何もしなくても、うまくいく? ― 2016年09月15日 09時43分53秒
今年の夏も暑かった。暑さに特別弱いというわけでもなかったけど、それでも年々夏の暑さが体にこたえるようになっている。
暑いときは、いつもにもまして家事とか雑務がしんどい。最近では、人工知能やロボットの話題がよくマスコミで取り上げられているが、猛暑の日々は、雑務や家事を全部やってくれるロボットが欲しくなる……(SFドラマ「スタートレック」に出ていた、データ少佐のような全知全能なアンドロイド・ロボット)
まあ、私が家事や雑務を面倒に思うのは今に始まったことではなく、若い頃から、活動する時間(仕事も含めて)ができるだけ少なく済むことを目指してきた。
なので、私はスピリチュアル系の本の中に、「何もしなくても、うまくいく」というような表現に出会ったとき、それを喜んだものだった。そして、どれほど騙されて(笑)きたことだろうか。
騙されたのは、本のせいではなく、自分のエゴの解釈のせいである。私たちのエゴが 「何もしなくてもうまくいく」を解釈するとき、たいていは「自分の嫌いなこと、したくないことをしなくてもすむ」という意味だ。私のエゴなら、「あれこれ肉体的な活動をしなくてもすむ」という意味に解釈する。好きなことなら、人は抵抗なくやるものである。
しかし、特に非二元系の教えで「何もしなくても」 の本当の意味は、「それをやっている個人的実体がいない」という意味だ。
簡単な例を上げてみよう。シンプル堂と呼ばれいてる肉体の中に喉の渇きが起こり、それからそれは台所へ行き、冷蔵庫を開けて、冷たい水を取り出し、それをコップに注いで、飲む。二元的に見れば、シンプル堂と呼ばれている「人」が一連の動作と作業をやっているように見えるが、非二元的に言えば、この一連の動作と作業をやっている実体はいないのである。ただ、喉の渇き→水を飲もうという思考→肉体が立ち上がる→水道の水ではなく、冷蔵庫の冷たい水にしようと思考→冷蔵庫を開けて、水の入ったポットを取り出す→コップに注ぐ→飲む、という一連の非個人的プロセスがただ起こるだけである。
「何もしなくても」を、肉体とマインドを活動させないことだと考えることがエゴの誤解である。肉体とマインドは「私の本質」の道具であり、それは何かの活動をするように運命づけられている。仮にもし一日24時間、ベッドの上で何もしないで横たわっていることができる人がいるとすれば、その人の肉体は単に病気であるという意味である。私たちの生活は、肉体とマインドレベルではたくさんの物事がおこなわれることで、成立っている。どれほど時々はイヤだ、面倒だと思っても、ほとんどの人は仕事をし、家事をし、家族の面倒を見なければならない――アンドロイド・ロボットが格安で買える時代が来るまで。
さて、私のところへ話に来られた何人かの人たちから、次のような主旨の質問を尋ねられたことがある。「もし私がハーディングの実験だけをやっていれば、何もしなくても、すべてがうまくいきますか?」そういった質問をした人たちは、皆さんお若く(二十代から三十代の方々)、そして若い頃から非二元系の本に親しんでやや厭世的な傾向がある。なかには、十代の頃からダグラス・ハーディングとかニサルガダッタ・マハラジの本を読んでいる人もいる。 もし人が十代から、ダグラス・ハーディングやニサルガダッタ・マハラジを読むとしたら、霊的に相当早熟だと言えるだろう。
ここでもまた、「何もしなくても」が曲者だ。この「何もしなくても」の解釈はその人のおかれている状況によるが、無職の人であれば、「何もしなくても」は、おそらく「求職活動をしなくても、仕事が向こうからやって来ますか?」みたいな意味かもしれない。中には、働くのが本当にイヤだと思っている人の場合、「何もしなくても」が、「働かなくても、一生生活できますか?」みたいな意味の場合もある。
私だって、大学生の頃そして二十代の頃、就職活動とか、その他諸々の活動が本当にイヤだったので、こういう質問をする若い人たちの気持ちを私は充分に理解できる。が、やはり「何もしなくても」が誤解されている。たとえば、就職を望むなら(あるいは、望まなくても、働かなければならないなら)、ほとんどの場合、見かけは、肉体とマインドを動かして就職活動をしなければいけないわけだ。
そして、その活動をしている最中に、もしかしたらハーディングの実験やその他のスピリチュアルな理解が役立つかもしれないとは言える。実際ダグラスは、霊的求道者が自分の世界に引きこもっていることに強い懸念をもっていて、実験を「市場の瞑想」と呼び、それを人生のあらゆる場面でテストするようにみんなに勧めたものだ。「私(たち)の本質」は何をどうやればいいのか、無限の知恵をもっているとダグラスは強調している。
しかし、彼がそう言っているからと言って、それが私たちの中で自動的にそうなるわけではない。(もし彼の言っていることが真実で、価値があると思うなら)、その彼の言葉が本当に真実なのかどうかは、一人ひとりが人生をかけて証明すべきものである。
働くのがイヤだと思っていた大学生だった私もあれから40年、色々な仕事を行き当たりばったりに転々として、食いつないできたものだ。その仕事体験・求職体験から言えば、仕事・求職における喜びと苦痛、成功と失敗、挫折、そして人間関係の軋轢、その他は、瞑想や読書、その他のスピリチャルなワークと同じくらい、あるいはそれ以上に色々なことを教えてくれ、霊的求道にも役立ってきたと思っている。
そうして、今になってみれば、「何もしなくても、うまくいく」、「うまくいかないように見えたときでも、実際はうまくいっている」ということが真実であると、確信をもって言うことができる。しかし、真実の理解は安上がりではない。私の場合、それはたくさんの人生の苦痛と失敗を通じてやって来たものである。
[イベント]
「私とは本当に何かを見る会」2016年10月16日(日曜午後) 東京
「ダグラス・ハーディングの実験と色即是空、非二元を体験する会」
ニューヨーク市在住の山本美子さんが、下記の日程で、実験の会を主催します。
[お知らせ]
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3部 人生は、ド・アホでいこう!
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3部 人生は、ド・アホでいこう!
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コメント
_ カモミール ― 2016年12月11日 15時16分41秒
_ 山形 ― 2017年04月01日 22時20分04秒
これがとても聞きたかったです。本質についての理解は時間とともに深まり肉体化して行くだろうことがある程度予感出来ているのですが、なぜ働かねばならないか、については腑に落ちないことが多くちょっと悩んでいました。糸口が見つかったように思われました。m(__)m
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職場の薬剤師の男性なんですが、大学を出て、自宅でぶらぶらしていて、 知人の紹介で今の病院に就職。(確かに就職には強い資格ですが。代々薬剤師の家系です。)
最低限の仕事をして(仕事嫌い)毎日ネットとPCのゲーム三昧。飽きたら他部署でおしゃべり。
結婚願望はあるけど、友人関係も希薄で婚活もせず、たまに紹介された女性と付き合う。
でも、子作りの為に相手は20代でなければいけないと言っていました。
今、本人34才で、最近20代の若い人を紹介されて付き合って、毎日浮かれています。
別にスピリチュアル系にも関わっていない人ですが、生まれつき、QEヒーリング的な意図の現実化が上手なんでしょうか。(確かに、願望への執着心はない様子です。)
受け身な人生設計をして生まれてきたのか。
50の私は未だ人生にもがいているだけに、どうしてそう上手くいくのか知りたいです。