U.G.クリシュナムルティ『悟りという謎』2 ― 2025年09月02日 06時19分52秒
◎オンライン「私とは本当に何かを見る実験の会」
2025年9月21日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで
◎オンライン「非二元の探究─世界の出現」
2025年9月13日(土曜日)午後2時から午後4時頃まで
2025年9月18日(木曜日)午後2時から午後4時頃まで
2025年9月18日(木曜日)午後2時から午後4時頃まで
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新刊案内]
*『猿笑非二元講座』
Youtube で公開している『猿笑(さるわらい)非二元講座』の電子書籍版。
*『自己覚醒へのマスター・キー』(シュリー・シッダラメシュヴァール・マハラジ 著、
[電子書籍版発行]
*『頭がない男』電子書籍版
価格:1,980円(税込み)
知られざる天才哲学者、ダグラス・ハーディングの生涯と哲学をイラストと文章で描いたグラフィック伝記。
〔Youtube]
U.G.クリシュナムルティ『悟りという謎』(20)
今年の3月から開始したU.G.クリシュナムルティの『悟りという謎』(The Mystique of Enlightenment)という本のYouTube 番組も、先日の20回目でだいたい三分の一が終わった。正直に言えば、翻訳しながら彼の言っていることは理解不可能なことも多いし、彼がインドの霊的伝統、そしてスピリチュアルな修行そのものを激しく否定する言葉は、一部の人たちには不快感さえ与えるかもしれないとは思う。そしてまた彼の生まれ育ち、人生は、私たちのように普通の生活を送っている者たちにとっては、あまりに特異で想像しがたく、共通することがほとんどない。
彼がそれほどインド的伝統的霊性やスピリチュアルな修行を否定する背景には、彼の子供時代の生育環境が非常に影響していると私は感じる。前にも書いたが、無理やりやらされたことは、あとでそれに対する反発が非常に強くなる。普通だったら、平凡で楽しい子供らしい日々を送れたはずが、何一つ子供らしく遊ぶことも許されず、修行、修行、修行の日々。
しかし、彼は同時に並外れた知性、すべてを疑う反骨精神にも恵まれていた。その知性と反骨精神で自分のまわりの大人たちを冷静に冷徹に観察し、悟りやら何かを求めて瞑想修行をしている人たちは何かおかしいと次第に思うようになる。
そして長年の探究、苦しいほどの自己質問(自分の質問を自分へ問うこと)を経て、彼は最後に、自分の覚醒体験は、自分がやらされた修行とは何の関係もないことを理解し、自分の長年の修行は無用だった、そして、悟りを求めて多くのことを犠牲にして修行をしているインド人は、無駄なことをやっていることに気づく。
『悟りという謎』はそんな彼が仕方なく話したことをまとめた本なので、「私の話を聴くことは無駄だし、誰の話も役に立たない」という、いつも身も蓋もない話になる。
それでも彼が「私の話を聴くことは無駄だし、誰の話も役に立たない」以外に、繰り返し語っていることがある。それは「一人一人の人間はユニークであり、途方もない知性に恵まれている」ということだ。そして、その知性が活動することがゆるされている状態が、彼がいういわゆる「自然の状態」ということになる。
3章「人間の外にはパワーはない」の冒頭でも彼はこう言っている。
「私が話すことの全目的は、一人一人の個人のユニークさを人々に指摘することである。文化とか文明とかあなた方が呼んでいるものは、常に私たちを一つの枠組みに合わせようとしてきた。人間はまだまったく人間ではない。私はそういった人間を『ユニークな動物』と呼んでいる。人が文化という重荷を背負っているかぎり、その人間は『ユニークな動物』に留まる」(『悟りという謎』より)
インドにかぎらず、どこの社会や文化にも一人ひとりのユニークな知性を抑圧しようとする途方もない圧力がある。それはなぜなのか? もし興味があれば、それを問いかけて、自分の知性からの答えを待てば、なぜ私たちが人間動物という「不自然な状態」で生きているのか、そして、U.G.のいう「自然の状態」への理解が開かれるかもしれない。
これから3章は、インド人の教授らしい人がU.G.に質問し、それに彼が答えるという形式で進行する。そのインド人の教授がインドの霊性や文化を一生懸命持ち上げよう(笑)と質問するのに対して、U.G.は、「インドの霊性や文化なんて経済的貧困しかもたらさなかった」とバサバサ切り捨てている(←現在インドは昔よりかなり豊かになったが、このインタビューがおこなわれた1980年当時はまだ貧しかった)。
こんな感じの話ですが、あと残り三分の2、気が向いたらご視聴ください。
[一昨年出版された本]
[その他の本]
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