Master Key to Self-Realization (1) ― 2024年05月28日 09時20分00秒
[お知らせ]
今回より、今年出版が予定されている本、Master Key to Self-Realization(自己覚醒へのマスター・キー)を紹介したい。
本書は、ニサルガダッタ・マハラジの師、シュリ―・シッダラメシュヴァール・マハラジ(Shri Siddharameshwar Maharaj 1888–1936)の講話を弟子たちがまとめた本で、最初はマラーティー語で出版され、そのあと英語版が出版された。
本書によれば、シュリ―・シッダラメシュヴァール・マハラジは、インドのインチャギリ・サンプラダヤ派の二代目のグルで、さらにこの教えはインドのマハラシュトラ州(中心都市ムンバイ)に伝統的に伝わる教えの系譜に所属している。本書の中では、マハラシュトラ州で活躍した過去の聖者、特にシュリ―・サマールタ・ラムダスとトゥカラムがたびたび話題にされている。
そういった過去の聖者への敬意と崇敬には満ちているものの、本書は決して堅苦しい本ではない。シュリ―・シッダラメシュヴァール・マハラジが非常にユーモアと科学的態度をもった人であることがうかがえる本だ。私は本書によって初めて、シッダラメシュヴァール・マハラジについて詳しく知ったが、彼のユーモアと科学的態度、そして、原書表紙に掲載されている彼の写真に写し出されている少年のようなほほ笑みに好感をもった。
本書の序文によれば、師の死後、シッダラメシュヴァール・マハラジは他の弟子たちと一緒に、師の教えを広める旅に出た。その旅の途中、師の教えを伝えることに関して、彼に一つの疑問が湧き起こり、それを仲間の弟子たちに伝えたところ、仲間からは強い反発を受け、彼も自分の考えをその場では撤回した。
その彼の疑問とは、師の教えを伝えるために、瞑想以外の方法はないのだろうか? 瞑想は非常に多くの努力と時間を要する。自分の本質に目覚めるという目的に到達する、もっと早い道はないのだろうか? というものだった。彼は以上の疑問を他の仲間の手前、撤回はしたものの、旅の途中で仲間たちと別れ、自宅に戻り、また一人で瞑想を続け、最終的な覚醒に至った。
それ以後、彼は瞑想に加えて、「鳥の方法」、つまり、自分自身を論理的に調査・考察する方法を弟子たちに教え始めた。「鳥の道」と呼ばれるのは、それは時間がかからない方法であるからで、それに対して、従来の瞑想を中心とする方法は、「蟻の方法」と呼ばれている。
本書は、シッダラメシュヴァール・マハラジが「鳥の方法」と呼んでいる、自分自身を論理的に調査・考察する方法の詳細を語った本である。
[昨年出版された本]
[その他の本]
*『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)
目次の詳細は下記へ。
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*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)
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