「代替医療解剖」2017年03月13日 10時20分40秒

今、「代替医療解剖」(サイモン・シン著 新潮社)という本を読んでいる。「代替医療」 とは、通常の西洋医学によらない病気を治す療法を総称してこう呼んでいる。 本書で取り上げられている代替医療は、スピリチュアル系の人たちにはおなじみの、鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法などである。

サイモン・シンについて少し説明しておくと、彼はこれまでに「フェルマーの最終定理」、「暗号解説」「宇宙創成」  など、一般向け科学書の分野で世界的に成功をしてきた非常にすぐれたイギリスの科学系ジャーナリストであり、私も今までに何冊か読んだことがある。

本書で、サイモン・シンは、もちろん代替医療を全面否定はしていないが、その歴史から現状までを綿密に調べ上げ、「多くは効果がない」、あるいは「効くことが科学的に証明されていない」という結論とともに、一般読者に警鐘をうながしている。

本書の内容自体は私にはあまり興味のないものなのだが、なぜ読もうと思ったかというと、本書の出版後、著者がウェブ上で書いたカイロプラクティックへの批判的記事が元で、イギリスのカイロプラクティック協会から名誉毀損で訴えられたその裁判の顛末が訳者あとがきに書かれているからである。

わずか数行の記事で、サイモン・シンは裁判のために数年の年月と三千万円の費用を使ったという。サイモン・シンが最終的には勝訴したこの裁判がイギリスで大きな話題となったらしいのは、第一審でサイモン・シンが敗訴したあと、イギリスの多くの科学系の人たちがサイモン・シンを熱烈に支援する運動を起こし、まさにこの裁判は、代替医療派vs 科学系の専門家(支援者)という戦いになってしまったからだ。
 
現代のイギリスは世界的名声を勝ち得ている非常にすぐれた自然科学の科学者を多く輩出している―日本でも知られている有名な人たちの名前を挙げてみれば――スティーヴン・ホーキング(理論物理学者)、リチャード・ドーキンス(進化生物学者)、ロジャー・ペンローズ(数学者、理論物理学者)、ピーター・アトキンソン(化学者)など。

このように優れた自然科学の学者を多く輩出しているイギリスは、私が感じるに、17世紀のニュートンの時代から「何事も実証されなければ、真理ではない」という強固な観念があるようで、それがイギリスの実証科学の強い伝統を支えている。

その一方で、イギリスには「イギリス国教会」という伝統的なキリスト教の宗教があり、こちらも非常に強固な組織と基盤をもっている。

イギリスという国をそれほど知っているわけではないので、あくまでも私の憶測の感じではあるが、イギリスには強固な宗教系と強固な科学系という二大思想潮流があって、それはときにはかなり対立的になることもあるのではないか、ということである。

先ほど名前を挙げたイギリスの科学界の重鎮である、リチャード・ドーキンスは宗教・神嫌いで有名で、彼には「神は妄想である」(同じイギリス人で、God-freak =神狂いのダグラス・ハーディングが聞いたら、泣いてしまいそうなタイトルだ)という著書まであり、以前読んだネットの記事によれば、反宗教広告をバス広告に載せるまで彼は徹底している。

そういうイギリスという国の背景を考えてみると、サイモン・シンの裁判は宗教対科学というイギリスの伝統的思想潮流の中にある対立の影響もあったのかもしれない。

さて、「代替医療解剖」をざっと斜め読みした感想から言えば、まず当然のことながら、著者のサイモン・シンはバリバリの科学派で、「代替医療」のようなあやふやなものが好きではないという科学派の根本的偏見がある。彼はすぐれたジャーナリストではあるが、その偏見は免れてはいない、という感じはある。

しかし、彼が本書の執筆を思い立った動機は充分に理解できるものだ。それはイギリスでは、代替医療が一般国民の間に非常に浸透し、しかもセレブの人たちの間でも人気で、チャールズ皇太子までが代替医療の推進に一役かっているという事情がある。

当然、代替医療の人気が出れば、質の低下は免れず、サイモン・シンは「代替医療のセラピストたちは、しばしば効果がなく、危険にさえなりかねない治療をおこなうばかりか、診療や医療品に多額の請求をする。あまり豊かではない親が、子供の健康のために間違った努力をし、むざむざ代替医療に金を注ぎ込むこともあるだろう」(文庫版396p)  と書いている。科学派の彼とすれば、調べれば調べるほど、モラルに欠けていると思われるプラクティショナーと治療例に出くわし、義憤に駆られて、本書を執筆したようにも感じられる。

日本でも、イギリスほどではないとしても、代替医療はある程度は認知され、そういった療法を利用する人たちも増えていることだろう。

西洋医学も含めて、精神・肉体に関す治療法に関しての私の考えは、西洋医学、代替医療、その他ヒーリング療法でも、万人に効くもの、万人に合うものはないし、おそらく万人に合う医者(プラクティショナー)もいないだろうということだ。

病気の治療という出来事には、基本的に、医者(プラクティショナー)、治療法や薬、患者(治療を受ける人)、そしてその人の病気の状態と、基本的に四つの要素があり、その四つの要素が複雑に絡み合って、効果があったりなかったりするのだと思っている。その四つの要素が全然かみ合わなければ、治療を受けても、かえって悪くなる場合だってあるかもしれない。科学的に証明されているとされる西洋医学でさえ、「万人に絶対、いつも百パーセント効く」治療法や薬などないと私は思っている。

そして、医者(プラクティショナー)のモラル、人格、技術(能力)も様々で、そして体や治療に関して患者がもっている観念も様々である。昔から「医は仁術」という言葉があり、医者(プラクティショナー)を信頼できるかどうかも非常に重要な要素であるはずだ。
 
だから、体の具合が悪くなったら、自分に合う信頼できる医者(プラクティショナー)、自分に合う治療法を見つけるしかない。医者(プラクティショナー)と治療法が自分に合えば、西洋医学だろうが、代替医療であろうが、その他ヒーリング療法だろうが、ある程度は治療効果があるだろうと思う。

私自身は体に関する医療やヒーリングの経験があまりないので、多くのことは語れないが、数少ない経験から思うことは、外側のものへの過信、盲信を避け、何が今自分に必要で正しい治療なのかに関して、自分の内側から来る直感と感覚を大切にすることで、ふさわしい医者(プラクティショナー)、ふさわしい療法に導かれる、ということである。

そして、最終的には自分の内なるヒーラー、薬局を信頼することである。「私たちの中心には宇宙薬局と宇宙薬剤がある」とダグラス・ハーディング は本にも書いている。サイモン・シンが聞いたら、ぶっとびそうな言葉だけれど……。


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「字幕屋の気になる日本語」2016年12月13日 08時50分02秒

以前、字幕翻訳家の太田直子さんの著書、「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」 (光文社)  をこのブログで紹介したことがある。
   http://simple-dou.asablo.jp/blog/cat/social/?offset=30

その太田さんのことだが、最近、今年出た彼女の新刊「字幕屋の気になる日本語」(新日本出版社)を読んで驚いた。それは「遺稿集」なのだ。太田さんは今年の初めに亡くなられたのだ。1959年生まれ。享年56歳。
 
その前の著書、「字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記」(岩波書店)を読んでもう一つ驚いたことがある。この本には、映画字幕を作るプロセスが1から10まで丁寧に説明してあり、字幕を作っているときの彼女の1週間の日誌まで掲載されている。

それによれば、映画の字幕翻訳は、仕事を受注してから終わるまでが約2週間、翻訳に当てる時間がそのうちの1週間と超スピードの世界なのだ。同じく外国語を日本語にする仕事であっても、本の翻訳の仕事は、翻訳を開始してから、本が出るまでトータルで数年の期間がかかるのとは、大違いである。

そしてその2週間は、少し寝て、食べる時間を除いたすべての時間が仕事に費やされる。太田さんは典型的な夜型の人であったようで、ほとんど毎日朝方まで仕事をしている。

こういう生活を20代から数十年続けてきて、最近は、エッセイ書き、講演、翻訳学校での講師の仕事でも多忙であった様子が本からはうかがえる。

その生活スタイルと多忙さだけでもかなりのストレスを想像するが、それに加えて、字幕業界の現実から、一般の人たちの日本語の使い方まで、彼女の憂いと怒りがエッセイにはあふれている。言葉に対するこだわりが半端ではなく、しかも律儀で、色々のことに気遣いし、正義感の強い方なんだと思う。

便乗するならカネ送れ」(「字幕屋の気になる日本語」)というタイトルの文章の中で、 字幕の仕事を発注するクライアントに、 「若く優秀な字幕翻訳者を安く使いつぶさないように 」お願いまでしている。映画業界も相当なブラック業界のようである。彼女自身は、名声も実力もあるので、ちゃんとした報酬をもらっていたのだろうけど、若い世代の字幕翻訳家の現状、そしてこれからの字幕文化 の行く末を心から案じて、エッセイの中で異例のお願いである。こいう憂いや怒りも彼女の命を縮める原因となったのかもしれない。
 
私も人生でたった一度、ほんの数か月間の間だけだったけど、彼女と同じくらい働いたことがある。ちょうど40代から50代になる境目の頃だ。食べる時間と寝る時間以外一日十数時間、パソコンに張り付いて仕事をした。私の場合は、他から請け負った仕事ではなく、自分で作り出した状況だったので、誰のせいでもなかったのだが、毎晩真夜中に胃の痛みで目が覚め、もしそのとき医者に行って診てもらったら、胃潰瘍の一つか二つ、ガン細胞の一個か二個くらいできていたかもしれないと思う。

その怒濤の数か月が終わったとき、気力も体力も尽き果て、更年期も重なって、「死」が非常に近い気分だった。自分の仕事だったから、仕方なかったとはいえ、ひる寝と読書と仕事の適当なバランスを突然変えたのがいけなかったのだと思い知った。その時以来、またひる寝と読書の合間に仕事をやるという元のスタイルに戻して、今日まで生きながらえている(今は完全な朝型なので、早朝から午前中にかけて4、5時間だけ仕事をしている)。

50代の死は早世だとも言えるだろうが、でも大好きな仕事をまっとうし、これから始まる老いの坂をダラダラと下るという苦しみから解放され、そして何よりも、あらゆるところでブラック化する世の中を、もうこれ以上見なくてもすむということでは、太田さんは幸せな死を迎えたと思うことにしたい。

ただ、彼女の字幕やエッセイのファンの人たちは彼女の早世を残念に思っているいることだろうし、私自身は、彼女がドストエフスキーの作品を訳す前に亡くなられたのが、残念と言えば、残念である。彼女の訳でドストエフスキーを読んでみたかった――「字幕屋の気になる日本語」のあとがきの代わりに、友人の作家の方が書いた追悼文によれば、太田さん(←元々はロシア文学が専門)が、これからドストエフスキーの作品を訳す企画があったそうである。

 
[カモミール様へご質問の答え」

ご質問の主旨は、「職場の同僚はスピリチュアルでもなく、何もしていないようなのに、女性にモテる。私はQEとかやっているのに、女性に縁がない。どうしたら私も職場の同僚のように、何もしなくても女性にモテるようになりますか?」  という意味だと理解しましたが、もしそうなら、質問するサイトが間違っています(笑)。そんなこと、私に尋ねられても、わかりません。


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ダグラス・ハーディング(3)To Be and not to be, that is the answer2016年07月17日 07時11分51秒

 今回から、ダグラス・ハーディングの教えとワークについて数回にわたって書く予定です。

ダグラス・ハーディングが生涯語り続け、書き続けたことは、テーマとしては主に三つに分かれている。

1.自分の中心から外側に広がる現象宇宙についての宇宙論。

2.自分の中心において、私とは何なのかの認識・理解。

3.非存在が、何の理由も原因もなく、突然存在となる驚異。

もちろん、以上の3つのテーマは相互にリンクしていて、全然別の話というわけではなく、ダグラスは今回のTo Be and not to be, that is the answer(存在し、そして存在しない、それが答えだ―仮称)の中でもその三つをおりまぜて語っている。

1の宇宙論は1953年に出版された彼の本、The Hierarchy of Heaven and Earth(天と地の階層)  にまとめられ、その中で彼は、分割できない宇宙全体の構造と機能、つまりそれぞれの地域的階層(銀河系、太陽系、地球、人間、分子、原子など…… ) がお互いをどう支え、お互いの中でどうゆう役割を担っているのか、非常に綿密に科学的知識を踏まえ、壮大に語っている。

ダグラスは、20代のときに図書館に通いつめ、あらゆる科学の本を読み、The Hierarchy of Heaven and Earthの基盤となる科学的知識を独学で学び、それからたぶん本の構成を長い時間かけて構想し、そして執筆に9年間かけている。
私が最初に、確か90年代の初め頃だったと思うが、The Hierarchy of Heaven and Earth の本を読んだとき、非常に難解な文体の英語で語られるその優雅で壮大な宇宙論にものすごい衝撃を受けたものだ。彼の宇宙論は、一部は、グルジェフェの宇宙論に似ているところもあるが、使われている言語表現が全然異なっている。The Hierarchy of Heaven and Earthに書かれている内容を理解するのに、非常に集中力と努力が必要で、でもその困難にもかかわらず、書かれていることに非常にワクワクするなどという読書経験はめったにできることではない。本書を読んでいるときは、人間クラブと地球上のゴタゴタをはるか下に見下ろし、優雅に宇宙旅行をしている気分が味わえ、SF小説的な発想まで思い浮かぶことがある。

私はたくさん本を読むほうではあるが、蔵書家ではなく、普段は本そのもの、そして本を所有することに過度の価値を置いていない。しかし、ダグラスのThe Hierarchy of Heaven and Earthだけは、「また読ませて、挑戦させていただきます」(笑)と、読む前に拝礼したくなるような雰囲気がある。
 
ちなみに、The Hierarchy of Heaven and Earthの本は、ダグラス・ハーディングが自分でタイプしたオリジナルな原稿が結局あまりに分量が多すぎるということで、市販された本は分量を3分の1に減らした縮小版のほうで、私がいつも読むのも縮小版のほうである。

オリジナル版は、かなり前にリチャード・ラングが3百部限定で、復刻版を作り、私もそれをいつか読もうと思い、購入してあるのだが、梱包を開いて数回見ただけで、まだ一度もそれを通読したことがない。なぜかというと、見ただけで圧倒されてしまうそのその重さと分量せいである。その本は昔の日本の百科事典くらいの大きさと重さがあり、もっているだけで手が疲れてくる。最晩年にすべての義務と仕事から解放されたら、のんびりと読もうと思っていたのだが、今はPDF版もあるので、読むのはきっとPDF版を読むことになるだろう。たぶんその分厚い本のほうは、一度も読まずに私の棺桶に入ることになるかもしれない。

さて、今回出版されるTo Be and not to be, that is the answer(存在し、そして存在しない、それが答えだ―仮称)の中でも、かなり簡略化されているとはいえ、The Hierarchy of Heaven and Earthで彼が伝えようとしたことのエッセンスがところどころ盛り込まれている。

少しだけ彼の宇宙論の要点を説明すると、

1私の「本当の肉体」は宇宙全体であり、そのどの部分を欠いても、正常な肉体ではない。

2人間という外見は、銀河からクオークに至る宇宙的階層の途中にあり、多くの「私の外見」の一つにすぎない。

3私たちは自分がどの階層の対象物を見るかによって私たちの意識はその見ている対象と同じ階層の意
識モードに自動的に切り替わる。

3についてさらに説明すると、たとえば私が、自分が見ている対象を「人間である」と認識するときに初めて、私の意識は「人間モード」になり、さらにその対象が自分の知り合いであれば、「ああ、○○さん」と呼びかけ、お互いにそのとき「個人的人間」になる。

つまり、相手(対象物))を認識するとき、相手から見られた「自分」も同時に生まれるというわけである。
まさか、非二元の教えの探求者の中で、誰かに個人名で呼びかけられて、「いいえ、私は何もない存在です」(笑)などと、非二元の知識を披露する人はいないと思うし、ラメッシやダグラスでさえ、「ダグラス」、「ラメッシ」  と呼びかけられれば、ちゃんと個人的人間として対応していた。

この見方を広げていくと、もし私が月を見て、「月だ」と認識しているときの意識は、人間モードではなく、「惑星(地球)モード」であり、「これはアンドロメダ銀河である」と認識しているときの意識は、「銀河(天の川)モード」である。あるいは、小さいものを見るときも同じことが言え、科学者が分子を見ているときは、その科学者の意識は「分子モード」であり、原子を見ているときは「原子モード」という具合である。

さらに、この話は政治的・文化的なことにも当てはまり、私たちが「中国は――の国だ」 とか「北朝鮮は日本に向けてミサイルを発射して、けしからん」 と思うときは、私たちの意識は国家モード(日本モード)になっている。これから始まるオリンピックでは、多くの国民は、個人というよりは「日本モード」になって応援することだろう。

つまり、ダグラスが言いたいことは、人は自分をいつも「個人的人間だと思って」いるが、実はそういった意識は、自分が見る対象によって自分でも知らずに常に変化しているということである。
 
The Hierarchy of Heaven and Earth から学べるもう一つの素晴らしいことは、人間がそれぞれに特有な感情や思考をもって生きているのと同じように、地球も、そして銀河も、特有の感情と思考をもって生きているということである。このことはあまり実感できなかったが、宇宙から撮られた地球の美しい映像をたくさん見ることができるようになって、感じることが色々ある。

たとえば、地球は今、青年期(十代後半)で、(地球的)自我を構築中で、青年期特有の高揚と混乱の最中にあるということだ。外から撮られた映像とは、地球が鏡に自分の姿を映して眺めているのと同じであり、青年期にありがちなことではあるが、美しい自分にうっとりしたり、また自分の問題(環境問題その他)に悩んでいる。
 
地球が青年期の自我構築を終え大人になって、大人の友人が欲しくなるとき、地球は広い宇宙で友人(や結婚相手?)探しをするはずであり、そのときが宇宙大航海時代の始まりである。それが何百年後になるかはわからないが、地球が青年期特有の愚かしい絶望に陥って自爆(という可能性もゼロではないが)しないかぎり、そういう運命であろうと思う。

以上、私が平易に説明するよりは、原書ははるかに奥深く面白いので、英語が読める方は是非、原書に挑戦していただきたいものである。 ダグラス・ハーディングのThe Hierarchy of Heaven and Earth のオリジナル版PDF(ダウンロード版)は下記のサイトで買えます。

それから、リチャード・ラングがThe Hierarchy of Heaven and Earthについて講演している動画もありますので、そちらも参照してください。
リチャード・ラングの「天と地の階層」講演録(日本語字幕付き)

http://youtu.be/f2eF52V6yIs


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学問を素人に2016年06月02日 09時02分00秒

  私が昔、「楽しいお金」を最初に書いたときに思ったことは、経済の本やお金の本をほとんど読んだことがない人たちでもわかるように書こうということだった。

その本を書く前、私は経済やお金に関する本をかなり読んで、経済という学問はけっこう面白いことを発見し、でも同時に普通の人はほとんど経済の本を読まないことに気づいた。
 
 読まない理由の一つは、一般向けであっても経済の本は難しいからであり、またほとんどの人たちはそんな本を読んでいる暇がないほど忙しいからだ。

そこで、暇人の読書家であった私が、専門書でもなく、また中味の薄い一般向けの本でもなく、でもなるべく専門書のエッセンスも取り入れて、しかも日常生活に役立つ実用書のような感じで、「学問を素人に」というモットーで、著作活動を始めたというわけだ。今考えてみれば、ものすごい野心(笑)である。

そのあと、経済学だけでなく、生物学&進化論、物理学などに熱中し、数十年間、贅沢な時間を過ごすことができた--スピリチュアルな探求も学問探究も非常に贅沢な活動である(と私は思っている)。しかも学者とか研究者ではなく素人であるので、どこからも補助金や研究費をもらっているわけでもなく、気楽でもある。

とはいえ、「動園から神の王国へ」があまりに途中大変だったので、「これが最後の自分の著作かも」と思ったりもした。でも書き終えてみると、「学問を素人に」という野心がまだ私に残っていることに気づき、また次作を書こうという意欲が湧いてきた(まだ書き始めてはいず、現在は構想を考えている最中)。

ビジネス的には、私の著作は「楽しいお金」以外成功しなかったが、それでも、少数の読者の皆さんが、「読んで楽しかった」と思ってくれたら、それは物書きとしては大変な喜びと光栄である。「動物園から神の王国へ」が15年かかったので、次作は、それよりは短く10年以内の完成をみざしたいと思っている(私の人間肉体精神機構が生きている間に出ることをI hope)。


(次回からは、ダグラス・ハーディングの新刊と教えについて、数回にわたって書く予定です)

 
[ ken 様の質問への答え]

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「老楽国家論」ーーみぞの鏡2016年04月05日 17時40分28秒

前回の続きに、「人間クラブ」の話を書く前に、今回はちょっと別の話題について。

今、浜矩子さんというエコノミストの方の本、「老楽国家論--反アベノミックス的生き方」(新潮社)を読んでいる。浜矩子さんは今、人気のエコノミストで、安倍政権の経済政策を批判した「アホノミックス」 という言葉を作った人だ。私は昔ほど経済に関心がないけれど、それでもたまに浜さんの本を読んで、「ああ、なるほど」と思うことがある。浜さんはアベノミックスがなぜうまくいかないのか、経済理論と歴史と国際経済情勢から専門的にわかりやすく説明している。

 「老楽国家論--反アベノミックス的生き方」の本の最初は、経済理論の話ではなく、まず人気小説「ハリー・ポッター」(私は読んだことがないけれど)から入っていくあたりが、男性の方の経済本ではないやわらかさを感じさせる。

最初の話は、その「ハリー・ポッター」の中に出てくる「みぞの鏡」で、「みぞの鏡」は、誰がこの鏡をのぞき込んでも、そこにはいつも輝いている理想の自分がいる、まさに「望み鏡」なのだそうだ。素晴らしい鏡なので、鏡の中の自分に見とれてしまうが、そこが恐ろしいところで、自分の理想象を見てしまった人間は自分の実像を見失って、鏡の前から離れられなくなり、他のすべてを忘れ、立ち枯れてしまう。結局のところ、「みぞの鏡」は人を死に至らしめる殺人鏡ということである。

で、話はそこから経済の話になり、浜さんによれば(そして私も同意するが) 今の日本の経済社会が「みぞの鏡」病におかされているという。つまり、昔の高度成長時代の元気があった頃の自分の姿を「みぞの鏡」に映して見とれ、自分の現実を忘れている。

そして安倍首相その人が一番その病魔に取り憑かれ、「若き日よ、もう一度」と、言葉だけは勇ましいらしい。(私は安倍首相の演説の言葉をよく知らないが)本書によれば、「日本を取り戻す」とか、「世界を席巻する日本」「一億総活躍時代」 とか威勢のいい言葉が多いらしい。
 
昭和20年を今の体制の一歳だとすれば、今、日本は71歳の老人であり、日本の老いはあらゆるところに見てとることができる。街を歩いていても、スーパーで買い物をしていても、老年の人の姿が目立ち、他の場所は空いているのに、病院はどこでも老人で満杯で、庶民の一番共通する話題は親の介護の話で、そして病院と介護施設はみなどこも疲弊している。

政治家の皆さんは、「自分が元気で若い」という自己イメージをもっている人たちが多いようなので、なおさら日本の老いを直視できず、頑張ればまた昔のようになれるという幻想をもつのかもしれない。
 
もちろん、老人が元気なのはいいことである。でも無理な若作りは痛々しい。安倍首相がやろうとしていることは、私のイメージでは、老人(国)を過酷な運動会(オリンピック)で走らせようとしたり、今まで銃なんかもったことがない老人(国)に銃をもたせ、無謀な若造(アメリカ)の援助をさせようとするものだ。

安倍首相ご本人は「強い日本」にかなり執着しているようだけど、本当は自分の内側に弱さを隠し持ちそれを認めようとしない人だけが「強い自己イメージ」に固執するものである。安倍首相は最近も、消費税値上げに反対意見を述べそうな、ノーベル経済学賞を受賞した著名な経済学者二人をわざわざ日本に招待し、消費税値上げ反対を言わせて、マスコミを利用してそのニュースを流し、選挙対策のために来年の消費税値上げ凍結の流れを作ろうとしている。「ノーベル経済学賞」というブランドを利用するあたりが、安倍首相(政権)の小心さを印象づけるものだ。

しかし、今の日本が安倍首相をリーダーとしているのも偶然ではなく、それこそ首相とはその国の現実を写し出す鏡である。安倍首相は、この国の多くの国民(多くは政治的ではない中高年たち)がかかえる老いによる弱体化への漠然とした不安を代表していると、私はそう感じている。人は不安を感じるとき、言葉の威勢がよく元気で、ある種攻撃的な言動の人たちに希望をつなぐ。人は自分(の国)が弱いゆえに、攻撃されるのではないかという不安があるとき、強い人(国)に守ってもらいたいと思う。

そして、安倍首相が頼みにしているらしいアメリカでさえ、トランプさん(共和党の大統領候補)のような暴言男が勢いがあるのは、アメリカが日本以上に弱体化していることを物語っている。アメリカの弱体化の原因は、日本とは違って、老化ではなく、最大の問題は国内の経済格差である。経済格差と長年の(軍事費などによる)浪費ゆえに、国全体が貧困化している。それにもかかわらず、弱体化している現実を受け入れられず、「自分は世界一強く豊か」であるはずという期待が、「もう一度、アメリカン・ドリームを」的なトランプさんを膨らませるのである。

では、安倍首相が仮想敵扱いしているらしい中国はどうかといえば、これがまた、日本やアメリカよりもさらに弱体化の要素を抱えている--経済格差に、国民の老化に、そして経済的自由と政治的不自由の構造的ねじれ。だから、今の日・米・中の関係は、弱者のパワー・ゲームであり、弱い人(国)が、同じくらい弱い人(国)に頼って、同じくらい弱い人(国)から自分を守ろうとしているという滑稽な風景である。そんなふうに政治とは(人間動物園のゲームなので)いつも滑稽なものであるが、国民は自分たちに値するリーダーと政治しかもてないので、安倍政権が続くかぎり、それが多数の国民の(無意識の)真意だと、私はそう理解している。

最後に浜さんの触れた「みぞの鏡」に触発されて、私も老人の理想を語ってみよう。

老人(国)の本当の使命は、若い人(若い国) ができないことをやることである。それは、人類の最上のもの(文化遺産)をのんびりと楽しみ、自分の子供や孫その他若い人たちの相談相手になり、自分が生きてきた知恵や学んできた技術を分かち合うということである。

そして、日本は世界の中でそういう使命を果たすのに非常に向いている国で、日本のイメージに一番合う姿は文化・技術立国である。資産はある。文化はある。技術力はある。歴史はある。食べ物はおいしい。文化・宗教的多様性に対する寛容・受容能力がある。唯一日本に欠けているのは、「自分はすでにすべてをもっている」、「自分はこれでいい」というありのままの自分を許容し、受け入れる勇気・自信と、「楽しむ」という価値観だ。

老いたら、無理せず今もっているものを「楽しむ」。それが浜さんも提唱する「老楽」国家である。日本は、若造のあとをよろよろついて行くよりは、「そこのお若いの。そんな不作法なもの(武器)はしまって、一緒にまあ一杯どうだ」と優雅に言うのにふさわしい国なのだ--理想を語れば。

おっとと、「みぞの鏡」に理想を映すことに熱中しすぎてはいけませんね--現実に戻って、優雅とはほど遠く重い腰をどっこらしょとコタツから持ち上げて、さて、食事の準備でもすることにしましょう。


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グルジェフの教え2016年02月02日 07時27分15秒

「動物園から神の王国へ」 を購入・購読いただきました 皆様、ありがとうございました。

私の著作を購入・購読いただいた読者のために、数回にわたって、私の翻訳書ではなく、著作について、少しその背景を語ってみたい。(ダグラス・ハーディングのTo Be and not to be, that is the answerについては、発売が近づきましたら、改めて書く予定です)

今、私はいわゆる非二元系の本の翻訳を主な仕事にしているが、実のところ、私の著作はそれらの影響をあまり受けていない。つまり、ダグラス・ハーディングやラメッシ・バルセカールなどの本と教えは、「私とは何か」への本質的答えを与えてくれ、私が平和に生きることを助けてくれているが、私の著作のスタイルにはほとんど影響していない。
 
それらよりはるかに、私の著作は、20代の後半に出会ったロシアの神秘思想家グルジェフの教え、それから、タデウス・ゴラス(「怠けものの悟りかた」の著者)、 そして、40代前半に出会った生物進化論の影響を受けている。

今回は、「グルジェフの教え」 について簡単に書いてみたい。実のところ、グルジェフの教え・宇宙論は膨大で、とても簡単に説明できるようなものではないので、あくまで私が影響を受け、私なりに理解したグルジェフの教えである。
 
とりあえず私が非常に影響を受けたことを列挙してみると、

*人間は本能・感情・思考などをもった機械である。
*人間機械は間違って使われているので、非能率的であり、膨大なエネルギーをムダにしている。
*人間が進化するためには、エネルギーのムダ遣いをやめ、余剰エネルギーを生み出さなければならない。
*人間は、進化の段階によって7種類の人間がいて、それぞれ異なった言語、文化、芸術をもつ。
*(人間を含めた)有機生命体は地球の知覚器官である。

 
グルジェフ・ウスペンスキーの本を読んでまず最初に、「人間は肉体・感情・思考などをもった機械である」、「人間機械は間違って使われているので、非能率的であり、膨大なエネルギーをムダにしている」ということを私は非常に納得した。肉体・感情・思考はそれぞれ独立している機械であるという考え方は、それらとの一体化を解除し、機械として、あるがままの状態を純粋に客観的に観察することを可能にする。いったん観察し始めると、自分や他人の機械について、色々なことに気づくようになり、グルジェフのいう「機械の誤用」とはどういうことかを具体的に知るようになる。(グルジェフのワークでは「気づき」という言葉の代わりに、「自己想起」という言葉が使われている)

機械の誤用とはどういうことかというと、具体的な例を挙げれば、たとえば、歩くときは、実は考えること、つまり思考機械を使うことをまったく必要としていないにもかかわらず、多くの人たちは(そしてこう書いている私だって時々は)考え事をしながら歩いている。そして、驚くべきことは、考え事をしながら歩いても目的地や自宅に問題なく到着することだ。グルジェフはこういう状態を「眠っている」といい、もし人が目覚めて、肉体の仕事は肉体に、思考の仕事は思考に、感情の仕事は感情にまかせれば、はるかに効率的に仕事が行われ、エネルギーの節約になると教えている。

それから多くの人たちがやっていることが、感情の誤用である。感情は感じることは得意であるが、判断したり論理的に考えたりすることは苦手である。ところが多くの人たちは、自分の「好き・嫌い」を「善・悪」「正しい・間違っている」の判断に転化する。つまり、好き=善・正しい、嫌い=悪・間違っている。もちろん、誰にでも物事の好き・嫌いはあるが、しかし、それだけを物事の判断に使うと、起こりがちのことは、あとあと後悔するような決定や判断をする羽目になるということだ。

それから、反対に感情を感じるべきときに、思考を介入させる人たちも多くいる(一般的には男性に多い)。長年それを続けていると、自分でも自分の感情がまったくわからないということになる。怒っているのに、自分の怒りがわからない、悲しんでいるのに、自分の悲しみがわからない、嫉妬しているのに、自分の嫉妬がわからないなど。自分の感情を感じることができない人は他人の感情もわからず、いわゆる非常に鈍感な人間になって、他者とのコミュニケーションに支障をきたすことが多くなる。

 いわゆるグルジェフ・ワーク(私は正式にはやったことがないが)の主要な部分は、「人間機械の誤用」を改善し、エネルギー節約型にし、進化させることであり、グルジェフはそのために膨大な要求を弟子たちに突きつけた。彼は妥協を許さない厳格な師であったようで、そのため多くの弟子たちがやって来ては、離れていった。

そんなわけで正式なグルジェフ・ワークはほとんど一般向きではないだろうが、それでも、 「自分自身に対して徹底して正直であり、何も覆い隠さないこと」――このグルジェフの教えの根幹は、人がどんな霊的な道や教えにいようが、あらゆるスピリチュアルな教えの基本中の基本である。が、実践にはしばしば苦痛がともなう。なぜかといえば、自己観察を続けていくと、一般的に人がいだいている、「自分は善人である」とか「自分は何でもできる有能な人間である」とか、「自分は道徳的な人である」というイメージ・幻想がはげ落ち、だんだん自分が救いようもなく(極悪人とまではいかなくても)情けない奴に思え、さらには人間はほとんど無に等しい(というより実際に無である)生き物であるという自覚すら生まれてくるからだ。しかしそれに耐えて、自分の中の悪と利己心を受け入れ、人間機械の誤用を改善できるようになれば、そのときには、自分の中で分裂していた様々なことが統合されて、グルジェフ風にいえば、人間機械の効率がよくなり、自分の中に統一感が出てくる。

それから、グルジェフの教えが私の著作に影響を与えている点として、「人間は、進化の段階によって7種類の人間がいて、それぞれ異なった言語、文化、芸術をもつ」ということがある。最初に読んだ二十代のとき、私はいつも他人とのコミュニケーションに困難を感じていた。グルジェフの7種類の人間という観念を知って、なぜ人間同士のコミュニケーションや相互理解が困難なのか、そしてなぜ人は相手を決して本当には説得できないのかがわかり、ムダなコミュニケーションの努力をやめることができた。「あらゆる人の意見は、その人の立場に立てば、正しい」のである。

私が「動物園から神の王国へ」の第2部「サルの壁 人の壁」の中で展開した知性の7段階は、グルジェフのその「7種類の人間」という観念を借用してはいるが、しかし、その説明はほとんど似ていない。私は現代の日本人の読者に合うように、観念を大幅にアレンジし、さらに生物進化論の観念もまぜて説明している。職場、家庭、親子関係、恋愛・友情関係で、コミュニケーションに悩んでいる方が、少しでも重荷が軽くなればいいなあという希望をこめて書いたわけである。

以上簡単に私の著作に及ぼしたグルジェフの影響について書いてみた。本格的にグルジェフのワークをやったわけでもないのに、私はなぜか彼の教えや言葉には相当影響され、はまってきた。それはたぶん彼が徹底した現実主義者で、そして彼の説明がまた徹底して物理的(物理学的)であるところが、私の好みに合うからだと思っている。また彼の警句のいつくかは人生が困難な時期の私の心の支えとなってきた。

彼は時代より数世紀は先に進んでいるし、いつか公の科学が彼に追いつく日もくるかもしれないとは思うけど、グルジェフはこうも警告している――つまり、追いつく前に、人類そのものが消滅という可能性…… である

もし人類が進化しなければ、それは有機生命体の進化の停止を意味し、それはまた創造の光の成長が止まる原因にもなる。それと同時に、もし人類が進化をやめたら、それは人類創造の目的という観点からすれば無用のものになり、その結果滅ぼされるかもしれない。そんなわけで、進化の停止は人類の滅亡を意味するかもしれないのだ」(「奇蹟を求めて」473ページより)

彼の教えにご興味ある方は下記に紹介した本を読んでいただければと思う。(本としては非常に難解で、努力を要する本である)

参考図書
奇蹟を求めて」(P.D.ウスペンスキー著 平河出版社)
 「グルジェフ・弟子たちに語る」(G.I.グルジェフ著 めるくまーる社)
ベルゼバフの孫への話」(G.I.グルジェフ著 平河出版社)

* グルジェフについての詳しい情報は下記に掲載されています。(GeorgeIvanovich Gurdjieff, ロシアの神秘思想家1866年1月13日? - 1949年10月29日)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%82%A8%E3%83%95

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「動物園から神の王国へ」2015年12月08日 16時40分15秒

 去年の12月の終わりに、「動物園から神の王国へ―サルの惑星、のような星で、平和に生きるために」のPDF版を今年の秋に出すと書いたあと、データをパソコンに入れたままの状態だった。今年の秋になって、「ああ、そういえば、もう秋だ。PDF本の準備をしなくては」と思いながら、なかなか作業をする時間がとれず、フランスから帰国して、今年ももうすぐ終わることに気がついた。なんとか2015年内に出したいと思い、ようやく販売の準備ができました。

本書を書き始めたのは、たぶん(もう自分でも記憶が定かではないが)2000年の頃だったと思う。「『人をめぐる冒険』の続編は書かないのですか?」と、たまにきかれることがあって、「書き足りなかったことを、続編に書くのもいいか」と思いたち、書き始めたのが、「地獄の始まり」(苦笑)だった。

最初は順調に書いていたのだが、2001年~2006年頃、極度の精神的肉体的不調に襲われて、書く気力、出版する気力がなくなり、もうどうでもいいような気になってしまった。何年もほったらかしの状態で、それでもなぜか、たまにまれに書く気力が突然わいて(そして、またすぐに気力がなくなって中止)、そんなことを繰り返して、それでもなんとか時々書き続けて、ほぼ完成したのが2008年頃だった(ような気がする)。

そのあとは、何かと忙しくて、編集・校正ができず、ようやく最終的編集作業にかかったのが数年前で、そして、やっと完成に至ったというわけだ。実質書いていた時間は数年間くらいである。本書に関していえば、15年間、ずっと「葛藤状態」、つまり、前にも進めず、かといって、やめる(手放す)こともできず、書くのも苦痛、やめるのも苦痛というような苦痛をずっと引きずっていた感じだった。
 
やめる(手放す)ができなかったのは、たぶん、私がこの三部作に登場させた登場人物たちのせい(というか、おかげというべきか)である。小説ではないけれど、いったん登場人物たちを作ってしまうと、彼らは生き始め、表に出ることを要求する(ようだ)。本書が完成したのは、地獄の季節をともにした同志である彼ら(登場人物たち)の励ましと要求のおかげでもあろう、と思っている。


本書の詳しい目次は下記のサイトに出ています。

1部 ヒトにおけるセックスと闘争・暴力の問題について
2部 サルの壁 人の壁
3部 人生は、ド・アホでいこう!

以上の三部構成である。実はこの三部は、本当は別々の本にしてもいいもので、お互いにそれほど関連はないし、独立して読むこともできる。簡単に各部の内容をご紹介すると、

1部 21世紀末、ハドララ共和国という架空の国の大学教授が、なぜ人類がこれほど性と暴力に取り憑かれているのかを、人類の進化と歴史の観点から、夏期講座で、一般向けに講演する。人類の現状、特に性と暴力の問題を、生物進化論から考えるというのがその大まかなテーマである。

2部 不治の病におかされた元詐欺師が、10年あまりスピリチュアルな探求をし、死ぬ前に他の人たちのために自分の理解を書き残し、その中で、「なぜスピリチュアルな世界では、相互に矛盾したことが教えられているのか?」、「人と人はなぜ理解し合うことが困難なのか?」を、「自分をめぐる様々な観念」と知性の質の違いという切り口で解明を試みる。スピリチュアルなテーマというより、どちらかというと、コミュニケーション論 として読まれるほうがいい内容。「人をめぐる冒険」の続編になるのが、2部である。

 3部 若い頃、家庭を放棄して、10年ほどスピリチュアルな探求をしたコバヤシ老人は今はごく普通のおじさんになって、奥さんと仲良く暮らし、時々「ド・アホの会」で、暇つぶしに若い人たちと スピリチュアルなバカ話をするのを余生の楽しみにしている。そんなコバヤシ老人とその仲間たちがスピリチュアル系のバカ話をえんえんと展開するという内容。(もし自分の近所にこういうおじさんがいて、いつでも話に行って、バカ話ができたら楽しいだろうなあ、という私の想像からコバヤシ老人は生まれた)


本としては難産だったけれど、内容的には、特別な知識がなくても読めるように、できるかぎりわかりやすく軽く書いたつもりなので、(アドヴァイタ系の難解な本を読む合間に)食後のデザート用の本として、娯楽本として気楽に読んでいただければ、と思っている。

なお、本書のほとんどの内容は、10年以上前に書いたので、書いた本人自身が、本の内容をかなり忘れていて、今読み直してみると、「こんなことが書いてあったのか!これってどういう意味だろう?」(笑)という箇所がところどころある。なので、万一、本書の内容について質問されても、もう著者にはたぶん答えられません……

それでは、皆様、今年はこれで終わりにします。来年は2月頃から再開します。楽しいクリスマス、お正月をお過ごしください。


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ジ数(縦書き版が453ページ、横書き版が367ページ)は異なっていますが、内容はまったく同じです。


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「動物園から神の王国へPDFダウンロード横書き版」(1500円+税) (367ページ)
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試読版(無料)は上記のサイトから、会員登録等なしに、どなたでも自由にダウンロードできますので、本との相性を確かめて、購入の判断をしていただければと思います。 (画像の下の、「立ち読みできます」をクリックすると、試読版PDFを無料でダウンロードできます
 
DLmarketで下記も販売中です。(無料試読版は会員登録不要で、自由にダウンロードできます――画像の下の「立ち読みできます」をクリックしてください)  
 
「楽しいお金」PDFダウンロード版(本体価格1,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/290251

「 楽しいお金3」PDFダウンロード版(本体価格1,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/290294
 
「人をめぐる冒険 」PDFダウンロード版(本体価格1,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/290283

「1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場1日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297870

「1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場2日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)

「1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場1日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297958

「1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場2日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297975

*上記MP3無料試聴版は下記よりダウンロードできます。

「1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場試聴版」(無料)
http://1drv.ms/1lKRZcr
「1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場試聴版」(無料)
http://1drv.ms/1g9oRdI

*上記MP3ファイルの詳細な内容は下記へ
http://www.simple-dou.com/CCP010.html
 
*旧マホロバアート社の本・DVDで、在庫のある本、DVDは、引き続きシンプル堂で
販売いたします。

  シンプル堂
   http://www.simple-dou.com/details1.html



「何でもないものが あらゆるものである」2015年07月16日 14時24分38秒

皆様、暑中お見舞い申し上げます。

トニー・パーソンズ『何でもないものが あらゆるものである』が、発売されました―書店の店頭には、7月下旬から出回る予定です。(本体価格1600円 本文229ページ ナチュラルスピリット発行 ISBN978-4-86451-173-5 C0010*本書には目次がありません)。

   前回書いた以上の紹介の言葉が出てこないので、今回はこれで失礼します。暑い夏、皆様、つつがなくお過ごしください。(シンプル堂)

  [お知らせ]

★★「ダグラス・ハーディグ1991年メルボルン講演ビデオ」ダウンロード版 (10ドル)
1時間47分日本語字幕付き。

ダグラス・ハーディングが、「私とは本当に何かを見る」ためのいくつかの実験を実演しながら、祝福で織られているあるがままの「現実の世界」と、対立がルールである「まるでの世界」の違いを熱く語った講演録。



 *有料版PDFとMP3ファイルをDLmart で販売しています。(クレジット・カード、銀行振込、その他各種支払いに対応しています)。試読版・試聴版もあり、試読版・試聴版は無料でダウンロードできます。
 
「楽しいお金PDFダウンロード版(本体価格1,000円)
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「1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場1日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
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「1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場1日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297958

「1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場2日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297975

上記MP3ファイルの詳細な内容は下記へ
http://www.simple-dou.com/CCP010.html

1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場試聴版(無料)
https://onedrive.live.com/?cid=4903f6426266d32d&id=4903F6426266D32D%21490

1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場試聴版(無料)
https://onedrive.live.com/?cid=4903f6426266d32d&id=4903F6426266D32D%21491

*旧マホロバアート社の本で、在庫のある本、DVDは、引き続きシンプル堂で
販売いたします。
  シンプル堂
   http://www.simple-dou.com/details1.html
 
*リチャード・ラングが、ダグラス・ハーディングの大著、「The Hierarchy of Heaven and Earth(天と地の階層) 」について講演した記録(日本語字幕付き)。
  ttp://youtu.be/f2eF52V6yIs


★★  ダグラス・ハーディング著「顔があるもの顔がないもの」販売終了しました


来年は少しお休みします2014年12月22日 09時03分44秒

今年も、気がつけば年末。今年は引っ越ししたせいで、古い物を捨てて新しい物を買う必要があったので、ネット・ショッピングが忙しかった(笑)。ようやく12月で、必要なものをほぼ買いそろえたので、やっとネット検索から解放される……はず。

先日は、ラメッシの本、「意識は語る――ラメッシ・バルセカールとの対話」(ナチュラルスピリット発行)(目次はこちらへ http://www.simple-dou.com/CCP043.html  )もようやく発売され、ほっとしている。分厚いけど、空気は軽い本なので、年末年始にでも、のんびり読んでいただければと思っている。

来年の出版の予告です。
 
*イギリスの賢者、 Tony Parsonsnothing being everything  が、2015年初夏、出版予定。 Tony Parsonsは、さしずめイギリスのニサルガダッタ・マハラジという感じだろか。本は薄くて、文章はシンプルだけど、翻訳はけっこう大変な感じ。(本の出版時に、臨時で紹介のブログを書きます)

*私の本「動物園から神の王国へ」2015年秋、PDF版を出版予定。

本書のテ―マは、「知性(理解)の進化とコミュニケーション論」で、私の中では「人をめぐる冒険」の続編という位置づけである。なので、「人をめぐる冒険」を面白く読めた方には、たぶん、興味深く読んでいただけるのではないかと思っている。ラメッシやダグラスなどの本がランチやディナーだとしたら、私の本は3時のおやつという感じだ。最終的な校正・編集にもう少し時間がかかりそうなので、もうしばらくお待ちください。目次だけ下記に公表してあります。
 
「動物園から神の王国へ」目次
 http://www.simple-dou.com/CCP044.html


「お礼」
 当ブログをお読みいただいた皆様、コメントを送ってくださった皆様、そしてお会いしてお話した皆様とのご縁に感謝します。来年は都合で、ブログ、コンサルティング、会の開催を秋まで休止します。それでは皆様、楽しいクリスマス、年末年始をお迎えください。

「お知らせ」
 *有料版PDFとMP3ファイルをDLmart で販売しています。(クレジット・カード、銀行振込、その他各種支払いに対応しています)。試読版・試聴版もあり、試読版・試聴版は無料でダウンロードできます。
 
「楽しいお金」PDFダウンロード版(本体価格1,000円)

「 楽しいお金3」PDFダウンロード版(本体価格1,000円)

 「人をめぐる冒険 」PDFダウンロード版(本体価格1,000円)

「1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場1日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)

「1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場2日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
「1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場1日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場2日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
上記MP3ファイルの詳細な内容は下記へ
1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場試聴版(無料)

1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場試聴版(無料)
*旧マホロバアート社の本で、在庫のある本、DVDは、引き続きシンプル堂で
販売いたします。

  シンプル堂
   http://www.simple-dou.com/details1.html
 
リチャード・ラングが、ダグラス・ハーディングの大著、「The Hierarchy of Heaven and Earth(天と地の階層) 」について講演した記録(日本語字幕付き)。
  ttp://youtu.be/f2eF52V6yIs



今年読んだ本から2014年09月06日 09時29分47秒

反省させると犯罪者になります」岡本茂樹著  新潮社

なかなか刺激的なタイトルと革新的な内容の本である。なぜ反省させると犯罪者になるのか? たとえば、子供が他人にイタズラをしたり、万引きしたりしたとき、大人はたいてい子供にしっかりと反省させる。そのとき心では納得できないまま、子供が状況を早く切り抜けるために見かけ反省したふりをしたり、立派な反省文を書いたりすると、その子供はあとでもっと重大な犯罪を犯すことが多いという。あるいは、刑務所で「反省がうまい」人は再犯を繰り返すという。

なぜかと言えば、筆者の考えによれば、どれだけ反省したふりをしても、加害者(犯罪者)の心が満たされないかぎり、彼らは再び犯罪への道を歩いてしまうからだ。加害者は自分が幸福になって初めて罪の重さを感じ、被害者の苦しみを思うことができると、筆者は述べている。そのためには、誰かが加害者の心によりそい、彼らの話を聞き、彼らとのつがなりを築くというような更生メソッドが効果的だという。

教育関係者、親には非常にお勧めな本であるが、ただ「加害者(犯罪者)が幸福にならなければ、更正はない」というレベルの高い話は多くの人には理解が困難かもしれない。

この夏、女子高校生 が親しい同級生の女友達を殺したという事件を聞いたとき、本書に書いてあることを改めて思い起こしたものだ。報道によれば、その女子高校生 は小学校のときに同級生へのイタズラを繰り返したという。想像するに、その子もそのつどしっかりと反省させられたのだろ。そして、もっと重大な犯罪を犯す犯罪者への道を歩いてしまった……

2「重力とは何か」大栗博司著  幻冬舎

 アインシュタインも含めて重力の謎に取りつかれた科学者は多い。アインシュタインの発見によれば、重力は「時-空のゆがみ」によって生じる。であれば、手にもっている物を落として、物が自然に床に向かって落下するときだって、そこに「時-空のゆがみ」が生じているわけである。私が時々ペンや消しゴムを床に落として、「時空のゆがみ」について実験をするとき、そこには人間の理性ではとうてい理解できないことが起こっていると思うと、不思議感がわくものである。

本書では、重力研究の最前線を素人にもわかるように説明している。なかでも私の興味をひいたのは、「三次元の空間のある領域で起こる重力現象は、すべてその空間の果てにに設置されているスクリーンに投影されて、スクリーン上の二次元の現象として理解することができる」という「重力のホログラフィー原理」である。著者は、それをさらに次にように説明する。「私たちは縦・横・高さという三つの情報で決まる三次元空間を現実のものだと感じていますが、ホログラフィー原理の立場から見れば、それはホログラムを立体だと感じるのと同じことにすぎません。空間の果てにある二次元の平面で起きていることを三次元空間で起きているように幻想しているのです」。

この説明は、空間に関するダグラス・ハーディングの説明に似ているところがある。ラメッシが「意識が語る」(仮称)の本の中で言っているように、「最近、科学はかなりいい線をいっている」。
 
3「帰ってきたヒトラー(上・下)」ティムール・ヴェルメシュ著   河出書房新社 
 
 2011年8月にヒトラーが突然ベルリンで目覚める。彼は自殺したことを覚えていず、ヒトラーとして振る舞うが、まわりはヒトラーのそっくりさんが出現したと思い、テレビ局に新しいお笑い芸人として売り込むことを思いつく。西洋では、ヒトラーは20世紀の悪の代名詞である。しかし、本書を読めば、ヒトラーは強烈な使命感に取り付かれた人であったかもしれないが、悪の怪物ではないことがわかるし、また彼が現代のドイツ社会に向ける言葉に共感できるところもある。本書は映画化されるという話を聞いたが、すぐれた監督による良質なユーモア映画を期待したいところだ。

4「わかっちゃった人たち――悟りについて普通の7人の人が語ったこと」サリー・ボンジャース著
ブイツーソリューション

 悟りは自然で普通であることを、普通の市民たちが自分の飾らない言葉で語った本。「悟りは何か崇高なこと」という思い込み(幻想)が捨てられず、「崇高なこと」やハイな境地を探し求めて疲れている探求者の皆様にお勧めしたい。

本書の内容とは全然関係ない話であるが、本書の訳者の方がブログで、本書の翻訳で「金儲けしている」と批判された話について書かれていた。彼が反論しているとおり、マイナーな分野の本の翻訳の仕事は、厳密に時給で計算すれば、日本の平均的アルバイトの平均的時給くらいである。でもそれに従事しているほとんどの人たちは、それでも別にかまわないから、やっているわけである。もちろん私にしても、そしておそらく本書の翻訳者の方にしても、「翻訳で金儲けすることが嫌い」、なわけではない--もしその金儲けが自然に可能ならば。翻訳した本が数十万部も売れて、「翻訳で金儲けしていますね」って言われる日が来ることをI hope(笑)

[イベント]

*2014年9月28日(日曜日)午後「私とは本当に何かを見る会」(東京) 
  http://www.ne.jp/asahi/headless/joy/99_blank014.html