「そうだ、トルコへ行こう!」(1) ― 2018年07月31日 15時38分34秒
皆様、暑中お見舞い申し上げます。 ブログを再開します。
この春のある日、「そうだ、トルコへ行こう!」と突然に思いついた。思いついたのは突然だったけど、トルコへ行きたいという想いはかなり昔からのものだ。
きっかけは、かなり前「シナン上下」(夢枕獏著 中央公論新社) という本を読んだことだった。シナン(1490年頃~1588年)とは、トルコが誇るオスマン帝国時代を代表する建築家のことである。天才シナンの生涯を描いたこの本を読んで、シナンの作品を猛烈に見たくなって、トルコへ行きたいという想いが募ったというわけである。
私は昔から、自分でもなぜかその理由がわからないままイスラム風の建築が好きだ。実際のモスクをほとんど見たことがないにもかかわらず、モスク風の建築を写真で見るだけでもある種の高揚感を感じる。イスラム教の教えをほとんど知らないし、学んだこともないので、自分でもいつも不思議に思ってきた。
もっと昔の話をすれば、私が20代のとき初めてインドのタージ・マハル(ムガール帝国の皇帝が愛妻のために作ったインド・イスラム文化を代表する墓廟)を見たときの感動にまで遡る。タージ・マハルまで辿り着く列車の旅が大変だったこともあって、タージ・マハルを見た瞬間、その美しさに圧倒され涙が流れた。建築を見て涙が出たのはあとにも先にもそのときだけである。そのとき、タージ・マハルがイスラム建築だと知り、以来私の中でイスラム建築の美しさがずっと印象に残ってきた。
で、この春マハラジの本も終わったので、気分転換に、「そうだ、トルコへ行こう!」と思い立ったというわけである。
本当はイスタンブールにずっと滞在して、シナンの建築だけを見る旅でもよかったのだけれど、自分でアレンジするのも面倒だし、初めてのトルコ旅行なので、先月(6月)、トルコの有名な遺跡、世界遺産、観光地を1週間かけてバスで巡る一般向けのツアーに参加してきた。
旅行会社が主催するいわゆる観光パック海外ツアーに参加するのも、一週間もバスに乗る旅行も初体験だったので、出発前どんなものなんだろうと思っていたが、とても楽(らく)で快適だった。
荷物はもって歩かなくていい、ホテルは五つ星高級ホテル、全行程食事付き、どこでもガイドさんのあとについて行けばいい。海外旅行でこんなに緊張感をもたずにすんだのも初めてだった。最初の頃、ホテルの食事がとても豪華でおいしいので、普段の二倍くらい食べていたら、暑さもあって途中で具合が悪くなり一日ほどダウン。
それでもバスの旅は、風景を眺めたり、風景に飽きたら、ガイドブックを読んだり、スマホをやったり、疲れたら昼寝もできるのでとても快適だった。ほとんどの人がバスの中で爆睡していると、ガイドさんから突然「皆さん、ギュナイドン(トルコ語で、おはようございます)。起きてください。もうすぐドライブインです」とアナウンスがあり、ほどなくドラブインに着くと、少ない休憩時間でトイレに行ったり、チャイ(安くておいしいトルコの紅茶)を飲んだり、売店でおみやげを買ったりとかなり忙しい。
最初、イスタンブールに二日ほど滞在して、この街の世界遺産や有名な観光地を駆け足で見てまわった。イスタンブールという街、そしてトルコという国は過去数千年の間に様々な民族、宗教が支配し、その意味では日本や日本の都市とは全然異質の歴史をもっている。今日、観光客が見てまわっている有名な世界遺産、遺跡は多くの民族、宗教に支配されてきたトルコの歴史そのものなのだ。
イスタンブールの街はモスクなどが見えなければ、ほとんどヨーロッパの街に似ている。ツアーなので街歩きはほとんどできなかったが、ブラブラ歩いたら楽しそうな街である。盛りだくさんな世界遺産、いつくかのバザール(観光用なので地元の人はあまり利用しないとか)、そして洒落た町並みとボスフォラス海峡。
でもここが現在イスラム教の国だということを感じさせられたのは、イスタンブールに滞在中、一日に数回突然、街中に祈りの声が響いたことだ。早朝や夜ちょうど眠りかけた頃に、突然の大音響の祈りで目が覚め、しばらく祈りの声をベッドの中で聴いていた。祈りの声で目覚めさせられたにもかかわらず、不思議なことに祈りの声はなぜか耳に心地よかった。
[ イベント]
2018年9月23日(日曜)(大阪市)13:30~16:30
「人をめぐる冒険」ワークショップ
「人をめぐる冒険」ワークショップ
主催:未来から対話する会 協賛:シンプル堂、いのちアカデミー
2018年9月24日(月曜祝日)(神戸市)11:00~17:00
特別版「私とは本当に何かを見る会」
特別版「私とは本当に何かを見る会」
2018年9月17日(月曜日祝日午後)(東京)
「私とは本当に何かを見る会」
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2部 サルの壁 人の壁
3部 人生は、ド・アホでいこう!
2部 サルの壁 人の壁
3部 人生は、ド・アホでいこう!
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by シンプル堂 [社会] [コメント(1)|トラックバック(0)]
コメント
_ ストーン瀬戸物 ― 2018年08月04日 17時53分21秒
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ブログ更新は早くても年末かなと勝手に想像していて、過去の記事を読み返していました。イスタンブールは楽しかった様子がうかがえます。
高木節は、くっきり、すっきり、重くなく、優しい言葉のリズムが心地よい。新しい記事が読めてよかった。。
高木さんの磨いた目線と天性の言葉選びで救われた迷えるおばちゃん子ヒツジに、近いうちに、近々に、高木節で照らしてください。