〇〇ガチャの「受容」2021年12月03日 09時04分03秒

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最近、「〇〇ガチャ」という言葉をネット上でよく見ることがある。ネット民だけの間で使われる言葉かと思っていたら、先日は、大新聞の投稿にさえ、「隣ガチャ」というタイトルがついた文章があった。

ネット上でよく見るのは、「親ガチャ」という言葉である。この言葉の意味がよくわからなかったので、先日若い世代の人に教えてもらった――だいたいの意味は、「自分がどの親の元に生まれるかは、ゲームセンターでガチャガチャやって出てくる玉のようなもので、自分で選択できない」。そしてさらに、「どの親の元に生まれるかによって、すでに自分の運命が初めから決まってしまい、それを変えられない」というネガティブな意味あいもあるようだ。

生まれたときから運命はすでに決まっている――これは先日も紹介したラメッシ・バルセカールの考えと、言葉だけ読むとまったく同じように聞こえるが、彼が伝えようとしたことは、そこに「自由がある」ということであり、一方「親ガチャ」という言葉には、そこに「不自由と束縛」があるという感じで、真逆な印象がある。

ラメッシが言っていることが、「親ガチャ」という言葉が使われるようなネガティブな解釈にならないように、その違いをもう少し詳しく説明すると:

1自分がどういう環境に生まれ落ちるかを決める運命の筋書きを書いたのは、親とか特定の人ではなく、神である。

2神とは「私の本質」であるので、実際にその筋書きを書いているのは、「私」である。

3したがって、私たちにできることはその運命を受容することだけで、そこに「自由」がある。

4私たちが何をしてもしなくても、何を選択してもしなくても、すべては運命の筋書きによっている。したがって、私たちは自由に自分の好きなことをしてもかまわないし(=見かけの自由意志を行使してもかまわない)、それそのものがその人(肉体・精神機構)のプログラミングによって、決まっている。自分が好きなことをしたその結果は、あるときは、よい結果で、あるときは、悪い結果で、あるときは、普通の結果で、誰もこれを受容することしかできない。

ラメッシは「すべては神の意志」という考え方を生まれたときからもっていたそうで、彼はその考え方で人生を子供時代から青年時代、そして老年まで生きた人だった。先日読んでいたラメッシの本の中で、彼が若い頃の自分の銀行員時代のエピソードを語った話がある。

彼は自分が銀行で出世するかどうかは、すでに運命によって決まっていることなので、仕事上のことでは、上司に対して遠慮せずに、何でも正直に自分の意見を言ったという。つまり、日本でいう上司への一切の「忖度」をしなかったという。でも結果的には、彼の忖度なしの率直な意見は、上層部に気に入られ、彼は自分では望むこともなく、出世した(最後には頭取になった)、という結末になった。

キリスト教系の賢者、ジョエル・ゴールドスミスは今年出版された『スピリチュアル・ヒーリングの本質』という本の中で、生まれ落ちた環境や親について、次のように述べている。

「ですから、あなたの血統は白人でも黒人でも黄色人種でもなく、東洋でも西洋でもありません。あらゆる人が同じ親をもっていて、その親とは聖なる父であり、一なるスピリチュアルな創造的原理です」(p191)

「私たちが高貴な生まれであろうが、貧しい生まれであろうが、教育があろうがそうでなかろうが、私たちが白人であろうが、黒人であろうが、黄色人種であろうが。スピリチュアルなパワーは私たち自身の意識の活動によって決定されるのです」(p267)


つまり、ラメッシ・バルセカールとジョエル・ゴールドスミスの考えを融合すれば、「私達の見かけの親や生まれ落ちた環境を受容し、同時に、私たちの本当の親は血縁の親ではなく、神なる父であり、それはすべての人、すべての人種、どんな生まれの人にも共通していることを理解し、それに目覚めることに私たちの自由がある」というくらいの意味だ。

このように、すべての宗教の賢者は、運命や状況の「受容」を教えるが、一方で、これが知識人や政治的な人たち、社会改革派の人たちに、宗教やスピリチュアルが嫌われる理由でもある。「悪(人)に抗うな」と教えたイエス・キリストの言葉は、「人を弱者にする」教えだと思われ、2千年間理解されないままである。

しかし、「受容」は弱者への道ではない。それは自分の意志と神の意志を統合するパワーアップの道であることを、すべての賢者は教えている。「受容」を生き続けた賢者たちは、弱者だろうか? ラメッシ・バルセカールやダグラス・ハーディング、ニサルガダッタ・マハラジなどいわゆる賢者は弱者だろうか? もちろんそうではない。彼らは老年になっても、病気の時でさえ、パワーにあふれ、けっして弱者ではなかった。

さて、〇〇ガチャということで言えば、親ガチャより国ガチャのほうがもっと大変である。私たちが(今のところ)世界で一番豊富な品がそろっている(と、私はそう思っている)スーパーに日々買い物に行ける国に住み、(今のところ)国を捨てて他国で難民にならずにすんでいる国に生きていること自体が、世界の中ではものすごく恵まれている。しかもそれに加え、私たちはスピリチュアルな探求をする縁にも恵まれている。そして、さらに自分自身のことを言えば、母親の最晩年を介護するという「受容の修行」にも恵まれ(母の現状を受容することに時々失敗し、失敗しては一瞬落ち込む自分を受容する修行)、そのことをただただありがたく思う毎日である。



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ダグラス・ハーディングによる神によるクリスマス・プレゼント2021年12月19日 10時56分12秒

今年もまた年末がやって来た。去年はほとんど活動しなかったことに比べれば、何かとても忙しい感じの1年だった。紙の翻訳本が2冊も出て、加えてキンドル版の本も1冊作って、さらに、下記にご紹介するダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」ビデオの日本語字幕付けを完成し、さらにさらにオンラインでの会も開始し、その合間をぬって、母の介護の手伝いにもたびたび出かけてと……ネットの用語で言えば、リア充すぎて(リアルが充実しすぎて)、年末の今、多少くたびれている。これからまた母の介護の手伝いに出かけるので、気合を入れ直している(笑)ところである。

今年なんといっても最大の時間を割いたのは、ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」ビデオの字幕作業だった。私が今まで見たハーディング関連のベストビデオなので、これはぜひ日本の皆さんにも視聴してもらいたいと思い、日本語字幕を付けることにした。

作業自体はとても楽しく、何よりも驚いたのは、16年ほど前、初めてハーディングのビデオに字幕を付ける作業をやった当時に比較して、この分野のAI技術の目を見張る進化である。昔であれば、4時間半の動画の字幕を付けるのに、たぶん数年の作業が必要だったと思う。それがAIのおかげで今はわずか半年間で終わるのだ。

実は、多くの方はすでに知っていることだと思うが、youtubeの動画は今では各国言語への自動翻訳というAI翻訳の機能がついている。だから、オリジナルな英語の動画に日本語字幕を自動で出して、視聴することもできる。私もその日本語字幕を見てみたが、今ではかなりの実力だ。もしハーディングのワークにすでに親しんでいる人であれば、その字幕でもたぶんだいたいの意味は通じるだろうと感じた。

あと5、6年したら、字幕翻訳という仕事や作業そのものがほとんどAIに取って変わられ、ほとんど不要になるだろうと確信した。翻訳や通訳などの外国語に関わる仕事はもはや絶滅危惧職種(笑)になりつつある。そんなことを感じながら、初夏から秋の多くの時間をこの作業に費やした。

この作業をしながら、またダグラス・ハーディングに最初に会ったとき(1994年)のことを思い出した。「頭がない」とか奇妙なことを言っている(その当時はまだ「頭がない」という表現に私は抵抗があった)人が、どんな人なのか見てみたいという強い好奇心に駆られて(私の場合、そんなことはめったに起こることではない)、はるばるアイルランドまで出かけて、彼のワークショップに参加した。そして人生で、「天才」という名に値し、かつ本当に「神の王国」に住んでいる人に初めて出会ったことを確信した。とはいえ、私が出会った頃のダグラス・ハーディングは見かけは、天才というより、とっても普通で面白いおじいちゃんで一緒にいて楽しい人だった。

さて、一つだけ今回のビデオの視聴にあたって注意点を書いておくと、これはダグラス・ハーディングを「見る」ためのビデオではなく視聴者の方一人ひとりが自分の本質を見るためのビデオで、そういう目的のために企画・制作されたものである。

だから、ハーディングも最初に警告したように、実験をやらないで視聴すると、ただ可笑しい老人が友人たちと奇妙なことをやって楽しんでいるのをただ眺めだけとなり、おそらく退屈するだろうと思う。

(実験道具をもっていない方は、必要な実験道具の作り方は下記に記載してあります――簡単に作れます)


もちろん、実験のポイントが理解できれば、同時に83歳のダグラス・ハーディングの円熟した知性、知識、「神の王国」に住んでいる人の香りも同時に楽しむことができるだろうと思うし、もし一人でも今回のビデオで彼の言わんとしたポイントを見てくださる方がいれば、AI翻訳に負けないように頑張って、字幕作業をやったかいがあるというものだ。

それでは皆様、楽しいクリスマス、年末年始をお過ごしください。来年は1月の終わりか2月からブログを再開する予定です。


2004年12月のワークショップでのダグラス・ハーディングの言葉

「クリスマスの季節がやって来ました。今日、私は贈りものがいっぱい入っている袋をかついでいるサンタクロースです。これは私、ダグラスから皆さんへのプレゼントではなく、神から皆さん一人ひとりに与えられている極上のプレゼントです。私はそのことを伝えにやってきたサンタクロースです。神からのその贈りもの、それはこの地上のどんな物よりも比較にならないほど、すばらしい贈りものです。それは何でしょうか? それは、I AM(私は存在する)です。これほどすばらしいものはありません。これほど、私たちが自然に言えることはありません。誰もが、I AM~ (私は~である)と自然に言いませんか? 今日、私たちはその神からの贈りものに目覚めるための実験をみんなでやります」


『存在し、存在しない、それが答えだ』(ダグラス・ハーディング著 ナチュラルスピリット発行)


『頭がない男』(リチャード・ラング&ヴィクター・ラン‐ロックライフ著 ナチュラルスピリット発行)