ニサルガダッタ・マハラジの教え(6)Prior to Consciousness2017年12月10日 07時13分33秒

今回は、ニサルガダッタ・マハラジの教えについてではなく、彼がどんなグルだったのかを書いてみよう。

もちろん私はマハラジにお会いしたことがないので、私がこれから書くことは、本による印象、ラメッシ・バルセカール、セイラ―・ボブなどの弟子たちの言葉、マハラジのサットサンを撮影したDVD, そしてインターネット上の情報などから得たことから、私なりに感じたことだ。

まず、マハラジはグルとしては非常に厳しい人で、いい加減な態度や気持ちで自分のサットサン(真理と交わる場くらいの意味)に来るのを許さないという雰囲気がある。セイラ―・ボブによれば、彼はそういった人たちを自分のサットサンから追い出したとある。

「厳しい」というのは、「何をするべきか、何をするべきでないか」という行為に関してではなく、真理を探究する態度とその動機に関してである。

人々は様々な動機で彼のサットサンにやって来る。すべての人々の動機が純粋な霊的探求のためというわけではなく、マハラジから単に霊的知識が欲しい人もいれば、恩寵を望むだけの人もいる。また自分の知識をマハラジに認めてもらいたいために来る人もいれば、グルになるための秘訣を学びに来る(笑)人もいる。もちろんマハラジが真面目に相手をするのは、ただ「私とは何か」の究極の真理を熱心に探究する人たちだけだ。

彼は鋭い眼力によって、人々がどういう動機で自分のところへ来ているのかを見抜き、時には皮肉を言ったり、からかったり、様々な対応している。

アイアムザット私は在る」(ナチュラルスピリット発行)の頃は、マハラジもまだ元気だったせいか、マハラジに議論をふっかける人もいて、彼もそれなりに応えていた印象があるが、Prior to Consciousness(意識以前――仮称)では、もうマハラジは議論をするだけの体力がなく、「自分の話がわからないなら、家へ帰ってバジャン(神に捧げる賛歌)をやりなさい」  とか、「もうここへ来るべきではない」とただ言うだけである。
 
マハラジは、「自分の話はすべての宿題をやり終えた人たち向けのもので、霊的初心者のためのものではない」と言う。では彼が言う「宿題」とは何か?

それは私が思うに、「宿題をやり終えている」とは、肉体・感情・思考との一体化の解除がある程度進み、エゴ的な執着がかなりなくなっていることだ。

マハラジのところへ、霊的パワーや悟りを求めて来るのさえ間違った動機である。なぜなら、彼はそういったものを提供しないからだ。彼が提供しているのは、「人がいつかそうなるべき状態」ではなく、「人が今そう在る状態」、究極の現実が何なのかという科学的分析である。

さて、今皆さんは、パソコンかスマートフォン(タブレット)でこの文章を読んでいる(見ている)はずである。マハラジの問いを使って、この状況に関して質問してみれば、「何があるゆえに、あなたは自分の世界を認識することが(見ることが)できるのか?」となる。

ここで「目」と答えた人は、「ブー(×)」(笑)です。

そして、マハラジが鋭いところは、マハラジは仮にその人が観念的に自分の質問に正しく答えても(本からの知識を知っていれば、マハラジの問いに知的には正しく答えることは可能である)、その人がその瞬間に本当に自分が答えていることを直観していない場合には、その正しい答えさえも否定するところである。

私が感じるに、マハラジのスタイルはトニー・パーソンズなどと同様に、方法論としては「否定」の道で、そこは弟子であるラメッシとはかなり違うところだと思う。

ラメッシ・バルセカール、ダグラス・ハーディングはどちらかというと「肯定」の方法論である。つまり、彼らは質問者の観点や考え、議論をほとんど否定しない。たぶん、それは観点や考えはたいして重要でなく、どう展開しても、議論や観点、考えが言葉なき認識へ導くわけではないと知っているからだ。それに彼らにはどんな観点や議論も強制終了させることができる伝家の宝刀がある。

ダグラスの場合は、実験があり、ラメッシの場合は、「すべては神の意志」という観念がある。

実はマハラジにも宝刀があるのだが、本書Prior to Consciousnessの中ではほとんど使っていない。それはあらゆる質問に対して、「誰がそれを尋ねているのか?」  という質問で答えることだ。

ラメッシの説明によれば、ほとんどの人が自分の質問に対してマハラジが「誰がそれを尋ねているのか?」 という質問で切り返すとき、マハラジが自分の質問に答えることを避けているという誤解を与えたということである。

私の理解によれば、「誰がそれを尋ねているのか?」という質問の意図は、質問者を質問より以前にある自分の本質へと退却させることだが、ほとんどの場合は、「尋ねているのは私です」→「ではその私とはか?」→「わかりません。だからお尋ねしているのです」みたいな新たな議論に発展してしまいがちで、議論から直観へというマハラジの意図がほとんど伝わらない。
 
Prior to Consciousnessはマハラジの末期癌の影響のせいもあって、明るい雰囲気の本ではない。彼は死にたいと言う言葉は使わないが、自分は早くこのすべてを処分したいと何度か本書の中でももらしている。ただ、読者はそれを「厭世」の勧めのように読むべきではないと私は思う。彼は決して厭世的な人ではなかったと思うし、家庭生活と仕事と霊性を自分のできるかぎり精一杯やり尽くした人だ。

私のなんとなくの印象で言えば、彼は昭和の頑固オヤジのような感じで、厳しいけど、素朴でまっとうで、いざというときには、心優しく、頼りになる近所のタバコ屋のオヤジである。

ラメッシによれば、マハラジはサットサン以外の普段のときは平凡な話し方をする人だったそうで、マハラジ自身、なぜこんな奥深い言葉が自分から出て来るのかわからないと驚いている。彼の知識は本から得たものではなく、すべて直観と経験から出てきたものであり、それにもかかわらずどんな学者やインテリもかなわないくらいの奥深さであることは本当に驚くべきことだ。本の中では彼が、自分のところへやって来る学者系の人たちをからかって遊んでいるところがある。

そして私が彼を非常に敬愛するもう一つの理由は、インドにあって、霊的経験やパワー、名声を売り物にしてグル・ビジネス(弟子や信者、お金をたくさん集めるビジネス)をしなかった希有な人だったからだ。

マハラジは本書Prior to Consciousnessが将来大勢の人たちに読まれることを、1981年の時点ですでに予言している。本としても厳しい本だと思うが、熱心に読まれれば、熱心な探求者たちに役立つだろうと私もそう信じている。

以上、6回にわたって、ニサルガダッタ・マハラジのPrior to Consciousnessについて簡単に解説してきた。

諸事情で完成・発行が大変遅れてしまい、お待ちいただいている皆様には大変に申し訳なく思っています。本書の発売が正式に決まりましたら、改めてお知らせします。

[イベント]  予約受付終了しました。                                    
*2017年12月17日(日曜日)「私とは本当に何かを見る会」(東京)
予約・詳細は下記のサイトへ



[お知らせ]

ラメッシ・バルセカール     『誰がかまうもんか?!』電子書籍版が発売されました。

アマゾンサイト
https://www.amazon.co.jp/dp/B075R6PH31


フランク・キンズロー『瞬間ヒーリングの秘密』 電子書籍版が発売されました。https://www.amazon.co.jp/dp/B075MXJYD3


トニー・パーソンズ  『何でもないものがあらゆるものである』電子書籍版が発売されました。
ダグラス・ハーディングの新刊「存在し、存在しない、それが答えだ」(ナチュラルスピリット発行 本体価格 2300円)好評発売中

目次は下記のサイトに掲載してあります。
http://www.simple-dou.com/CCP041.html

  

[シンプル堂電子書籍]

*「動物園から神の王国へ―サルの惑星、のような星で、平和に生きるために」(PDFファイル)ダウンロード版は、DLmarketのサイトで販売しています。お手持ちの機器(パソコン、タブレット、スマートフォン)に、PDFを読むソフト(AdobeReader等)が入っていれば、どなたでも読むことができます。

本書の詳しい目次は下記のサイトに出ています。

1部 ヒトにおけるセックスと闘争・暴力の問題について
2部 サルの壁 人の壁
3部 人生は、ド・アホでいこう!

DLmarketからファイルをダウンロードするためには、まず会員登録をする必要がありますが、Facebook、Twitter、楽天のアカウント、Yahoo!Japan のID、Amazonのアカウントもご利用でき、各種支払いにも対応しています。(銀行振り込み、コンビニ支払い、Amazonペイメント、クレジットカード、Paypal、その他)。

なお現在は、パソコン等では、横書きの文章のほうが読みやすいという人たちもいると思い、縦書き版と横
書き版の二種類の版を用意してあります。 編集の都合上、総ページ数(縦書き版が453ページ、横書き版が367ページ)は異なっていますが、内容はまったく同じです。

*購入についての詳細は、購入前に下記のDLmarketのサイトを見てください
 http://www.dlmarket.jp/

動物園から神の王国へPDFダウンロード縦書き版」(1500円+税)(453ページ)
   http://www.dlmarket.jp/products/detail/331107

動物園から神の王国へPDFダウンロード横書き版」(1500円+税) (367ページ)
  http://www.dlmarket.jp/products/detail/331108

試読版(無料)は上記のサイトから、会員登録等なしに、どなたでも自由にダウンロードできますので、本との相性を確かめて、購入の判断をしていただければと思います。 (画像の下の、「立ち読みできます」をクリックすると、試読版PDFを無料でダウンロードできます)

*DLmarketで下記も販売中です。(無料試読版は会員登録不要で、自由にダウンロードできます――画像の下の「立ち読みできます」をクリックしてください)  
 
「楽しいお金」PDFダウンロード版(本体価格1,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/290251


「 楽しいお金3」PDFダウンロード版(本体価格1,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/290294

 「人をめぐる冒険 」PDFダウンロード版(本体価格1,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/290283

「1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場1日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297870

「1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場2日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297880

「1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場1日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297958

「1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場2日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297975












コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック