イエス・キリストからのアドバイス2020年04月12日 08時45分37秒

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3月、4月は、普段よりさらに引きこもって本を読んで、昼寝をしている。世の中が非常事態のときに、いつもにもまして大事だと思うことは、日々普通に暮らすこと、そしてその普通で平凡な今日をありがたく思い、平和に楽しむということだ。

もし家族がいるなら、その存在を喜び、仕事があるなら、その仕事を喜び、三食食べることができることを喜ぶ――今日あるものは、ひょっとしたら、明日にはないかもしれない……

春は、花を眺めるのも楽しい。母と散歩の途中、母が自宅や近所の花壇の花に目をとめて、「きれいだね」と言う。私も無言でうなずき、花の美しさ(神の顕現)に改めて目覚める。

「今ここに在るものを喜び(受容し)、ないものを嘆かない」

もし皆さんが「運」というものに興味があるなら、これはどんなときにも人生の運のよくする最強の方法である。特に今のように、世の中に不安と恐怖心が蔓延しているときこそ、非二元系スピリチュアルな道にいる私たちは日ごろ学んでいる霊的知恵、特に「受容」を実践するべきである。

最近よく読む新約聖書から、イエス・キリストのアドバイスを紹介すると:(特に今のような時期、「マタイによる福音書」5書から7章はお勧めである)

「わたしはあなたがたに言う。悪(人)に手向かうな」(5章39)

「わたしはあなたがたに言う。敵を愛し、(あなたがたを)迫害する者のために祈れ」(5章44)

人類は今、自分たちを迫害しているコロナ・ウイルスという悪(敵)と戦っているような状況である。しかし、イエス・キリストの「悪に手向かうな」の意味は、心の中では敵を憎んではいけない、というより、さらに言えば、そもそも心の中では「敵」を作ってはいけないという意味である。

先日も書いたように、常識程度にコロナ・ウイルス対策をし、世の中の状況に過剰に反応しないことである。私の経験と理解によれば、状況を嫌ったり心配したり、憎むほど、自分が嫌ったり憎んだりする状況が寄ってくる確率が高くなる。

私は祈る体質ではないので、「敵(コロナ・ウイルス)」のために祈ったりしないが、代わりに最近は、ウイルスについて理解しようと思い、多少勉強してみた。(それについては次回に書く予定です)。

その他瞑想すべき、イエスの言葉を紹介すると:

「空の鳥を見るがよい。まくことも、刈ることもせず、倉に取りいれることもしない。それだのに、あなたがたの天の父は彼らを養っていて下さる。あなたがたは彼らよりも、はるかにすぐれた者ではないか」(6章26)

「まず神の国と神の義とを求めなさい。そうすれば、これらのもの(注――必要な物事)は、すべて添えて与えられるであろう」(6章33)

「だから、あすのことを思いわずらうな。あすのことは、あす自身が思いわずらうであろう。一日の苦労は、その日一日だけで十分である」(6章34)


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「マントラ」についてのあれこれ2020年04月04日 08時06分41秒

「ニサルガダッタ・マハラジが指し示したもの」(ラメッシ・バルセカール著)を購入・ご購読いただきました皆様、ありがとうございました。

今日は、下記のようなご質問をいただいたことに関連して、スピリチュアルな瞑想における「マントラ」について書いてみようと思う。

その質問とは:

「マハラジの弟子の一人、ラマカント・マハラジの本『自己なき自己』(アン・ショー著 ナチュラルスピリット発行)の中で、マントラ瞑想、マントラ伝授についての言及がありますが、ラメッシ・バルセカールもマハラジの教えに関して、マントラ瞑想、マントラ伝授について何か語っていますか?」

まず回答からであるが、私がラメッシの本を読んだかぎりでは、ラメッシがマントラ瞑想、マントラ伝授について詳しく語ったことはないと記憶している。

もちろん、私はラメッシの本を全部は読んでいないし、私の記憶をすり抜けたこともたくさんあるはずなので、他の本の中で、あるいは私の記憶に残っていないところで、彼がマントラ瞑想、マントラ伝授について詳しく語った可能性も絶対にないとは言い切れない。しかも、ラメッシはスピリチュアルと世俗の両方で非常に博学な人だったので、知識としてはマントラ伝授についても、それがどういうものなのか知っていただろうと想像する。

マハラジが一部の帰依者たちにマントラを与えた話自体はよく出てくる話だし、今回の「ニサルガダッタ・マハラジが指し示したもの」の中にも:

「マハラジは彼らにマントラを与え、彼らの精神が知識を受け取るほど浄化されるまで、それを詠唱し、瞑想するように求めます。」(8真理の証明より)と書かれている。

私の想像では、ラメッシは弟子や帰依者にマントラ伝授はしなかっただろう、という感じがしているし、彼自身もマハラジからマントラの伝授はしてもらわなかっただろうと思っている。なぜなら、彼はほとんど「理解」して、マハラジのところへやって来て、「精神の浄化」の必要がなかったからだ。だからこそ、彼はわずか3年間でマハラジの教えすべてを吸収し、「ニサルガダッタ・マハラジが指し示したもの」を書くことをゆるされたのだ。

ここで私自身のマントラ瞑想体験を書いてみると、人生で一番最初にやった瞑想がTM瞑想(超越瞑想)で、私が20代の頃、かなり流行していた。たまたまTM瞑想の本を読んで、瞑想に興味がわき、東京の本部へ行って、マントラを数万円で購入した。「マントラを購入」と言う言い方がふさわしいかどうかわからないけれど、私の場合は、別に「伝授」とかそんな感覚ではなく、「マントラを買った」という感じだった。そのマントラでちょうど一ヶ月間、毎日30分ほど瞑想をやって、別に可もなく不可もなくという感じだったので、私は退屈して(笑)、それ以後そのマントラを使って瞑想することは二度となかった。

当時、TM瞑想についてよく聞いた話は、アメリカでは医学の現場で不眠治療にTM瞑想は使われるという話で、つまり、TM瞑想はアメリカの正統医学でも認められている瞑想である、ということだった。確かにマントラ瞑想は強制的に思考を停止する効果があるので、寝る前に思考がまわりすぎて眠れない人たちには有効にちがいないと、納得した。が、若い頃から今まで、私は不眠症とはほとんど無縁なので、体に痛みなどがないかぎり、眠るために瞑想を必要としない体質だ。

私がそのとき「マントラ」についていだいた最初の疑問は、もし思考を止めるのがその目的なら、なぜ、特定の、しかも古代のインドの聖なる言葉(と言われるもの)でなければならないのか、日本語や英語の平凡な言葉ではダメなのかというものだった。

そこで、私は実験してみたことがある。ごく平凡な言葉、たとえば、「コーヒー」という言葉をマントラにして瞑想してみても、同じように思考は止まるのだ。思考を止めることが目的であれば、どんな言葉でも可というのが私の結論だった。

ではなぜ、マントラ瞑想において、特別な言葉、音であることが必要なのか? しかも一人ひとり用の特別な言葉、音であることが必要なのか?――正直なところ、私はいまだこの点に関して明確な理解を得ていない。

マントラに関して、私がもう一つ長い間、気になっていることは、「般若心経・金剛経」(岩波文庫版)の中に出てくる記述だ。この本の「大神咒(マハー・マントラ)」の説明にこう書かれている。

「マントラは、バラモン出身の修行僧によって教団にもちこまれ、ブッダは初めこれを禁止したが、後に毒蛇・歯痛・腹痛等を治癒させる呪は使用を許可した」(ページ34)

この記述から読み取れることは:

*仏陀は、マントラの使用は自分の教えとは合わないと思っていた。
*様々なマントラにはそれぞれの用途と効能がある。


もしマントラで、歯痛・腹痛、その他等を治療することができれば、とても便利なはずだ(笑)が、だったら、仏陀はなぜ最初、禁止したのだろうか?――これに関しては、心身の治療を求めて特定のマントラを唱えることは、たぶん仏陀の教えとは合わないだろうなあという、ぼんやりとした感覚が私にはある。

マントラには本当に様々な種類のものがあるようで、昔、知人が、お金が入る効果があるとされるマントラが書かれた色紙をおみやげにくださったことがある。その人はあるワークショップで販売されていたものを友人・知人へのおみやげにたくさん買ったそうだ。せっかくもらったので、しばらく壁に貼って、たまに唱えてみたが、たぶん熱心ではなかったため、効果もなく、いつのまにか色紙も捨ててしまった。

話をニサルガダッタ・マハラジのマントラ伝授に戻そう。マハラジは人の理解・知性の程度を見抜くものすごい眼力があったことがうかがえるので、彼が自分の帰依者たち一人ひとりに合うマントラを伝授したことは確かなことであろう。

私が思うに、「伝授」とは「帰依」とセットで、つまり、マントラ伝授が効果をもつためには、そのマントラを伝授した人への帰依(信頼)がなければならないだろう、ということだ。マハラジも、マントラを求める人に誰かれかまわずマントラを伝授したわけではないだろうし、自分への帰依(信頼)がある人だけに伝授したのではないかと思う。

だから、もし誰かからマントラ伝授を受けたいと思うなら、その点も考えるべきことだ。「私はこの人とこの人の教えに帰依できるのかどうか」と。

私自身は伝授とか帰依とか、そういうことを面倒に思うタイプなので、マントラ瞑想としては、今は、アメリカの賢者、ロバート・アダムスが、誰でもやることができるワークとして提唱したIAM瞑想をたまにやる程度で、皆さんにも推薦している。(ロバート・アダムスの本も今後刊行予定です)。やり方は下記に書いています(IAMというマントラは、すべての人が使用可能である)。



一般に公開されている「大神咒(マハー・マントラ)」としては、仏陀が2500年前にすでに明らかにしていて、それは般若心経の最後に書かれている。

訳(岩波文庫版より)

それゆえに人は知るべきである。智慧の完成の大いなる真言、大いなるさとりの真言、無上の真言、無比の真言は、すべての苦しみを鎮めるためのものであり、偽りがないから真実であると。その真言は、智慧の完成において次のように説かれた。

往ける者よ、往ける者よ、彼岸に往ける者よ、彼岸に全く往ける者よ、さとりよ、幸あれ。

(羯諦  羯諦  波羅羯諦  波羅僧羯諦  菩提 薩婆訶) 
ガテー ガテー パーラガテー パーラサンガテ―、ボーディ スヴァーハー


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ラメッシ・バルセカールPointers From Nisargadatta Maharaj(5)2020年02月17日 15時29分56秒

3月中旬頃に、いよいよPointers From Nisargadatta Maharajが、ニサルガダッタ・マハラジが指し示したもの」というタイトルでが発売されることが決まった。次回のブログで、価格、目次を公表する予定です。

先日の会でもお話ししたことであるが、ニサルガダッタ・マハラジの教えを理解するためには、彼がよく使う基本的言葉の正確な定義というか意味をまず理解することが重要であろうと、私は思っている。

たとえば:
意識、絶対、気づき、主体と対象、観念化(対象化)、意識の機能などなど。

(意識、絶対、気づき、主体と対象については、昔のブログに書きましたので、そちらをご参照ください)。

今日は今回の本にたびたび出てくる、「観念化(対象化)」、「意識の機能」という言葉について、簡単に説明してみよう。

「観念化(対象化)」とは;

今、皆さんがどこでこのブログを読まれていても、皆さんの目の前に一つの映像世界(→崇高な言葉を使えば、「顕現」)が広がっているはずである。もし人が何の思考も感情もなく、ただその映像(顕現)を眺めているだけであれば、それは「観照」と呼ばれる。その状態では、顕現はただ顕現であり、その中に分離も区別もなく、「私が」「○○を」「見る」という三つ組みがなく、ただ意識の機能として「見ること」が起こっているだけである。

しかし、それからマインドが介入してきて、その映像世界のある部分を区切って、「これはパソコン、これは同僚の○○さん、これはボールペン、これは電子レンジ、これは机、あれは上司……」と名前をつけて、区別する作業をおこなうとき、これがニサルガダッタ・マハラジが言う「観念化(対象化)」である。

その「観念化(対象化)」が始まるとき、私はそれぞれの対象物の人間的物体的主体となり、対象物との間に二元的関係を作る。

私が観念(対象化)を始める前は、私は一個の人間物体ではなく、顕現した意識そのものである。しかし、私の中で対象化が始まる瞬間、私はパソコン、同僚の○○さん、ボールペン、電子レンジ、机、上司に対する人間物体となる。

そして、肝心なことは、誰もこの観念化(対象化)を意志で止めることはできないし、観念化(対象化)が自動的に起こらなければ、私たちは人間として機能することはできない、ということだ。これができなくなる病気は、医学的には「認知症」と呼ばれている。

ニサルガダッタ・マハラジが言わんとしていることは、絶対的観点から見たら、人間的主体(相手から見れば、それもまた一個の対象物である)対対象物という関係は幻想であり、「私」は一個の対象物でも、一個の人間的主体でもありえないことに気づくことが、「目覚め」である、ということである。

人間関係で言えば、私たちは相手によって、「娘、息子、母親、父親、妻、夫、友人、恋人、部下、上司、友人」などなど様々な役割になるわけであるが、そのどれも(映像の中の)役割にすぎず、やはり「偽物」(今回の本では、この言葉がたびたび出てくる)である。私たちにできることは、それを役割にすぎないことを認識して、俳優を楽しく演じるだけである。

この説明で、「どうやって私たちは観念化を止めることができますか?」(前回のブログ参照)という質問に対して、マハラジがダメ出ししたか、理解していただけたと希望する。

そして、「意識の機能」:

顕現している意識は、すべて「視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚」の五感の機能と感情・思考の機能として、ただ起こっている。

今ここで、私の中で、過去数秒間に起こっていることを、一瞬一瞬止めて、言語化すれば;

視覚:机にパソコンとその周辺背景が見え、パソコンのキーボードの上に、二つの手が忙しく動いていて、パソコンの画面に文字が打たれていくのが見える
聴覚:キーボードを叩く音、外の工事の騒音、メールが来た合図が聞こえる。
味覚:特になし。
触覚がキーボードに触れている感触、その他、体の一部が、椅子、床に触れている感触が感じられる。
嗅覚:特になし
思考活動:今日はちょっと疲れているなあ→お腹すいた→ランチ、何を食べよう?→冷蔵庫に何かあったけ?→あ、今日はあとで郵便局へ行かなくちゃ、という思考の流れ。
感情活動:特になし。

今、この文章を書くために言語化(対象化)をしたが、実際は、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚と感情・思考が、機能としてただ起こっているだけである。

そして、先ほども書いたように、この機能の流れには、「私は」「○○を」「見る(聞く、味わう、嗅ぐ、触る、考える、感じる)」という三つ組みがない、つまり、私たちが自分だと思っている(者やイメージ)は関わっていない(=個人的行為者というものは存在していない)。意識の機能は、個人的行為者もなく、自動的というか、自然に起こるだけである。

以上のような話を先日の会ではお話した。

わかってしまえば、とても科学的でシンプルな話で、だから私はマハラジの教えを「主体の科学」としてとらえている。今私が平凡に書いたことを、もう少しスピリチュアルな教えらしくロマンチックに語れば、ラメッシの次の言葉のようになる。

全気づきの完全な状態の中では、
それは、その気づきに気づいていません。
それから、意識がAum(オーム)の疼きへと動き出し、
そして、夢‐創造が始まります。
それは存在していることを意識します。
それは、「私は在るという性質」の愛の中に没頭して、
自分自身を二元性の中に表現します。

(今回の本の、付録3「全真実」という詩形式の文章の冒頭)

ニサルガダッタ・マハラジの教えに関する過去のブログ

2017年8月15日ニサルガダッタ・マハラジの教え
http://simple-dou.asablo.jp/blog/2017/08/

2017年9月10日ニサルガダッタ・マハラジの教え(2)
http://simple-dou.asablo.jp/blog/2017/09/

2017年9月22日ニサルガダッタ・マハラジの教え(3)
http://simple-dou.asablo.jp/blog/2017/09/22/

2017年10月14日ニサルガダッタ・マハラジの教え(4)
http://simple-dou.asablo.jp/blog/2017/10/
2
017年11月5日ニサルガダッタ・マハラジの教え(5)
http://simple-dou.asablo.jp/blog/2017/11/

2017年12月10日
ニサルガダッタ・マハラジの教え(6)
http://simple-dou.asablo.jp/blog/2017/12/



[イベント中止のお知らせ]
3月に予定していました、下記の二つの会の開催を中止します。

2020年3月15日(日曜日)「非二元の教えを生きる会」(東京都新宿)
2020年3月20日(金曜祝日)「私とは本当に何かを見る会」(東京都新宿)



[今後のイベント予定]
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ラメッシ・バルセカールPointers From Nisargadatta Maharaj(4)2020年01月31日 08時04分38秒

ニサルガダッタ・マハラジの教えは、私の理解によれば、いわゆる宗教ではない。彼自身、Pointers From Nisargadatta Maharaj(ニサルガダッタ・マハラジの教え)(仮称)の中で、「私の教えに宗教的なことも、信心的なことも何もない」と明確に断言している。

では、彼の教えとは何かといえば、それは「非現象が現象として顕現化する観念的メカニズムの解明」ともいうべき、「私と世界に関する科学」である。

絶対(私の本質)に、何の理由もなく、「私は在る」という一かけらの原初の思考(意識)が生まれ、それと同時に現象世界が顕現する。そして重要なことは、このプロセスに、個人的人はまったく関与していないということだ。

だったら、どこで個人的人が生まれるかといえば、意識が一つの肉体と自分自身を間違って一体化したからである。

いわゆる「目覚め」とは、来た道を戻るように、

1まず、「私は一個の肉体・マインドではなく、意識している存在である」という認識・理解が起こり、それから、
2「私は意識している存在でさえない」(=絶対)という認識・理解がひき継ぐ。

というように、書けばとてもシンプルなことではあるが、一個の肉体・マインド→意識全体→絶対というそれぞれのプロセスの間には、非常に大きな障害がある。

「ニサルガダッタ・マハラジの教え」(仮称)の中では、こういった障害をかかえている訪問者との対話で、マハラジが訪問者の質問に失望したり、いら立ったりする場面がよくある。

たとえば、どんな発言や質問がマハラジを失望させたかといえば:

*私たちはマハラジのようになりたいのです。私(たち)はどうやって悟ることができますか?

*自分が霊的に進歩しているかどうか、どうしたらわかりますか?

*もし世界も自分も幻想なら、私はどうやって日々仕事をし、生活することができますか?

*なぜ非現象は、現象として顕現するのでしょうか?

*あなたは観念化が問題だと言いましたが、ではどうやって観念化を防ぐことができますか?

*もしマハラジの言うように、ジニャーニ(賢者)も普通の人も、肉体が死んだら何も残らないということであれば、そもそもどうして私たちがジニャーニ(賢者)になる必要があるのでしょうか?

こういった質問をする人たちの中には、これらの質問の前に、「私はあなたの言うことを知的には理解しました」とわざわざ前置きしてから、これらの質問を尋ねる人たちもいる。

どれもこれも、真面目でまともな質問に見えるが、しかし、マハラジはこういった質問が為されたとき、即座に「あなたは私の話を本当には聴いていないし、理解もしていない」と失望を隠さない――このブログを読んでいる皆様にも、マハラジがなぜこういった質問にダメ出しをしたのか、考えていただければと思う。

帰依者たちのこういった誤解は、マインドによる知的理解と直観的認識の間に横たわる途方もないギャップを物語っている。

マハラジが長年、「悟るべき個人も進歩するべき個人もいない」と繰り返し言っているにもかかわらず、そしてそれを長年聞いているマインドが、それにもかかわらず「悟るべき個人」や「覚醒に向かって進歩するべき個人」にしがみつくのは、単純に「個人は本当には存在していない」ことをまだ認識していないからだ。

それから、マインドのもう一つの特徴として、それは「今ここ」に価値をおかず、いつも過去か未来へ行く運動中であり、よってマインドの観点から眺めれば、何事に関しても、「今ここにないものを、未来にどう獲得するのか?」ということになる。

マインドを世俗的なことに使う場合、この観点は間違っているわけではない。たとえば、私がピアノを弾けるようになりたいと思うとしよう。すると、マインドは考える。「私は今ピアノが弾けない。では『どうやったら』ピアノが弾けるようになるだろうか?」これは正しい考え方である。

しかし、形而上学の話題、特に「私の本質」に関しては、マインドのこの発想は役に立たない。なぜなら、「私の本質」とはマインド以前に、「いつも今ここに在るもの」だからだ。だから、マインドが「どうやってそれに到達するのか、それを獲得するのか」という思考を巡らしている間も、その思考活動の土台として、「私の本質」は常にここにある。「私の本質」とは、永遠・不動・不死・不変である。

話は少しそれるが、昨年の会のあるとき、誰かが、「『私の本質』が変化してはいけませんか?」というような主旨の質問をされた。それは「本質」という言葉に関する定義の問題で、少なくとも私は、「私の本質」を不変と定義し、そのように認識している。

しかしもし、「私の本質」に、「変化するもの」という定義や属性を与える人がいるなら、それももちろん可能だと思うし(言葉の定義は、人それぞれで、理論的にはどんな定義も可能であろう)、もしそうであれば、一個の肉体やイメージという常に変わりゆくものが「私の本質」となるはずである。であれば、それは二元世界の常識でもあり、わざわざ「私とは本当に何か?」を探求する必要もない。世の中の常識を信じて生きればいいだけの話である。

マハラジにされた質問に話を戻すと、訪問者とマハラジのやりとりを読んでいると、私が20代の頃、J.クリシュナムルティを読むたびにいら立ったことを思い出す。

クリシュナムルティ自身も、「『どうやって』それに到達しますか?」みたいな質問をされると、「『How=どうやって』を尋ねることが、今ここから逃げるマインドのトリックなのだ」といら立って答える場面がある。その答えが理解できず、「どうして、『How=どうやって』を尋ねちゃいけないの? クリシュナムルティのバカヤロー!」と、私は何度心の中で叫んだことか――シンプル堂のマインドは若い頃から、how to 中毒である(笑)

だから、質問する側も質問される側も双方で失望し合うことが多いのが、非二元系の教えというわけである。非二元系の教え(少なくとも、マハラジやハーディングなどの教え)はエゴ的マインドにとっては得ることが本当に本当に何もない――エゴ的マインドにとっては何の価値もないが、「私」が「私」に目覚めることは本当に不思議で驚くべきことなのだ――私にしてもそれをわかるのに、数十年の長い年月がかかったが。


ニサルガダッタ・マハラジの教えに関する過去のブログ

2017年8月15日ニサルガダッタ・マハラジの教え
http://simple-dou.asablo.jp/blog/2017/08/

2017年9月10日ニサルガダッタ・マハラジの教え(2)
http://simple-dou.asablo.jp/blog/2017/09/

2017年9月22日ニサルガダッタ・マハラジの教え(3)
http://simple-dou.asablo.jp/blog/2017/09/22/

2017年10月14日ニサルガダッタ・マハラジの教え(4)
http://simple-dou.asablo.jp/blog/2017/10/
2
017年11月5日ニサルガダッタ・マハラジの教え(5)
http://simple-dou.asablo.jp/blog/2017/11/

2017年12月10日
ニサルガダッタ・マハラジの教え(6)
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変えるべき「人」も「社会」もない2019年12月22日 16時05分13秒


(紙の本はシンプル堂で販売しています)
私が「楽しいお金」のキンドル版の前書きに、「これを最初に書いた頃と今は、多少考えが変わったことがある」と書いたことに対して、「どう変わったのですか?」というご質問を前にいただいた。

今日はそれに対してお答えしながら、非二元の教えにおいては、「変えるべき人も考え方も社会もない」という概念を説明してみたいと思う。

私が90年の初頭に出版社を作った頃、私の中にまだ、「自分自身や人生について、あるいはお金や人間関係について多くの人たちが考え方や生き方を変えれば、社会はよりよくなりうるはずだ」というかすかな希望のようなものがあった。それが無謀をかえりみず、私が出版社を作った(自分の中での)動機だった。

私は、「考え方を変える」のは、洋服を着たり脱いだりするようなもので、誰でも簡単に自由に変えることができるだろうと思っていたのだ。大人になってからの私は、若い頃から「自分の自由意志」という信仰の信者だった。

だから、今読み返してみると、90年代初頭に書いた「楽しいお金」には特に、「自分の自由意志」とそれに伴う「自己責任」という信仰の影響が強く残っている(それでもお金についての基本的考え方は変わっていないので、キンドル版の内容も当時のままで変更はしていない)。

それから、私は非二元系の教えに出会い、私は非二元系の賢者の先生たちが言っていることの正しさを確信するようになった。前にも書いた話だが、特にラメッシの「意識は語る」の本を最初に読んだとき、「すべては神の意志であり、神の意志がなければ何事も起こらない」という彼の言葉に衝撃を受け、ショックで1週間も寝込んでしまったほどだ。もしすべてが「神の意志」なら、人が考え方を変えるのも変えないのも、どんな考えをもっているにしろ、本人の自由意志でも責任でもありえないではないか!と。そもそも生き方を自由に選ぶことができる「個人」が存在しないのだ、ということを理解した。

しばらく、非二元の教えと「自分の自由意志」の信仰の間で葛藤したが、そのうち私が「自分の自由意志」を信仰するようにプログラムされたのは神の意志で、それを特に無理して変える必要もないし、私が何を信じても、それもそれで神の意志なのだと納得した。だから、今でも、シンプル堂と呼ばれている「人」は、見かけの自由意志と自己責任をゆるく信仰したままである。

社会に関しては、人類の歴史を多少学んで、「社会は変わり続けるが、誰の努力によっても決してよりよくはならず、永遠に問題を抱え続ける」ということを理解した。

ラメッシ、マハラジも含めて、インドの非二元系の教えでは、「社会(現象世界)は幻想である」というのが定番の考え方で、「ニサルガダッタ・マハラジの教え」(仮称)の本の中でも、マハラジがそれを軽快に論理的に説明している。

非二元の観点から見れば、「社会もその中の人間も意識の中のイメージ・物語にすぎない」のであり、映画の世界と同じように実体がない。「実体がないものを変えたり、救ったりすることはできない」というのが、「ニサルガダッタ・マハラジの教え」(仮称)の中で、マハラジが日々繰り返している話である。(ただし、私自身はダグラス・ハーディング同様に、「幻想」という表現をあまり好まないし、正しく理解しなければ、「現象世界は幻想である」はかえって人生に悪影響を及ぼす可能性もあると思っている)

そして、その物語社会の風景(イメージ)は変わり続けるが、その中にいる人間(人類)の行動パターンも思考パターンも、数千年間(ブッダやキリストの時代も、時代劇の中の江戸時代も、現在の日本と地球社会も、SFなどで描かれる数千年後の未来宇宙も)、驚くほどほとんど変わっていない。

権力者たちはいつの時代も腐敗し、庶民(国民、平民)から吸い上げたお金(つまり、税金)を、庶民には何の役にもたたないプロジェクトや私利私欲のために湯水のように浪費し、我が世の権勢を誇って祝杯をあげ、あらゆるところで動物園の住民たちは権力闘争に明け暮れ、そして愚かしい理由で、戦争が起こり続けている。

安倍首相が税金で大勢の「自分の」支援者を集めて、彼らに囲まれながら桜を眺めてご満悦な様子も、大昔から変わらない、そして数千年先の未来でも変わらない権力者の滑稽でかつ普通の姿なのだ。別に安倍首相が特別に「ひどい」政治家ということではなく、映画の中の権力者という役割の俳優はみな同じように思考・行動する。

だから、90年代の頃と、それ以後私の考えの何が一番変わったかというと、「人が自分の意志で考え方や生き方を変えることができる」や「社会がよりよく変わる」という考えを捨て、「理想の社会」とか、「平等で平和な社会」というシナリオがありえないのだと、理解したことだと思う。

「社会がよりよく変わる」、「人が自分の意志で考え方や生き方を変えることができる」という考えは捨てたが、それにもかかわらず、私が今でも本に関する仕事をして、非二元の教えを伝えているのは、つまり、非二元の教えの宣伝員のようなことをやっているのは、「人」も「社会」も架空にもかかわらず、主体である「私」(意識している存在)が、恩寵(神の意志)によって、「私とは本当に何か?」に目覚めれば、そのおかげで、意識が一つの肉体精神機構を通じて、日々顕現する世界が少しだけ親切で平和で美しい世界になる可能性を信じているからであり、それが私の経験でもあったからだ。

まあ、それさえ、本当のところは、私がそう考えている(=シンプル堂という物体にそういう「思考」が起こり続けている)だけで、実際は、現象はどんな人の関与も理由もなく、ただただそう起こり続けているだけ……という非二元特有の「身も蓋もない」いつものつまらない結論(笑)となってしまうのであります。

〔お礼〕
本年もシンプル堂の活動に多大なご支援をいただき、ありがとうございました。また本をご購入くださった皆様、直接お会いした皆様、ご縁に感謝します。それでは皆様、楽しく平和な夢年末・年始をお過ごしください。来年は1月中旬からブログを再開する予定です。


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性エネルギー(生エネルギー)2019年12月01日 16時30分50秒

前回、瞑想などをすると、性エネルギーがより感じられることがあるという話を書いたが、この話題に関して、今まで読んだ本の中で一番わかりやすく、適切な考察をしていると思ったのは、「バーソロミュー」(ナチュラルスピリット刊行)の「性エネルギーという贈り物」という章だ。そこには瞑想などをしている人、スピリチュアルな探求をしている人にとって、性エネルギーをどう考えたらいいかについて、バーソロミューの考えが書かれている。

一部引用すると:

瞑想をしている人は、自分の体のなかを流れ動くエネルギーをはっきりと感じ、そういうエネルギーは自分の肉体を超えたところから来ることを知ります。性エネルギーにも同じ働きがあって、あなたをより広大な意識へと誘う「引き金」となります。自分がすべてのレベルで学び成長していく手段としてセックスを利用したければ、自分の内部やまわりで何が起こっているかに耳を傾け、注意を払わなければなりません。静かにして意識をとぎすますのです。性エネルギーの動きに気づき、それを感じ、動くさまを知るようにならなければなりません。生殖器部分は宇宙のパワーであるクンダリーニの発火点に非常に近いことも、観察していくとわかります。意識を完全にとぎすましていると、パワーを急増させ、背骨の基部にあるチャクラから天頂のチャクラまでエネルギーをかけのぼらせ、途中のチャクラにすべて点火する能力が自分の中にあることがわかります」(p62-63)

今、「クンダリーニ」とか「チャクラ」という言葉がたまたま出てきたが、自分の性エネルギーを理解するのに、実際こういう秘教的知識や特別なメソッドや先生は必要ないことを、バーソロミューは強調している。

同じ章で「クンダリーニについて学ぶのに、先生が必要ではないか?」という質問に答えて、バーソロミューは次のように述べている。

何をするにも師が必要だなどと思いこまないでください。あなた自身が教師なのです。パワーはあなたの内部にあって、人はそれぞれがパワー制御装置のようなものを持っています。エネルギーが動くに従って、道も開かれていきます。私の言うことを鵜呑みにしないでください。もちろん、ほかの人の言うことも鵜呑みにしないでください。自分自身の内なる声に耳を傾けてください」(P65)

性は、人の世俗人生で一番多様性のある分野なので、他人の経験・意見・アドバイス、世の中の常識はほとんど役に立たないと思ったほうがいい。だから、「自分にとって性とは何か? どういう意味をもっているのか?」を考え抜くことであり、自分にとっての「答え」が自分の中から出てくれば、ぶれない確信をもつことができるはずである。

性エネルギーは広く言えば、「生エネルギー=生命力」であり、それがたまたま生殖器部分で感じられれば、「性エネルギー」と呼ばれ、生エネルギーがハートで感じられれば、愛などの感情となり、さらに上のチャクラで感じられれば慈悲とか創造力として感じられる。

さらに話をすすめれば、バーソロミューはまだ「個人の意志と肉体」というものを前提にして、個人が性エネルギーをどう扱うのか、選択があるという立場で話しているが、これが完全な非二元系の教え、マハラジやラメッシのところまで来ると、性に関する経験も含めて、人生のすべての経験は、「あらかじめすべて決まっている」という前提にたっている。非二元の教えに立てば、一個の肉体精神器官の性の経験がどんなものでも、別にどういう意味もないのだ(笑)。

さて、「バーソロミュー」の本の「性エネルギーという贈り物」という章のタイトルには、そのときは非常に不愉快で、でも今思い出すと滑稽な思い出がある。

それは90年年代半ばのことで、「バーソロミュー」の本を私が経営していた会社で出していた頃のことだ。ある日、中年の男性から電話があり、「娘の部屋に入ってみると、『性エネルギーの贈り物』とかいう内容が掲載されている本を見つけた。こんな有害な本を出して世の中によからぬ影響を与えているので、お前を警察に訴えてやる」という主旨の内容を電話口でわめかれ、電話を切っても切っても、相手はしつこくストーキング電話をやめなかった。

「娘の部屋に入って、娘の思想チェックをし、しかも他人の会社の業務妨害をしているお前こそ、有害オヤジじゃないか!」と私は心の中でブチ切れたが、話を聞いているうちに、たかだか本の中の言葉に過剰に反応するくらいなので、この男性は相当ストレスがたまっているのか、娘との関係がよくないのか、あるいは、性に関して何か歪んだ幻想をもっているのかも、と想像した。

性エネルギーが抑圧され、それが人生の様々なストレスと歪んだ合体をすると、その行き着く先は、人間関係にまつわる「トラブル」であり、さらにひどくなると、「犯罪」を犯すに至ることがある。歪んだ性エネルギーには人の人生を狂わし破滅させるほどの麻薬的パワーがあることを、世の中にあふれている様々な事件は教えてくれている。


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理由なき感情や性欲2019年11月21日 08時17分06秒

いわゆるスピリチュアル系のワーク、瞑想や感情解放、その他を始めると、よくある現象として、感情や思考が以前よりも湧き起こったり、性的エネルギーが以前よりも強く感じられたりするということがある。

それは、今まで、外側の現象や自分のエゴに投資されていたエネルギーが、内側に向かって解放されつつあるということで、非常によくある現象で、驚いたり困惑したりする必要のないことである。

特に私たちは、感情や性欲には外側に見てわかる原因があるはずだと思いこんでいるので、突然、理由もなく怒りや笑い、悲しみがこみあげたり、あるいは、刺激を受けたわけでもなく、そういう状況でもないのに性欲を感じたりすると、「なぜ?」と思うものだが、その「なぜ?」には本当には答えがない。

ただ、エネルギーがそう動いてそう感じられるというだけで、嫌悪も執着もなく、掴まずに、眺めて(感じて)いれば、それは問題なく通過していく。

ここ数年は、私は圧倒的哀しみがハートの底からつきあがってくる瞬間を経験することがある。でも泣こうとしても、涙はなぜか一滴もでないのだ。悲しむべき状況がまったくないのに、ハートに一瞬ものすごい哀しみを感じる。「なぜ?」とマインドは問いかけるのだが、ハートは沈黙したままである。

今年読んだ、「癒しと目覚めQ&A」(中野真作著 青山ライフ出版社)という本の中で、「感情や性欲」が突然強く感じられることに関して、Q&A形式で、中野さんがご自身の経験もふまえて非常にていねいに答えているので、ご興味のある方にはお勧めします。


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ラメッシ・バルセカールPointers From Nisargadatta Maharaj(2)2019年09月21日 08時13分22秒

ラメッシがどんないきさつで、Pointers From Nisargadatta Maharaj「ニサルガダッタ・マハラジの教え」(仮称)の原稿を書き始めたのか――その詳しい経緯が本の「はじめに」で、ラメッシ自身の言葉で綴られている。

彼は元々は銀行家で、文書を書いて発表したいとか、作家になりたいという気持ちを人生で一度もいだいたことがなかった。

ところが、あるとき自分の内側から、マハラジの教えについて書きたいという抗えない情熱がやって来て、自分で考えて書くというより、書き取らされるという形で、ほとんど修正することもなく、彼はどんどん文章を書きためることになった――これはマハラジがまだ生きていた頃の話である。

ラメッシは、マハラジがスピリチュアル系の物書きをあまり好まなかったことをよく知っていて、またマハラジの教えについて公に書いたり、サットサンの外で話し合ったりしてはいけないというルールがマハラジのサットサンにはあったとも書いている。

だからラメッシはそれをマハラジにも誰にも言わずに、自分のための覚書として、将来発表することもまったく考えず、書き進めていた。

ところが、原稿が25ほどたまったとき、マハラジに黙ったままこのまま書いていていいのかどうか迷って、同じくマハラジの帰依者である友人に相談した。すると、ある日その友人がマハラジにラメッシの原稿の話題のことを持ち出すと、ラメッシはマハラジに叱られるかもしれないと恐れていたのに、マハラジはとても喜んで、祝福してくれたという話である。

そのあと、「アイ・アム・ザット私は在る」の編集者にその話が伝わり、彼は原稿を一読して、すぐに出版を決め、マハラジが亡くなった翌年1982年(ラメッシが65歳のとき)に初版が発行されている。

Pointers From Nisargadatta Maharaj「ニサルガダッタ・マハラジの教え」(仮称)の構成を簡単に紹介すると:

まずラメッシが驚異的な記憶力で、マハラジの日々のセッションを再現した文章が57個あり、最後の57番目の文章は、マハラジが亡くなったときの様子と翌日の葬式の話で締めくくられている。

それからその他、付録として3つの文章が掲載されている:
*The Core of the Teaching(教えの核心)――ラメッシが改めて、彼自身の言葉でマハラジの教えの核心を要約している。
*A Note on Consciousness(意識についての覚書)――意識についてあらゆる角度から詳細に説明している。
*The Whole Truth(全真実)――詩的な形式で、最後の最後に「真理とは何か?」「私とは何か?」を綴っている。

私に言わせれば、こんなに「親切」で、至れり尽くせりの非二元の教えの本はないだろうと言ってもいい本である。まさに「パーフェクト非二元」――昔、大学受験業界にいた頃、参考書に「パーフェクト〇〇」というタイトルの本を時々見たことがあったけど、まさにそんな感じだ。

次回は、その「親切」の意味をもう少し詳しく説明してみよう。


[イベント]

2019年10月26日(土曜日)「私とは本当に何かを見る会」 (大阪府茨木市)
http://www.simple-dou.com/CCP042.html

2019年10月27日(日曜日)「非二元の教えを生きる会」 (大阪府茨木市
http://www.simple-dou.com/CCP037.html


2019年10月6日(日曜日)「私とは本当に何かを見る会」 (東京)


2019年10月7日(月曜日)「非二元の教えを生きる会」 (東京)予約受付終了しました




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ラメッシ・バルセカールPointers From Nisargadatta Maharaj(1)2019年09月07日 10時38分30秒

ラメッシ・バルセカールのPointers From Nisargadatta Maharaj「ニサルガダッタ・マハラジの教え」(仮称)の本の作業が進行している。

ラメッシ・バルセカールには、すでに翻訳出版されている「誰がかまうもんか?!」、「意識は語る」(ナチュラルスピリット発行)のような、多くのいわゆる講話集(弟子たちが講話を集めて編集した本)と、「ニサルガダッタ・マハラジの教え」(仮称)のように彼自身が自ら書いた本がある。彼が自ら書いた本は講話集に比べると、より説明が詳細であるという長所と文章が難解で読みにくいという欠点がある。

私は、1980年代に発行された本書「ニサルガダッタ・マハラジの教え」(仮称)と、Explorations into the Eternal( 永遠への探求)、Experience of Immortality(不死の経験)を「ラメッシの初期三部作」と呼び、長い間、バイブルのように読んだものだ。夜眠る前に読むと、あまりに英語が難解なので、長い時間読むことができず、数ページ読むと、すぐに眠りに落ちた。ラメッシのサットサンに行って、そこで出会った人たちとラメッシの本の話をしたとき、私が「ラメッシの本は睡眠薬ですね」と言ったら、彼らも皆笑って同意してくれた。英語が母国語の人たちにとってもラメッシ自身が書いた本は、読むのが簡単ではないのだ。

英語が難解という理由で、翻訳に関しては、この3冊を私が翻訳することはたぶん無理だろうと思っていた。ラメッシは話すときはそれほど難しい英語を使うわけではないのに(だから、講話集の英語は読みやすい)、書く英語はとんでもなく難しい。英語を母国語とする著作家の文章の中にだって、まず見ないような英単語まで出てくる。

ところが、(いつ頃のことかは忘れてしまったが)ラメッシの「意識は語る」の翻訳が終わったあとも、まだラメッシの本を翻訳し足りない気がして、でも別の講話集の翻訳はやる気が起こらなかった。それから、あるとき、「もしラメッシの本をまだやるなら、初期三部作の中のどれか1冊しかないだろう」と思い至った。それで、三部作の中で、一番読みやすく、説明もわかりやすく、しかもマハラジの一番リアルな姿が描かれている(と私が確信している)Pointers From Nisargadatta Maharaji「ニサルガダッタ・マハラジの教え」(仮称)に決めて、翻訳に取り掛かることにした。

マハラジがラメッシにほとんど乗り移って書かせたとさえ言える本書を翻訳し始めたら、けっこう楽しくて、ラメッシの師への愛情と、ラメッシを通じて描かれるマハラジの魅力とパワーに、改めて心打たれた。

マハラジのように自ら本を書かない賢者の場合、本の中の賢者のイメージは、本を作ることに関わった人たちの編集の仕方によって、ずいぶん違うということを私はいつも感じてきた。私の勝手な印象では、「アイ・アム・ザット私は在る」の中のマハラジは力強いが高所から説いている感じがあり、一方「意識に先立って」の中のマハラジは少々弱々しく、厭世的ですらある。

しかし、「ニサルガダッタ・マハラジの教え」(仮称)の中でラメッシが描くマハラジは陽気で、軽快で、数学者に匹敵するほど論理が冴え、そして遊び心に満ちている。たぶん、実際のマハラジはこんな感じの人だったのだろうと思う。

(翻訳は難攻したが)ようやく本書の出版(予定)にまでたどり着いて、喜んでいるというかホッとしているこの頃である。いや、まだたくさんの作業が残っているので、本当はホッとしてはいけないのだけど。

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生まれつきの性向(プログラミング)は変わらない(!)2019年08月25日 14時40分54秒

皆様、残暑お見舞い申し上げます。

猛暑が続いた今月は、エアコンの効いた部屋で、ラメッシ・バルセカールのPointers From Nisargadatta Maharaj(「ニサルガダッタ・マハラジの教え」(仮称))の本の作業を少しやりながら、あとは読書をして、昼寝をして、母の相手をして過ごしている。

猛暑の日にエアコンの効いた部屋で、読書をして昼寝をするのは、なんという贅沢な快楽(!)だろうかと思う。昔は、エアコンがなくても大丈夫だったのに、というよりむしろエアコンは苦手だったのが、ここ数年すっかり暑さに弱くなって、エアコンが体に合うにように(笑)になってきている。大昔から変わらないのは、昼寝&読書を好む自分の性向というかプログラミングだ。

その不変の性向について考えるとき、今回の「ニサルガダッタ・マハラジの教え」(仮称)の本(本書については、次回より詳細をご紹介します)の中に繰り返し出てくる、「人は何も決定していない」、「実体のない架空の存在である人は何も決定することができない」、「あなたは生まれることを誰かに頼んだのか?」というマハラジの言葉や問いが思い出される。

私(シンプル堂と呼ばれている物体)は昼寝&読書を好むように誰かや何かに頼んだのだろうか? もちろん、そうではない。気がついたら、そういう子供として存在するようになり、そのまま大人になって、そのまま老年になってしまったというだけだ。

あるいは、スピリチュアルな探求をすることを私は意図したことがあっただろうか? もちろん、それもそうではない。少なくとも、私の場合、それは25歳のある日、唐突に始まり、それに引きずりこまれ、そのまま中年になり、そしてそのまま老年になってしまった。

ついでに目の前の母にも聞いてみた。「お母さん、子供の頃、何が一番好きで得意だった?」
答えは、「洋裁」。母は人生の多くの時間を洋裁(と料理)をして過ごし、(他のことはほとんど何もしなくなったけど)、現在も洋裁だけはかろうじてまだ時々やっている――簡単な直し、簡単なエプロン、雑巾縫いなど。

誰も自分の核となる性向を自分で決めていない――そのことから引き出される結論とは、自分の核となる性向(プログラミング)と戦っても無駄(表面的な習慣などは、変更・修正可能ではあろうけど)、そしてもちろん、他人と世界の性向(プログラミング)と戦っても(変えようとしても)無駄、ということである。ラメッシ&マハラジがよく言う、「私たちの人生は、そして地球の現状さえも、映画(や演劇)のように決められた脚本にしたがって進行するだけ」ということを、年齢を重ねるほどのますます私は納得できるようになった。

二元現象世界の一般的性向(プログラミング)は、「戦い」である。国と国は争い(アメリカ対中国、日本対韓国など)、人と人は争い、一つの考え方と別の考え方は争い、という具合に――まるで「戦う」ことが、生の高揚感をもたらすかのように。

「戦う」ことはエネルギーを消耗し、結果は(少なくとも短期的には)両方にとっていつも「愚」であるが、「戦う」ことを強くプログラミングされている人たちにとっては、愚かしい結末を避けるよりも自分の快楽(動物的戦いによるアドレナリンの放出)が優先する。

ラメッシの本の作業をしながら、そんなことを考えていたら、北極圏の氷が大量に溶けているというニュースが聞こえてきた。エアコンも大量の二酸化炭素とフロンガスを放出するという意味で、地球環境にとってはたぶん「悪」にちがいなく、おまけにここ数日、エアコン快楽に浸りすぎたせいなのかなんなのか、なんだか体調も悪い(愚)。

現象夢世界は「戦いと愚」に満ちている――平和に生きるためには、それを受け入れるしかない――夢の俳優たちは夢の筋書きを変えることはできないのだ。しかし、非二元の教え(ラメッシ&マハラジ、ダグラス・ハーディング)の教えの一番重要なポイントは、「私」の本質はその夢の俳優では「ない」ということであり、その「私」の本質はこの世のすべての「愚と戦い」から解放されている――その理解と目覚めだけが永遠の「救い」である。


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