(何年か前に亡くなられたそうである)の本の一部をコピーして送ってくれたことがある。

私は「ありがとうを唱える」教えのほうは実践したことはないが、そのコピーの内容には啓発されるところがかなりあった。テーマは「男はとても弱い生き物なので、女性の皆さん、そのことを理解し、くれぐれも男性をいじめないでください」というほとんど嘆願とも読める内容である。
 
その内容を下記に一部引用すると、

「人間の体には、約4000ccの血液があります。男性はそのうち1000cc を失った段階で出血多量で死にます。男性はいくら偉そうにしていても、もともと生命力が弱い。女性は、4000cc のうちなんと3000ccを失ってもまだ生きています。
 
1000cc失うと死んでしまう男は、弱いということを悟られたくないがために、2000cc失っても死なない風に見せようと威張ってみせてきました。弱いものほど威張りたがるということ。(中略)
 
どれだけ男が弱い存在であるかということを、女性のみなさんにぜひわかっていただきたい。そのことを知ったら、くれぐれも弱いものいじめをやめてあげてください。女と同等かそれ以上の強さが男にあると錯覚しているから、どんなことにも男がちゃんと耐えていけると誤解するのでしょうが、男はものすごくかわいそうでいたいけな存在なのです。まともにわたりあうのはやめましょう。(中略)

ちゃんとしている女性からみると、全部正しいことを言っていればそれが男性にも伝わるはず、と思っているのではないでしょうか。理解しているのにやらないのだと思って頭にきていたのでしょうが、完全に誤解です。『理解できない』のですから。理解した上でやらないのではなく、理解する力が無いのです。(中略)

男は、理屈や理論や正論で動く動物ではないのです。男は理性的で女性は感情的だと思われていますが、まったく逆です。男は好きか嫌いかでしか動かない。女は正義や正論を信じることができて、そっちのほうが感情より優先します。正しいと思ったら、やり方を変える。正しくないと思ったら即座にやめることができる」(得する男女関係  「究極の損得勘定」小林正観著


このコピーを読んで、それまでの人生経験や生物学から学んだことからぼんやりと感じていたことを再確認し、「これからは男性にもっとやさしくしよう」(笑)と思ったものだ。特にその当時まだ生きていた父親にそれまでかなり冷たかったことを反省し、これからは父親にできるかぎりやさしくしようと心に誓った。

さらにこのコピーの他の箇所では、男性が何よりも必要としているものとして、「女性からの称賛」ということも非常に強調されている。男性は弱いゆえに、女性からの称賛、支援、つまり愛情を非常に必要としているという内容である。

そこで、「生物学的弱者としての男」という観点から、お偉い男性方の最近のセクハラ騒動や援助交際騒動を考えてみると、彼らが地位や名誉、家庭を失う危険性をかえりみず、それでも女性たちからの称賛や支援を求めざるをえない切ない習性を理解できる(その習性は生物学的用語では、「交尾のための求愛行動」と呼ばれている)。

女性記者にセクハラをしたとされる高級官僚はセクハラを否定しているそうであるが、人間的理性の働かない動物脳状態では、彼の言っていることはもっともなことである。彼はセクハラしているつもりはまったくなく、高級官僚というブランドを精一杯バタバタさせて、「どうだ、おれはこんなにすごいオスなんだぞ。交尾させろ!」と必死に女性に求愛しているのである。頭のいい知的な記者をくどくにしては、求愛の言葉にまったくセンスがないのが笑えるところだけど。

セクハラしたと女性から訴えられる多くの男性は、今述べたように彼らの動物脳の中では、セクハラという認識ではなく、むしろ自分は女性によいことをしていると勘違いしている人が非常に多い--自分は女性の魅力や能力をほめている、あるいは女性を励ましていると思い込んでいる。

ここで動物脳状態と人間脳状態の違いを述べておくことは役立つと思う。

人間脳状態とは、理性が働いている状態で、自分の言動がもたらす結果を予測し、状況に言動を合わせることができる状態である。職場の女性に言ったりやったりすれば、セクハラになる言動も、妻や恋人に対してやれば、それは愛情表現になりうる場合もある。状況に合わせて相手の立場に立って言動を使うことができたら、理性の働く人間脳まで進化したということである。

それから動物脳に特有なことは、対等や平等という観念を理解できず、目の前にいる人は、自分の言うことを聞くべき目下の者から、自分が言うことを聞くべき目上の者かのどちらかである。だから、平気で女性を自分のヒーリング・グッズのような物として扱うことができるのだ。

以上のことをまとめれば、(男性による)セクハラの悲劇とは、私の考えでは下記の理由が複雑にからまって起こるのだろうと思う。

1男性が非常に弱い生き物で、女性の愛情(支援)を非常に必要としている。

2脳が動物状態なので、自分の目の前の人を尊重して対応することができない。


3人間関係の距離や状況を読み解くコミュニケーション能力の不足。

では、セクハラの悲劇を防止するにはどうすればいいかといえば、一人ひとりが人間関係について学び、特に男と女の一般的違いについて、本や日々の経験から学び、そして特に他人の立場に立つ練習をすることだと思う--少なくとも私たちが動物園の住民ではないならば。あらゆる組織の中にゴリラやチンパンジーのような人たちがたくさんいる「サルの惑星」状態の地球上で、セクハラやパワハラから逃れるためには、人は本当に賢く(時にはずる賢く)なる必要がある。

私にとっては生物学や進化論の本が非常に役立ったので、生物学や進化論の知見を広め、男女間のコミュニケーション・ギャップをうめるためにも、普通の人向けに「動物園から神の王国へ」(PDF版販売中です)を書いたのだ。    

さて、以上のような「男は生物学的にも精神的にも弱い生き物」  という論に、「男(私)はそんなに弱くない」という反論(特に男性の皆さんからの)もあるかと思う。もし本当にそう言い切れる男性がいるなら、それは大変素晴らしいことだと思う。

強さの一つの証拠は、「自分には○○が必要」という観念がないことであり、もし男性が女性の称賛や愛情をまったく必要としないならば(=依存しないならば)、その男性は強い存在であるということである。

話は飛ぶが、ニサルガダッタ・マハラジのような賢者がなぜ「強い人」なのかといえば、「私はこの世の中の何も必要としていない」と彼が本当に言い切れるからだ。マハラジは何も必要としていないが(彼は信者や弟子、帰依者さえ必要とはしていなかった)、必要なものは自然に集まるそういう神の王国に住んでいたのだ。

彼が「私は勇気と自信を皆さんに与えている」と言うとき、それは「強い人」になるためのレシピを彼は与えているという意味でもある。それは小林正観さんが書いたような、女性たちへの嘆願を(あるいは誰への嘆願も)必要としない境地である。

最終的には非二元の教えの探求者たちが目指す(「目指す」という言葉は本当は適切ではないが)境地は、マハラジのように「強く」なることだが、その強さとは、自分の弱さや動物的欲望、肉体感覚を抑圧したり、強いふりをしたりすることによって達成できるわけではない。自分はスピリチュアルな探求をしているから、動物的欲望から解放されていると思い込むのは危険なことである。むしろ、自分の弱さや動物性をどこまでも正直に誠実に見て、それを受容していくしかないのだと思う。
 
[イベント]
 
「非二元の教えを生きる会」2018年6月3日(日)東京
詳細・予約は下記へ

[お知らせ]
 ニサルガダッタ・マハラジ講話集「意識に先立って」((ナチュラルススピリット社発行 本体価格2500円プラス税)発売されました。

[ゆか様への質問への答え]
 私がダグラス・ハーディングに尋ねた最後の質問については、機会を改めて書きたいと思います。


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恐怖ビジネス2017年05月26日 14時31分38秒

 現在、私が全世界の国の中で一番関心をもっている外国が北朝鮮(笑)だ。 なので、ネットでけっこうな量の北朝鮮情報を読んでいる。

なぜあの国に関心をもつかといえば、一つは隣人(隣国)であるという理由であり、もう一つは北朝鮮はジョージ・オーウェルの名作「1984年」(本書は1949年に出版されている)で描かれている独裁システムのまさに生きた見本だからだ。
 
北朝鮮の歴代の金一族の方々が「1984年」を読んで、独裁システムを作る参考にしたとも思えないし、私が知るかぎり地球上の過去・現在の独裁国は皆非常に似通っている事実から考えてみると、独裁システムには人類共通の何かがあるに違いなく、そこが社会学的研究に値すると私は思っている(私は社会学者じゃないけど、勝手に研究している)。「1984年」の本も、小説という形態ではあるが、どちらかというとすぐれた研究書という感じである。

で、先日も、北朝鮮の内情を特集したテレビ番組をネットで視聴していた。その番組には二人の脱北した女性(一人は北朝鮮の女性で、もう一人は日本人の女性) と、北朝鮮の内情を世界に発信している日本人のジャーナリストが出ていて、北朝鮮にいる協力者がこっそり撮った動画を映しながら、自分たちの経験を語っている。

彼らのいくつかの話が興味深かった。一つは、現在の北朝鮮は1990年代よりも食料事情はかなりよくなっていて、日常品を売買する市場まであるという。90年代は社会主義的配給制の元で、たくさんの飢餓者が出たそうだが、皮肉にもそれが完全に崩壊して、国民が勝手に自分達で小さい商売をやるようになってから、食料事情はよくなったということである。

それから興味深かったのは、日本人ジャーナリストの人が、なぜこんなにひどい体制なのに、北朝鮮の国民が金体制に反乱を起こすことができないかを説明した理由だ。

それは全国民に対する徹底した恐怖思想教育で、金一族に逆らうと、どれほどひどい目に会うかを子供の頃から徹底的に骨の髄までたたき込まれる。すべての国民が守るべき10箇条が書かれた本が配布され、時々、地域の人たちが集まって、自分がどれだけそれに従って生活しているか、従って生活していないかを告白し合う反省会のようなものをおこなう。その反省会がまた興味深く、まず全員が自分の反省点を語り、それから出席している他の誰かを名指して、批判するという具合だ。

これは人々を恐怖に縛り付けるものすごい頭のいい方法である。自分だけが反省するのではなく、他の人を名指しで批判する。そうすることで相互監視システムができあがり、他人をよく監視すればするほど、「よい国民」だと思われ、上層部に気に入られ、体制の出世街道を上っていけるといわけだ。これはかつてのソ連、東欧など、すべての独裁的社会主義・共産主義にも採用された方法である。

今、制作しているダグラス・ハーディングのグラフィック伝記「頭がない男」(この夏に発売予定)に、ダグラス・ハーディングが20代の頃に共産主義に共感し、1936年に、同じく政治に関心をもっていた妻と一緒に、スターリン粛清時代のソ連を実際に訪れ、その貧困と恐怖の現実をまのあたりにし、驚愕したことが描かれている。

なぜ高遠な理想――すべての人の平等、すべての人の豊かさを約束する共産主義が、その正反対なもの―――恐怖と貧困と暴力、指導者たちの腐敗と堕落、そして特権階級の形成、極端な階級社会に墜ちてしまうのか? 共産主義の堕落は、宗教の堕落とまったくそっくりでもある。

すべての宗教の創始者は、愛と慈悲、許しを教えたにもかかわらず、宗教の歴史は暴力と搾取、指導者たちの堕落と、理想とは正反対なところへ墜ちていくのが通例である。

実は、今回のブログのタイトル、「恐怖ビジネス」という言葉は、 最近見たインド映画「PK」の中で使われていた言葉である。この映画は、世界的大ヒットとなった「きっと、うまくいく」(原題three idiots)で主演したアミール・カーンがPK役を演じ、いわゆる宗教というものが硬直化し、空疎な儀式や観念に堕してしまった現代のインドの宗教的風土を軽くからかった娯楽映画だ――(PKという言葉は、インドの人々がおかしな人々をからかうときに使う言葉、酔っ払い=おかしな奴。他の惑星から地球を調査するためにインドに降り立った主人公が、宇宙船を探すコントローラーが盗まれたために、インド中を放浪する羽目になり、あまりに言うことが可笑しいため、インド人からPKと呼ばれる)。

宗教大国のインドの貧困もまた、国民があまりに宗教的観念に縛られ、恐怖心にもとづいた宗教活動にエネルギーを費やしているからだ――もし私が○○をしなければ、あるいは○○をすれば、グルに献身しなければ、グルの言うことを聞かなければ、病気になるとか、ひどい目に会うとか、死んだあと地獄へ行くとか、来世にひどい境遇に生まれるとか、あるいは、多額のお金を払えば、悟る方法を伝授するとか、そうやって「恐怖心」や「希望」をあおって、インドでは宗教が多数の信者からお金を吸い上げるビジネスが非常に盛んである。

さて、宗教にしろ、共産主義にしろ、なぜ人間はこんなに「恐怖ビジネス」に弱いのだろうか? それは私が思うに、人類という種が他の生物との闘争を勝ち抜いてきた理由にある―それは「集団の力」である。一人ではひ弱なので、集団で団結して敵と闘う。だから、自分が所属している集団――家族、地域社会、宗教教団、会社、国家の中で、集団の規範に絶対的に従うように求められる。集団の規範に逆らう者は集団の存続を危険にさらすので、罰を与えなければならない、という具合だ。その罰を与える理由のためには、絶対的権威、絶対的に正しい存在が必要で、政治であれば、金一族とか、スターリンとかヒットラーが必要で、宗教であれば、神とか仏とか、グルとか師が必要である。

そして、人間が感じるひ弱さのさらにもっと根源をさぐれば、それは「私は一つの死すべき肉体である」という肉体との一体化がある。そこから肉体にまつわる無数の怖れが派生する。もし人が、自分がどれほどの怖れに取り込まれて生きているのかをじっくりと眺めてみるなら、滑稽なほど多種多様である。そして、どれほどの恐怖ビジネスが世の中では知らずに仕掛けられているのか、はびこっているのか、恐怖がビジネスになるのか、知ったら驚くものだ。

日本では、絶対的な神も仏も独裁的指導者もいないように見えるが、では、何がその「権威」の代わりだろうか? それはたぶん、「世間」、「みんな」、「ご近所」、そして「親」あたりが、権威である。たいした権威には見えないかもしれないが、実際は人々の生活を非常に縛っている。日本人の多くが、もし私が○○をすれば(しなければ)、「世間」、「みんな」、「ご近所」、「親」にどう思われるか、何と言われるかという恐怖心をもっていて、そこを狙ってたくさんの恐怖ビジネスがおこなわれている(子供のいる老人たちを狙う、振込め詐欺もその一つだ)。

人類と呼ばれる種の社会は、善意と生存の名の元に、代々怖れを子孫に伝え、そうやって恐怖が人々をコントールする道具となってきたのである。

だから、「恐怖ビジネス」を甘くみてはいけない。怖れは私たちの骨の髄まで根深く染み込んでいるので、タマネギの皮をむくように、私たちが無意識に怖れているものの正体を一つひとつ尽きとめ、それが「幻影」に過ぎず、何のパワーももっていないことを自分自身で確認する必要がある。私たちが信じないかぎり、「幻影」は権威にはならない。

私もこうやって怖れについて考え、書くとき、自分自身にとっても自分の中に残存している怖れを見る機会でもある。面白いことに、若い頃あった怖れはもうほとんどいないのに、若い頃は想像したこともない怖れが新たに出てくることに気づき、驚くことがある――たとえば、将来歩けなくなる怖れとか、親しい人たちが全員先に死んで一人取り残される孤独の怖れとか、老いにまつわるものがほとんどだ。もちろんそれらはすべて妄想で(なぜかというと、今の現実ではなく、想像にしか過ぎないので)、掴んで信じたりしなければ、別に問題でもない――ああ、かわいい怖れよ、という感じである。

また怖れは、私たちを収縮させ、創造力と活力を奪い、貧困へと転落させる原因にもなるものだ。恐怖が支配する独裁国や宗教国がほとんど貧乏なのはそういう理由である。

ここに私たちがスピリチュアルな探求をする理由の一つがあるのだと思う。私たちは怖れにまみれて生きて死にたくはないし、あらゆるところで仕掛けられている恐怖ビジネスの餌食になりたくはない(笑)ですよね?

本当のところ、私達を生かしているのは、外側の神でも仏でもグルでも世間でも集団でもなく、私(たち)自身の内なる本質である。あらゆる真正なスピリチュアルな教えが教えているのは、怖れからではなく、内なる喜びと愛から生きることができる可能性である。

それは社会全体、地球全体で全員が一緒には無理だとしても、一人ひとりにはそう生きることができる可能性があるという教えである――様々なことを学び、少しずつ怖れから解放されて、自分の内なる本質に辿り着き、そこで生きる――自分に一番近いところへ行くのに、ものすごい時間のかかる長い旅をする――いつ考えてもスピリチュアルな旅とは奇妙なものだが、この奇妙な旅を心ゆくまで堪能し、(今後のこの国のことはわからないけど、さしあたって今のところは)許されている環境に生きている幸運をありがたく思うのである。

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