「頭がない男」―ダグラス・ハーディングの人生と哲学2019年03月03日 08時40分42秒

大変長い間お待たせしていましたが、ダグラス・ハーディング・グラフィック伝記――「頭がない男―ダグラス・ハーディングの人生と哲学」がようやく発売間近になりました。書店等に出まわるのは、3月中旬からの予定です。
 
*正式タイトル:「頭がない男」-ダグラス・ハーディングの人生と哲学

*著者:脚本―リチャード・ラング  挿画―ビクター・ラン・ロックライフ

*定価:本体価格2,500円+税

*版型:B5版(フラカラー)183ページ

*発行:ナチュラルスピリット


*目次詳細  (原書には目次がないですが、読みやすくするために、日本語版にはつけてあります)


*アマゾン社の広告
https://www.amazon.co.jp/dp/4864512981



昨年、本書については、おおかた説明したので、今日は、家庭人としてのダグラス・ハーディングについて少しふれてみよう。

伝記を読むと、彼は最初の結婚生活では、夫と父親としての義務は果たすが、仕事と自分の本、そして「私とは何か?」の研究に没頭して、家族とあまり感情的に関わらなかったという印象がある。

ダグラスは、おじいちゃんとか友人としては楽しい人だけど、夫や父親としてはけっこう気難しく、偏屈だった感じがあり、彼が最初の妻と子供たちにあまり好かれなかったのも、なんとなくは理解できる。一日中、ほとんど書斎に閉じこもって、自分の関心だけに熱中している夫や父親なんて、確かに子供や妻の立場からすれば、「なんだ、この夫(父親)」(笑)ということになってしまうことだろう。

それでも最初の妻は、彼の哲学に理解も共感もしなかったが、彼が何かに取り憑かれていることは理解し、経済的には自分も働いて、彼を支えた。彼は「天と地の階層」の本を最初の妻に捧げている。

それに対して、キャサリンとの結婚生活は、彼女が彼の哲学と情熱をよく理解し共感するという土台があったため、彼女の存在は、彼の人間としての生活に潤いと喜びを与えた。私はキャサリンと出会う前のダグラスを知らないが、彼を長年よく知る人たちはみな「ダグラスは、キャサリンと結婚して変わった」という話をしていた。それはたぶん、いい意味で、感情的になったということだと思う。

彼がワークショップのとき、My wife, Catherine (私の妻、キャサリン)と言うたびに、その言葉にものすごい愛情と喜びが込められているのを私はいつも感じたものだ。「ああ、彼は彼女と出会ったことを本当に喜んで、感謝しているんだ」と、私もうれしい気持ちになった。

ただ、あらゆる結婚生活が幸福なだけではないように、彼らの結婚生活も大変な面は多々あっただろうとは想像できる。「老いらくの恋」といえば、美しく聞こえるが、イギリス人とフランス人はけっこう気質も文化も違い、しかも20歳の年齢差、しかも、お互いに自分の確立したライフスタイルと価値観をもっている人たちである。

私が何度か、彼らの自宅を訪れたとき感じたことは、二人がこの結婚生活をとても大切に思い、そのためにあらゆる努力をしているということだ。

彼が車椅子生活になってから、印象に残っている思い出がある。彼が94歳くらいのときのことで、その頃、キャサリンはダグラスが再び歩くという希望をまだもっていて、そのため、ダグラスに毎日歩く練習をさせていた。私も、彼らの家に滞在していた間毎日、一緒に公園まで車で行って、少しお手伝いをしたものだ。

ダグラスは、子供が歩く練習をするように、キャサリンに言われるままに、一生懸命取り組んでいた。「俺はもうこんな練習はしたくない」とか、「もうリハビリなんてしてもムダ」とか、内心では思っていたかもしれないが、彼はキャサリンの前では絶対にそういった愚痴は言わず、いつも全力で歩く練習をしていた。

いつも、今ここの、目の前のことに全身全霊を捧げる――最後までこの点は彼は変わらなかったし、加えて、キャサリンの夫として、キャサリンを失望させてはいけないという自覚もあったと思う。

彼のお葬式に、キャサリンが読み上げた詩がある(下記に一部引用)。


 あなたは、気高く、聡明で、自分の霊的経験を分かち合うという「使命」に、ユーモアと比類ない誠意をもって、心から献身しました。

でもたぶん、私があなたを何よりも賞賛するのは、その天才的才能にもかかわらず、あなたは決して他人に対して力をふるおうとはせず、また自分のことを、他人よりも上だとかすぐれているとは、決して思わないことでした。

あなたの人間としての人生の最後の週の間、あなたの私へのメッセージは、「信頼すること!信頼すること!信頼すること!」でした。

あなたが、私と他のみんなに書き残してくれたメッセージが、壁の上で輝いています。
「もしあなたの目が単一なら、あなたの体全部が光で満ち、暗い場所はなくなるだろう」
「自ら与える愛が、世界の背後のパワーである」

ありがとう、ダグラス。 私と世界中の何千人の友人たちと分かち合ってくれて。
ありがとう、ダグラス。 あなたは私たちに、遺産、貴重な真珠、宝、究極の解放――私たちが本当に本当に何かというヴィジョンを――残してくれました。

最後に、「今、高貴な心の方が消えてしまわれました--おやすみなさい、愛しい王子様よ。あなたが心安らかにお休みできるように、天使の一団が、見守ってくださいますように」


私はこの詩を読むと今でも涙が出る。 「気高く、聡明」そして、付け加えれば、子供のような無邪気な感性をもっていた人。

さて、皆さんの中にはこれまで私が書いた「頭がない男」の本の紹介を読んできて、こう思った人もいるかもしれない。「シンプル堂さんがとても詳しくダグラス・ハーディングの教えと生涯について書いてくれたので、グラフィック伝記は買わなくてもいいかな」(笑)

しかし、そうではないですよ、 皆さん!

私自身は活字派の人間で、映像やヴィジュアル表現の分野にはまったく疎いが、それでもヴィジュアル表現には、活字による説明にはない強烈なインパクトがあることを理解している。特に今回イラストを担当したビクター・ラン・ロックライフのイラストには心から驚き、感銘を受けた。

リチャードとビクターの情熱と理解と才能、そして二人のダグラスへの愛情が素晴らしくうまく絡み合って、見事な作品に仕上がってる。(さらに、日本語版には、原書にはない目次や注を加えて、日本の読者のための便宜をはかってあります)

フルカラー版なので、値段高めで申し訳ないですが、お小遣いをためて、ぜひ買っていただければ、ありがたく思います。


[イベント]
2019年3月9日(土曜日午後)「私とは本当に何かを見る会」(大阪府茨木市)
http://www.ne.jp/asahi/headless/joy/99_blank064.html

2019年3月10日(日曜日午後)「非二元の教えを生きる会」(大阪府茨木市)


下記の予約申し込みは3月12日からです。
2019年4月7日(日曜日午後)「私とは本当に何かを見る会」(東京都新宿)
[お知らせ]


ラメッシ・バルセカール     『誰がかまうもんか?!』電子書籍版が発売されました。




*フランク・キンズロー『瞬間ヒーリングの秘密』 電子書籍版が発売されました。https://www.amazon.co.jp/dp/B075MXJYD3


*トニー・パーソンズ  『何でもないものがあらゆるものである』電子書籍版が発売されました。
*ダグラス・ハーディングの新刊「存在し、存在しない、それが答えだ」(ナチュラルスピリット発行 本体価格 2300円)好評発売中。

目次は下記のサイトに掲載してあります。
http://www.simple-dou.com/CCP041.html

[シンプル堂電子書籍・音声ファイル]

シンプル堂の電子書籍と音声ファイルの販売を委託していますDlmarket が
現在都合でサ-ビスを一時休止しています。下記電子書籍、音声ファイルのご購入を
ご希望の方は下記シンプル堂までご連絡ください。



*「動物園から神の王国へ―サルの惑星、のような星で、平和に生きるために」(PDFファイル)ダウンロード版は、DLmarketのサイトで販売しています。お手持ちの機器(パソコン、タブレット、スマートフォン)に、PDFを読むソフト(AdobeReader等)が入っていれば、どなたでも読むことができます。

本書の詳しい目次は下記のサイトに出ています。

1部 ヒトにおけるセックスと闘争・暴力の問題について
2部 サルの壁 人の壁
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なお現在は、パソコン等では、横書きの文章のほうが読みやすいという人たちもいると思い、縦書き版と横
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  http://www.dlmarket.jp/products/detail/331108

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「1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場1日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
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「1994年バーソロミュー・ワークショップ京都会場2日目」MP3ダウンロード版(本体価格2,000円)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/297975