パリの空の下で ― 2017年11月25日 11時16分54秒
先日パリで、ダグラス・ハーディング死去10周年の記念イベントがあり、参加してきた。
日本で言えば、十回忌の法要のような感じで、ダグラス・ハーディングと「頭のないヴィジョン」を愛する人たちが世界中から集まり、彼を偲び、思い出を語り合い、そして実験を楽しんだ。
キャサリン(ダグラス・ハーディングのフランス人の奥さん――現在85歳)は、このイベントの少し前に心臓の病気で入院していたそうであるが、当日は看護師の娘さんに付き添われて元気に姿を現した。
「あなたをはじめ、遠い所から来る人たちのために、元気になってどうしても来たいと思ったの」 と彼女に言われて、涙が出た。
キャサリンは 「頭のないヴィジョン」のコミュ二ティの母親のような人で、彼女がいるだけで場がなごやかになり、温かい空気になる、そんな人だ。今回は、私も含めて彼女に会いに来た人は多かったと思う。
二日間の間、キャサリン、リチャード・ラングをはじめイギリス、フランス、オランダなどから来た約10人くらいの人たちがそれぞれ思い思いにダグラス・ハーディングと「頭のないヴィジョン」についてスピーチや実験をおこなった。
キャサリンから「あなたも何かしゃべって」 と頼まれて、私のそのスピーカーの一人になってしまい、簡単なスピーチをし、一人用紙袋の実験をやり、余興に歌を歌った。
一人用紙袋の実験道具は日本オリジナルなもので、これを「頭のないヴィジョン」を愛している外国人にプレゼントすると、とても喜ばれる。
当日は、私の下手な英語のスピーチを長々やるより、短い実験をやるほうがいいだろうと思い、「日本の技術でこの道具を作りました」と冗談を言って、この道具を使ったほんの5分程度の実験を全員でやった。
そして最後に調子にのって英語の歌まで歌ったのは、一日の夕方の時間帯で、みんなが少し疲れている頃なので、何か変わったことをやると疲労が吹き飛ぶのではと思いついたからだ。
それにちょっとキャサリンを驚かせ、喜ばせたいとも思ったからだ。
一般的には静かで内向的だと思われている日本人が、突然Let it be とAmazing Grace を「頭がないヴィジョン」ヴァージョンで歌ったので、会場の皆さんはたぶんちょっと驚いたようだが、それでも終わったあと皆さんからとても温かい言葉をいただき、キャサリンもとても喜んでくれた。
たぶん、こんな大勢の外国人の前で英語の歌を歌うなどということは、人生でこれが最初で最後だろうし、ここは「顔のない世界」なので、恥もどこかへふっとんだ――でも夜、ホテルへ戻ったあと、思い出したら少し恥ずかしくなったけど。
さて、パリ――ダグラスのおかげで、何度もこの街を訪れる機会を得た。前回訪れたすぐあとで大きなテロがあり、一時は観光客の減少も伝えられたが、今はまた普通にどこも混んでいる。この寒空なのにパリのカフェでは、店の外で食事をしている人たちも多く、その根性(笑)に驚いた。
今回は、ワークショップの前後の日に、パリの動物園へ行ったり、少しだけ街歩きをしたりした。セーヌ川のあたりを散歩するたびに、パリに絵を描きにやって来る人たちの気持ちがなんとなく理解できる。何か絵心が刺激される風景なのだ。
帰りの飛行機の中では、ワークショップの会場で買い求めたキャサリンの伝記を読み始めた。その本はオランダ人の女性がキャサリンにインタヴューしてまとめ、昨年出版されたもので、その著者の方も今回のワークショップに来ていたので、色々とお話をすることもできた。
帰りの飛行機の中では、ワークショップの会場で買い求めたキャサリンの伝記を読み始めた。その本はオランダ人の女性がキャサリンにインタヴューしてまとめ、昨年出版されたもので、その著者の方も今回のワークショップに来ていたので、色々とお話をすることもできた。
今ちょうど、ダグラスと出会うあたりを読んでいて、なかなか興味深い。彼女が59歳のとき、81歳のダグラスと出会って恋に落ち、イギリスへ行く決心をしたとき、彼女の5人の子供たちは反対したそうだ。そのとき彼女が自分の子供たちに何と言ったかというと――「私はこの恋を生きる権利があるの」――さすが恋愛の国フランスの女性の言葉だと思った。
[ストーン瀬戸物様へ]
ご質問につきましては、次回のブログに書きます。
[イベント]
*2017年12月17日(日曜日)「私とは本当に何かを見る会」(東京)
予約・詳細は下記のサイトへ
[お知らせ]
*ラメッシ・バルセカール 『誰がかまうもんか?!』電子書籍版が発売されました。
アマゾンサイト
https://www.amazon.co.jp/dp/B075R6PH31
https://www.amazon.co.jp/dp/B075R6PH31
*トニー・パーソンズ 『何でもないものがあらゆるものである』電子書籍版が発売されました。
*ダグラス・ハーディングの新刊「存在し、存在しない、それが答えだ」(ナチュラルスピリット発行 本体価格 2300円)好評発売中。
[シンプル堂電子書籍]
*「動物園から神の王国へ―サルの惑星、のような星で、平和に生きるために」(PDFファイル)ダウンロード版は、DLmarketのサイトで販売しています。お手持ちの機器(パソコン、タブレット、スマートフォン)に、PDFを読むソフト(AdobeReader等)が入っていれば、どなたでも読むことができます。
本書の詳しい目次は下記のサイトに出ています。
1部 ヒトにおけるセックスと闘争・暴力の問題について
2部 サルの壁 人の壁
3部 人生は、ド・アホでいこう!
2部 サルの壁 人の壁
3部 人生は、ド・アホでいこう!
DLmarketからファイルをダウンロードするためには、まず会員登録をする必要がありますが、Facebook、Twitter、楽天のアカウント、Yahoo!Japan のID、Amazonのアカウントもご利用でき、各種支払いにも対応しています。(銀行振り込み、コンビニ支払い、Amazonペイメント、クレジットカード、Paypal、その他)。
なお現在は、パソコン等では、横書きの文章のほうが読みやすいという人たちもいると思い、縦書き版と横
書き版の二種類の版を用意してあります。 編集の都合上、総ページ数(縦書き版が453ページ、横書き版が367ページ)は異なっていますが、内容はまったく同じです。
*試読版(無料)は上記のサイトから、会員登録等なしに、どなたでも自由にダウンロードできますので、本との相性を確かめて、購入の判断をしていただければと思います。 (画像の下の、「立ち読みできます」をクリックすると、試読版PDFを無料でダウンロードできます)
*DLmarketで下記も販売中です。(無料試読版は会員登録不要で、自由にダウンロードできます――画像の下の「立ち読みできます」をクリックしてください)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/290251
「 楽しいお金3」PDFダウンロード版(本体価格1,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/290294
「人をめぐる冒険 」PDFダウンロード版(本体価格1,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/290283
「1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場1日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297870
「1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場2日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297880
「1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場1日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297958
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。