職場処世術2012年12月04日 17時41分00秒

「共感欠如のことを調べていてたどり着きました。同僚(男性、40代後半)が共感欠如ではないかと思います。いつも高飛車で自分の意見が正しいと信じて疑わず、自分が「良い」と思うと職場のルールは無視で突っ走ってしまいます。個人的には、病気で休んだ日に夕方自宅に突然現れたことがありました。迷惑だと言う説明は理解できないようです。どう対処したらいいのか困っています」(うさぎ)


以前書いた、「アスペルガー症候群」について最近、上記のようなコメント(質問?)をいただいた。ご参考になるかどうかわからないが、本日は、職場の人間関係について書いてみたい。


まず、職場で生じる問題について考えるべき第一のことは、「人は職場に何をしに行くのか?」というバカみたいな質問である。答えは、誰にとっても、本当は一つであるべきだ。それは、「仕事をするため」である。ランチやオヤツを食べるためでもなければ、しゃべりにいくためでもないし、友人や恋人や結婚相手を探しにいくためでもない。今述べたような楽しみは、仕事をしたうえでの「おまけ」である。

そして、職場では普通、一人で仕事をやることはまれで、たいてい一緒に仕事をやるたくさんの人たちがいるので、人間関係をうまくやることも「仕事」の一部である。職場の人間関係が悪いと、仕事の成果や能率は低下するのが、一般的である。

職場では、人間関係を作ることが目的ではなく、仕事を能率的にしかもできるだけ自分が消耗しないようにやるために、人間関係にどう対処するかという考え方が必要ではないかと思う。そうでないと、学校と同じように、ここでもまたよくありがちな人間同士の「好き・嫌い」やグループ内の権力闘争による問題が起こり、仕事よりもそちらに熱中といった事態に陥りがちである。実際、職場の人間関係の悪さは、よく見聞する話である。

それから、人間関係一般に関して、基本的に理解しておくべきことは、

他人を変えることはできない。つまり、共感能力のない人に、共感能力をもつように、強制することはできない。共感能力がない人は、単純に「共感能力がない」、のである。

他人の中に強く非難・批判したいところを見つけたら、同じような部分を自分ももっているのではないかと、関心を自分に向けることが重要である。たとえば、「いつも高飛車で自分の意見が正しいと信じて疑わず」とは、私たちのほとんどがそういう部分ももっている。私たちのエゴは、何事にも自分が一番正しいと信じて疑わないものである。ただ、人間的に多少でも成長した人は、「自分がどれだけ正しいと思っていても、それを必ずしも表現するのがいいわけではない」ことを経験から学び、さらに成長した人は、「あらゆる意見や考えは同じだけ価値があるか、同じだけ価値がない」ことを、理解したというだけの話である。(うさぎさんには、バイロン・ケイティのワークをお勧めします←←ネットで検索すると、出てくると思います)

私たちは「ものすごく嫌い」とか、「ものすごくイヤ」と思っている事態や人を、引き寄せる傾向がある。そうした自分の感情に執着しつづけるかぎり、仮に職場が変わっても、また同じようなタイプの人が目の前に出現する可能性がある。

私自身は大勢で一緒に働く職場体験は非常に短かったのだが、その昔の経験を振りかえると、職場という場所は不思議なところで、色々な考えと能力の人たちがいたことを思い出す。私のようにできるだけ会社での滞在時間を短くしたい人がいるかと思えば、残業大好きな人たちもいて、仕事を頼むと、「まかせてください!」と、いつも仕事をたくさん引き受けてくれるありがたい人もいた。職場では、一緒に仕事をする人の能力を認めて、おだてて(笑)、できるだけ快適に過す術を学ぶことをお勧めしたい。もし共感能力がないアスペルガー的な人が職場にいるなら、その人は、他の人にはない何か非常にすぐれた能力をもっているはずである。

このコメントを書かれた方がスピリチュアルや心理学などに関心がなければ、たぶん、今書いたようなことはあまりご参考にはならないかもしれない。そのときは、どこかの投稿サイトに改めて投稿して、慰めてもらってください。そのときには、次のようなコメントが予想される……

(予想)コメント

「『いつも高飛車で自分の意見が正しいと信じて疑わず、自分が「良い」と思うと職場(家庭)のルールは無視で突っ走ってしまいます』って、その人、私の夫みたいです。しかも毎晩、私の寝室に現れます」
(同じ悩みをもつ妻)

「その人、自宅に来るなんて、あなたのこと、好きなのかも、です。なんか、ストーカーぽいですよ。キケンです。上司に訴えましょう」(オヤツ大好きOL)

「そんなバカには、迷惑だって、100回くらい怒鳴ってやれば? だけど、バカは死んでも治らないか……」
(ランチ命のライオン)

「どこの職場にもそういう人いますよね。私の職場にもいます。完全無視です。姿見たら、よけます。みんなで無視無視作戦で、職場から追い出しちゃえば?」(快適ネコ)

「あんた、おれの職場のあの人? あんたのような奴がオレの職場にもいてさ。あんただけじゃないけど、みんな俺の天才ぶりがわかんないんだな。今、職場に必要なのは、共感能力とかつまんないルールじゃなくて、天才的仕事の能力、そうだろ? 天才は孤独をいとわず、なんちゃってね。でも、あんたには認められたいんだ、ホンネのところは」(オレ様)


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 (フランク・キンズロー著 ナチュラルスピリット発行)が、発行されました。

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石原さんのトラウマ2012年12月18日 13時56分55秒

いつだったか日本維新の会代表の石原さん(前東京都知事)が外国人記者クラブかどこかでインタヴューを受けている映像を見たことがある。そのとき彼は、「日本が、国際的な発言力をもっていないのは、核兵器をもっていないからだ」と自分の持論というか本音を述べていた。

石原さんを見ると、父を思い出すことがある。父が生きていたころ、世の中の事件や国際政治について、父が言うコメントや意見は、ほとんどいつも石原さんとそっくりだったからだ。生き方も人生も人格もまったく違う二人のコメントが似ていることに気づいて、その思考ルーツがどこにあるのか興味をもったことがある。そして、なぜ父が、自分の故郷を空爆で焼け野原にし、広島・長崎に原爆を落としたアメリカを嫌ったり、憎んだりしないのか、それがずっと不思議で、あるとき父にそのことを尋ねたことがあった。

すると父は、単純にこう答えた。

「日本がアメリカに負けたのは、日本が弱かったから仕方なかったのだ」

愛国青年だった父が青春をかけて戦った戦争が無に帰した昭和20年の敗戦は、生涯消えることのないトラウマを父の心に残し、父はそれ以後世の中の現象、特に政治的事柄を「アメリカは強い・中国(と韓国とその他共産国家すべて)は悪い」「強いことはよい・弱いことは悪い」という思考パターンを通してしか見ることができなくなった。非常に読書家で物知りであったにもかかわらず、物事には別の見方もあることを断固受け入れなかった。

石原さんは私の父より8歳くらい年下なので、戦争には行かなかったはずであるが、それでもかなりの愛国少年であっただろうことは想像できる。彼のコメントのはしばしにあらわれる「中国(と韓国とその他共産国家すべて)が嫌い」「強いことがよい」のニュアンスから察するに、彼もまた昭和20年の敗戦のトラウマを引きずって生きてきた人のように感じられる。

それから、先月読んだどこかの新聞に、石原さんの人生の最後の夢というか野心について書かれてあった。それは、「自分が生きている間に石原家から総理大臣を出すこと」なのだそうである。息子が自民党総裁レースで負けて、息子にその夢を託す可能性がなくなったと見るやいなや、都知事の職を放棄してでも、「夢をもう一度」で、国政に打って出たというのがホンネのホンネらしい。石原さんにとっては、個人的野心や夢をもつことは長生きするためにはいいことだろうけど、原則脱原発の橋下さんと、核兵器・原発大好きな石原さんが組んだ先にあるものは、今の民主党の姿、つまり、いずれ分裂か崩壊であろう。

さて、今年読んだ数少ない本の中で、「NYPDNo1ネゴシエータ最強の交渉術」(ドミニック・J・ミシーノ著 フォレスト出版)という本がある。NYPDとはニューヨーク市警のことで、著者はここで長年人質事件のプロフェショナルとして活躍した人だ。アメリカの人質交渉人の世界というとハリウッド映画のように派手なドンパチの世界というイメージがあるが、しかし、超一流の交渉人の世界はまったく別なのである。つまり、超一流の交渉人とは、武器をできるだけ使わずに、言葉で犯人を説得して、しかも死人やけが人をできるだけ出さないで事件を解決する人のことなのだ。

数々の難事件を解決してきた著者は、その極意を本書の中で語っていて、それをいくつか紹介すると、

*言葉こそ銃にまさる最高の武器
*(犯人に対する)誠実さと共感―礼儀と敬意が重要
*自尊心に囚われると失敗する

という、普通の人たちが考えるものとはまったく異なるもので、決して石原さん流の「そこの悪いやつ、こっちは大量・強力の武器をもっているから、さっさと降参しろ。さもないと攻撃するぞ」ではないのである。これをやるのは三流動物交渉人で、その結果はたいてい、(ハリウッド映画のように)たくさんの死体が転がることとなる。

日本を三流動物交渉人国家にしようと、80歳を超えて、トラウマに駆り立てられ暴走している石原さんは少々痛ましい。自らを日本国と一体化している石原さんはまた、誰よりも日本の老いと弱体化を自らの老いとリンクさせて感じていらっしゃるのだろうが、しかし、誰が叫ぼうがわめこうが、政権が変わろうが、自衛隊を国防軍にしようが、憲法を変えようが、(人口比に対する老人の割合が増え続けるかぎり)、国家の老いから来る弱体化は誰にも止められない。

で、「わけのわからない多くの党から選ぶのが面倒」「不安定がイヤ」で、「安定している自民党にイヤイヤながら回帰」した今回の選挙は、日本国の選挙民の高齢化がすすんでいることを物語っている。

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下記のサイトより無料ダウンロードできます(1ファイル140MB録音時間約76分―ダウンロード時間はパソコンの性能にもよりますが、数分くらいです)

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IAM瞑想2012年12月26日 14時48分32秒

本年最後のブログは、Robert Adams というアメリカの賢者(1928年―1997年)が、「私とは何か?」を知るための方法の一つとして教えた、シンプルなI AM瞑想をご紹介することにしたい。(Robert Adamsについては、いつかまた別の機会に書いてみたい)。

今までシンプルな方法として、ダグラス・ハーディングの実験、バイロン・ケイテイの四つの質問、セドナ・メソッドなどをご縁がある方々にご紹介してきた。私がシンプルで時間がかからず手軽なものを好むのは、そうでないと、人は長い期間続けることができないし、やろうと思うときに気軽にできないからだ。そして、何事も長く続けて練習しないと、効果というのはなかなか実感しにくいことは、世俗的な練習もスピリチュアルな練習も一致することである。

I AM瞑想とは一種のマントラ瞑想で、やり方は超シンプルで、目を閉じて、息を吸って、I(英語のI―読み方はアイ)と言い、それから息を吐いて、AM(英語のAM―読み方はアム)と言い、あとはそれを繰り返すだけである。私がやるときは、声に出すのが面倒なので、もっと短くして、吸いながらI、吐きながらAMと心の中で唱えるやり方にしている。(言葉を声に出すときは、吸いながら言葉を言うのは困難なようだ)。いずれにしても、呼吸法ではないので、どうやって息を吸うかとか吐くか等の細かいことを気にする必要はないし、呼吸自体は自分が心地よく感じるペースでやるとよいと思う。(日本語の「私は在る」でも、本当はいいのだろうけど、英語のほうがはるかに言いやすい)

Robert AdamsはこのI AM瞑想についてこう語っている。

「I AM(私は在る)とは神の最初の名前です。神のことを考えたいときは、呼吸と一緒にI AMを考えてください。ただI AMと言うだけで、そのことがあなたを引き上げてくれます。あなたがかかえている問題がなんであれ、どれほど深刻であれ、しばらく問題を忘れ、I AM瞑想をやってください。問題が戻ってくるたびに、I AM瞑想をやってください。あなたがたった一日でもこのI AM瞑想をやれば、今まで感じたことがないほどの平和を感じるでしょう」

そして彼は、自分のところにやって来る人たちの中で、自己問いかけ、明け渡し等ができない人たちでも、この
I AM瞑想だけは、誰でもできると断言する。

私の中ではこのI AM瞑想はほとんど瞑想法という位置づけではなく、どちらかというI AM運動という運動療法のような感じで、心身の調子が悪いときや気が向いたときなどに、たまにやる。

何かの機会に、I AM瞑想を試してみてください。

[感謝]一年間、当ブログをお読みいただいた皆様、コメントを寄せていただいた皆様、そしてお会いした皆様へ、ご縁とご支援に感謝します。来年は2月からブログを再開します。それでは、楽しい年末年始をお過ごしください。(父の喪中のため、新年のご挨拶は失礼させていただきます

[お知らせ]

*2013年3月23日(土曜日)「楽しいお金ワークショップ」(広島市)
詳細は下記へ
http://www.simple-dou.com/CCP037.html
 
*2013年3月24日(日曜日)「私とは本当に何かを見るワークショップ」(広島市)
詳細は下記へ
http://www.simple-dou.com/CCP038.html
 


「瞬間ヒーリングの秘密-QE:純粋な気づきがもたらす驚異の癒し」(フランク・キンズロー著 ナチュラルスピリット発行)が、発行されました。目次等は下記サイトをご参照ください。
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1994
年バーソロミュー・ワークショップ・試聴版MP3ファイル(東京会場)(京都会場)」が、
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