「羞恥心」の次は、「罪悪感」か……2008年06月30日 12時23分16秒

ネットをパラパラと見ていたら、「羞恥心」コンサートという言葉が目に入ってきた。「羞恥心」がコンサート?何?と記事を読んでみたら、「羞恥心」という名前の音楽グループが、どこそこでコンサートをしたという記事だった。

歌手や音楽グループの名前は、色々なものがあるけれど、「羞恥心」というグループ名にはさすがに驚いた。そして、そのグループの若いファンの人たちが会話するのを想像して、少し楽しくなって笑ってしまった。

「ねえねえ、『羞恥心』って、ホント、かっこいいよね」

「『羞恥心』の人気、今、すごいんだって」

「うん、オレも好きだな、『羞恥心』の声って」

「『羞恥心』って、なんか、癒されるよね」

「今度、『羞恥心』の歌、いっしょに聴きにいこうか」

「次に、『羞恥心』が何やるか、楽しみだなあ」

と、「羞恥心」という言葉を連発して、どんどん楽しい状況で使うと、気分が軽くなり、「羞恥心」をもっていることすら恥ずかしくなくなり、「羞恥心」って何か、カワイイもの、カッコイイものにも思えて、全然気にならなくなってくる感じがする。

人は、ほとんどの人がある程度は、よくも悪くも羞恥心をもっている。特に若い頃は、自分をまわりと比べ、自分の劣っているところばかりが目につき、自分が世の中の基準に合わないことを恥、極端になれば、「自分のようなものは、生きているのが恥だ」とさえ思い込むことすらある。

「羞恥心」の若いファンの人たちは、「羞恥心」と何度も声に出すことで、案外自分の中の「羞恥心」を癒しているのかもしれないと、勝手に思ってみたりする。

感情とは、自分がその感情をもっていることを単純に認め、気にしなくなるとき、案外、軽くなったりするものである。(私は、自分の感情を、最近「さん」づけして呼んでいる。あ、「心配さん」「悲しみさん」「喜びさん」がやって来ましたというように、つかのまの来客のように接すると、訪問時間が短くなり、煩わされることが少なくなる)

これからは、かっこいい若者たち、音楽グループ、歌手、いや、音楽ジャンルだけでなく、俳優、作家、野球選手等も、どんどんこの手のネガティブな感情を名前・ペンネームに採用すれば、多くのファンの心の癒しになるかもしれない……

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