健康の常識と非常識 ― 2026年06月07日 09時10分50秒
[お知らせ]
『静寂の雷鳴』(ジョエル・ゴールドスミス著) 電子書籍版発売
時代劇系のチャンネルは視聴者に高齢者が多いせいか、番組と番組の間の広告のほとんどが高齢者向け健康食品やサプリ、保険だ――各種保険、認知症、便秘、難聴、膝関節の痛み、目の問題、頻尿など。「こんなの買っていたら、年金いくらあっても足りないよね」と姉妹と笑い合う。「夜中に何度も目が覚める人、それキケンです!」と怖い声で脅されて、「それ、私のことじゃん!」とさらに苦笑い。
「90歳の○○さん、このお茶を長年飲んでいるおかげで、今でもこんなにお元気です」という同じ広告が5年も前から続いている。「この人、今は施設にいるかもだよね。でもうちのお母さん、90歳のときは、サプリとか健康食品とか取らなくても、全然元気だったから、やっぱり大事なのは食事かな。でも、毎日の食事や献立作りが、ああ、もうめんどう!」とさらに愚痴や会話が続く。
今は百歳の母に毎日何を食べさせるかが大問題。体調、精神状態、好みの変化、歯の問題などもあって、以前食べていたものが食べられなくなることがよく起こる。たとえば、昔はご飯が好きだったはずが、今はなぜかご飯よりパンが好きになっている。昔はあれだけ魚料理を作っていた人が、今は魚をほとんど食べなくなっている。昔はトマトが嫌いだったはずが、今は平気で食べているなど。最近は栄養を考えるよりも、本人が食べることができるもの、食べたいもの、食べやすいものを優先している。
私自身も時々、どういう理由か食べ物の好みが突然変わることがある。数年前のある日、突然、朝食になぜか納豆が食べられなくなった。何十年、手軽なので、朝食は納豆ご飯と決めていた。納豆そのものが食べられないわけではなく、昼食や夕食なら問題ない。そして、さらに朝食に白米もほとんど食べなくなった。ああ、白米、大好きなのに!
食べていたものが食べられなくなる、食べていなかったものが食べたくなる、50代以後、こんなことがたまに起こる。そのときは、素直に体の言うことに従うことにしている。
今の時代、ネットに健康情報や食品情報があふれている。「○○が健康によい」という情報は、注意深く接することが必要だ。一般的にはよいかもしれないが、自分の体質には合わないということがよくある。反対に一般的にはよくなくても、自分の体質には合うかもしれない。卵、肉、牛乳、油、砂糖、塩、アルコールなどは特に賛否が分かれる。あと「味の素」なども、賛成派とアンチ派に分かれるようだ。
運動についても同じことが言える。「たくさん歩くことは健康にいい」と一般的には信じられているが、「たくさん歩いても健康に効果がない」という専門家の意見もある。さあ、正解はどこにあるのだろうか?
広く世界を見れば、知ったら驚くような食事スタイルを採用している人たちがいる。今、私がYoutubeに翻訳を公開しているU.G.クリシュナムルティは、「あなたが高齢になっても、ハンサムと健康を維持している秘訣は何ですか?」とあるとき尋ねられて、「大量の乳製品と塩分を取り、運動をしないこと」と答えている。よい子は絶対に真似してはいけない(笑)健康法で、いかにも珍獣の答えだ。
それから今、『酒を主食とする人々』高野秀行著(本の雑誌社)という、酒を主食とし、一日中、お酒を飲むアフリカのある民族についてのルポルタージュを読んでいる。その界隈の人たちは、子供から大人まで男女問わず、毎日数リットルのお酒(自宅で作るアルコール度数5~10パーセントのお酒)を飲むという。それでも彼らは健康の問題もなく暮らしている。
著者は後書きに書いている。お酒が禁じられている中東の人たちはお酒の代りに、スイーツや甘いお茶を一日に大量にとり、高血圧や糖尿病の人が非常に多い。本当はお酒そのものが健康に悪いというよりも、お酒と大量の肉、お酒と大量の塩分、お酒と大量の油の組み合わせが悪いのではないか?と。一理ある考えだ。
結局のところ、健康に関する最適解は、それぞれの体質、生活環境、年齢に合わせて、自分で作るしかないんだと思う。広告に脅されて、サプリを大量に飲むのはたぶん一番愚かしい。
[昨年出版された本]
*『頭がないということ――禅と明白なことの再発見』発売
(ダグラス・ハーディング著 ナチュラルスピリット発行)
定価:1,870円(税込み)ページ数:163ページ
*『自己覚醒へのマスター・キー』
*『猿笑非二元講座』
Youtube で公開している『猿笑(さるわらい)非二元講座』の電子書籍版。
[2023年に出版された本]
[その他の本]
*『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)
目次の詳細は下記へ。
販売サイト
*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)
目次の詳細は下記へ
販売サイト
料理とアートの日 ― 2026年06月16日 09時39分18秒
[イベント]
イベントの詳細・予約は下記へ
◎オンライン「私とは本当は何かを見る実験の会」
2026年7月12日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで
2026年7月30日(木曜日)午後2時から午後4時頃まで
◎オンライン「非二元の探究──人生の問題にどう対処するか」
2026年7月16日(木曜日)午後2時から午後4時頃まで
2026年7月26日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで
2026年7月26日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで
人生で初めて料理講習会に参加した。地元ガス会社が募集した無料講習会の抽選に当たったからだ。
当日、抽選に当たった人たちが大手クッキング・スタジオに集まり、高級ガスキッチンシステムを使って、1時間半にスイーツを入れて4品を作る。「作る」と言っても、実際は講師の先生が参加者に指示を出して、参加者は混ぜたり、切ったり。いためたりするだけで、面倒なことは何もない。合間に洗い物もするので、忙しい感じではあるが、高級ガス器具のおかげか、早く仕上がる。
その大手クッキング・スタジオでは、同時に別の料理教室もいくつか開催されていて、男性のグループもいた。今、料理教室って、人気なんだろうか。
参加者は出来上がった料理を雑談しながら食べる。こういう場所での会話はもちろん、料理と料理器具の話がメインだ。参加者の一人が言う。「自分のところは昔にこういったガスシステムを入れたけど、たいして使っていないのよね」と、高級調理器具を買っても、高機能すぎて使わなくなる、という「よくある話」にみんなが笑う。
また別の参加者はその日のメニューの一つ「天津飯」を食べながら、「今日の夕食もこれにするわ」と言う。「これおいしいし、献立考えるのも面倒だから」と。家族のために毎日頑張って食事を作っている人なのだろう。私も数日後に、家族のためにこの日作った「天津飯」を作ってみた。
そんな会話と料理を楽しんだあと、この日のもう一つの訪問先へと急いだ。そのクッキング・スタジオの場所から、バスで15分くらいのところにある篠田桃紅作品館だ。この作品館は、松木志遊宇(まつきしゅう)さんという方が自宅を改装して作った美術館で、彼女が個人的に長年かけて集めた篠田桃紅さん(注)の作品が展示されている。
当日は、松木さんご本人が絵の解説を丁寧にしてくださってありがたかったけど、でも説明のほとんどが右から左へ抜ける。松木さんは一枚の絵の前に立ち、部屋の照明を微妙に変えて、そうすることでどれだけ篠田桃紅さんの絵が違った印象を与えるかを説明。私の鑑賞能力の限界のせいで、彼女の感動があまり伝わらないのが残念……。でも絵の鑑賞は人それぞれだし、そこに芸術の自由があるのだと思う。こういう線と図と漢字の組み合わせの抽象アートは私好みだ。
最後に彼女(←松木さんは茶道と書道の先生でもある)がたててくれた抹茶をいただきながら、松木さんと篠田桃紅さんの出会い、篠田桃紅さんと篠田桃紅さんの作品が彼女に与えてきた影響などの話を伺った。
15歳のとき、松木さんは篠田桃紅さんの作品に最初に出会い、その作品に衝撃を受ける。そして、働くようになってからは、お金を貯めては、篠田桃紅さんの作品を買い続けたという。初めて篠田桃紅さんご本人に会ったのは、松木さんが42歳、篠田桃紅さんが72歳のときで、それから篠田桃紅さんが亡くなるまで二人の交流は続いた。松木さんは篠田桃紅さんを人生の師として仰ぎ、その出会いは「邂逅」だったと話す。「邂逅」とは「思いがけない出会い」という意味で、私なら「運命の出会い」と呼ぶ。
何かとの「邂逅」、「運命の出会い」、それは苦痛の多い人生を温め、照らしてくれる光のようなものだ。
篠田桃紅さんの作品を見て、私も何か漢字アートを描いてみたい気分にはなったが、最近は漢字がどんどん書けなくなっているのが問題(悲)。まずは漢字の書き取り練習から……
(注)篠田桃紅(1913~2021)
5歳のときから父親の手ほどきで書道を始める。戦後まもなく墨を使った抽象表現の分野を切り開き、世界的評価を得る。2021年、107歳で亡くなる。
参考図書
『私の体がなくなっても私の作品は生き続ける』篠田桃紅(講談社)
参考サイト
[昨年出版された本]
*『頭がないということ――禅と明白なことの再発見』発売
(ダグラス・ハーディング著 ナチュラルスピリット発行)
定価:1,870円(税込み)ページ数:163ページ
*『自己覚醒へのマスター・キー』
*『猿笑非二元講座』
Youtube で公開している『猿笑(さるわらい)非二元講座』の電子書籍版。
[2023年に出版された本]
[その他の本]
*『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)
目次の詳細は下記へ。
販売サイト
*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)
目次の詳細は下記へ
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