シンプル道の日々2007年09月26日 11時14分58秒

何事にもシンプルなことが好きな性質(たち)である。要するに、怠け者で、面倒くさがり屋であるということだ。

それで、いつも時間とお金がかからない、省エネの方法(これを私は「シンプル道」と呼んでいる)ばかりを研究している。しかし、そのために長年、費やした膨大の時間とエネルギーとお金(!)のことを考えると、自分でもいつもその「絶対矛盾」に苦笑する。

そして、そのシンプルに加え、「快適、平和、楽しい=気楽」が、私の人生のキーワードであり、人生のすべてのことがそこに集約する。

そんなことを中心に、久ぶりに言葉を書き連ねて、自分に娯楽を与えて(書くことはたぶん、脳の快楽のためです)みたい気分が起こり、1年9ヶ月ぶりに(2000年から2005年までのコラムは、http://www.mahoroba-art.co.jpのコラム欄をごらんください)コラムをこのように再開したというわけであります。

興味あることについて適当かつ気楽に書いていきたいと思いますので、いつまで続くかわかりませんが、よろしければお付き合いください。(シンプル堂)

風邪のひき始めのビタミンCの効用2007年09月26日 12時01分09秒

風邪のひき始めや、喉に軽い痛みを最初に感じたときや、風邪をひきそうな予感がするとき、私にはビタミンCがよく効く。

昨日も喉に軽い痛みを覚え、季節の変わり目の風邪が来そうな予感がしたので、うがいをして、ビタミンCの錠剤を2錠ほど飲んだら、数時間以内で痛みが消えた。でも、風邪を完全にひいてしまって、熱まで出てしまったあとは、気休めに大量に飲むけれど、ほとんど効果はないようである。

ビタミンCは、錠剤も粉末も安いのでありがたい。ただ、私は普段は常用しないことにしている。なぜかというと、常用すると、私の場合、いざ風邪のひき始めのときに効かないからである。

風邪といえば、野口晴哉の「風邪の効用」という本。今から数十年前に読んだときに、目からウロコが落ちたという感じで、風邪についての私の観念を根本的に変えてくれた。

日本が生んだこの天才的ボディーワーカー(今、日本で活躍している、ボディーワーカーの方々は、ほとんどこの方の影響を受けている)を知らない人には、ぜひ彼の本をお勧めしたい。

タダ経済のゆくえ2007年09月27日 11時55分47秒

今回、ブログを開設するにあたり、色々なブログを見てまわった。長い間、ブログと普通のホームページの違いもよくわからず、ニュースを読むときと、必要な情報を探すとき以外、私はインターネットそのものをそれほど利用しているわけでもない。

今回、まあ、色々なブログやサイトをランダムに見てまわって、書いている人たちのその圧倒的情熱に驚かされた。みんな、ありとあらゆることを書いている。自分の経験、知識、うんちく、日々の雑感、そして悪口等々。

そして、書いている人のほとんどが、それでお金を儲けていないはずで、つまり、タダで書いている。では一体何のためかといえば、それは娯楽、自分を楽しませるためである。言葉を書いて、自分を楽しませる。

そして、できれば、自分が書いたことを人にも楽しんでもらいたい。人にも認めてもらいたい、のだ。たぶん。

かつては、作家や評論家、新聞記者などのプロの物書きにしか許されていなかったこの贅沢が、今では、誰でも享受できる時代になったのだ。

情報に関していうと、世界中のインターネットに流れている情報や文章は、マスメディア(テレビ、出版等)が出してくるものより、質がよく、パワーフルなものがたくさんある。実際、プロの物書きが書くよりも、質がよいものが、タダでたくさんころがっている。もちろん同時に最悪のものもたくさんあるけれど。

ただし、何をもって質がよく、質が悪いというかは、読む人の判断による。私にとって「最悪」が、別の人にとっては「最良」の場合もある。そこは本や音楽と同じ。

今回、そのタダ活動への人々の情熱を観察して、利益を目的としない自由で気楽で、ある種無責任な活動こそ、人が本当は一番楽しめるのかもしれないと感じた。

そして、人々のタダ活動への情熱とエネルギーを上手に利用する会社(検索&広告で儲けている会社)が、今の時代では最大の利益をあげていることが、現在の経済の奇妙な矛盾だ。出版界でさえ、今は自分で企画を考えるよりも、ネット上で人気のブログや小説を編集して、売れる本を作っている会社がたくさんある。おそるべし、タダ経済!

最近、そんな、これからの地球の富のゆくえについて、多くの情報を盛り込んで解説している本、「富の未来(上/下)」(講談社発行)(未来学者アルビン・トフラーとその妻による共著)を読んだ。うまく編集されているので、読みやすい(でもうまく編集されている分だけ、パンチ不足かな。)お暇な方はどうぞ。

シンプルな教え2007年09月27日 20時17分13秒

精神世界の旅を開始したのが、24歳のときだったので、もうかれこれ30年も精神世界に関わっている。この間、様々な先生、教えに出会い、学び、教えていただいた。

色々試したあげく、スピリチュアルに関しても、私にとっての結論とは、シンプルな教えが一番よいということでだ。

スピリチュアルな教えで、シンプルであるとはどういうことかというと、私にとっての定義は、下記のようなものである。

1.それをやるとき、時間とお金がほとんどかからない。
2.私のような怠け者でも、誰でも実践できる。
3.いつでもどこでもできる。よって長期的に続けることができる。
4.先生は特に必要ではない。
5.それを教える人や創始者を自分より偉いと思ったり、崇拝したりする必要がない。
6.最後には、教えも本もワークも必要でなくなる。
7.自分にヒットすれば、今ここで、簡単に平和になれる。
8.シンプルだが、奥が深い。

で、私が最も多く教えをいただき、学ばせていただき、効果があった、3人の先生のワークと教えを、ご縁のある人たちに紹介している。

一人が、師であり、親友であり、人生の先輩であるイギリスの哲学者(1909~2007)ダグラス・ハーディング(Douglas E. Harding)。

彼の教えは、ご本人の言葉を借りて要約すると、「ここでの私は、そこであなたに見える姿ではない」というもので、彼は、自分の本質と他人から見られる外見の根本的違いを、簡単に見ることができる実験を開発し、長年それを多くの人たちと分かち合った。私も年に数回研究会を主催している。(次回は、2007年10月21日午後)

邦訳図書「今、ここに、死と不死を見る」(マホロバアート発行)
「顔があるもの顔がないもの」(マホロバアート発行)

邦訳図書の詳しい情報は、http://www.mahoroba-art.co.jp
ハーディングについての詳しい情報は、http://www.headless.org (英語)
ワークとイベントの詳しい情報は、http://www.ne.jp/asahi/headless/joy (日本語)

二人目は、同じく心の師とあおぐ、ラメッシ・バルセカール(RameshS.Balsekar)。彼の教えは、「存在するすべては意識である」「人生に起こるすべてのことは神の意志であり、神の意志を受け入れることに平和がある」と要約できる。

神の意志、(もし「神」と言う言葉を嫌いな人は、「宇宙の意志」でもいいと思うけど)を受け入れられるとき、そのときは、自分にストレスを与えるたぐいの「なぜ」の疑問が大幅に減り、その分、楽しい実務的「なぜ」(たとえば、今日の卵焼きはなぜ失敗したのか等)に時間をさくことができる。

邦訳図書「人生を心から楽しむ」(マホロバアート発行)
邦訳図書の詳しい情報は、http://www.mahoroba-art.co.jp
関連サイト http://www.advaita.org/(英語)
他に、「アイアムザット」(ラメッシの師である、ニサルガダッタ・マハラジの本――ナチュラルスピリット発行)

3人目は、今欧米で大人気の、バイロン・ケイティ(Byron Katie)のワーク。彼女は、自分の思考を疑うための、たった4つの質問を考案し、私たちのすべての問題や悩みは、あるがままの現実を否定することから生じることを教えてくれる。

邦訳図書「人生を変える4つの質問」(アーティストハウス)
「探すのをやめたとき愛は見つかる」(創元社)

その4つの質問をご紹介すると、
1それは本当ですか?
2あなたはそれが本当だと絶対的に知ることができますか?
3その思考を信じるとき、あなたはどんなふうに反応しますか?
4その思考がないとき、あなたはどんな人ですか?

ストレスとなっている思考を以上の質問にかけてみると、現実そのものではなく、その現実についての自分の思考がストレスの元凶であることが理解できる。

下記のサイトから日本語のワークシートもダウンロードできる。
バイロン・ケイティの情報とワークについては、 http://www.thework.com

もしこのコラムをお読みの方が、これらの先生の教えやワークに、はじめて触れる機会があれば、多くの場合、「私の問題や悩みが、こんな簡単なワークや教えで解消するはずがない」という印象をもつかもしれない。バカバカしいほどシンプルで簡単に思えるからだ。でも、幸運なら、自分にヒットするかも、です。

政治というスポーツ2007年09月29日 09時49分27秒

政治はスポーツである。これが私の政治観である。で、どういうスポーツかというと、現在の民主主義では、あの戦略、この作戦で、国民の支持を得て、選挙に勝ったほうを勝者とするスポーツである。選挙に勝てば、政権与党は、自分たちのやり放題、好き放題、自分と自分の支持者たちの利益のためにとことん奔走することができる。

このスポーツの勝利には、監督(首相や党首やその他参謀)の戦術と運が一番大事なことであり、トップに立つ監督が無能で運が悪いと、選挙には勝てないのは、プロ野球やサッカーのゲームと同じである。その点、安倍さんの前任者、小泉さんは監督としてはすぐれた戦略家だった思う(あるいは本当は戦略を立てていたのは、彼ではないかもしれないが。)

彼は、かつての自民党の実力者とはちがって、自分の場合は、党内の派閥や地方組織の力ではなく、また政策でもなく、自分の「人気」と「イメージ」が選挙に勝つ最大の力だと理解していた。

彼は、ヴィジュアルとイメージを重視する現代にあっては、大多数の国民は、政治家や党の政策をじっくり比べたり、過去の実績を調査したりして、候補者に投票するのではなく、そのときの風まかせ、あるいは、なんとなく「この人がよさそう」「なんとなくこの党にしよう」というそのときのイメージ、印象、同情で、投票することをよく知っていた。

普通のスポーツ同様、政治ゲームも正しく戦況を読み、自分がもっている戦力(権力)を最大限に活用し、ミスが少ないほうが勝利する。そして、味方(閣僚等)が世論に非難されるようなミスしたら、そのミスをどうカバーし、最小にするか(国民へのイメージの悪化を食い止めるか)で、ゲームに勝てるかどうかが決まる。

今振り返ってみると、小泉さんは、人気下落になるような決定的ミスが非常に少なく、味方がミスしたと思ったら、敵(野党)のほうがもっと大きなミスをしてくれるというツキにも恵まれた。

政策は党内でもほとんど支持されなかったにもかかわらず(自民党の大多数は、郵政民営化なんて本当は大嫌いだったはず。その証拠が、郵政民営化反対組の復党大歓迎)、「小泉じゃなければ、選挙に勝てない」神話で、彼は党内を脅しつつ、党外にはボロ(ミス)を出さず、世論を巧みに操作し続け、監督として見事なパフォーマンスを見せた。

そして、前回の参院選挙では民主党の小沢代表も、小泉さんとまったく違う手法、自分にあった戦略で、選挙に勝利した(今まで、政治家がほとんど行かなかったような田舎まわりを自らして、田舎の人たちの素朴な情をかき集める戦略。)

おそらく安倍さんが1年前に誤解したことは、まったく自分とは性格が違う小泉さんのマネをして、つまり、国民に対するイメージや人気で、自分も政権を乗り切れると考えたことだった。

まして安倍さんの人気は、自分で作った人気ではなく、小泉さんの「おこぼれ」の人気であったのに、そんな無にも等しいものを頼りに、政権運営ができると思ったことが、彼の若さというか己の実力を知らないというか、世間知らずというか。

小泉さんが、派閥に頼らずに生きていけるのは、彼は元々一匹オオカミで孤独に強く、自分の目的達成のためなら、誰のことも平気で「殺す」ことができるほど非情で、他人に何をどう批判されても気にしないタイプ(鈍感力の人)だからだ。人に気を使う、心やさしい安倍さん(私の印象ではそう感じる)とは大違いなのだ。

1年前、安倍さんが首相になる前、森元首相が「安倍さん温存論」を言い出し、安倍さんは、今回は総裁選に出ないほうがいいと警告したのを私はなんとなく記憶している。そのとき私は森元首相の慧眼に少々驚いたものだった(首相当時は、失礼ながら、少々バカにしておりましたが、今では自民党院政上皇となって、すっかり自民党の裏のボスとして手腕をふるわれている。)

彼は、ポスト小泉は、誰がなっても苦労することを予想して、森派のプリンスであった安倍さんに苦労をさせたくなかったようだった。しかしその考えを、小泉さんが一蹴し、安倍さんは小泉さんの推薦と後押しを受けて、首相となり、1年後、今やその政治生命の終わりさえささやかれているのを見ると、森さんは、息子思いのよき「父親」、小泉さんは、弟殺しの悪い「兄」のようだったとも思えてくる。

運勢的に言えば、小泉さんは、自分に降りかかる不運やネガティブなエネルギーを決して拾わず(それが「強運」ということです)、それを他人にバラまくのがうまい人で、その分を弟分で身近にいた安倍さんは、小泉さんの分まで不運も拾い続けたというわけだ。強運な人たちが、自分に降りかかる不運を上手に自分でも知らずに身近な他人にバラまくというのは、あらゆるところで、よく見聞する話なのである。

で、次回の国政選挙。自民、民主、自民党内外の郵政造反組が入り乱れて、ぐちゃぐちゃの戦いになるだろうと予想する。どうやって誰が、選挙の運と風をつくるのか……そこが見所ですかね。