お知らせ2025年04月20日 13時32分31秒

[イベント]

*リアルの会「私とは本当に何かを見る実験の会」(東京都文京区)
2025年5月11日(日曜日)午後12時45分より午後3時半頃まで

*オンライン「私とは本当に何かを見る実験の会」
2025年5月18日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで

*オンライン「非二元の探究――実験と瞑想の会」
2025年5月4日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで
2025年5月22日(木曜日)午後2時から午後4時頃まで

上記のイベントについての詳細はこちらへ


*U.G.クリシュナムルティ『悟りという謎』(4)

https://youtu.be/uEeS2UOzdJY

 

[新刊発売お知らせ]


*『自己覚醒へのマスター・キー』シュリー・シッダラメシュヴァール・マハラジ 著、
ナチュラルスピリット発行)発売。

ニサルガダッタ・マハラジの師の本、初邦訳!

価格:本体1800円+税
ページ数:176ページ


[電子書籍版発行]

*『頭がない男』電子版が販売開始!

価格:1,980円(税込み)

知られざる天才哲学者、ダグラス・ハーディングの生涯と哲学をイラストと文章で描いたグラフィック伝記。


U.G.クリシュナムルティ『悟りという謎』2025年04月01日 10時30分12秒

[新刊発売お知らせ]

*『自己覚醒へのマスター・キー』シュリー・シッダラメシュヴァール・マハラジ 著、
ナチュラルスピリット発行)発売。

ニサルガダッタ・マハラジの師の本、初邦訳!

価格:本体1800円+税
ページ数:176ページ


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[ お知らせ]




先日より、YouTube で、U.G.クリシュナムルティ(1918 ~2007)『悟りという謎』(原書タイトル「The Mystique of Enlightenment」の翻訳を公開している。

U.G.クリシュナムルティはこのブログで過去に一度だけ話題にしたことがあり、そのときも書いたが、インドの賢者で私が好きな3人の一人だ。

有名なJ.クリシュナムルティのほうは、若い頃5年間、熱心に読んだものの、相性がそれほどよくなかったせいか、正直にいって、彼にはあまり親近感がわかない。しかし、なぜか、U.G.クリシュナムルティには親近感がわき、一時期熱心に彼の本を読んだものだ。本当は紙の本を企画すればいいのだけれど、もう新たに紙の本を企画するだけの体力と忍耐が、年々減少している(紙の本は企画してから、完成までに数年の時間がかかる)。

幸い、彼の本には著作権がない(彼のすべての本に、「自分の教えには著作権がない」ことを公言するU.G.の言葉が掲載されている)ので、このたび、長年読んだ、「The Mystique of Enlightenment」の翻訳を公開することにした。

改めて彼の本を読むと、彼の存在、言葉から一番伝わってくるのは、「怒り」だ。いわゆる賢者の中で、これほど怒っている人も珍しい。何に対する怒りだろうか? 大きく言えば、つまらないものをありがたがっているインド的霊性への怒り、自分の話は役に立たないと言っているのに、自分の話を聞こうとやって来る人たちへの苛立ち、そして、ひょっとしたら、子供の頃に強制的に学ばされた宗教教育にも怒っているのかもしれない。

彼は、20代の頃、自分以上に悟りを得るために努力した人はいないはずだと思っていたくらいだから、幼少期から10代の頃、それはものすごい修行をした(させられた)のだろうと想像する。子供の頃にイヤイヤ強制されたことは、大人になってから怒りがわくほどのトラウマを残すことがあり、私にもいくつかイヤな思い出(私の場合は、先生に強制されたこと)がある。

そんなU.G.クリシュナムルティが語ることなので、彼が語ることが何かに役立つというより、彼の話はすべて、「悟りや解脱を求めるすべての探求者がやっていることは、すべて無駄」、「グルも役に立たず、他人の話も役に立たない」、そして、「自分に起こったこと(49歳のときに、彼自身は「災難」と呼ぶ、強烈な覚醒体験が起こった)は、探求とはまったく無関係」という身も蓋もないところへ収斂していく。

彼は、彼の本を出版したいという人たちにこう言ったと伝えられている。「私の教えを広めるためではなく、金儲けのために本を出版しなさい」。

最後に、「The Mystique of Enlightenment」という本のタイトルについてであるが、直訳すれば、「悟りという神秘」くらいだが、「悟りなどというものはない」、「神秘などはない」と彼が語っていることとは真逆なタイトルで、いかにも本を売るためにつけたタイトル(笑)。

本当は、本書につけるべき正しいタイトルは、「The Mistake of Enlightenment」(悟りという間違い)くらいであるべきで、YouTube のタイトルも、大胆に誤訳して、「悟りという間違い」にしようかと一瞬思ったのだけれど、妥協して、『悟りという謎』にすることにした。たぶん、彼の言葉はほとんど役に立たないだろうし、また私が最後まで、「The Mystique of Enlightenment」の訳を公開できるかどうか(そこまで体力がもつかどうか)未定であるが、興味が湧きましたら、視聴ください。


[一昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

目次の詳細は下記へ。

販売サイト


*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


目次の詳細は下記へ

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絵画のタイトルが気になる(笑)2025年03月17日 16時58分05秒

[新刊発売お知らせ]

*『自己覚醒へのマスター・キー』シュリー・シッダラメシュヴァール・マハラジ 著、
ナチュラルスピリット発行)3月下旬発売予定。

ニサルガダッタ・マハラジの師の本、初邦訳!

価格:本体1800円+税
ページ数:176ページ


[電子書籍版発行]

*『頭がない男』電子版が販売開始!

価格:1,980円(税込み)

知られざる天才哲学者、ダグラス・ハーディングの生涯と哲学をイラストと文章で描いたグラフィック伝記。


[ お知らせ]


先日、上野の東京都美術館に、「ミロ展」(Joan Miro スペインの画家。1893~ 1983)を見に行った。去年は、同じく東京都美術館に、「デ・キリコ展」(ジョルジョ・デ・キリコ。イタリアの画家。1888~1978)を見に行った。ミロもキリコも若い頃、なんとなく好きだった画家で、久しぶりに本物の絵を見て楽しかった。

とはいえ、私の絵画鑑賞能力や絵について説明する能力はかぎりなくゼロに近く、「なんでミロやキリコの絵が好きなの?」とか聞かれても、「ただなんとなく好き」としか答えようがない。

最近は、絵より、絵画のタイトルのほうがどうも気になる(笑)――何でこの絵にこのタイトルなんだ? みたいなタイトルが多くある。ミロの絵の中で、いわゆるシュルレアリスム(超現実主義)的な絵は、人や物が、人や物に見えるようには描かれていないことが多い。

今回のミロ展の絵画のタイトルで、たとえば、『カタツムリの燐光の跡に導かれた夜の人物たち』のタイトルを見て、どれがカタツムリで、どれが夜の人物たちなのかを、絵の中に野暮にも探そうとしても、さっぱりわからない。あるいは、『ふたつの惑星に追われる髪』にいたっては、「なんで髪が惑星に追われるの?」みたいに考え始めてしまい、絵を鑑賞するより、思考のほうが忙しくなってしまう(愚)。昨年のキリコ展には、『燃えつきた太陽のある形而上的室内』なんていうタイトルもあった。形而上学的室内?って、わけわかんない……

でもまあ、自分がどんなものを描いても、それが人、星、動物に見えなくても、画家自身がそう見るなら、それでOKってところが、シュルレアリスム(超現実主義)絵画の自由なんだなあ、と勝手に納得した。

そして、美術展に絵を見に来ているのに、なぜか絵のタイトルだけが無数に思い浮かぶのが可笑しい。

先日、ミロ展を歩きながら、思いついたタイトル:

*空(くう)が見つめる君の空(くう)で待ち合わせ

*Iamからのラブレター

*君が見た私ではないもう一つの自画像

*私の宇宙頭の中で遊ぶ愛しい小人たち

*君を想う夜に切なく降りてくる愛

*人間的愛の阿修羅的変身

*愛を知らない子供たちのために泣く神

etc.

ということで、何十年絵を見ても、絵画鑑賞能力はまったく成長しないけど、でも、ミロの絵の色彩、色使いは、昔と同じく、「地中海で遊ぶバカンス」のように私を明るく自由な気分にしてくれた。

最後に一句

ミロ見て
我見て
「見ろ」三昧



[一昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

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ご質問への回答2025年03月08日 15時05分50秒

[新刊発売お知らせ]

*『自己覚醒へのマスター・キー』シュリー・シッダラメシュヴァール・マハラジ 著、
ナチュラルスピリット発行)3月下旬発売予定。

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価格:本体1800円+税
ページ数:176ページ


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[ お知らせ]

ハム様の質問とコメントへの回答

[私は、悟りや人生に期待しすぎなのでしょうか?
結局、人生は、普通に生きるしかないのでしょうか?」

[ラメッシ・バルセカール(Ramesh S. Balsekar)の教えについて、Gemini(生成AI)に質問したら、良い回答が来ました。以下のリンク先の文章の感想を高木さんにいただけたらな、と思います。よかったら、読んでみてください。
note
悟らなければいけないと思うことは、
条件付きの肯定であり、「今」にいないのではないか? 非二元論や仏教の悟りについてです。二元論や仏教の悟りについてです。

[回答]
いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。

非常に率直に言って、ひろゆきさんの考えでも、Gemini(生成AI)の回答でも、ハムさんがそれに共感したり、よいと思ったりするなら、それでOKなわけで、それに対して私が何かをコメントすることにほとんど意味を見い出せないです。

ハムさんが書かれている、「私は、悟りや人生に期待しすぎなのでしょうか? 結局、人生は、普通に生きるしかな
のでしょうか?」というご質問(でしょうか?)ですが、生成AIシンプル堂の回答は:

「はい、あなたは悟りや人生に期待しすぎです。結局、人生は、普通に生きるしかありません」(←身も蓋もない回答)



[一昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

目次の詳細は下記へ。

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*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


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アジャシャンティの警告2025年02月24日 07時14分10秒

[新刊発売お知らせ]

*『自己覚醒へのマスター・キー』シュリー・シッダラメシュヴァール・マハラジ 著、
ナチュラルスピリット発行

ニサルガダッタ・マハラジの師の本、初邦訳!

価格:本体1800円+税
ページ数:176ページ


[電子書籍版発行]

*『頭がない男』電子版が販売開始!

価格:1,980円(税込み)

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[ お知らせ]



先日、アジャシャンティのインタヴュー動画(4年前の動画)を見た。
(日本語字幕を出すことができます)

実は、アジャシャンティの動画を初めから最後まで見たのはこれが初めてだった。私は必要があるとき以外、ほとんどスピリチュアル系の先生の動画は見ないのだけれど、たまたま別の動画を見ているときに、なぜかサイドにAdyashanti - On Osho(アジャシャンティ、Oshoについて語る)の動画が出てきて、アジャシャンティがOshoについて何を語ったかに興味がわいたのだ。

インタビューは、冒頭、「あなたは自由時間に何をしているのですか? ネットフリックスとか見るのですか?」という軽いノリの質問から始まり、それに対して、アジャシャンティは、「もちろん、見ますよ。テレビで映画とかドラマも見ます」と答え、それからネットフリックスで見たOshoのアシュラムについてのドキュメンタリーについて語りだした。そのインタビューの最中、アジャシャンティって、こんなに笑う人だったっけ? とちょっとびっくりするほど、彼はよく笑い、楽しそうに答えているのが印象的だった。

彼がOshoについて語ったことは:

*Oshoの中に明晰さがあり、それが非常に多くの人たちをスピリチュアルへと導いたし、彼は最初から、妄想をいだいたペテン師ではなかった。

*仮に人に霊的目覚めや悟りの体験があったとしても、それはその人が完璧であることを保証しない。

*人はある面では、非常に明晰でありながら、他の面がまったく成長していない、ということはよくある。

*霊的洞察があるからといって、すべてを正しく知っているとはかぎらない。

*私たちは悟りとはそのようなものであってほしいという幻想をもっているし、悟りは人に自信を与えるかもしれないが、それは自信過剰になり、自分を騙すことになる。

*私は以上のようなことがOshoに起こったのだと思う。自分はその場にはいなかったが、ドキュメンタリーを見ると、そのように見える。

と、だいたいまあ上記の主旨のようなことをOshoについて語った。私も20代の一時期Oshoの教えと関わったことがあるので、アジャシャンティが語っていることは理解できる。私の印象でも、アメリカでのOshoの団体はかなりあやうい感じがしたものだ(私自身は、アジャシャンティが言及したOshoのアシュラムについてのドキュメンタリーを見ていないが)。

アジャシャンティはOshoのような例は今まで山ほどくりかえされてきたといい、特定の人(先生)を自分より素晴らしい人として、台座に乗せて崇拝しないようにと警告を与えるが、たぶん、悲観的予想をすれば、これからもスピリチュアルな世界ではこの「アイドル化」は永遠になくならないのだと思う。なぜなら、私たちのマインドにとっては、内側(自分の本質、思考や感情)を見るよりも、外側(先生)を見るほう(崇拝するほう)が苦痛がなく、楽(らく)だし、楽しいからだ。

アジャシャンティは言う――人が誰かを崇拝するとき、人は自分の中の最高のものを相手に渡して、相手を崇拝し、そして、最後には必ず相手に腹を立てる(笑)。そして、スピリチュアルな目覚めや悟りの経験がある人にとって、重要なこと、つまり、この「崇拝=アイドル化」を防ぐ一番の防衛は、正直であること、誠実であること、どんなときにも「自分が完璧であるふり」をせず、正直に、誠実に人と接することだと。

人としては、著名な賢者の方々も含めて、誰も完璧で完全ではありえないし、間違いを犯さない人はいない。

以上の話は、アジャシャンティの『あなたの世界の終わり』にも強調されていたが、自分自身も含めて、スピリチュアルに関わっている人たちは、彼のこの警告を真剣に心に留めておきたいものだ。私の理解によれば、「アイドル化」というのは、自分と相手の間に、分離の線を引くことであり、すべての「人を自分と対等な存在に見る」という、非二元の教えに反している。

さて、アメリカでは、自信過剰の人が大統領に返り咲き、自信過剰のリーダーがこの先アメリカと世界にどんな混乱を起こすのか、興味深いことである。読んだ話では、トランプさんが子供の頃、受けた宗教教育は、超肯定主義とも呼べるもので、「どんなときにも、自分は絶対に正しいと信じる」というものだったという。前にも書いたことがあるが、カルト宗教のグルが大統領になったような感じで、これから、現在進行中の政治(宗教)ドキュメンタリ―(タイトル、「ポジティブ王、世界をかきまわす」くらいか)を世界中で鑑賞することになる(笑)。


[一昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

目次の詳細は下記へ。

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*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


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「ディストピア」と「ユートピア」2025年02月05日 09時20分15秒

[ イベント]
◎リアルの会「非二元の探究――主体を科学的に探求する」(東京都文京区)

2025年3月2日(日曜日)午後12時45分より午後3時半頃まで


◎オンライン「非二元の探究――主体を科学的に探求する」

2025年2月23日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで


[ お知らせ]



 *「Master Key toSelf Realization 」は、今のことろ、25年3月下旬発売予定です。


昨年末に話題にした本、『三体』の続き、『三体Ⅱ(暗黒の森)上・下』(劉慈欣著 早川書房)を超走り読みした。いわゆる「ディストピア」(暗黒郷)のジャンルに入る本で、三体文明が地球に迫ってくる暗い未来の地球が描かれている。地球が暗いだけでなく、すべての文明、宇宙全体が暗い「暗黒の森」であると教える内容になっている。

なぜ「暗黒の森」なのかと言えば、下記の宇宙文明の二つの公理によって、

1.生存は文明の第一の欲求である。
2.文明はたえず成長し拡張するが、宇宙における物質の総量はつねに一定である、

「ここにいるよ!」と叫んで自分の存在を曝す生命(=文明)は、別の狩人(=文明)によって消滅させられるからだ。

つまり、この公理の意味とは、宇宙の物質の総量(=使える資源)は限られているので、文明同士は常に相手を滅ぼそうと待ち構えている狩人のようなものである。だから、文明は自分たちの宇宙における位置が知られることを何よりも恐れている。それが、人類が他の異星文明に「出会わない」理由であると。

そして、人類が宇宙の本質が黒暗森林であることに気づかなかったのは、人類に愛があるからだという。そして、最後の最後に、第Ⅰ部に登場した地球文明を愛している三体文明の監視員が再び登場し、三体文明にも愛はあるのだが、生存戦略に役立たないので抑圧されてきたと語る。

と、最後まで読むと、「愛があるなんて、人類って案外、いい生き物じゃないか」(笑)と思えるから不思議だ。

小説家、作家、文学はどちらかと言えば、「ディストピア」(暗黒郷)を描くほうが好みというか、彼らのマインドは人間の一番暗い想念を吸収することに長けている。そして、一般的には暗い話のほうが物語の展開としては面白い。最近も、「出産」をテーマにした別の「ディストピア」の本を読んでみた。

少子化が止まらない日本で、10人子供を産んだら、一人を殺してもいい「権利」を得る社会を描いた『殺人出産』(村田沙耶香著)(講談社)。同じ著者の『コンビニ人間』にはまだユーモアがあったが、『殺人出産』には救いがない。たぶんこれほど極端なシステムは実現しないだろうが、日本という国が人口減少で、国家存続の危機ともなれば、(強制とまではいかなくても)若い女性たちに出産を強く奨励するシステムは将来的にはありうるかもと、想像した。なぜかといえば、宇宙公理第一、「生存は文明の第一の欲求である」を国家に当てはめれば、「生存は国家の第一の欲求である」とも言えるからだ。

「ディストピア」(暗黒郷)の反対に、「ユートピア」(理想郷)という言葉がある。私の長年の読書と見聞によれば、スピリチュアル系の人たちは、「ユートピア」(理想郷)がこの宇宙のどこかにあると考えるほうを好む。どこかに「完全なる愛と平和」が実現している惑星があるのではないかと。スピリチュアル系の人たちが好む異星人ジャンルの本には、愛と平和を実現している異星人がたくさん登場して、地球を優しく見守っているという話がたくさん描かれ、小説『三体』とは正反対の宇宙像を提供している。

さて、宇宙は「暗黒の森」なのか、それとも「愛の森」なのか……

たぶん、私が思うには、「ディストピア」(暗黒郷)も「ユートピア」(理想郷)も一人一人が、あるいは特定の地域が経験する世界にしか存在しない。どんな時代のどんな瞬間にも、世界には、いや宇宙には、「ディストピア」(暗黒郷)と「ユートピア」(理想郷)を経験している存在(人類だけでなく異星人も含めて)がいるだろうし、そして地域があるにちがいない。

私にとっての「ユートピア」とは、大昔からずっと同じで、「ユートピア」とは熟睡しているとき、そして瞑想などで、マインドの活動が止まるとき。それが私にとっての「ユートピア」である。そして、最悪の「ディストピア」の時期は、たぶん20代前半の頃だったと思う。その時期はまさに「暗黒の森」という言葉がぴったりの時期だった。最近の一番ひどい「ディストピア」は、真夜中に快適な熟睡が突然に妨害されて、動きまわる母を追いかけては叱りつけて、何度も寝せようとするときだろうか……真夜中に人を叱りつけるなんて最低最悪の気分になる。

20世紀科学界の賢者、アインシュタインは、「神は微妙で奥深いかもしれないが、意地悪ではない」という言葉を残している。もし神が意地悪でなければ、神の作った宇宙も意地悪ではなく、宇宙は暗黒の森ではないだろうと推測できる。またダグラス・ハーディングも、「世界の背後にあるパワーは愛である」という言葉を残している。

そして、いちおうスピリチュアル系に属している私としても、20世紀の賢者たちの言葉に、宇宙は全体としては「暗黒の森」ではないほうに、人生を賭けている。真夜中に「ディストピア」を経験しているときでも、それも「愛かも」……しれない。


[一昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

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*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


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ご質問への回答2025年01月31日 09時08分29秒

[ イベント]
◎リアルの会「非二元の探究――主体を科学的に探求する」(東京都文京区)

2025年3月2日(日曜日)午後12時45分より午後3時半頃まで

◎オンライン「私とは本当に何かを見る実験の会」

2025年2月16日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで

◎オンライン「非二元の探究――主体を科学的に探求する」

2025年2月23日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで


[ お知らせ]



 *「Master Key toSelf Realization 」は、今のことろ、25年3月下旬発売予定です。


『しつこいタイプです』さんへの質問の答

昔シンプル堂さんに言われたひとことがどうしても許せません(お前は本を読まないと言われ、バカにされたようだった)。どのように考えたら、この心のとげを抜くことができますか。また、本を読むか読まないかが、そんなに人生で大事なことでしょうか。]


上記のコメントをいただいたので、本日は予定を変更して、ご質問への回答を書くことにします。

まず、「本を読むか読まないかが、そんなに人生で大事なことでしょうか」へのご質問の答えは、読書という行為が大事な人もいれば、そうでない人もいるということです。もし『しつこいタイプです』さんが本を読まないタイプなら、あなたにとっては、読書は人生の大事ではない、ただそれだけの話です。

さて、上記の質問では、私、シンプル堂が、『しつこいタイプです』さんに直接、「お前は本を読まないからダメな奴だ」みたいな主旨の発言をしたと書かれています。私の記憶の中では、そのようなことを誰かに直接言った記憶はないですが、私ももう70年以上肉体的に生きています。昔のことは忘れていることも多く、言葉のはずみで誰かを傷つけるようなことを言った可能性はおおいにあります。もし『しつこいタイプです』さんにそう受け取られる言動を私がしたとすれば、『しつこいタイプです』さんの感情に気遣えなかったことを改めてお詫びします。

ここからは一般的な話になりますが、人が誰か他の人の言葉に傷つくのはどういうときでしょうか?

私自身の経験では次のどれかの理由、あるいは全部の理由によります。 

1.自分自身の価値、人生よりも、相手の言葉に価値を置いている。
2.自分自身が信じていることよりも、相手の言葉を信じている。
3.自分も、相手が言うことを本当は信じている。
4.自分自身よりも、相手の言葉にパワーがあると信じている。

ですから、『しつこいタイプです』さんがその心の棘をぬくためには、あなたが自分自身の価値、ライフスタイル、そして、「読書は人生にとっては大事でない」という信念を、シンプル堂の愚かな言葉より尊重することです。

そして、もしこの回答を読んでも、まだ『しつこいタイプです』さんの心の棘がぬけないようなら、シンプル堂が書いているブログ、関わっている本、その他を今後は一切見ない、読まない、接近しないことをお勧めします。

なぜなら、人間のマインドは、

Out of sight, Out of mind (去る者は日々に疎し)

 つまり、「目にしなければ、忘れていく」ようにできているからです。


[一昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

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異星人、たぶん存在するかも……(2)2024年12月25日 09時57分03秒

[ケロケロ様へ]
「Master Key toSelf Realization 」をお待たせして、大変申し訳ありません。私の時間予想能力があまり当てにならず、スケジュールは、私にコントロールできないことなので、ご理解いただけば、ありがたいです。たぶん、来年の春くらいまでには、とぐらいしか現時点は、出版時期を申し上げられません。また原稿の販売もできません


[ お知らせ]

*「Master Key toSelf Realization 」の発行は来年となります。諸般の事情で遅れてしまい、お待ちいてだいたいる皆様には、お詫び申し上げます。


最近読んだ「異星人とのコンタクト」物語を紹介しようと思ったものの、文章を書く体力、タイピングする体力がかなり尽きている。それで、いくつか読んだものから、その中に書かれていることを短く紹介すると:

*地球という惑星や地球人に関心をもっている異星人はたくさんいる(←現在では、異星人の種類、イラスト、性格や寿命、その惑星の地球からの距離が記載されている異星人図鑑みたいなものまで出ている)。

*異星人の種類は大まかに分けると3種類で、いわゆるヒューマノイド型(人間に近い)、グレイ型(目が大きい)、それからレプタリアン型(爬虫類型)がある。

*異星人の中には、人類を誘拐したり、人体実験をしたりするいわゆる地球人に敵対的な悪い(?)異星人もいるし、地球に友好的な異星人もいる。

*よい(?)異星人たちは連合を作って、地球を見守っている。

*アメリカ政府は、昔から異星人の存在を知っていた。

*多くの異星人はすでに地球のあちこちに基地をもっており、異星人と地球人のハイブリット的人間も多く生まれている。

私は異星人図鑑のようなものを眺めながら、まるで人類の人種の図鑑のようだとは思ったが、それぞれの異星人の姿形の違いと比べれば、地球上の人種の姿形の違い(肌や目、髪の毛の色の違い、体型など)などは、ほとんどないに等しい。

人間型の異星人はまだいいとして、グレイ型やレプタリアン型の異星人が目の前にいたら、「すべての存在を受容」などという非二元的観念がふっとび(笑)そうで、恐怖心に圧倒されてしまうかも。あるいは、友好的な異星人だったら、「ハーディングの実験をいっしょにやりますか?」とか言って、いっしょに指差し実験とか紙袋の実験をやったら、どんな感じだろうかと、想像して可笑しくなった。

さて、「異星人とのコンタクト」の話になると、熱狂的に信じる人たちと「そんなの本人の想像にすぎない」と完全に否定する人たちがいる。私はいつも「書かれていることは、本当かもしれないし、本当でないかもしれないが、自分にとって興味深く読めればそれでいい」という態度で読むことにしている。

実は、今までの人生でいわゆるUFO(未確認飛行物体)みたいなものを、20代、30代の頃数回見たことがある。そして、「この人、地球人じゃないかも」という強い印象を受けた人に、人生でたった一人だけ出会ったことがある。まあ、そういう私の過去の記憶も、「本当かもしれないし、本当ではないかもしれない」。


[お礼]
1年間、貴重なお時間をさいて、ブログを読んでいただき、また動画を視聴していただき、ありがとうございました。また、ご質問やコメントを寄せていただきました皆様、様々な形でご支援してくださった皆様にも、心からお礼を申し上げます。それでは、楽しい年末年始をお過ごしください。来年は1月の終わりか、2月の初めからブログを再開する予定です。


[昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

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*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


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異星人、たぶん存在するかも……(1)2024年12月20日 06時31分34秒

[ お知らせ]

*「Master Key toSelf Realization 」の発行は来年となります。諸般の事情で遅れてしまい、お待ちいてだいたいる皆様には、お詫び申し上げます。


たまにSF小説を読んでみたくなる(読書ジャンルとしては、あまり得意ではないけど)。それでこの間、ネットで最近どんなものが出ているのか調べていたら、中国人の作家が書いた『三体』という作品名(劉慈欣著 早川書房)をたまたま目にして、図書館から借りて読んでみた。

ネットの情報によれば、『三体』はヒューゴー賞という権威あるSFの賞をアジア人で初めて受賞した作品だそうで、日本では、2019年に第一部が出版されている。

ネタばれになるのを承知で、超簡単に第一部のストーリーを紹介すると:

話は中国の文化大革命の時代から始まり、中国の科学者、知識人が置かれた過酷の状況が描写されている。そんな過酷な状況を生き抜いた一人の科学者が、地球文明に絶望して、秘かに地球よりも高度の文明に向かってメッセージを送る。そのメッセージの最後のほうは、こんな文章で締めくくられている。

「われわれは理想の社会を建設し、それぞれの人類のメンバーの労働と価値がすべてじゅうぶんに尊重され、すべての人の物質面と精神面の需要がじゅうぶんに満たせるような、さらに安全で美しい地球文明を目指して努力しております。
 われわれは美しい理想を抱き、宇宙の他の文明社会との関係を確立することを願っており、またあなたがたとともに、広大な宇宙において、さらにすばらしい生を築いていくことを願っています」

礼儀正しく、ていねいな言葉で綴られてはいるが、メッセージの意図とは、「地球は今まで格差、暴力、貧困、戦争などの問題を解決しようと長い間、頑張ってきたけれど、自分たちの力ではもうどうしようもできない。どうか高度の文明の皆様、地球の現状を助けてください」というものだ。

そして、そのメッセージは三体文明という惑星の監視員に受信された。三体文明は地球よりもはるかに高度の科学文明をもってはいるが、生きる環境としては過酷で、彼らは宇宙の中で、自分たちが移住(侵略)できる惑星を探している。

しかも、彼らの社会は超格差社会、独裁国家(地球の北朝鮮のような感じ)で、三体文明では宇宙からのメッセージを監視する仕事、監視員は、社会の最下層の仕事、まったく報われない仕事だ。

地球からのメッセージを受信したその監視人は、三体文明での自分の境遇に嫌気がさし、何の希望もない日々を送っていたところに、未知なる惑星地球から情報が来て、自分たち三体文明に比べて、あまりに美しく楽園のような環境にびっくりし、そこを自分の理想郷と思い描く。

そして、もし自分がこのメッセージを上層部に知らせたら、彼らはすぐにでも地球への侵略に着手し、あの美しい文明が破壊されてしまうことを心配し、自分の独断で地球へ警告のメッセージを送り返す。

その内容は:
「応答するな! 応答するな! (中略)もし応答したら、送信源の座標はただしに特定され、あなたがたの惑星は侵略される。あなたがたの世界は制服される! 応答するな! 応答するな!!!」

ところが、彼の反三体文明的行為は、すぐに上層部に知られることとなり、彼は元首に呼びつけられるが、元首に向かって言い放つ。「社会の最下層にいる何の希望もない自分が、あのように美しい楽園のような文明を知り、彼らを救うことができたら、自分の人生は無駄ではなかった」と。

それを聞いた元首は激怒し(元首は言葉は穏やかではあるが)、彼に最大の罰を与えることを決める。三体文明では、基本、有罪(地球の死刑にあたる)か無罪しかなく、彼は無罪を宣告されたうえ、心理的な罰を与えられた。

その罰とは:

「地球を救うことなどできないと、おまえが確実に知るようにしてやりたい。地球がすべての希望を失うその日まで、おまえを生かしておいてやりたい」

彼を有罪にしない代わりに、三体文明の元首は今回の彼の行為に責任のあった6千人を全員有罪にして、広場で焼き殺すことを決定(←まさに北朝鮮的で笑える)

と、第一部はだいたいこんな感じです。

すでに地球上には、たくさんの三体文明信奉者(三体文明が地球を救ってくれると信じる人たち)がいて、また三体文明は地球のあらゆるコンピュータ・システムにすでにスパイを忍ばせ、地球の情報収集をしている。第二部では、その三体文明信奉者と地球を防衛しようとする人たちとAIスパイが入り乱れて、400年後に迫る(三体文明の技術力でも、艦隊が地球に到着するのに、約400年かかる)地球侵略の話になるらしい(これから読むところです)


私は若い頃から、異星人や異星文明は存在するだろうとは思ってきた。宇宙にはこれだけたくさんの惑星、星、銀河があるのだから、地球だけに知的生命体がいると想定するほうが無理、という理由からだ。

20代の頃、スピリチュアルな本をたくさん読み始めた頃、異星人の話でよく読んだのが、ジョージ・アダムスキーの著作で、『生命の科学』『テレパシー』(文久書林発行)の2冊の本は今でももっている。今読んでみても、内容は素晴らしい。

しかし、アダムスキーの本は熱心に読んだものの、かといって、私が異星人とか地球外文明に特に関心をもったわけでもなかった。私は本の情報のソース(源泉)が人だろうが異星人だろうが、その他だろうが、自分にフィットすると思うものは熱心に読むし、そうでなければ読まないというだけのことなのだ。あくまでも、私の関心は本にある。

それから、1980年代の後半、バシャール(確か、惑星の名前は「エササニ」だったか)が登場し、スピリチュアル系の人たちはそのチャネリングのメッセージに熱狂し、「ワクワク」という流行語を生み出した。バシャールにはまっている人たちが、あんまり何にでもいつでも、「ワクワク」という言葉を使うのにうんざりはしたが、まあバシャールのメッセージは楽しかった。

それからの長い年月、「異星人」とか「地球外文明」にほとんど関心が向かなかったのが、つい数ヶ月前、数年前に読者の方から紹介してもらった本と、その中の異星人が地球に向けたメッセージの文章を突然思い出した。本のタイトルは、『私は円盤に乗った』(ダニエル・フライ著 ユニバース出版社発行)という本で、著者がコンタクトした異星人アランのメッセージは下記のようなものである。

「地球人は、どんな直接的な試みによっても平和は決して達成されはしないという単純な事実をまだ理解できていないようです。平和は単に、人と人、人種と人種、国と国、それにすべての人々の間の完全な理解と、神として知られている、あまねく広がる力と英知の副産物として自動的に得られるものです。そのような理解が存在しているときには、平和を探すとか平和のために働く必要はありません。平和は自動的に存在します。しかし、これが理解されるまでは、どんな努力も成功はなし得ません」

「まず理解がなければならない…あなた達が使用している理解という言葉は知識、知恵、愛、慈悲としばしば混同されています。これらのすべては望ましい性質ですが、どれも、理解に代わることはできません。あなた方のバイブルでは神と自分の隣人とを愛せよと忠告され命令されています。それがなされたとしたら、それは素晴らしい忠告でしたが、不幸なことに愛は意志に従わない衝動です。忠告され、命令されたという理由ではだれも他人を実際に愛することはできませんし、何か報酬を貰って愛するとしても、あなたは見せかけの愛を作り出し、外見上は完全になし得るかもしれませんが、相手はあなたの偽善の生きたシンボルにすぎません。あなたの心の中には愛などないでしょう。どんな愛や慈悲や知恵がある前にまず、理解がなければなりません」

「地球の人々の文明と社会に最も必要なものは簡単で、人と人の間、国と国の間、すべての人々と自然を制御している偉大なる力と英知の間の基本的な理解です。理解が、あなた方人類が生き残るための鍵です。もし人々の間に理解がなかったら、政府間の協定、協約や保証など全く価値はありませ
ん」

異星人アランの言うことはまったくそのとおりだ。それで私は関心をもち、『私は円盤に乗った』を全部読んでみようと思い、無料英語版PDF(原書タイトル the White Sands Incident)を見つけ、読んでみた。

話は、1950年代のアメリカで起きた話で、ダニエル・フライは円盤に乗せられて、ニューメキシコ州のホワイトサンズから東海岸のニューヨークまでわずか30分で往復した。彼はロケット・エンジンの専門家なので、その道中、円盤の原理や構造などテクニカルの質問をアランにする。その質疑は、素人には理解が難しいが、アランが「すべての原理はシンプルである」と答えるところが印象的だ。

先程の引用以外で、アランがダニエル・フライを通じて、地球人へのメッセージとして言ったことはだいたい次のようなことである(ざっと読んだだけなので、あまり正確ではないかもしれないが)

*科学には3種類あり、一番重要なのが、神(創造主)と人との関係を理解する「スピリチュアルな科学」、それから社会の中での人同士の関係を理解する「社会科学」、そして、「物質科学」がある。

*物質科学は、スピリチュアルな科学と社会科学を土台にして築かないかぎり、最後には衰退し、また原始的レベルに戻ってしまう。

*地球は大昔、今よりもはるかに科学文明が進んでいた時代があった。しかし、スピリチュアルな科学、社会科学の土台がなかったがゆえに、二つの勢力が相争い、大戦争(核戦争?)となり、地球全体が汚染されて、ほとんど住めない状態になった。そして、地球の物質科学も原始的レベルに戻ってしまった。

*そのとき、一部の者たちは宇宙船で地球を脱出し、他の惑星へ移住し、私(アラン)はそのとき地球から逃れた人類の末裔である。地球の中で、唯一汚染されなかった地域がチベットで、一部の地球人はそこに住みついた。

*私たちは地球がよい方向へ進化するように見守ってはいるが、しかしすべては地球人の意志にかかっている。

*今現時点では、私たちが公けに姿を現すと、一部の地球人たちは私たちを神とあがめてしまうか、あるいは敵として攻撃するかもしれないので、そういうことはしない。


彼の言っていることはごくまともだし、三つの科学の話はそのとおりだと思う。彼が言っている「スピリチュアルな科学」とは、古くはイエス・キリスト、仏陀から現代までの非二元の教えを指し、本当は宗教と言うより、「科学」として扱われるべきだ。しかし、「スピリチュアルな科学」は21世紀の地球でいまだ全然広まっていないし、地球の現在の権力者たちは核兵器大好き人間が多いようなので、一つ間違えば、(大昔のように?)核戦争で現在の地球文明が滅ぶ可能性もゼロではない。

最初に紹介したSF『三体』に話を戻せば、だから、地球の知性ある科学者が地球の現状に絶望して、宇宙にメッセージを送りたくなる気持ちもよく理解できる。ただ、そのメッセージを受信した文明が、地球を愛する文明というスピリチュアル的展開ではなく、地球を敵対視する北朝鮮的文明という想定がいかにもSF的だ(←スピリチュアル的展開だと、物語としては面白くはないだろうから)。

そんなこんな、しばらくの間、異星人、地球外文明の話にはまって(笑)、他にもいくつか読んでみた。USアマゾンを検索したら、「異星人とのコンタクト」というジャンルの本は今ではものすごく多く出版されていることに驚いた。(長くなってしまったので、次回に続きます)


[昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

目次の詳細は下記へ。

販売サイト


*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


目次の詳細は下記へ

販売サイト












Master Key to Self-Realization (6)2024年11月24日 08時57分05秒

[ ハム様へ]
「コメントをいつもありがとうございます。はい、真理を探す必要はありません。書かれているように、すべてがそれでできているわけですから。一方で、「聖なる催眠」によって、人が長い間、彷徨し、あちこちを探しまわることも仕方のないこと……なぜなら、誰も自分の意志でスピリチュアルな探求するとかしないとか選択したり、決めたりしているわけではないので。「聖なる催眠」--ラメッシの教えの中の好きな言葉です」

[ イベント]
◎リアルの会「私とは本当に何かを見る実験の会」(東京都文京区)

2024年12月10日(火曜日)午後12時45分より午後3時半頃まで

◎オンライン「非二元の探究──「気づき」を練習する」

2024年12月8日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで ←予約受付終了しました。

2024年12月19日(木曜日)午後2時から午後4時頃まで

◎オンライン「私とは本当に何かを見る実験の会」
2024年12月15日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで





シッダラメシュヴァール・マハラジの伝統では、師となる人たちはみな「マハラジ」(インド文化において、聖人につける呼称)という名前がついている。

シッダラメシュヴァール・マハラジ (1888–1936)
ニサルガダッタ・マハラジ(1897-1981)
ランジット・マハラジ(1913-2000)
ラマカント・マハラジ(1941-2019)

ところが、ラメッシ・バルセカールはニサルガダッタ・マハラジに師事し、彼の後継者とされたにもかかわらず、改名していない。彼はこの派の伝統を継ぐ者とは見なされていないようだ。それはどうしてなのだろうか?

私の印象では、ラメッシ・バルセカール(1917~2009)はニサルガダッタ・マハラジを敬愛し、師事したにもかかわらず、自分がこの長い歴史をもつ派の一員であり、その伝統を継ぐという観念がほとんどなかったのではないかと思う。そもそも彼には、自分が師(グル)であるという観念も非常に薄く、最初は話すことにも抵抗していたようだ。だから、名前を変えることにも、師として弟子にマントラを伝授するとか、瞑想法を教えるとか、そういったことにも関心をもっていなかった。また、前にも書いたように、(私が彼の本を読んだかぎりでは)彼は講話の中では、Master Key to Self-Realization(自己覚醒へのマスター・キー)の中で説明されている様々なボディの話を話題にしたことはない。

しかし、ラメッシが様々なボディの話を知らなかったわけではない。それどころか、彼の初期の著作、Explorations into the Eternalには、各ボディを詳しく説明している章がある。ラメッシの説明は、今回私がMaster Key to Self-Realizationを翻訳するにあたって非常に参考になり、ありがたかった。

話を各ボディに戻すと、人がどのボディに立脚して生きているかによって、世界の認識が異なると言える。ボディとは「世界を認識する窓」とも言え、人々は、自分が寄って立っているボディにしたがって、世界を認識し、理解する。なので人々がお互いに話し合っても、その理解と認識の立脚点が異なれば、お互いにまったく話がかみ合わない(ということは、皆さんも日常生活でよく経験することがあると思う)。そういうときは、議論に参加せずに沈黙が一番よい(笑)……

ということで、Master Key to Self-Realization の中で語られている知識は、仮にそれらがなくても、非二元の探究の決定的障害にはならないけれど、でも知っていれば、色々な知識が整理され、他のインド系の賢者の本を読むときに、理解がすすむかもしれない。(出版時期、価格、正式タイトルは、現時点でまた未定です)

最後に、過去に出版された非二元系の本で、Master Key to Self-Realizationと合わせて読むとよいと思われる本を紹介したい。

『アイアムザット私は在る』ニサルガダッタ・マハラジ(ナチュラルスピリット発行)
本書の一部に、各ボディへの言及がある。

*『覚醒の炎』プンジャジ(ナチュラルスピリット発行)
27「誰もそれを言い表した者はいなかった。誰もそれを言い表せないだろう」
トゥリーヤー(Master Key to Self-Realization での「グレート・コーザル・ボディ」にあたる)とトゥリーヤーティーター(Master Key to Self-Realization で「絶対」にあたる)を説明。

*『ニサルガダッタ・マハラジが指し示したもの』ラメッシ・バルセカール(ナチュラルスピリット発行)39「あなたは意識している存在である」

存在(Master Key to Self-Realization での「グレート・コーザル・ボディ」にあたる)と絶対的不在(Master Key to Self-Realization で「絶対」にあたる)について説明。

*『顔があるもの 顔がないもの』(現在絶版)ダグラス・ハーディング
五章 「存在が自ら生じる神秘」
絶対的無から存在が生じる神秘について語られている。


[昨年出版された本]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット



[その他の本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

目次の詳細は下記へ。

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*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


目次の詳細は下記へ

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