政治遺伝子2014年02月05日 08時22分53秒

皆様、本年も時々、ゆるくブログを書いていく予定ですので、お時間があるとき、おつき合いください。

もうすぐ「じいさんたちの政治運動会」(東京都知事選)なので、久しぶりに政治に話をふってみたい。

昨年の秋、 猪瀬前東京都知事と都議の皆さんが、鞄を前にして、その鞄に5千万円が入るのかどうか真剣に議論している都議会の様子をたまたまテレビで見た。その風景は、まるで小学生の教室で、子供たちが喧嘩しているような感じであった。政治家の皆さんというのは、他人の悪事を見つけると自分自身の悪事は忘れて、まるで鬼の首をとったかのように喜々として追及するのがいつも印象的である。「他人の目の埃を指摘する前に、自分の目の中の埃を取りなさい」というキリストの言葉と真逆なゲームが、政治ゲームである。

猪瀬さんがもらった5千万円は、まあダーティな金ではあろうが、その程度のお金をごまかす才覚がなく、大問題にされて、マスコミや都議会で追及されてしまうほど、(元はジャーナリストであった)彼に政治的技巧と運がなかったのがお気の毒な感じがした。

作家や学者、タレントなどいわゆる文化人がよく知事や議員になるわけであるが、文化人は生粋の政治家よりはるかにプライドが高く、「自分は清く賢い」というイメージをもっている。そのためいざ自分の中のダーティな部分が暴露されたり、周囲と考えが合わないと、いとも簡単にその職を投げ捨ててしまう。つまり、政治的忍耐と技巧がない、ということである。

その点、生粋の政治家、特に代々政治家の家系の政治家の方々は、政治遺伝子というものが、心身に入っていて、政治遺伝子がたくさんある政治家は、以下のことが自然に身についている。

* ダーティな問題が表面化しないようにうまくごまかす技巧
*不遇な時代を耐える忍耐力
*共通な目的のためなら、意見が合わない人たちとも共同できる能力
*「昨日の敵は今日の友、今日の友は明日の敵」という種類の裏切りと友情を気にしないマインド 。
*政治ゲームに中毒するマインド。
 
政治遺伝子のよい例が、安部首相だ。前回首相を辞任したときほとんど政治生命が終わりかけたが、それでもそのあと不遇の時代を耐えぬいて、首相に返り咲いた。 安部さんを忍耐させたのは、彼個人の力ではなく、彼の中に潜む政治遺伝子 のおかげであろう。
 
さて、猪瀬さんに政治遺伝子と運がなかったせいで、東京都は約50億円の税金を使って政治運動会(都知事選)をこの寒空にやらなければならなくなった(前回の石原さんの途中辞職と合わせて、東京都は100億円もムダに税金を使っている)。

東京都知事は代々文化人がなる傾向があり、今回の主要参戦メンバーもみな政治家ではなく、政治遺伝子があまりなさそうな方々ばかりである。桝添さんも元々は学者であり、細川さんは風流文化人である。 誰がなっても、2020年の東京オリンピックまでもつのかどうか……

政治遺伝子がない人といえば、橋下大阪市長もプライドが高いのに忍耐力がないゆえに、自分のヴィジョンが進展しないのにイラついて、また今度市長選をやるという――橋下さんに、意見の違う人たちと共同する能力と忍耐力がなければ、何度選挙をやっても、税金のムダ遣いでしかない。橋下さんが、自分のビジョンを実現したいと思うなら、数十年間忍耐して、郵政を民営化した小泉元首相を見習うべきである。

で、その小泉元首相は相変わらず政治ゲーム中毒が抜けないのか、今回の政治運動会に裏で参戦して、脱原発をぶち上げた。小泉さんは人生最後の政治ゲームを脱原発に賭けたようであり、そのゲームは、政治遺伝子が濃厚に入っている小泉さんの息子、小泉進次郎自民党議員が将来的には引き継ぐことになるだろう。親子二代で、抵抗勢力(原発派)を懐柔して、脱原発に向かって、頑張って!
 
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コメント

_ ao ― 2014年02月07日 15時46分57秒

早くも節分が明けましたが、ブログ今年も楽しみにしております!
よろしくお願い致します。

選挙にそんなにお金がかかるんですね。。。
私は勝手に原発には反対の人のほうが多いのかと思っていたので、自民党圧勝からの流れには本当にびっくりしたのですが、小泉さんがまた顔出してきたので、人気のありそうな息子さんともども、脱原発の件はほんとにがんばってほしいです。
山本太郎さんは変な人ふうにされちゃっているし…
ゲームのゆくえがたまには感動的にむかってほしいですね!

_ TK ― 2014年02月10日 14時23分41秒

 五輪やゴースト作曲家や大雪の話題でごたごたしてるうちに都知事選挙が終わっちゃったという感じがします。
 今、「分かっちゃった人たち」という本を読んでいます。そのうち、シンプル堂さんも取り上げるかな?

_ hi ― 2014年02月14日 15時32分44秒

アメリカで反原発運動をやっていた映画監督が、最近あまりにも温暖化に対する配慮がないということで、原子力の危険性についてもう一度考え、「言われているほど危険がないじゃないか」と考え直し、今までのスタンスとは逆のドキュメンタリーを作られています。
2014年春には公開予定
ロバート・ストーン監督 「パンドラの約束」

インタビューでは、福島のことも話しています。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3112

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