「時間が存在しない」とは? (1) ― 2018年03月02日 16時43分53秒
非二元系の教えの中でよく語られる「時間が存在しない」という観念について、たまに「時間が存在しないとはどういうことですか?」と質問されることがある。
私たちは「時間が存在しない」と言われると、「それはどういうことか?」と質問が湧き起こるわけであるが、では私たちが当たり前に取り扱っている概念「時間」について、「時間が存在するとはどういうことか?」「そもそも時間とは何か?」 と改めて自分に問いかけてみれば、ほとんどの人はよく答えられないことだろう。
歴史上、多くの偉大な哲学者、科学者が「時間とは何か?」 に真剣に取り組んできたが、科学や哲学にとっては、「時間とは何か」に対する誰もが同意する決定的答えはまだないようである。科学者による時間研究がどこまで進んでいるかはあとで紹介するとして、まずダグラス・ハーディングがいつも言うように、他人の言葉ではなく、自分自身で「時間とは何か?」「時間が存在しないとはどういうことか?」を探求してみよう。
ダグラス・ハーディングが提唱した時間に関するシンプルな実験を紹介します。
実験の手順は下記のとおりです。
1まず、実験道具として時計かタイマーをご用意ください。
2今、向こうにある時計か、動作しているタイマーをしばらく眺め、それらが時を刻んでいることを確認してください。
3私たちの日常感覚で言えば、時間とは「変化と計測」です。私たちは今「変化」(時計、ないしタイマー上の変化)を計測(確認)しました。
4では、「時間はどこにあるか?」の質問の答えは、時間とは「計測されるところに」あります。時計やタイマーやその他、ありとあらゆる「変化と計測」の要素があるところに時間はあります。医者が脈拍を測るとき、そこにも時間があり、心臓の鼓動を聞いているとき、そこにも時間はあります。私たちが観察する世界は時間であふれています。人間の肉体は最大で約100年の時を刻む「時計」だというふうに考えることもできます。
5では、反対に「時間が存在しないところはどこなのか?」 これを示す実験をやってみます。目の前にある時計(あるいは数字が動いているタイマー)を手にとって、それを自分の目(だと思われている物)のほうへ少しずつ近づけ、しだいに時計の針やタイマーのデジタル表示がぼやけることを確認してください。つまり、しだいに私たちは変化を計測できない状態になり、時計やダイマーを自分の目(だと思われている物)にピッタリとくっつけると、まったく時間が見えなくなりました(ね?) はい、今、私たちは時間のない世界へ到着しました(笑)。
2今、向こうにある時計か、動作しているタイマーをしばらく眺め、それらが時を刻んでいることを確認してください。
3私たちの日常感覚で言えば、時間とは「変化と計測」です。私たちは今「変化」(時計、ないしタイマー上の変化)を計測(確認)しました。
4では、「時間はどこにあるか?」の質問の答えは、時間とは「計測されるところに」あります。時計やタイマーやその他、ありとあらゆる「変化と計測」の要素があるところに時間はあります。医者が脈拍を測るとき、そこにも時間があり、心臓の鼓動を聞いているとき、そこにも時間はあります。私たちが観察する世界は時間であふれています。人間の肉体は最大で約100年の時を刻む「時計」だというふうに考えることもできます。
5では、反対に「時間が存在しないところはどこなのか?」 これを示す実験をやってみます。目の前にある時計(あるいは数字が動いているタイマー)を手にとって、それを自分の目(だと思われている物)のほうへ少しずつ近づけ、しだいに時計の針やタイマーのデジタル表示がぼやけることを確認してください。つまり、しだいに私たちは変化を計測できない状態になり、時計やダイマーを自分の目(だと思われている物)にピッタリとくっつけると、まったく時間が見えなくなりました(ね?) はい、今、私たちは時間のない世界へ到着しました(笑)。
私はダグラス・ハーディングがワークショップでこの実験をやるのを何回か見たことがあり、ダグラスの言葉を具体的に再現すればこんな感じだ。
「これからやる非常に簡単な実験によって、どこに時間が存在し、どこに時間が存在しないかを皆さんに示すことができます。今、パリの時間は何時でしょうか?私の腕時計では今はパリは午後4時です。皆さん自身の腕時計を見て、時間を確認してください。では、これから、皆さんと一緒にこの時間を消して、時間のない世界へ行くことにします。注意深く腕時計を眺めなら、ゆっくりとそれを自分の目のほうへ近づけてください。今、文字盤がぼやけて、時間がほとんど読めなくなりました。完全に限界までピッタリと腕時計を自分にくっつけてください。皆さんは今、時間だけでなく、時計まで消してしまいました。皆さんは今時間のない世界にいます」
この実験の最後に「皆さんは今、時間のない世界にいます」とダグラスが大真面目で言うとき、ほとんど必ず参加者の一部から失笑がもれる。他の実験よりももっと滑稽で、意味不明の実験に思えるからだ。
私にしてもこの実験の意味を理解するのに長い時間がかかった。
そして、あとになって、老子の言葉「人に笑われなければ(滑稽に思われなければ)、それは本当の道ではない」とともに、この実験をいつも本気で大真面目にやったダグラス・ハーディングを懐かしく思い出す。
[イベント]
2018年3月31日(土)「私とは本当に何かを見る会」(東京)
予約・詳細は下記へ
2018年4月15(日)「ダグラス・ハーディングの会」(岐阜市)
予約・詳細は下記へ
[お知らせ]
*ラメッシ・バルセカール 『誰がかまうもんか?!』電子書籍版が発売されました。
アマゾンサイト
https://www.amazon.co.jp/dp/B075R6PH31
https://www.amazon.co.jp/dp/B075R6PH31
*トニー・パーソンズ 『何でもないものがあらゆるものである』電子書籍版が発売されました。
*ダグラス・ハーディングの新刊「存在し、存在しない、それが答えだ」(ナチュラルスピリット発行 本体価格 2300円)好評発売中。
[シンプル堂電子書籍]
*「動物園から神の王国へ―サルの惑星、のような星で、平和に生きるために」(PDFファイル)ダウンロード版は、DLmarketのサイトで販売しています。お手持ちの機器(パソコン、タブレット、スマートフォン)に、PDFを読むソフト(AdobeReader等)が入っていれば、どなたでも読むことができます。
本書の詳しい目次は下記のサイトに出ています。
1部 ヒトにおけるセックスと闘争・暴力の問題について
2部 サルの壁 人の壁
3部 人生は、ド・アホでいこう!
2部 サルの壁 人の壁
3部 人生は、ド・アホでいこう!
DLmarketからファイルをダウンロードするためには、まず会員登録をする必要がありますが、Facebook、Twitter、楽天のアカウント、Yahoo!Japan のID、Amazonのアカウントもご利用でき、各種支払いにも対応しています。(銀行振り込み、コンビニ支払い、Amazonペイメント、クレジットカード、Paypal、その他)。
なお現在は、パソコン等では、横書きの文章のほうが読みやすいという人たちもいると思い、縦書き版と横
書き版の二種類の版を用意してあります。 編集の都合上、総ページ数(縦書き版が453ページ、横書き版が367ページ)は異なっていますが、内容はまったく同じです。
*試読版(無料)は上記のサイトから、会員登録等なしに、どなたでも自由にダウンロードできますので、本との相性を確かめて、購入の判断をしていただければと思います。 (画像の下の、「立ち読みできます」をクリックすると、試読版PDFを無料でダウンロードできます)
*DLmarketで下記も販売中です。(無料試読版は会員登録不要で、自由にダウンロードできます――画像の下の「立ち読みできます」をクリックしてください)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/290251
「 楽しいお金3」PDFダウンロード版(本体価格1,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/290294
「人をめぐる冒険 」PDFダウンロード版(本体価格1,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/290283
「1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場1日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297870
「1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場2日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297880
「1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場1日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297958
「時間が存在しないとは?」 (2) ― 2018年03月15日 08時34分53秒
前回、時間に関するダグラス・ハーディングが「開発」(というにはあまりにもシンプルではあるけど)した実験を紹介した。
この実験の意味を言葉でもう少し説明すれば、非二元系の教えにおいては:
1時間とは主体(私)が認識したときに、認識したところにだけある。
2時間を認識する主体(私)には、時間が存在しない。
2時間を認識する主体(私)には、時間が存在しない。
つまり、主体(私)が時間を認識できるという事実そのものが、主体(私)は時間世界に所属していないという意味である。
2のポイントは、ダグラス・ハーディングだけでなく、私が今まで愛読してきた賢者の方々の本にも表現は違うが、同じことが書かれている。
たとえば、
「今、時の経過を認識します。しかし、そう認識するために時間(時の経過)を必要とはしません。時間は存在していません」(タデウス・ゴラス著「なまけ者のさとり方」74p)
「今、時の経過を認識します。しかし、そう認識するために時間(時の経過)を必要とはしません。時間は存在していません」(タデウス・ゴラス著「なまけ者のさとり方」74p)
そしてもし時間を認識する主体(私) が時間世界に所属していないなら、主体(私)は人間物体ではないし、いかなる物体でもないことが明らかである。前回も書いたように人間物体は時を刻んでいる物質的な時計だからだ。
さて、ここで論理的な方はこう反論するかもしれない。
「どうして、物体が他の物体を認識できないと言えるのですか? 現在では、自動ビデオなどがあって、それらは他の物体を自動的に認識しているはずですから、物体が他の物体を認識できないとは言えないでしょう」
確かに現代、世界中の町中で無人の監視ビデオなどがあふれ、自動で町中の風景を撮り続けている。しかし、無人で「撮る」ことは「認識」することではない。そして主体(私)が「認識」しないかぎり、非二元的に言えば、それは「存在してない」――主体(私)にとっては。
そういった無人監視ビデオの中にあるとされる映像は、主体(私)がその映像を確認(認識)――その映像が「存在している」ことを確認したときに、初めて存在すると言えるのだ
この話は古くは、「人が見ていないときに、月は存在しているのか?」 という量子力学上の論争、あるいは同じく、有名な「シュレーディンガーの猫」 の話とも関係している。
これらの量子力学の論争や概念をわかりやすく説明するのは私の能力を超えているが、非常にざっくり言ってしまえば、物事の状態は観察者が観察したとき初めて確定するという考え方だ。
量子力学 と非二元系の教えは共通していることが多く、かなり相性がいい。ただ、大きな違いは、私が思うに、物理学では観察する主体はあくまでも人間物体を想定しているのに対して、非二元系の教えでは観察する主体は人間物体でないとしているところである。当然のことながら、科学者は、観察しているのは「人間の私」であると想定し、「観察している私とは何か?」を問わない。これは外側の物質(対象)世界に関心をもつ科学と内側の主体に関心をもつ宗教(スピリチュアル)のほとんど超えられない溝かもしれないと思う。
非二元系の教えの探求者である私たちは科学の知見は参照にはするけど、まあ最終的にはどうでもいいことで、あくまでも関心は主体である「私」とは何か?に戻るわけである。
ダグラス・ハーディングはワークショップのときに、対象と主体の信じがたいほど対照的違いを見るように参加者に質問という形でしつこいくらい促した。
*色(対象)を認識しているあなた(主体)に、色があるだろうか?
*形 (対象)を認識しているあなた (主体)に、形があるだろうか?
*感触(対象)を認識してるあなた(主体)に、感触があるだろうか?
*音(対象)を認識しているあなた(主体)に、音があるだろうか?
*形 (対象)を認識しているあなた (主体)に、形があるだろうか?
*感触(対象)を認識してるあなた(主体)に、感触があるだろうか?
*音(対象)を認識しているあなた(主体)に、音があるだろうか?
そして、
*時間(対象)を認識しているあなた(主体)に、時間があるだろうか?
[イベント]
2018年3月31日(土)「私とは本当に何かを見る会」(東京)
予約・詳細は下記へ
2018年4月15(日)「ダグラス・ハーディングの会」(岐阜市)
予約・詳細は下記へ
[お知らせ]
*ラメッシ・バルセカール 『誰がかまうもんか?!』電子書籍版が発売されました。
アマゾンサイト
https://www.amazon.co.jp/dp/B075R6PH31
https://www.amazon.co.jp/dp/B075R6PH31
*トニー・パーソンズ 『何でもないものがあらゆるものである』電子書籍版が発売されました。
*ダグラス・ハーディングの新刊「存在し、存在しない、それが答えだ」(ナチュラルスピリット発行 本体価格 2300円)好評発売中。
[シンプル堂電子書籍]
*「動物園から神の王国へ―サルの惑星、のような星で、平和に生きるために」(PDFファイル)ダウンロード版は、DLmarketのサイトで販売しています。お手持ちの機器(パソコン、タブレット、スマートフォン)に、PDFを読むソフト(AdobeReader等)が入っていれば、どなたでも読むことができます。
本書の詳しい目次は下記のサイトに出ています。
1部 ヒトにおけるセックスと闘争・暴力の問題について
2部 サルの壁 人の壁
3部 人生は、ド・アホでいこう!
2部 サルの壁 人の壁
3部 人生は、ド・アホでいこう!
DLmarketからファイルをダウンロードするためには、まず会員登録をする必要がありますが、Facebook、Twitter、楽天のアカウント、Yahoo!Japan のID、Amazonのアカウントもご利用でき、各種支払いにも対応しています。(銀行振り込み、コンビニ支払い、Amazonペイメント、クレジットカード、Paypal、その他)。
なお現在は、パソコン等では、横書きの文章のほうが読みやすいという人たちもいると思い、縦書き版と横
書き版の二種類の版を用意してあります。 編集の都合上、総ページ数(縦書き版が453ページ、横書き版が367ページ)は異なっていますが、内容はまったく同じです。
*試読版(無料)は上記のサイトから、会員登録等なしに、どなたでも自由にダウンロードできますので、本との相性を確かめて、購入の判断をしていただければと思います。 (画像の下の、「立ち読みできます」をクリックすると、試読版PDFを無料でダウンロードできます)
*DLmarketで下記も販売中です。(無料試読版は会員登録不要で、自由にダウンロードできます――画像の下の「立ち読みできます」をクリックしてください)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/290251
「 楽しいお金3」PDFダウンロード版(本体価格1,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/290294
「人をめぐる冒険 」PDFダウンロード版(本体価格1,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/290283
「1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場1日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297870
「1994年バーソロミュー・ワークショップ東京会場2日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297880
「1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場1日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297958
最近のコメント