La Vision sans Tete (頭がないヴィジョン・方法) ― 2009年08月28日 13時20分16秒
前回に続き、フランスの旅の話を書いてみよう。
ル・クレスト(Le Crestet)という自然豊かな山あいの村に、ご夫婦で経営しているいわゆるスピリチュアル・ペンションがあって、そこでは様々なスピリチュアル系、文科系の団体、サークルが主催するワークショップが、一年中開かれている。
そこで開かれたLa Vision sans Tete (日本語に訳せば、「頭がないヴィジョン」)の1週間のサマー・ワークショップに、観光と観光の合間に参加してきた。
「頭がないヴィジョン」は、イギリスの哲学者・神秘家(という呼び方は、ほとんどふさわしくないが、適当なものがないので、一般的にそう呼ばれている)のダグラス・ハーディング(1909—2007)が始めた教えを、フランスではこう呼ばれ、本国イギリスではThe Headless Way(頭がない方法)と呼ばれている。
なぜ「頭がない」、なのか? それは、ハーディングが33歳のときに、ヒマラヤで、「ここには、頭がない」というシンプルな事実に気づいたことに由来している。彼は、そのあまりに単純な事実がどれほど深遠なのかの研究(ハーディング自身はそれを「第一人称の科学」と呼んだ)とそのヴィジョンを分かち合うことに、自分の人生を捧げた。
他人を見れば、頭があるのに、自分から自分を見れば、自分の頭はここにはない――では、頭の代わりに何があるかといえば……(それを見たい方は、下記サイトへアクセスし、実験をやってください)
ハーディングが言っていることは、普通の人間思考から見れば、まったくの非常識であるが、しかし、彼の教えは、主要宗教の教えと現代科学(相対性理論や量子力学は、常識から見ればとんでもない非常識を主張している)の主張と大筋で一致していると、私はそう理解している。
ワークショップでは、ハーディングやその他多くの人たちが開発したシンプルな実験をやりながら、「ここには、頭がない」事実を深く探求し、それをどう日常生活に生かすかのか、みんなで話し合っていく。
私はフランス語は片言しかできないので、実験の指示以外、話合われた内容はほとんど理解できなかったが、このワークのいいところは、実験を忠実にやって、自分の本質を見ることができれば、言葉はあまり重要ではないということである。さらに、このワークショップではいわゆる先生もいなければ、新しい人と古くからやっている人の区別もなく、「階級」や「達成」という概念もない。だた、みんなで、今ここにあるものを、単純に見るだけである。
だから、参加者はみんな超くつろぎモードで、ちょうどバカンスシーズンなので、みなバカンスに来て遊んでいる感じである。
ワークショップは1日5時間程度で、あとの時間は、のんびり食事(自家製野菜を使ったおいしいベジタリアン料理が出て、飲みたい人たちのために赤ワインも用意されている)を食べて、長々談笑し、散歩をし、昼寝をし、読書をし、ドライブをし、またミニ講座のような会を開く人もいる。夜は、ダンスや音楽の会やみんなが自分の芸を披露するパーティも開かれた。
前回も書いたように、こういうときのフランス人は本当に楽しそうで、誰も彼もが話術の達人で、言葉や表現で他人を楽しませる能力に長けていることに、私は心から感心した。
フランスでは、この「頭がないヴィジョン・方法」のワークは、すでに30年近くの歴史があり、本もたくさん出版され、ハーディングの本国イギリスと並んで、このワークを熱心にやっている人たちが世界で一番多い。
それでも、「フランスで人気ある他のスピリチュアルな教えに比べれば、全然少ないですよ」と、私が質問した人たちはみなこう答えた。「では、フランスではどんな教えが人気があるのですか?」と尋ねたら、ヨガ、チベット仏教、禅、レイキなど東洋系の教えが人気があるそうである。今回参加した人の中にも別の教えと平行して、「頭がないヴィジョン・方法」を実践している人たちも多く、瞑想やヨガを教えている先生たちも参加していた。
さて、現在、フランスでも日本でも世界中でも、スピリチュアルな教えは、それこそ星の数ほどあり、先進国ではどこでもある種のスピリチャル・ブームである。私自身は30年近くスピリチュアルな周辺を出たり入ったりと関わり、本もたくさん読んできたが、実はワークというものを熱心にやったことがほとんどない。その理由は、私が怠惰で、飽きっぽいからであり、たいていのことは本を読むだけで満足してしまうからである。
だからこそ、自分が、「頭がないヴィジョン・方法」に長い間関心を持ち続けて、ワークを続けていることに、自分でも説明ができない宇宙的「縁」と「運」(この二つをあわせて、「神の意志」と私は呼んでいる)を感じるのである。
シンプルで、時間がかからず、先生がいらず、一人でもできるワーではあるが、こうやって、同じような「縁」と「運」に導かれた人たちとたまにいっしょに実験し、旧交をあたため、語り合うのはとても楽しかった。
「頭がない方法」日本語版サイト
http://www.ne.jp/asahi/headless/joy/index.html
「神の実験室通信」(バックナンバー)
http://merumaga.yahoo.co.jp/Detail/13595/
「頭がない方法」英語版サイト
http://www.headless.org/douglas-harding.htm
「頭がないヴィジョン」フランス語版サイト
http://www.visionsanstete.com/
ル・クレスト(Le Crestet)という自然豊かな山あいの村に、ご夫婦で経営しているいわゆるスピリチュアル・ペンションがあって、そこでは様々なスピリチュアル系、文科系の団体、サークルが主催するワークショップが、一年中開かれている。
そこで開かれたLa Vision sans Tete (日本語に訳せば、「頭がないヴィジョン」)の1週間のサマー・ワークショップに、観光と観光の合間に参加してきた。
「頭がないヴィジョン」は、イギリスの哲学者・神秘家(という呼び方は、ほとんどふさわしくないが、適当なものがないので、一般的にそう呼ばれている)のダグラス・ハーディング(1909—2007)が始めた教えを、フランスではこう呼ばれ、本国イギリスではThe Headless Way(頭がない方法)と呼ばれている。
なぜ「頭がない」、なのか? それは、ハーディングが33歳のときに、ヒマラヤで、「ここには、頭がない」というシンプルな事実に気づいたことに由来している。彼は、そのあまりに単純な事実がどれほど深遠なのかの研究(ハーディング自身はそれを「第一人称の科学」と呼んだ)とそのヴィジョンを分かち合うことに、自分の人生を捧げた。
他人を見れば、頭があるのに、自分から自分を見れば、自分の頭はここにはない――では、頭の代わりに何があるかといえば……(それを見たい方は、下記サイトへアクセスし、実験をやってください)
ハーディングが言っていることは、普通の人間思考から見れば、まったくの非常識であるが、しかし、彼の教えは、主要宗教の教えと現代科学(相対性理論や量子力学は、常識から見ればとんでもない非常識を主張している)の主張と大筋で一致していると、私はそう理解している。
ワークショップでは、ハーディングやその他多くの人たちが開発したシンプルな実験をやりながら、「ここには、頭がない」事実を深く探求し、それをどう日常生活に生かすかのか、みんなで話し合っていく。
私はフランス語は片言しかできないので、実験の指示以外、話合われた内容はほとんど理解できなかったが、このワークのいいところは、実験を忠実にやって、自分の本質を見ることができれば、言葉はあまり重要ではないということである。さらに、このワークショップではいわゆる先生もいなければ、新しい人と古くからやっている人の区別もなく、「階級」や「達成」という概念もない。だた、みんなで、今ここにあるものを、単純に見るだけである。
だから、参加者はみんな超くつろぎモードで、ちょうどバカンスシーズンなので、みなバカンスに来て遊んでいる感じである。
ワークショップは1日5時間程度で、あとの時間は、のんびり食事(自家製野菜を使ったおいしいベジタリアン料理が出て、飲みたい人たちのために赤ワインも用意されている)を食べて、長々談笑し、散歩をし、昼寝をし、読書をし、ドライブをし、またミニ講座のような会を開く人もいる。夜は、ダンスや音楽の会やみんなが自分の芸を披露するパーティも開かれた。
前回も書いたように、こういうときのフランス人は本当に楽しそうで、誰も彼もが話術の達人で、言葉や表現で他人を楽しませる能力に長けていることに、私は心から感心した。
フランスでは、この「頭がないヴィジョン・方法」のワークは、すでに30年近くの歴史があり、本もたくさん出版され、ハーディングの本国イギリスと並んで、このワークを熱心にやっている人たちが世界で一番多い。
それでも、「フランスで人気ある他のスピリチュアルな教えに比べれば、全然少ないですよ」と、私が質問した人たちはみなこう答えた。「では、フランスではどんな教えが人気があるのですか?」と尋ねたら、ヨガ、チベット仏教、禅、レイキなど東洋系の教えが人気があるそうである。今回参加した人の中にも別の教えと平行して、「頭がないヴィジョン・方法」を実践している人たちも多く、瞑想やヨガを教えている先生たちも参加していた。
さて、現在、フランスでも日本でも世界中でも、スピリチュアルな教えは、それこそ星の数ほどあり、先進国ではどこでもある種のスピリチャル・ブームである。私自身は30年近くスピリチュアルな周辺を出たり入ったりと関わり、本もたくさん読んできたが、実はワークというものを熱心にやったことがほとんどない。その理由は、私が怠惰で、飽きっぽいからであり、たいていのことは本を読むだけで満足してしまうからである。
だからこそ、自分が、「頭がないヴィジョン・方法」に長い間関心を持ち続けて、ワークを続けていることに、自分でも説明ができない宇宙的「縁」と「運」(この二つをあわせて、「神の意志」と私は呼んでいる)を感じるのである。
シンプルで、時間がかからず、先生がいらず、一人でもできるワーではあるが、こうやって、同じような「縁」と「運」に導かれた人たちとたまにいっしょに実験し、旧交をあたため、語り合うのはとても楽しかった。
「頭がない方法」日本語版サイト
http://www.ne.jp/asahi/headless/joy/index.html
「神の実験室通信」(バックナンバー)
http://merumaga.yahoo.co.jp/Detail/13595/
「頭がない方法」英語版サイト
http://www.headless.org/douglas-harding.htm
「頭がないヴィジョン」フランス語版サイト
http://www.visionsanstete.com/
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