家族関係の「苦」(2)2020年06月27日 14時19分11秒

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前回に引き続き、親子関係がいかに自分の人生に大きな影響を与えるのか、書いてみたい。

話を私の20代の頃に少し戻すと、反抗的な若者だった私は、20代の頃、親を含めた大人社会の常識というものを一切嫌っていた。嫌うどころか、役に立たないつまらない常識ばかりを長年教え込んで、私を無知に陥れた大人社会に私は激しく怒っていた。

だから、日本の宗教系の人たちがよく言う、「親や先祖に感謝しなさい」とか、「親を大切にしなさい」なんて、「くそくらえ!」という感じだったのだ。

一方で、20代の頃からグルジェフの教え関係の本を愛読し、たくさんのことを学んだ私は、「親との関係は、スピリチュアルな探求においても、大きな影響を与える」という彼の考えも真剣に考えた。

そして、グルジェフは正しいという自分なりの結論に至り、それから親との関係修復のために、自分なりの努力をするようになったというわけである。

私が得た一つの結論は、人は自分の親子関係をいわゆる世間(他人)に投影する傾向があるということだった。これは具体的にはどういうことかと言えば:

1自分は、親に愛されてこなかったと思う人の場合、自分が親から得られなかった愛情や認知を、世間(他人)から得ようとして、過剰な期待をいだく。

2自分は、親に溺愛されてきたと思う人の場合、自分が親から得てきたのと同じだけの愛情や認知を世間(他人)から得ようとして、過剰な期待をいだく。

もちろん、世間(他人)はみな自分のことで忙しいので、人のそんな過剰な愛情・認知願望に誰も応えられない。過剰な愛情・認知願望をひそかにいだけばいだくほど、人は他人の言動に傷つきやすくなり、自分の願望を満たしてくれない世間(他人)を嫌悪し、最悪は、憎しみさえいだくようになる。

以上のことに気づいたときさらに、私は世の中の非常に多くの人たち、特に親に自分の存在を認めてもらっていないと無意識に感じてきた人たちが、「自分の存在意義」を世間(他人)から勝ち取ろうと奮闘していることにも気づいた。つまり、「私という人間がここにいることを、お前たち、認めろよ!」みたいな要求を無意識に世間(他人)にする人の思考・感情のことだ。

しかし、そういう願望をひそかに持ち歩きながら生きても、ほとんど満たされることがない。その理由はさっきも書いたように、人はそれぞれ自分のことで忙しいし、そして本当は他人のことに関心がない(笑)からだ。そして、愛情・認知願望に飢えている人たちは、簡単に利用できると思われがちなので、人間関係のトラブルにも巻き込まれやすくなる。

以上のことから、私が30代の初め頃に人間関係と人生に関して得た理解と結論は、

1世間(他人)は親ではない。だから、自分が幼少時に満たされなかった(あるいは、満たされすぎた)親の愛情のようなものを期待しても、無駄であり、傷つくだけ。

2世間(他人)はおおむね利己的で、みな自分のことしか関心がないし、自分だって、そうである。それを受容すれば、平和である。

3「自分の存在意義」を世間の中で勝ち取ろうとする努力をやめて、ただ自分でそれを認めればいい。

以上のように理解し、実践するようになってから、はるかに人生の物事はうまくいくようになり、人間関係の問題に煩わされることなく、自分の好きなことだけに集中できるようになった。(以上の話は、今回ご希望者にプレゼントした、「人をめぐる冒険」にも一部書いてあります)

私が専門でもないのに、人間関係の話をこうしてくどくど書くのは、それは一応今の専門(?)である非二元系の教えに来る人たちの中で、深刻な人間関係の問題(特に親子関係)を放置しているように見える人を時々見かけるからだ。

はっきり言えば、そういう深刻な問題を放置し、それに蓋をしていると、スピリチュアルの探求もうまくはいかない――それがグルジェフから私が学んだことの一つだ。

非二元探求者の人たちの中には、「問題を無視しても、探求には何の障害にもならないだろうし、だって、そもそも問題なんて、幻想でしょう?」的態度を決め込んでいる人たちもいる。

あるいは、もし自分が悟りや神秘体験、アセンションのようなものを経験すれば、現世のすべての問題が消滅するだろうと、非現実的期待をいだいている人たちもいるように感じる。しかし私が会に来る皆さんには言うように、一発逆転のような奇跡はまず起きないので、期待しないほうがいい。

だから、瞑想、実験、読書、思索、そして日々生きることを通じて、自分のマインド・感情領域も含めて、「私とは何か?」を地道に探求していただきたいと思う。(非二元系の探求者がいかに自分の問題を無視するかという話は、アジャシャンティの「あなたの世界の終わり」に詳しく出ているので、読んだことがない方にはお勧めします)

ここで最後にまた親子関係に話を戻すと、世の中にはあらゆる親がいて、その親から生まれる子供たちもあらゆる種類の子供たちがいる。だから、親子の組み合わせも無限にあり、私たちはみな一人ひとり違う親子関係の物語を生きている。もし私たちが親子関係のトラウマから回復できたら、それを楽しいあるいは悲しい物語として、平和に語れるようになるだろうし、その中に多くの学びも発見できると思う。

(以前のブログで、私がかつて見聞した中で最悪の親――コンロの上で自分の子供を焼き殺そうとした親――の元で育ち、そのトラウマから回復した人の話(「許す勇気、生きる力」デイヴ・ペルザー著 青山出版社)を紹介したことがある)。

生き延びたという「幸運」 2008年11月08日
http://simple-dou.asablo.jp/blog/2008/11/08/

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