政治家の個人的物語(2)2024年10月04日 09時42分39秒

[お知らせ]

「苦節38年総裁選5回立候補」物語が、「43歳で首相になりたい」物語と「日本で初めての女性総理」&「保守派のプリンセス」物語に打ち勝って、先日の自民党の総裁選では、石破さんが自民党の総裁に選ばれた。

たまたま当日、私はyoutube で決戦投票前の石破さんと高市さんのスピーチを聞いていた。スピーチは石破さんのほうが断然よかったと感じられた。その「よかった」の意味は、彼が政治家として長年日本を見てきた「経験」と彼の「想い」と「言葉」が一致し、自民党の議員の皆さんも含めて、聴いている人たちの感情に入るスピーチだった。特に最後の「ルールを守る自民党でありたい」の一言は、法律違反の裏金議員の支援を受け、さらにルール違反をして、リーフレットを党員に送付した高市さんには、最後のパンチになった感じ……。一方、高市さんのスピーチは、言葉だけが「頑張っている」という印象だった。

「経験」「想い」「言葉」の三位一致は、聴く人の心にアピールするよいスピーチにはなるが、しかし、その自分の言葉を実行できる能力があるかどうかはまた別の問題だ。石破さんはもうすでに最初から、自分が言ったことを実行できないという能力不足を露呈している。このままでいくと、「ただ首相になって満足している人」に終わり可能性も……。

野党と論戦してから、解散すると言っていたのに、(臆病なことに)早々解散を決め、正式に首相に選ばれる前から、衆議院解散に言及するというルール違反をおかし、「女性の機会を守る」と公約しながら、今回の組閣で女性閣僚はたった2名だけ――自分のところですら、全然、女性に機会を与えていない!

それにしても、国会議員の皆さんは、本当に「選挙」(戦い)が好きな人たちだ。やっと9月で党首選、総裁選が終わったというのに、もう次の「戦い」のために走り出している。いつも「戦い」のために走りまわり、「敵」を出し抜く策略を練るのが、彼らに高揚感(アドレナリンの放出)と最高の喜びを与えるのかも……江戸時代、高級船宿や料亭で、「いかにして庶民から年貢や冥加金(今でいえば、税金)を巻き上げるのか。いかにして敵を落としいれるのか」の密談している奉行や老中と、精神構造がほとんど同じってのが、笑えるというか(国会議員の皆さんには、「暴れん坊将軍」を見ることをお勧めしたい。たぶん、自分に似た奉行や老中、下級武士や浪人がいるはず。残念なことは、悪を一刀に成敗する徳川吉宗(徳田新之助)が、現実の政治家に見当たらないことだ)

以上、久しぶりに政治について書いたが、次回は、スピリチュアル形而上学のエベレスト登山とも言えるMaster Key to Self-Realization の紹介に戻る予定。本書、そしてその次の本のために、ここ数ヶ月間、私は禅やインドのアドヴァイタ、キリスト教の歴代の賢者、禅師、先生の話をネットで調べることが多い(ChatGPTも非常に役立っている!)。そして、純粋にスピリチュアルな探求をする人たちの物語も、昔から現在まであまり変わっていないことに気づく。

政治、スピリチュアル、その他、人がどんな「物語」に心惹かれようと、実際のところ、私たちが生きるべき物語を自分で決めているわけではない。人間は、単にその物語を演じさせられるキャラクター(登場人物)として創造されたにすぎない。であれば、政治家の物語であれ、その他の物語であれ、楽しんで鑑賞(観照)するだけ……。

政治家の物語を演じている皆さん、健康に注意して、これからも頑張ってください!

[昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

目次の詳細は下記へ。

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*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


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政治家の個人的物語2024年09月23日 05時38分18秒

◎オンライン「私とは本当に何かを見る実験の会」

2024年9月29日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで予約受付終了しました


◎オンライン「非二元の探究――非二元的認識から生まれる豊かさについて

2024年10月3日(木曜日)午後2時から午後4時頃まで予約受付終了しました



[お知らせ]
Master Key to Self-Realization についての紹介は、発売時期が決まりましたら、残りを書きます。


9月は自民党の総裁選、立憲民主党の党首選ということで、ネットで候補者の皆さんの発言が掲載されている。それを時々読んで、一人で突っ込みを入れて笑ったり、彼らの個人的物語(目標、夢、自己イメージなど)が何なのかを想像したりしている。

普通、人間には自分なりの人生の物語がある――自分はこんな人生を送りたいとか、こんな人間になりたいとか、こんなことを人生で実現したいとか。当然のことながら、政治家の皆さんも、庶民と同じく普通の人間である。だから、彼らにも人間として、そして、政治家としての物語が一人ひとりあるはずだ。

たとえば、岸田首相は、とにかく昔から首相になりたかった、つまり、「首相になる」ことが彼の人生の、そして政治家としての夢(物語)だったそうだ(と前に読んだことがある)。首相になって、何かやりたいことがあったわけではなく、とにかく「首相という地位」に憧れ、それになりたかった。そして、彼は自分の夢を実現して、首相として特にやりたいことがあるわけでもないので、(選挙で自民党が大敗北して)みじめになる前に、今回退陣を決意したのもうなずける話だ。

それから、高市早苗さん。もちろん彼女は、「日本で最初の女性総理大臣」という物語がお気に入りだろうし、しかも、「サナエあれば憂いなし」なんて大言壮語を吐くくらいだから、「自分の力で」、「日本を再び一番高いところへ押し上げる」ことができるという物語を信じている。しかし、人口の30%が老人を占める老人大国に、どうやって体力のいる「山登り」をさせようというのか? そんな疲れる高い目標よりも、これからの日本がめざすのは、低いところでいいので、国民が普通に働いて(=働きすぎないで)、普通に暮らすことができ、戦争に巻き込まれない国(←こういった目標さえ、かなり高いかもしれない)ぐらいでいいと、私は思うけど。

それから、石破茂さん。彼について不思議なのは、いつの総裁選挙でも、国民・党員・党友の人気は高いのに、自民党の議員さんの間ではまったく人気がないことだ。つまり、清潔で誠実で実行力がありそうという彼のイメージが、自民党の議員さんの間ではまったく評価されず、それがむしろ彼が首相になる道を阻んでいることが、興味深い。それよりも、多少ダークで、ずる賢く、議員同士の「毛づくろい」(←動物的コミュニケーション)が上手にできる人が、自民党の内部では評価され、リーダーとして出世する感じ。石破さんも、彼の政敵、麻生太郎さんをもっと見習えばよかったのかも。

そして、人気アイドル化している小泉進次郎さん。こちらも読んだ話によれば、彼はアメリカのジョン・F・ケネディ大統領(アメリカの第35代大統領1917~1963)に若い頃から憧れ、そのケネディ大統領が大統領になった歳、「43歳で首相になる」という物語がかなりお気に入りのようだ。公開質問でも、「(カナダの)トルドー首相は、就任した年は、43歳です。私は、今、43歳です。43歳、総理就任というトップ同士が胸襟を開き…」と、???の発言をして、「43歳」にかなりご執着の様子(笑)。

そして、大手マスコミも、今回の自民党総裁選に立候補した9人の国会議員の中で、もっとも大衆受けする物語を作れるということで、「小泉政権」を勝手に想定してはしゃいでいる。彼がもし首相になれば、彼だけでなく、彼の奥さんやお子さんたちの話も記事の種にでき、政治にほとんど興味のない人たちにも、タレントのゴシップのごとく、そういったネタを「買わせる」ことができる(=マスコミは、それでお金儲けができる)。永田町と大手マスコミは驚くほど構造や考え方が似ているのだ。

しかし、いくつかのサイトによれば、彼の政治家としての実力・能力には??がつくデータが出ている――たとえば、議員在任中にどれだけ議員立法の法案を提出しているのか(=議員としてどれだけ仕事をしたか)の数では、小泉さんは今回立候補した9人の中で最下位のゼロ本……。そして、10分間の立ち合い演説会で、カンニングペーパーを見た回数(←暗記力とアドリブ力の問題)が、9人の中でダントツ1位の221回など。

参考サイト

まあ、今回の自民党の9人の候補の方で、誰が首相になっても、この国の未来がそうそう変わるわけでもないし、まして自民党が(よい方向に)変わるはずもないが、万一、小泉さんが今回、マスコミと国民の人気と、「小泉で次の選挙を乗り切れ」という自民党の強欲に押し上げられて首相になったら、ご本人が一番これから辛いのではないかと思う。あらゆるところから、小泉首相を陥れようと狙う「刺客たち」が飛んでくる可能性が……すでに前回の東京都知事選で旋風を巻き起こした石丸伸二さんが、「刺客」宣言をしている。

参考サイト

皆さんの「物語」の結末はいかに、ということで、私もだんだん物語の結末が楽しみ(笑)になってきた。


[昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

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*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


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方向が逆2024年09月07日 07時55分23秒

◎オンライン「私とは本当に何かを見る実験の会」

2024年9月19日(木曜日)午後2時から午後4時頃まで ←受付終了しました
2024年9月29日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで


◎オンライン「非二元の探究――非二元的認識から生まれる豊かさについて

2024年9月22日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで
2024年10月3日(木曜日)午後2時から午後4時頃まで



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Master Key to Self-Realization についての紹介は、発売時期が決まりましたら、残りを書きます。


先日、ネットで見た小さい記事が私の関心を引いた。それは東ティモールという小さい国の話で、その国へこのたび、フランシスコローマ教皇が訪問するという。

東ティモールは小さい国で、それほど経済的に豊かではない。それにもかかわらず、莫大な予算を組んでローマ教皇来訪の準備をし、ミサの場所を作るために国有地に住んでいた貧しい人たちの家を強制的に壊し、退去させたという。

さて、私は思ったものだ。貧しい人たちの家を強制的に壊して退去させることは、キリストの精神に合っているのだろうか?と。もちろん、ローマ教皇はこのことをご存じないだろうから、彼の責任ではないが、貧しい人間たちを泣かせて、ローマ教皇の来訪に備えるって、なんかキリストの精神とは方向が逆な感じ……でも、カトリック教徒が90%以上をしめる国民からもたいした反対はなかったようだ。

私が子供の頃の話である。家族の中で唯一、祖母だけが宗教的行為に熱心だった。戦前から生き残った高さ2メートルに届きそうな仏壇に、お花と、家族がめったに口にできない高級なお菓子をあげ、熱心に毎日その前で読経していた。家にお金がない時代だったにもかかわらず、祖母は宗教行事にはお金をつぎ込んだ。それほど熱心に宗教行事にお金をつぎ込み、熱心に日々読経しているにもかかわらず、祖母は幸せな人ではなかった。そして、彼女の不幸は家族に暗い影を投げかけた。

祖母を見て、私は子供心に思ったものだ。木の箱(仏壇)にいるとされている死んだ人間にお菓子をあげて祈るより、生きている子供においしいお菓子をくれ!(笑)。そして、宗教行事はお金がかかるわりには、人間の幸福にも心の平和にも役に立たないものだとも思った。祖母は幸福や平和をまったく反対の方向に求めていたのだ。

だから、私は子供の頃から仏壇や墓に参るメリットを感じたこともなければ、宗教行事に特別な敬意ももったこともない。が、それでも、父が亡くなってからは、1年に数回だけは宗教行事(というよりは季節の文化行事)をおこなっている。8月は墓参りに行き、お寺さんにご挨拶もしてきた

そして、家に帰ってきてから、母と一緒に母の好きな歌、『千の風になって』を歌った。

私のお墓の前で泣かないでください♪♪♪
そこに私はいません♪♪♪
眠ってなんかいません♪♪♪

まさに、肉体が生きているときも、肉体の死後も、「私」が、あんな小さい石の箱(お墓)の中にいるはずがない! 方向が逆!




[昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

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*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


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最近、ちょっと驚いたこと―「アロノハラドゥウエ」2024年08月18日 07時54分02秒

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*Youtube新シリーズ 猿笑(さるわらい)非二元講座」

猿笑​(さるわらい)非二元講座(13) 「主体と対象②」について


*『ハートの静寂』(ロバート・アダムス著 ナチュラルスピリット発行)電子書籍版が

発行されました。詳細はこちらはへ。


Master Key to Self-Realization についての紹介は、発売時期が決まりましたら、残りを書きます。


時々、Youtube の語学関係の動画を見ている。日本人の英会話好きのせいで(というより、本当は日本人があまりに英会話が苦手のせいで)、非常にたくさんの人たち(たいていは独学で英会話をマスターした人たち)が、様々な学習法を提唱している。

面白いことには、「Aの学習法がいい」という意見があると、ほとんど必ず、その反論、「Aの学習法は役に立たない」という意見があることだ。現在では、学習法、そして無料の学習教材がネットにあふれているので、(特に初心者の人たちは)どれがいいのか、迷うことだろう。

私も英語を話すことはいまだそれほど得意ではない(けど、ほんのたまに話すことが必要になる)ので、参考になる学習法があるかどうか、いまだに研究中である。

そういった数多くある語学系動画で、最近、一番面白かったのが、ニューヨークでスタンドアップ・コメディのプロ(日本でいうお笑い芸人)として活躍している小池さんという人が、英語の発音や文法について話している動画だ。

アメリカ人を英語で笑わせることに(おそらく)苦労してきた彼が、どうしたら、日本人的発音から脱して、通じる発音ができるかの話はなかなかユニークだ。彼自身も日本にいたときは、英語は不得意で、勉強も苦手だったそうで、だから、努力なしに、簡単に発音できる方法を伝授している。

たとえば、I don’t know how to do it.(私はそれをどうやってやったらいいかわからない)は、「アロノハラドゥウエ」と発音すればいいと。

普通に、I don’t know how to do it.をカタカナ表記すれば、「アイドン(ト)ノウハウトゥードウイット」くらいだろうが、「アロノハラドゥウエ」とはあまりに異なる。

https://www.youtube.com/watch?v=66HQkb4NeWI
(日本人なまり英語から脱出 日本語緊張英語学習勉強Rio Koike Japanese comedian ニューヨーク日本人スタンダップコメディアン小池良介英会話ポケトーク)

私も自分のスマホの外国語音声認識アプリに、このまま「アロノハラドゥウエ」と言ってみた。するとなんと、スマホの画面に、「I don’t know how to do it.」(私はそれをどうやってやったらいいかわからない)と、英語と日本語訳が正しく表示されるではないか!

私の経験では、スマホの外国語音声認識アプリに、普通に、つまり、習ったとおりに、英語を発音しても(したと思っても)、なかなかスマホは聞き取ってくれないことが多い。

それなのに、「アロノハラドゥウエ」が、一発でOKって、「わお!」って感じだ。

先日は、また別の動画で、小池さんが講演でアメリカ(特にニューヨーク)で成功する秘訣を語っている話を聴いた。それによれば、その一番の秘訣は、努力、才能ではなく、「助け合い」なんだそうである。ただし、「助けは、期待するとやって来ない」、ことも付け加えていた。

(An essential ingredient for success that everyone forgets | Ryosuke Koike | TEDxAnjo)

アロノハラドゥウエ」――ちょっと、驚きました!


[昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

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*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


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「日本人、死ぬな!」2024年08月07日 06時01分07秒

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*Youtube新シリーズ 猿笑(さるわらい)非二元講座」

猿笑​(さるわらい)非二元講座(13) 「主体と対象②」について


*『ハートの静寂』(ロバート・アダムス著 ナチュラルスピリット発行)電子書籍版が

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先日、ネットに、アフリカの人が投稿した、「日本人、死ぬな!」という動画が話題になっているという記事が出ていた。

そのアフリカの人(たしか、カメルーンの人)は、日本では、過労自殺をする人が多いことを知って驚き、そんな動画を日本人向けに投稿することを思いついたそうだ。彼は、「私の国は、日本に比べれば、非常に貧しいけれど、でも、仕事で死ぬ人は誰もいない。もし日本でダメなら、アフリカに来ればいい」と、日本人に呼びかけている。

彼の日常は、日本での生活環境とは違い、トラブルにあふれている。電気の供給は不安定で、たびたび止まり、養鶏業には強盗が入り、マラリアなどの感染がたびたび発生する。それでも、人々は自殺することはない。

日本でダメなら、他の国へ行ってみる――特に若い世代の人たちには、機会があれば、海外へ、特に日本よりかなり不便な国へ行くことをお勧めする。私も大昔、インドへ行って、カルチャー・ショックを受けたことを思い出す。何もかもが日本とは真逆で、最初の頃、毎日驚いていた。

日本よりも生活環境の整っていない所でしばらく生活すると、たいていなんというか、物事がスムーズにいくことを期待しなくなり、「怒っても、仕方ない。最後はなんとかなるだろう」みたいに、楽観的というか、前向きにあきらめることを学ぶようになるものだ。

すべてが便利で、整っている日本のような社会にいると、その便利さがあまりに当たり前になる。そして、少しでもその便利さが失われると、人々はイライラし、他者に対して、寛容でなくなり、怒りっぽくなる。そして、働く人たちは時間に終われ、ノルマに追われ、人間関係(お客、同僚、上司など)に気を使い、疲労する社会となる。

ずっと昔から、過労自殺、過労死のことが問題になっているのに、労働環境はほとんど改善されず、海外の人たちからも同情されている日本。それどころか政府自らが、マイナンバー・カード、マイナ(マイナンバー・カード)保険証を国民に押し付けるために、無駄な税金を使い(本当に便利なものだったら、自然に広まるはず)、色々なところで労働とストレスを増やしている。一体、マイナ保険無理やり推進で、「誰が」儲かったんだ?と勘繰りたくなる――マイナ保険証に、紙の保険証(最後の更新から1年間は使えるらしい)、資格確認書に、いずれはスマホの保険証と、医療機関の窓口の混乱必須。

先日見ていた時代劇――村々の米の出来高を毎年調査する悪代官が、賄賂をもらった村の収穫の査定は低くし(そうすると、年貢をたくさん収める必要がなくなる)、賄賂を出さない村の収穫は高く査定する(豊作と査定されると、年貢をたくさん収める必要がある)という、あくどいことをやっていた。賄賂を出さない村の、正義感の強い名主が悪代官のところへ、「これ以上年貢が高くなると、村民は暮らしていけない」と抗議に行き、江戸の目安箱へ訴えると言い放った。翌日、彼は死体で川に浮いていて、すべての責任をとって自殺したとされた(実際は、悪代官に殺されたことが、あとでわかる)。

権力の不正を抗議する正義感の強い人たちは死に、強欲な権力者たちは罪悪感もなく生き延びる。これって、数百年後の今も、時々見ている風景……

「日本人、過労自殺するな! 働きすぎるな! 権力者の不正くらいで死ぬな!」

そして、特に今、(日本だけが暑いわけではないけど)、「日本人、暑さで、死ぬな!」


[昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

目次の詳細は下記へ。

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*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


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私が伝えたいこと2024年07月17日 07時09分30秒

◎オンライン「私とは本当に何かを見る実験の会」

2024年7月25日(木曜日)午後2時から午後4時頃まで


◎オンライン「非二元の探究――非二元的認識から生まれる豊かさについて

2024年7月21日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで


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*Youtube新シリーズ 猿笑(さるわらい)非二元講座」
*『ハートの静寂』(ロバート・アダムス著 ナチュラルスピリット発行)電子書籍版が
発行されました。詳細はこちらはへ。



Master Key to Self-Realization についての紹介は、発売時期が決まりましたら、残りを書きます。

皆様、梅雨&暑中お見舞い申し上げます。

私がスピリチュアル関係の仕事を始めて35年くらいがたつ。この間、色々な本の出版に関わり、自分の本も出版し、スピリチュアルの色々な分野を見聞し、その一部に関わってきた。

出版関係の仕事、そして自分の活動を通じて、私が皆様に伝えたいことは、今も昔もそんなに変わっていない。私がこのブログで色々なことを書くので(スピリチュアルなことだけ書いていると、私のマインドは退屈する)、一体シンプル堂さんは本当は何を書きたいのか?と思っている方がいるかもしれないので、本日は、私が皆様に伝えたいことをまとめてみたい。

私が皆様に伝えたいことの核心は、非常にシンプルで、一言で書けば、「自分の本質に目覚めて、平和に楽しく生きること」である。もちろん、世の中には、自分の本質に目覚めていなくても、楽しく生きている人たちはたくさんいる。しかし、自分の本質に目覚めることは、人間という種に生まれたものにとっての最高の贅沢である、と私は確信している。

「自分の本質に目覚める」はスピリチュアルなことであるが、それに加えてさらに、人間的次元では:

*(なるべく)自分の好きなこと(自分に向いていること)をする。
*(なるべく)自分の生まれつきの能力(才能)を生かす。

以上の2つをさらに皆様にお伝えしたいとおもってきた。だから、以上の3つに役立つための(本などの)情報、私自身の45年のスピリチュアルな探求の経験から学んだこと、考えたことをこのブログで書いてきた(つもりである)。私が今まで出版に関わった本、このブログで書いてきたことが、誰かのお役に立ったとしたら、うれしいことだし、人間的意味での私の喜びもそこにある。


今、朝の6時。目を閉じると、思考が止まり、静寂が広がり、その中で、鳥の鳴き声が聞こえ、扇風機の風を感じる………

おっと、ブログがまだ途中でした。思考再開。

最近は、「老い」の苦を痛切に感じる日々である。若い頃、「老い」がこんなに苦だとは想像することができなかった――親の老い、自分の肉体の老い、そして、日本という国、システムの老い。

でも、精神は保守化(老化)しないように、注意しなくてはと思う。いつも心がけることは、今ここで、楽しむことができることを楽しむ。そして、少しだけ新しいことに挑戦する。ここ数年、試みた新しいこと――YouTubeでの動画作り、Zoom。そして、去年と今年は、簡単にできるお菓子作りにはまっている。私自身は体質的に糖分をたくさん食べないほうがいいので、自分はちょっとしか食べないが、家族のために作っている。料理はスピリチュアルな探求や仕事と違って、結果が出るのが早くて楽しい。

最近一番ヒットしたお菓子――「豆腐ガトーショコラ」――絹ごし豆腐、卵、砂糖、ココアをただ混ぜて、電子レンジで約3分、トータルで10分くらいで完成→粗熱をとって、冷やして食べる(レシピはネットに多数出ています)。

それでは皆様、楽しい夏をお過ごしください。


[昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

目次の詳細は下記へ。

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*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


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Master Key to Self-Realization (3)2024年07月01日 06時48分21秒

ケロケロ様
[Master Key to Self-Realizationの発売予定は、現時点ではまだ未定です。たぶん、今年中には発行されると思いますが……]

◎オンライン「私とは本当に何かを見る実験の会」

2024年7月14日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで
2024年7月25日(木曜日)午後2時から午後4時頃まで


◎オンライン「非二元の探究――非二元的認識から生まれる豊かさについて

2024年7月18日(木曜日)午後2時から午後4時頃まで
2024年7月21日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで


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*Youtube新シリーズ 猿笑(さるわらい)非二元講座」
*『ハートの静寂』(ロバート・アダムス著 ナチュラルスピリット発行)電子書籍版が
発行されました。詳細はこちらはへ。



Master Key to Self-Realization(自己覚醒へのマスター・キー)は、非常に短い本(原書で、約100ページ)なので、私がこのブログであまり内容を紹介しすぎると、皆さんに購入していただく意味がなくなる(笑)ので、各ボディについての詳細に興味がある方は、ぜひ購入していただければと思う。

私が本書の中に書かれている内容で、「ああ、そういうことか」と初めて知ったことは、インドの悪名高きカースト制度の起源である。本書の中のある章に、「一人の人間の中で、カーストを経験する」という項目がある。実は、インドのカースト制度の起源とは、現在のように、肉体がどこの家庭や家柄に生まれたかという外側の問題ではなく、一人の人間の中のそれぞれのボディにつけられた別称なのである。

カーストには、基本的にバラモン(司祭)、クシャトリヤ(戦士)、ヴァイシャ(商人)、シュードラ(労働者)があるが、それをそれぞれのボディに当てはめれば:

グレート‐コーザル・ボディはバラモン(司祭)・カースト、
コーザル・ボディはクシャトリヤ(戦士)カースト、
サトル・ボディはヴァイシャ(商人)カーストであり、
グロス・ボディはシュードラ(労働者)カースト、

ということになる。

だから、人がグロス・ボディ(肉体)と自分を一体化していれば、その人の意識状態は、シュードラ(労働者)カーストに属し、サトル・ボディと一体化していれば、ヴァイシャ(商人)カーストに属し、コーザル・ボディと一体化していれば、クシャトリヤ(戦士)カーストに属し、グレート‐コーザル・ボディと一体化していれば、バラモン(司祭)・カーストに属している、ということになる。

このように、インドの古代ヴェーダの本来の教えによれば、カーストは、肉体の生まれや家柄とは無関係、つまり、今、流行の言葉で言えば、家柄ガチャとは無関係なのに、それを外側の固定的階級制度にしてしまったところに、現在まで続くインドという国の不幸がある――インドには、さらにカースト外の不可触民、「ダリッド」と呼ばれている人たちがいる。

本当であれば、人を解放するはずの宗教的教えが、人々を束縛し、不幸にするのは、何もヒンドゥー教に限らないが、人間マインドが、どれほど階級制度が好きなのか、いつも驚くばかりである。

たぶん、人間精神の奥深くに、誰の中にも、「上(の階級)へ行きたい」という超越へのあこがれ、野心(願望)のようなものがあるのだろうと、私には感じられる。そして、その野心(願望)が間違って、外側に向けられると、それは宗教ではなく、「政治」、他者とのかぎりない階級競争となり、その結末は、不幸、みじめさ、憎しみ、恨み、つらみである。

しかし、そのあこがれ、野心が正しい方向、つまり、内側に向けられ、内なる階級が理解できれば、本書が説明するように、それは究極的には人を解放する教えとなる。

真正なスピリチュアルは、どんな家柄、生まれ、人種であれ、すべての人にカースト(ボディ)からの解放の可能性を約束している。本書の中では、グレート‐コーザル・ボディ=バラモン(司祭)・カーストさえ、最後に超越すべきものとして語られている。

ボディの階級を上り、最後にはそれさえ捨てる。それがアドバイタの教えが語る最高の野心であり、ニサルガダッタ・マハラジはその野心を次のように語っている。

「あらゆる人が死ななければならない。だったら、自分の本質として死になさい。なぜ肉体として死ぬのか? 自分の本質を決して忘れないようにしなさい。そのことは多くの人たちには受け入れられないかもしれないが、それが事実だ。もしあなたが野心をもたなければならないとしたら、最高の野心をもちなさい。そうすれば、少なくとも死ぬ最中に、あなたは絶対になることだろう」『意識に先立って』p195(ナチュラルスピリット発行)


[昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

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*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


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Master Key to Self-Realization (2)2024年06月15日 08時17分04秒

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*Youtube新シリーズ 猿笑(さるわらい)非二元講座」



*『ハートの静寂』(ロバート・アダムス著 ナチュラルスピリット発行)電子書籍版が
発行されました。詳細はこちらはへ。



Master Key to Self-Realization(自己覚醒へのマスター・キー)は、ちょっとミステリーふうな仕立てになっている。つまり、謎めいた「私」を探すために、人間を構成する様々な体(ボディ)を、粗雑な体(グロス・ボディ)から、精妙な体(グレート・コーザルボディ)へと、順を追って調査しながら、究極のパラブラフマン(絶対)に至る道筋を明らかにする。

もし本書の方法が成功するなら、最後に探求者に、「絶対」である「私」が明らかになることになっている。

本書で語られているボディの種類は下記の4種類であり、第一の体から、順番に第四の体まで詳細な説明がなされている。

第一の体――グロス・ボディ
第二の体――サトル・ボディ
第三の体――コーザル・ボディ
第四の体――グレート‐コーザル・ボディ(トゥリーヤ)


ここで注意すべきことは、もし読者の皆さんが今まで、他の教え、他の本で、こうした目に見えない体(ボディ)に関する秘教的知識を読んだことがあるなら、本書での説明・分類は、他の教え、本とはかなり異なるかもしれない。

たとえば、私が昔読んだ本では、本書でいう第二の体――サトル・ボディをさらに、感情体(エモーショナル・ボディ)と思考体(メンタル・ボディ)に分けてあるものが多く、私の中にもいまだ、感情体(エモーショナル・ボディ)と思考体(メンタル・ボディ)という観念が根強く残っている。

思い出すに(かなり昔に読んだ本なので記憶があいまいであるが)、ヒーリング関係の本が多かったと思う。しかし、本書はヒーリングの本ではなく、あくまでも、私とは何か? 私の本質とは何か?を探求することが目的の本であり、本書での体(ボディ)の説明もその目的にそっている。

私が本書を読んで、一つ不思議に思ったことは、シュリ―・シッダラメシュヴァール・マハラジの主要な弟子であるニサルガダッタ・マハラジの講話には、私が読んだかぎり、こういった目に見えない体(ボディ)への言及がほとんどないことだ。

『アイアムザット私は在る』(ナチュラルスピリット発行)には多少言及があるが、最晩年の『意識に先立って』(ナチュラルスピリット発行)にはまったく言及がない。では、ニサルガダッタ・マハラジの弟子である、ラメッシ・バルセカールはどうかと言えば、初期の頃の著作に目に見えない体(ボディ)を詳細に説明した章があるが、私が読んだかぎりでは、それ以外の講話、本の中で、ラメッシも体(ボディ)の話をしていない。

それはどうしてなのだろうか?

その答えはたぶん、『意識に先立って』から読み取れば、マハラジの帰依者たちは、そういった目に見えない体(ボディ)のことはすでに宿題として学び終えているべきことなので、最晩年の講話の中ではあえて、説明しない(説明している時間がない)というのが、マハラジの考えだったようだ。

だから、『意識に先立って』、そしてラメッシがマハラジの教えを解説した本、『ニサルガダッタ・マハラジが指し示したもの』(ナチュラルスピリット発行)では、第二の体、サトルボディと第三の体、コーザル・ボディの話はまったく出てこなくて、第四の体―グレート‐コーザル・ボディ(トゥリーヤ)(IAM)から、絶対へ至る話のみをほとんど語っている。

マハラジは、第一の体(グロスボディ=肉体)と第四の体―グレート‐コーザル・ボディが理解できれば、その中間の体に関する知識は自ずと湧きあがるだろうと考えていたのかもしれない。

まあ、ニサルガダッタ・マハラジがどう考えていたにせよ、本書の中では、シュリ―・シッダラメシュヴァール・マハラジは、すべての体(ボディ)を時間をかけて調査し、完全に理解することが重要だと強調している。


[昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

目次の詳細は下記へ。

販売サイト


*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


目次の詳細は下記へ

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Master Key to Self-Realization (1)2024年05月28日 09時20分00秒

[お知らせ]

*Youtube新シリーズ 猿笑(さるわらい)非二元講座」

*『ハートの静寂』(ロバート・アダムス著 ナチュラルスピリット発行)電子書籍版が

発行されました。詳細はこちらはへ。



今回より、今年出版が予定されている本、Master Key to Self-Realization(自己覚醒へのマスター・キー)を紹介したい。

本書は、ニサルガダッタ・マハラジの師、シュリ―・シッダラメシュヴァール・マハラジ(Shri Siddharameshwar Maharaj  1888–1936)の講話を弟子たちがまとめた本で、最初はマラーティー語で出版され、そのあと英語版が出版された。

本書によれば、シュリ―・シッダラメシュヴァール・マハラジは、インドのインチャギリ・サンプラダヤ派の二代目のグルで、さらにこの教えはインドのマハラシュトラ州(中心都市ムンバイ)に伝統的に伝わる教えの系譜に所属している。本書の中では、マハラシュトラ州で活躍した過去の聖者、特にシュリ―・サマールタ・ラムダスとトゥカラムがたびたび話題にされている。

そういった過去の聖者への敬意と崇敬には満ちているものの、本書は決して堅苦しい本ではない。シュリ―・シッダラメシュヴァール・マハラジが非常にユーモアと科学的態度をもった人であることがうかがえる本だ。私は本書によって初めて、シッダラメシュヴァール・マハラジについて詳しく知ったが、彼のユーモアと科学的態度、そして、原書表紙に掲載されている彼の写真に写し出されている少年のようなほほ笑みに好感をもった。

本書の序文によれば、師の死後、シッダラメシュヴァール・マハラジは他の弟子たちと一緒に、師の教えを広める旅に出た。その旅の途中、師の教えを伝えることに関して、彼に一つの疑問が湧き起こり、それを仲間の弟子たちに伝えたところ、仲間からは強い反発を受け、彼も自分の考えをその場では撤回した。

その彼の疑問とは、師の教えを伝えるために、瞑想以外の方法はないのだろうか? 瞑想は非常に多くの努力と時間を要する。自分の本質に目覚めるという目的に到達する、もっと早い道はないのだろうか? というものだった。彼は以上の疑問を他の仲間の手前、撤回はしたものの、旅の途中で仲間たちと別れ、自宅に戻り、また一人で瞑想を続け、最終的な覚醒に至った。

それ以後、彼は瞑想に加えて、「鳥の方法」、つまり、自分自身を論理的に調査・考察する方法を弟子たちに教え始めた。「鳥の道」と呼ばれるのは、それは時間がかからない方法であるからで、それに対して、従来の瞑想を中心とする方法は、「蟻の方法」と呼ばれている。

本書は、シッダラメシュヴァール・マハラジが「鳥の方法」と呼んでいる、自分自身を論理的に調査・考察する方法の詳細を語った本である。


[昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

目次の詳細は下記へ。

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*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


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顔がなかった子供(小学生)時代2024年05月14日 08時58分22秒

[イベント]

◎オンライン「私とは本当に何かを見る実験の会」

2024年5月16日(木曜日)午後2時から午後4時頃まで



ダグラス・ハーディングは、人間が、世界と自分をどのように認識するかを、次の4段階に要約している。

第1 段階(幼年期)赤ん坊は世界と同じくらい広がっている。
第2段階(子供時代)自分の顔と空間の両方をもつ。
第3 段階(大人時代)完全に顔と一体化し、顔で空間をふさぐ。
第4段階(自分の本質に目覚める)他人から一人の人間として見られていることを知りつつ、目覚めた空間であることに気づく。



ここ数年、自分の人生で上記の第2段階(概ね小学生時代)と、第3段階へ移行した時期を明確に思い出している。

第2段階であった子供(小学生)時代の一番楽しい、感情的に盛り上がった思い出は、親戚の子供たち(昭和の時代は、子供が多かった)と一緒に遊んだことだった。夏休みや冬休みに、お互いの家を行き来し、海水浴にみんなで行ったり、セミやトンボを捕まえに行ったりとか、公園で鬼ごっことか、トランプ、花札、ボードゲームをみんなでやって盛り上がった。

そういった時間がなぜあんなに楽しかったかと言えば、そこに「自意識」がなかったからだ。つまり、そういうとき、私たちは自分の顔で世界をふさいでいないので、明確に世界が見えていて、ただ在るのは、場面の中に他の子供たちや大人たち、そして向こうに見ているものに対する自分の思考や感情だけだった。

もちろん、その感情の中にはときには、悲しみや怒りも不快感もあったが、「私が怒っている」とか、「私が悲しんでいる」ではなく、ただ「悲しい」、ただ「怒っている」、ただ「苦痛」、あるいは、「うれしい」、「楽しい」、「(ゲームに勝って)ヤッター」みたいな感じだった。中心に顔がないので、感情や思考は瞬間瞬間、流れては去っていくだけで、重く蓄積したりはしなかった。

そういった楽しい時代が終わりを告げるのは、中学生になり、他者からの評価が重要になり、そして、決定的に自分の顔で世界をふさいだのは、中学3年生の受験期になり、将来を考え始めたときだ。そのとき、ハーディングの上記の第3段階に入ったのだ。そのときから、もう目の前の世界はほとんど見えなくなり、関心は自分の将来と自分のことだけ、そして、それにまつわる圧倒的感情は「不安と恐れ」だった。「今、ここにいる」ことがまったくなくなり、関心はいつも、「いつかそこ」になってしまった。その第3段階の暗黒時代には、心から楽しかったという記憶がほとんどない。

そういった暗黒時代の10年目くらいに、たまたまの偶然からスピリチュアルに入門し、ようやく一筋の光が見えた感じだった。スピリチュアルを突き進んでいけば、いつかこの暗黒の壁を全部壊すことができるのではないかという希望が湧いた。最終的に、ハーディング、その他の非二元系の教えにたどり着き、ありがたいことに壁が全部崩壊し、ハーディングの言う上記の4段階を認識できるようになった。

そして、今また子供時代のような無邪気な感性が戻っている。自意識なく(=世界を自分の顔でふさがないこと=中心に人間の顔を置かないこと)世界を眺めれば、誰だって愛しいし、可笑しい。先日は、数十年ぶりに、親戚の家へ遊びに行き、数時間、なつかしい昔話に花を咲かせた。子供の頃の思い出、昭和の思い出、そんなたわいもない話をしているときは、みんなまた子供になっている。顔のない空間になって、昭和ノスタルジーを楽しんだひと時だった。


[昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

目次の詳細は下記へ。

販売サイト


*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


目次の詳細は下記へ

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