動物園に人権はない(苦)2023年09月21日 07時36分38秒

[お知らせ]

*ジョエル・ゴールドスミス著『静寂の雷鳴』が発売されました。

本体価格:2,380円+税
本文ページ数:333ページ
発行:ナチュラルスピリット


*1994年10月に、バーソロミューが京都でおこなったワークショップの記録を下記で公開しています。(英語と日本語通訳の音声と日本語字幕付き)。現在(1)から(4)まで公開中。

◎オンライン「非二元の探究――瞑想と実験の会」

2023年9月24日(日曜日)午前9時から午前11時頃まで


◎オンライン「ダグラス・ハーディングの哲学と教え」

2023年10月1日(日曜日)午前9時から午前11時頃まで
2023年10月8日(日曜日)午前9時から午前11時頃まで



先日、母の家で、みんなで夕食後にNHKのニュースを見ていたときのことだ。その日のトップニュースは、大手タレント事務所創始者の性加害について、その事務所が記者会見を開いた話だった。J社のトップタレント二人と元社長、そして弁護士の4人が並んでいる姿を見たとき、なんか東山紀之さんが主演した『刑事7人』の一場面のようだった――しかし、展開はドラマのように颯爽というふうにはいかず、グダグダ会見だった。

そして、東山さんが、「僕も夢をあきらめて……」と言ったとき、家族全員が、「えー、東山さん、タレントやめるんだ!」と思わず声がもれた。私たち家族は、彼が主演している『大岡越前』のシリーズを飽きるほど毎日見て、「また新しいシーズンも作るのかなあ」とかそんな話をしていたからだ。私が過去10年間で一番時間的に見たドラマが、東山さんが主演したこの『大岡越前』シーズン5と6で、各エピソードは、もうこれ以上見るのが苦痛なくらい何度も何度も見たものだ。だから、新しいシーズンをちょっと待ち望んでいた。

そんなに『大岡越前』を見ている理由は、私たちがこのドラマを特に好きなわけではなくて、母が東山紀之さんの大大大ファンで、母は一人ではドラマをほとんど見ることができないので、付き合って見ているというわけだ。母はもうドラマのあらすじも何も理解できないが、自分が好きなタイプの男性がテレビに出ているときは、比較的静かに画面を眺めている(笑)

特に好きなドラマでも、好きな俳優さんでもないのに、ずっと長い間ドラマを見ていると、なんとなく親近感がわくのは不思議なものである。だから、先日のJ社の記者会見での東山さんは痛々しかった。所属の人気タレントをマスコミの攻撃の矢面に立たせ、そしてそのタレントに夢をあきらめさせるって、J社の人権無視(立場の弱い者を虐める)の姿勢は全然変わっていないじゃないかという感じである。そして、質問をしているマスコミの人たちも、相手が弱い立場に立ったとたん、たぶん、視聴者の関心を惹くという理由なのか、下司な人権無視のセクハラ的な質問を長時間ダラダラとタレントたちに浴びせたという話がネットに出ていた(私はNHKのニュースの部分しか見てないが)。

自分よりも立場が強い者には忖度してすり寄り、自分よりも立場が弱い者は平気で虐めて、人権無視――J社もそれを取り巻くマスコミも、「これからも何も変わりませんよ(=自分たちがこれからも無事存続でき、お金が儲かりさえすれば、人権なんてどうでもいい)」という印象を与えた記者会見であった。

そして、「自分よりも立場が強い者には忖度してすり寄り、自分よりも立場が弱い者は平気で虐めて、人権無視」って、J社やマスコミだけでなく、もしそこが動物園的組織であれば、日本の多くの組織、そして家庭の中にさえよく見かける風景である。いちおうは人間クラブ以上の世界に住んでいる者も、心の中では動物園に堕ちることだってある。だから、私はこの記者会見を見て、キリストの有名な言葉を思い出し、改めて自分の胸に刻んだ。

*なぜ、兄弟の目にあるちりを見ながら、自分の目にある梁(はり)を認めないのか。自分の目には梁(はり)があるのに、どうして兄弟にむかって、あなたの目からちりを取らせてください、と言えようか。(マタイ7章3-4)(この言葉の解釈とは、「他人の欠点・罪を非難する前に、まず自分の中にある欠点・罪を見なさい」くらいか)。

ドラマの中の大岡越前(彼は実際に江戸時代に実在した人物。1667-1751)は、勇気と知恵と心の優しさ、そして公正さを合わせもつ名奉行だった(権力を持つ側で、めったにこういう人物が現実には存在しないからこそ、300年たってもまだドラマになるのだと思う)。

さてさて、東山さん、被害者の救済(確か、被害者の人たち一人一人と話し合っていくみたいな主旨のことを、彼は言ったと記憶している)とJ社の社長をまかされて、経験もないのに大丈夫なのか? たぶんうまくはいかないとは思うけど、自分が『大岡越前』シーズン6放送の前に視聴者に向けた言葉を思い出して、ダメ会社の再建に奔走する社長を頑張って「演じて」!

「感染症にしても詐欺にしても、人間が生活していく上で起きることは昔も今も大差ないんじゃないでしょうか。戦国時代の武将を描くような物語とは違い、この作品は市井の人々に寄り添うお話なので、現代の皆さんに共感していただきやすい時代劇だと思います。忠相の『大岡裁き』は、厳しさだけでなく、庶民に心を寄せる愛情を併せ持っています。さまざまな問題があるなかで、人と向き合う越前の姿を、ぜひご覧いただきたいです」(『大岡越前』シーズン6放送前の東山さんの言葉より)TVガイドhttps://www.tvguide.or.jp/news/news-1513268/)



[昨年の発売された本]

『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)

目次の詳細は下記へ。

販売サイト


*『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』アマゾン・キンドル版(税込み定価:330円)


目次の詳細は下記へ

販売サイト


海外の方は、USアマゾンからもダウンロードできます。
『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』
https://www.amazon.com/dp/B0BBBW2L8B/ 

『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うためにhttps://www.amazon.com/dp/B0BC5192VC/


『仕方ない私(上)形而上学編――「私」とは本当に何か?』は、過去10年ほどの間、私が主催している会で、ダグラス・ハーディングの実験、ラメッシ・バルセカール&ニサルガダッタ・マハラジについて話していることをまとめたものです

会にすでに参加されたことがある方には、重複する話がほとんどですが、会で配った資料を体系的に読むことができ、また必要な情報をネット上で即アクセスできる利点があります。付録に、『シンプル道日々2――2019年~2021年』)を掲載しています。(総文字数 約124,000字――普通の新書版の1冊くらいの分量です)

『仕方ない私(下)肉体・マインド編――肉体・マインドと快適に付き合うために』は、肉体・マインドとは、どういう性質のものなのか、それらとどう付き合ったら快適なのか、それらを理解したうえで、どう人生を生き抜いていくのか、主にスピリチュアルな探求をしている人たち向けに、私の経験を多少織り交ぜて書いています。肉体・マインドは非常に個人差のある道具なので、私の経験の多くは他の人たちにはたぶん役には立たないだろうとは思うのですが、それでも一つか二つでも何かお役に立てることがあればいいかなという希望を込めて書きました。付録に、『シンプル道日々2――2019年~2021年』)を掲載しています。(総文字数 約96,500字)







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