問題・不運は、(泣き笑い)チャレンジ2008年07月10日 11時06分19秒

コンピュータの突然の故障――それは仕事上の最大の「不運」の一つだ。2週間ほど前、使っているコンピュータの一台が、突然壊れた。そのコンピュータは、使用年数はたっていたが、調子が非常によく、今まで不調の兆しというものが一切なかったので、故障を想像したこともなかった。

そして、そのコンピュータには大事なデータをいくつか入れてあるにもかかわらず、コンピュータの調子のよさを過信して、愚かにも私は時々データのバックアップを忘れていた。その中でも一番重要なデータに関しては、過去1ヶ月分、バックアップをとっていなかった。

ああ、なんというドジなことをしたことかと、一瞬は目の前が真っ暗になり、もてる知識を総動員して必死でコンピュータの修復を試みたが、まったく直る気配もない。専門店へ修理に出して、データを回復してもらうか(それには最低でも数万円のお金がかかる)、どうするか、数日間、考えたあげく、結局、前よりも少し性能のよいソフトを新しく買って、別のコンピュータに導入して、過去の数ヶ月分のデータをもう一度再構築し、入れ直すことに決めた。データをもう一度集めて、それから新しいソフトの使い方をとりあえず学ぶのに、まる数日、それから、また入力するのに、またまる数日かかった。

新しいソフトは、前のソフトに比較して、なんと性能のいいこと(!)。おかげで入力作業がはかどり、一年トータルすると、結局のところ、時間短縮になるようである。

実は前々から、ソフトを変えたほうがいいかなあと、なんとなく思っていたのだが、使い慣れたソフトを捨てて、もっと難しいソフトを学ぶのが億劫であったのだ。それが、こういう事態になって、もう出来ないとか、難しいとか、やりたくないとか言っている余裕がなくなって、何とか使ってみれば、本当に、何とかなるものなのだ。「おお、問題の中に、チャレンジありだな」と、喜んだしだいである。

今回のように、自分の怠慢を責めるのでもなく(しかし、今回のことで、データのバックアップの最重要性を、実に実に実に、痛感した。でも、たぶん私は、時間がたつと、またそのことを忘れてしまうのだ)、問題を嘆くのでなく、まあ、仕方ないと気分よくあきらめると、宇宙はそこに新たなるチャレンジや解決法を見つけてくれることがよくある。迷路(問題)に入ったと思ったら、突然に新しい出口や場所へ出たような感じだ。

こういうことは、日頃の小さい問題で練習して、効果を実感しておけば、大きな災いや問題(それを積極的に好きにはなれないし、実際はツライこともあるけれど)のときにも、「おっと、問題さんが来ましたね、また新しいチャレンジですか」みたいな感覚になれるものだ。

この2週間は、コンピュータの小さい問題がもたらした新たなチャレンジを楽しみながら、

有名な老荘思想の小話、「人生万時、塞翁が馬」の深い人生訓、

「不運がめぐってきても、嘆くな、
幸運がめぐってきても、有頂天になるな」

をかみしめる日々だった。