運の振り子2008年06月20日 07時51分43秒

運――それは、誰もが、よくしたいと願うものであり、それゆえ、運をよくするための本(「願望達成法」の本も含めて)が書店の店頭やネット上にあふれている。最近、特に出版件数が増えたような感じがする。

私も、運をよくするための本を、昔は読むだけはよく読んだものだが、最近は自分にとって、目新しい本もなくなり、ほとんどこの分野の本を読まなくなっていた。

そんななか、珍しく、オリジナルな考察と表現の本に出会った。

「振り子の法則・リアリティ・トランサーフィン」ヴァジム・ゼランド著(徳間書店)

ロシアの元量子物理学者が書いたという本書は、その説明と切り口がなかなか斬新で、最近、物理学にはまっている私には、非常におもしろく読めた。ちょうど、タデウスおじさん(「なまけ者のさとり方」の著者)が、もし怠け者でなく、物理学に詳しければ、書いたであろうような本になっている。理系的言葉に抵抗のある人には、あまり向きではないかもしれないが(といって、別に言葉は難しくはない)、理論的に考えることが好きな人には向く本である。

著者が、最初に説明しているポイント、「現実の現れ方には無限の可能性がある」(ページ41)は、著者の説明は少々難解であるが、それを日常用語で、私流に解釈すれば、自分の目の前のあらゆる状況(仕事、人間関係、社会の状況、その他等)には、最高の波動から最低の波動まで無限の現実が重ね合わさっているということだ。

運をよくするとは、自分が出会うあらゆる状況の中で、ただ単純に、その中によいものを認める(著者の言葉でいえば、「選択する」)ということであり、運を悪くするとは、悪いものばかり見る(「選択する」)ということだ。つまり、どんな状況でも、不満を言おうと思えば、きりがなく、反対によいところを探せば、何かしらあるものなのだ。

運が悪いと自称する人たちは、あらゆるところで、ゴミばかり見る(「選択する」)傾向がある。ゴミばかり見ると、どこへ行ってもゴミばかり見ることになる。

それから、本書のすべてにわたって、著者が説明している、人々の様々なエネルギーを吸収して生きている「エネルギー情報体=振り子」という概念――これを理解すると、あらゆるところに、私たちは様々な「振り子」の存在を認めることができる。「振り子」とは、日常用語でいえば、「同じ感情・思考傾向のエゴが、たくさん集まってできた集合体」のようなものである。そして、この様々な「振り子」たちの間の競争が、人間の世界に無限のドラマを創造しているのも、しだいに見えてくる――ちょうど、演劇の舞台裏を見るような感じだ。

その他、本書を読むと

なぜ、罪悪感、不安、心配、非難等が、自分の運を悪くするのか、
なぜ罪悪感も羞恥心もないような悪党のような人たちが、世俗的に成功するのか、
なぜ他人のことを思いやる心優しい人たちが、不運に遭遇するのか、

なぜ(法律以外は)犯罪人・極悪人を非難しないほうがいいのか、
なぜ、あらゆる人や存在を、自分と同等にみなさなければいけないのか、

さらに、

なぜ、強く願うことが「かなわないのか」、
なぜ、仕事、自分の達成したこと、物、成功、失敗、お金、人間関係等に、過度の重要性を与えてはいけないのか、

なぜ、繁栄していた企業や人やお店が、突然、ころがるように業績が悪化して、倒産してしまうのか、
なぜ、過労労働している人たちが、そのまま過労自殺へと突入してしまうのか、など

そういうことが理論的に理解できる。その説明に納得できるかどうかは、人それぞれであろうけど、私には、「なるほど」と、ふに落ちることが多かった。

本書より
「自分の信念に従って生きることを、ただ容認するだけで十分なのだ。あなたを裁く権利を誰ももっていない。あなたはあなたでいる権利をもっている。もし自分でいることを自分に容認できるなら、弁明する必要性は消えてなくなり、罰せられる恐怖は吹き飛んでしまうだろう。すると驚くべきことが本当に起こる」(204ページ「罪悪感」より)

「私たちは何か新しいものを学ぶか、またはすでに知っているお馴染みのことを行うか、どちらかをおこなわなければならない。ここで、問題。両方最も効果的に行うにはどうするべきか? 答えは、単純すぎて、その有効性が信じ難いくらいである。流れに沿って進むという原則に従って、最も単純な方法ですべてが行われるようにする、というものだ」(ページ305)

[イベント]

2008年6月22日(日)(午後1時30分より午後4時30分)
「人をめぐる冒険」の会
詳細・参加申し込みは、下記サイトへ。
http://www.ne.jp/asahi/headless/joy/profile.html

コメント

_ ともか ― 2008年06月28日 00時15分45秒

「振り子の法則…」早速注文しました。彼が説く「なぜ」の答えを早く知りたいです。

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