YouTube2023年04月08日 13時47分00秒

[お知らせ] 
「ダグラス・ハーディング1996年東京ワークショップ」の音声ファイル(に字幕と画像を付けたもの)を、youtubeに(1)から(22)まで公開しました。
 (一つの動画は15分くらいです) 

シンプル堂youtubeサイト

[新刊情報] 

「バーソロミューとの旅(上)日本編」(バーソロミュー著 ナチュラルスピリット発行)


「バーソロミューの旅日記(上)日本編」が新しいタイトルで復刊されました。シンプル堂が「バーソロミューの思い出」を寄稿しています。


最近、YouTubeのチャンネルを開設した。その主な目的は、自分が出てしゃべるためではなく、1990年代に私が主催したワークショップの記録を公開するためである。動画作成の分野はまったく素人のため、試行錯誤しながらの作業であるが、やり出すとけっこう楽しい。誰でも平等に参加できるのが、こういった新しいメディアのよいところだろう。何かを人に伝えるのに、音声と画像と文字の組み合わせは、(もしよいものが作れれば)、非常に効果的な感じである(特に娯楽と教育の分野においては)。

YouTubeというメディアを考えてみると、言ってみれば、テレビ局の無限拡大版みたいなものだ――既存のテレビ局は非常に数が少なく、それゆえ、「テレビに出る」ことは非常に競争が激しく、「テレビに出る人」になれたら、それは「成功」を意味し、名声と富が約束されている。しかし、YouTubeでは誰でもチャンネル(局)を開設できるゆえに、その意味では競争はゼロである。したがって、チャンネルを開設したからといって、富と名声が保証されているわけではないが、しかし、お金を稼ぐ方法としては、大昔から民放テレビが採用してきた方法とまったく同じである。

つまり、広告収入に依存し、そのため、お金を稼ぐユーチューバー(っていうのか)になるには、たくさんの人に視聴してもらわねばならず(=人気を獲得しなければならず)、そのあたりも既存テレビが視聴率を気にしなければいけないのと同じである。だから、ユーチューバーを生業にするには、今述べたように人気依存稼業であるゆえに、かなりのリスクがある。なぜなら、既存のテレビの世界同様に、人気(=人の気)は移ろいやすく、非常に不安定なものだからだ。

私が思うに、登録者数とか視聴回数とか、収入とか、「数」にこだわると、既存のマスコミと同じ精神状態になり、YouTubeビジネスも非常にストレスのたまるものになるだろう。むしろ、自分と興味が共通する少数の人たちと楽しさを分かち合うという精神でやるほうが、ストレスもなく楽しいものとなると、私自身はそう思っている。そして、期待せずに、もし多くの人たちが自然に見てくれれば、それはそれでうれしいことになるだろう。

今、YouTubeは特に若い世代の人たちには既存テレビや新聞よりもはるかに影響力があるらしく、だから、人気ユーチューバーがいきなり国会議員に選出されるなどという出来事も起きてしまう。そして、そのユーチューバーさんは、すぐに議員をやめさせられ、国会から追放されたあげく、警察にも追われ、それもまた人気(人の気)を、不法に(法律を犯す形で)たくさん集めた(集めすぎた)人の結末として、興味深い。

チャットGPTにしろ、YouTubeにしろ、地球規模に広がっているこういった情報ネットワークは、いわば、「人類全体の脳」のような機能を担っている。もう私たちは自分一人の記憶に頼る必要がなく、「人類全体の脳」にアクセスできる時代を迎えている。もちろん、「人類全体の脳」の進展は、よいことばかりでなく、これから数十年、世界はこの「人類全体の脳」をめぐって、その取扱いに関して右往左往し、混乱し、その一方で、一部の人たちはそれを使って大儲けすることになるだろうと思う。

素人の私たちとしては、「人類全体の脳」の最低のリスクを理解して、適当に使い、適当に楽しむといったところだろうか。


[昨年の発売された本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

目次の詳細は下記へ。

販売サイト


*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


目次の詳細は下記へ

販売サイト


海外の方は、USアマゾンからもダウンロードできます。
『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』
https://www.amazon.com/dp/B0BBBW2L8B/ 

『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うためにhttps://www.amazon.com/dp/B0BC5192VC/


『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』は、過去10年ほどの間、私が主催している会で、ダグラス・ハーディングの実験、ラメッシ・バルセカール&ニサルガダッタ・マハラジについて話していることをまとめたものです

会にすでに参加されたことがある方には、重複する話がほとんどですが、会で配った資料を体系的に読むことができ、また必要な情報をネット上で即アクセスできる利点があります。付録に、『シンプル道日々2――2019年~2021年』)を掲載しています。(総文字数 約124,000字――普通の新書版の1冊くらいの分量です)

『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』は、肉体・マインドとは、どういう性質のものなのか、それらとどう付き合ったら快適なのか、それらを理解したうえで、どう人生を生き抜いていくのか、主にスピリチュアルな探求をしている人たち向けに、私の経験を多少織り交ぜて書いています。肉体・マインドは非常に個人差のある道具なので、私の経験の多くは他の人たちにはたぶん役には立たないだろうとは思うのですが、それでも一つか二つでも何かお役に立てることがあればいいかなという希望を込めて書きました。付録に、『シンプル道日々2――2019年~2021年』)を掲載しています。(総文字数 約96,500字)