ダグラス・ハーディングによる神によるクリスマス・プレゼント ― 2021年12月19日 10時56分12秒
今年もまた年末がやって来た。去年はほとんど活動しなかったことに比べれば、何かとても忙しい感じの1年だった。紙の翻訳本が2冊も出て、加えてキンドル版の本も1冊作って、さらに、下記にご紹介するダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」ビデオの日本語字幕付けを完成し、さらにさらにオンラインでの会も開始し、その合間をぬって、母の介護の手伝いにもたびたび出かけてと……ネットの用語で言えば、リア充すぎて(リアルが充実しすぎて)、年末の今、多少くたびれている。これからまた母の介護の手伝いに出かけるので、気合を入れ直している(笑)ところである。
今年なんといっても最大の時間を割いたのは、ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」ビデオの字幕作業だった。私が今まで見たハーディング関連のベストビデオなので、これはぜひ日本の皆さんにも視聴してもらいたいと思い、日本語字幕を付けることにした。
作業自体はとても楽しく、何よりも驚いたのは、16年ほど前、初めてハーディングのビデオに字幕を付ける作業をやった当時に比較して、この分野のAI技術の目を見張る進化である。昔であれば、4時間半の動画の字幕を付けるのに、たぶん数年の作業が必要だったと思う。それがAIのおかげで今はわずか半年間で終わるのだ。
実は、多くの方はすでに知っていることだと思うが、youtubeの動画は今では各国言語への自動翻訳というAI翻訳の機能がついている。だから、オリジナルな英語の動画に日本語字幕を自動で出して、視聴することもできる。私もその日本語字幕を見てみたが、今ではかなりの実力だ。もしハーディングのワークにすでに親しんでいる人であれば、その字幕でもたぶんだいたいの意味は通じるだろうと感じた。
あと5、6年したら、字幕翻訳という仕事や作業そのものがほとんどAIに取って変わられ、ほとんど不要になるだろうと確信した。翻訳や通訳などの外国語に関わる仕事はもはや絶滅危惧職種(笑)になりつつある。そんなことを感じながら、初夏から秋の多くの時間をこの作業に費やした。
この作業をしながら、またダグラス・ハーディングに最初に会ったとき(1994年)のことを思い出した。「頭がない」とか奇妙なことを言っている(その当時はまだ「頭がない」という表現に私は抵抗があった)人が、どんな人なのか見てみたいという強い好奇心に駆られて(私の場合、そんなことはめったに起こることではない)、はるばるアイルランドまで出かけて、彼のワークショップに参加した。そして人生で、「天才」という名に値し、かつ本当に「神の王国」に住んでいる人に初めて出会ったことを確信した。とはいえ、私が出会った頃のダグラス・ハーディングは見かけは、天才というより、とっても普通で面白いおじいちゃんで一緒にいて楽しい人だった。
さて、一つだけ今回のビデオの視聴にあたって注意点を書いておくと、これはダグラス・ハーディングを「見る」ためのビデオではなく、視聴者の方一人ひとりが自分の本質を見るためのビデオで、そういう目的のために企画・制作されたものである。
だから、ハーディングも最初に警告したように、実験をやらないで視聴すると、ただ可笑しい老人が友人たちと奇妙なことをやって楽しんでいるのをただ眺めだけとなり、おそらく退屈するだろうと思う。
(実験道具をもっていない方は、必要な実験道具の作り方は下記に記載してあります――簡単に作れます)
もちろん、実験のポイントが理解できれば、同時に83歳のダグラス・ハーディングの円熟した知性、知識、「神の王国」に住んでいる人の香りも同時に楽しむことができるだろうと思うし、もし一人でも今回のビデオで彼の言わんとしたポイントを見てくださる方がいれば、AI翻訳に負けないように頑張って、字幕作業をやったかいがあるというものだ。
それでは皆様、楽しいクリスマス、年末年始をお過ごしください。来年は1月の終わりか2月からブログを再開する予定です。
2004年12月のワークショップでのダグラス・ハーディングの言葉
「クリスマスの季節がやって来ました。今日、私は贈りものがいっぱい入っている袋をかついでいるサンタクロースです。これは私、ダグラスから皆さんへのプレゼントではなく、神から皆さん一人ひとりに与えられている極上のプレゼントです。私はそのことを伝えにやってきたサンタクロースです。神からのその贈りもの、それはこの地上のどんな物よりも比較にならないほど、すばらしい贈りものです。それは何でしょうか? それは、I AM(私は存在する)です。これほどすばらしいものはありません。これほど、私たちが自然に言えることはありません。誰もが、I AM~ (私は~である)と自然に言いませんか? 今日、私たちはその神からの贈りものに目覚めるための実験をみんなでやります」
ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」1A(約33分)「導入」
ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」1B(約27分)「指差し実験」
ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」1C(約18分)
「目を閉じておこなう実験」
ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」2A(約29分)「対話」
ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」2B(約58分)
「大きい者と小さい者」(カード実験)
ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」3A(約35分)「紙袋の実験」
ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」3B(約48分)「対話」
ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」3C(約36分)「質問」
[ハーディング関連書籍(紙の本)]
『存在し、存在しない、それが答えだ』(ダグラス・ハーディング著 ナチュラルスピリット発行)ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」1B(約27分)「指差し実験」
ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」1C(約18分)
「目を閉じておこなう実験」
ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」2A(約29分)「対話」
ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」2B(約58分)
「大きい者と小さい者」(カード実験)
ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」3A(約35分)「紙袋の実験」
ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」3B(約48分)「対話」
ダグラス・ハーディング1992「誰がここにいるか見なさい」3C(約36分)「質問」
[ハーディング関連書籍(紙の本)]
『頭がない男』(リチャード・ラング&ヴィクター・ラン‐ロックライフ著 ナチュラルスピリット発行)
「ジル・ボルト・テイラー博士」 ― 2021年10月27日 09時40分41秒
[お知らせ]
(本体価格 2,980円 税込み価格3,278円 本文ページ約480ページ)
目次は下記に紹介してあります。
本日も、もう一つTEDの講演動画をご紹介しよう。
「ジル・ボルト・テイラーのパワフルな洞察の発作」
(日本語字幕付き)
研究生活の絶頂にいた脳科学者がある日突然に脳卒中に襲われ、その最中に「私は宇宙の生命エネルギーであり、本当は自分と自分の外側には分離がない」という素晴らしい、いわゆる神秘体験と目覚めが起こり、この講演ではそのときの体験を非常にパワフルにユーモアも交えて語っている。
彼女の経験は、本にもなっていて、日本語にも翻訳されている。
『奇跡の脳』(ジル・ボルト・テイラー著 新潮社)
左脳が壊れた状態は、人生のすべての重荷から解放されて、あまりに幸福で平和なので、入院中、彼女はまた元に戻りたい気が起きなかったらしい(彼女は、その病気の前まで、非常に忙しくストレスの多い人生を送っていた)。でもあらゆる人に、「私たちは宇宙生命エネルギーであり、本当は自分と自分の外側には分離がなく、今ここに愛と平和がある」ことを伝えたいという思いが起こり、8年かけて回復したそうである。
彼女はTEDの講演者らしく、「私たちは宇宙生命エネルギーであり、本当は自分と自分の外側には分離がない」ことをもっと多くの人たちが知れば、地球はもっと平和な場所になるだろうと、締めくくっている。
彼女の語ることは、非二元系の賢者の言うことと共通することが多くあり、スピリチュアル系の人達は、彼女の語るような「生命エネルギー」という言い方を好むだろうが、実は、非二元の教えで語る、私達の本質は、エネルギーの終焉というか、完全静止の場所であり、運動の終焉である。だから、私の理解によれば、彼女が語っているのは、中心から少しだけ、外側の世界なのだと思う。
テイラー博士の話を聞いたり読んだりして思ったことは、いわゆる脳科学者が「左脳」と呼んでいる部分(私たちが普通「マインド」と呼んでいる部分)は、非常に脆弱で、常に大きなストレスの元にあり、そのストレスが少しでも本人にとって、限界を超えると、簡単に損傷し、機能が衰える、様々な病気をもたらす、とういうことだ。
先日のマインドの会でも、どういう思考がマインドにとってストレスをもたらすかを、お話したが、そういったストレスが過度に長い間続くと、よく知られている病気――脳卒中、脳梗塞、認知症など――を発症する確率を高くするようである。
若くして(70代に)認知症を発症した女性を何人か知っている。たぶん、それ以前の生活で、家事や介護や仕事を一人で頑張りすぎたせいで、脳に過度のストレスがかかったせいなのかと想像した――一人で頑張りすぎて、その「苦」を周囲の誰とも分かち合えないのはかなりのストレスのはずである。
ということで、脳(マインド)は非常に脆弱な機械であることを知り、それに過剰なストレスをかけないように、日々充分な睡眠をとり、瞑想、本質を見る実験など(これらは、脳(マインド)を休息させるのに非常によい方法である)を少しの時間でも割いて、実践することを皆様にはお勧めしたい。
もちろんテイラー博士のように、多忙でストレスの多い生活→脳卒中→神秘体験→回復というコースも、それはそれで起これば仕方のないことであるけれど、たいていは、「神秘体験」のないコースのほうが圧倒的に多い(笑)
肉体年齢がもう70代に近づいている今は、エネルギーが高揚する神秘体験よりも、ハーディングが言う、何も起こらない、本質を見るという「谷底経験」(これはある意味では、「人」の「死」の体験である)に、はるかに私は平和と幸福を感じる。だから、加齢による脳の機能が少しずつ衰えることを受容しながら、日々「本質を見ること」を練習し、平穏無事に肉体の死を迎えたいとは思っているが、そううまくいくかどうか……は、「神の意志」(!)でも、肉体の死が起こる前の最後の一瞬に、マハラジが言うように、最後のエクスタシー(たぶん、テイラー博士が経験したようなことだ)があるはずなので、それは楽しみにしている(愚)
目次は下記に掲載してあります。
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(横書き版PDFから1部と2部を収録)
(横書き版PDFから3部を収録)
*「ニサルガダッタ・マハラジが指し示したもの」(ラメッシ・バルセカール著)が、発売になりました。本体価格:2,550円 (用語解説と訳者あとがきも含めた本文ページ数、378ページ)
目次は下記のサイトに掲載してあります。
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*「意識は語る――ラメッシ・バルセカールとの対話」電子書籍版発売。
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*「意識に先立って――ニサルガダッタ・マハラジとの対話」電子書籍版発売。
https://www.amazon.co.jp/dp/B084KPV1XC*「楽しいお金2」電子書籍版発売。
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[電子書籍既刊]
*ラメッシ・バルセカール 『誰がかまうもんか?!』
ヨドバシ電子書籍ストア
*フランク・キンズロー『瞬間ヒーリングの秘密』
*トニー・パーソンズ 『何でもないものがあらゆるものである』
*「人をめぐる冒険」
[新刊発売]
「頭がない男-ダグラス・ハーディングの人生と哲学」
*定価:本体価格2,500円+税 *版型:B5版(フラカラー)183ページ*発行:ナチュラルスピリット
*目次詳細
[シンプル堂電子書籍・音声ファイルの販売につきまして]
シンプル堂の電子書籍と音声ファイルの販売を委託していましたDlmarket が
営業を終了しました。当面、下記電子書籍、音声ファイルの販売はシンプル堂で行います。
ご希望の方は下記シンプル堂までご連絡ください。
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Silence of the Heart (4) ― 2021年09月20日 07時17分32秒
[お知らせ]
Silence of the Heart は、『ハートの静寂』(ナチュラルスピリット発行)というタイトルで10月末に発売予定となりました。
(本体価格 2,980円 税込み価格3,278円 本文ページ約480ページ)
目次は下記に紹介してあります。
今回は、Silence of the Heart 『ハートの静寂』の本について、最後のブログです。
問題だらけの現象世界で、「世界にも個人の人生にも問題は何もない」という彼のメッセージがどこまで理解されるのか、そして、非二元の探究をしている人たちの間でさえも、「問題は何もない」という彼のメッセージがたぶん大きな誤解と混乱を生むかもしれないと感じながら、ロバート・アダムスの言葉を追っていた――本書を読んでいると、「問題は何もない」という彼のメッセージは、彼のサットサンに参加しているほとんどの人に理解されていないことがわかる。
非二元の教えで、「問題は何もない」というときの問題点(笑)はかなり複雑で、その言葉を間違って受け取って、間違った地点に居座っている人たちについては、ロバート・アダムスが本書の中でも所々言及している。それについては改めて別の機会に触れるとして、今回は、ロバート・アダムスが『ハートの静寂』の中で語っている、「私とは何かに目覚めるための」彼の教えを要約してみよう(ただし、彼自身は自分には何も教えることがない、とも言っている)。
「私とは何か」に目覚めるために:
1「私とは何か?」という自己問いかけを真剣に日々おこなう。
2自己問いかけができない人は、「IAM(アイ・アム)瞑想」をおこなう。
2自己問いかけができない人は、「IAM(アイ・アム)瞑想」をおこなう。
3修行というものがまったくできない人は、すべてを神に明け渡す、「私の意志ではなく、神の意志」という自己明け渡しを実践する。
4「自己問いかけ」のワークと同時に、慈悲、謙虚さという徳を実践する。
5伝統的なヒンドゥー教の宗教的戒律を遵守し、非暴力を実践する(完全ベジタリアンの薦め)
6無私で他人に奉仕する
私は、上記の1から3のことは納得したが、正直なところ、4から6の事柄はそれほど心に響かなかった。私はスピリチュアルな教えに、道徳や宗教的戒律を加えるのは好みではない。
もちろん、私だって、自分の国の法律を守り、出会う人には、自分にできる範囲で親切に接する程度のことは心がけてきたが、それは私にとっては人として生きるための常識のようなもので、特別にスピリチュアルな実践というわけではない。
また、自分自身を思いやりや謙虚さという徳をもった人間だと思ったことも一度もないし、積極的にそうなろうとしたこともなく、むしろ私は20代の頃に非常に影響を受けた、ロシアの神秘思想家、グルジェフの「意識的利己主義者であれ」という教えに共感・納得し、むしろそれを実践してきた。伝統的な道徳とか戒律を一切考えずに、スピリチュアルな探求をしてきたことは、自分自身にとってはよかったことだと思っている。そして、他者への思いやり、愛情などは、「私とは何かに目覚める結果」自然に湧くものという、ハーディングの言うことが、経験からその通りだと納得している。
ただ、ロバート・アダムスが、「自己問いかけ」のワークと同時に、慈悲、謙虚さ、奉仕を実践することを強調するのは、非二元の教えの探究者の多くが、非二元の教えを知的に理解することに留まり、その弊害を彼が長年の間たくさん見聞したせいでもあるのかもしれないし、あるいは彼が長年インドで暮らしたせいでもあるかもしれない。
何をすべきか・すべきでないかという道徳・戒律、そして何を食べるべきかに関しては、自分自身の中から自然に湧くものを信頼し、一人ひとりが納得して、世の中の常識・規範と折り合いをつけるべきものではないかと思う――私自身はベジタリアンではないし、基本、自分の好きなものを食べる主義であるが、ただ心がけることは、食料を無駄にしないこと、そして日々食料が与えられていることに感謝を捧げている。
それから、前にも触れたことがあるが、こういった非二元の本、特に講話にもとづいて作られている本は、ある個所と別の箇所で言っていることが、まったく矛盾しているというところが多くみられる。特に今回のロバート・アダムスの『ハートの静寂』にはその矛盾がはなはだしい。
その理由はたぶん、ロバート・アダムスが彼のサットサンに参加している人たちがどんな人たちかによって、日ごとに話すことの重点を変えるからだ。
今日の参加者はもう充分すぎるほど、修行をやってきた人ばかりで、むしろ修行に執着していると見れば、「あなた方はいつまで修行をやっているのですか? 修行が目覚めさせるわけではありません」という感じになり、反対にほとんど修行を何もしない参加者が多くいれば、「修行を頑張ってやってください」というトーンになる。
こういう本を読むときは、そういった言葉の矛盾は気にしないで読み、むしろ彼が全体を通して語っていることの真髄は何かを意識するとよいのではないかと思う。もちろん彼は言葉ではあちこち矛盾しているが、一貫として、今この瞬間に、自分の真我(本当の自己)に気づいて、自分は一個の肉体であるという観念から解放されて、自由になることを語っている。
さて、(1)の自己問いかけに関して、私はほとんどやったことがないと前に書いたが、実は、本書の編集作業の最中に、ロバート・アダムスの言うとおりに、生まれて初めてほんの少しの間、真面目(笑)にやってみた。
いくつかのやり方をやってみたが、一つは:
ある瞬間、突然止まって、マインドの中で「私とは何か?」と単純にただ問いかけることを、一日中、やってみた。もちろんそれには答えはなく、「私とは何か?」のあとに続くものは、ただ沈黙(静寂)だけ……。別のことを考えている最中でも、「私とは何か?」を問うと、瞬間に思考が止まることがわかる。
その質問をする瞬間に、物質世界からのギャップが生まれるという感じである(ハーディングの指差し実験に近い感覚である)。
。
それからもう一つは(こちらはけっこう気に入って、今でも気が向くと、やってみる)、音を追うという方法だ。
お風呂に入るとき、水道の蛇口から、湯船の中に数秒おきに水がほんのわずか落ちるようにする。目を閉じて、その音を聞きながら、「この音は誰のところに来ているのか? 私である。私とは何か?」と問い、音を追いかける。すると、音は自然に静寂へと消えていく。
ポタッ……静寂……ポタッ……静寂……ポタッ……静寂……ポタッ……静寂……ポタッ……静寂
音を追っていると、あまりに心地よくなって、寝入って水槽で溺れないように、しっかり目覚めている必要がある(笑)。よかったら、試してみてください。
*関連情報は下記に掲載されています。
目次は下記に掲載してあります。
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Silence of the Heart (3) ― 2021年09月05日 17時09分32秒
[お詫び]
「スピリチュアル・ヒーリングの本質」(ジョエルゴールド・スミス著)を購入された皆様へ。
著者紹介のページで、彼の著書がすべて未邦訳となっていますが、The art of meditation が『神を識る瞑想の法』(教文館)というタイトルで1960年に出版されています。調査不足で、申し訳ありませんでした。その情報を教えてくださった方に改めてお礼を申し上げます。
著者紹介のページで、彼の著書がすべて未邦訳となっていますが、The art of meditation が『神を識る瞑想の法』(教文館)というタイトルで1960年に出版されています。調査不足で、申し訳ありませんでした。その情報を教えてくださった方に改めてお礼を申し上げます。
[イベント]
オンライン「マインドは何か?探求する会」
日時:2021年9月25日(土曜日)午後2時から午後4時頃まで
日時:2021年9月25日(土曜日)午後2時から午後4時頃まで
詳細は下記へ
コロナ禍の2度目の夏。母の介護の手伝いをし、あとは読書とテレビで時代劇鑑賞、そしてロバート・アダムスのSilence of the Heartの最終作業をして、過ごしていた。(Silence of the Heartは今のところ、10月下旬発売予定です)
今回はSilence of the Heartについてであるが、書こうとした内容を変更して、ロバート・アダムスの死後、彼に関して出たスキャンダルについて書いておこう。
最大のスキャンダルは、ロバート・アダムス本人は若い頃ラマナ・マハルシのアシュラムに行き、最晩年のラマナと一緒に過ごしたと言い、本の中でも何度かラマナのことを話題にしているが、実は彼はラマナ・マハルシに一度も会ったことがないはずだという証言が、昔ラマナ・マハルシが死ぬまで彼のそばにいた信頼できる帰依者の証言としてあがっているという。
私もその話はどこかで少し読んだ記憶がある。でも私は、「本人がラマナに会ったと言っているんだから、警察の犯罪捜査じゃないんだから、別にそれでいいんじゃない」という感じである。
ひょっとしたら、二人とも普通ではないシッディ(霊能力)をもっていたらしいので、肉体次元ではないところで会い、話した可能性もある(笑)。
スピリチュアルな本を翻訳する立場の人間として、私は基本的に本から感じるもの、本に書かれたことからすべてを判断する主義で、それ以外の余計な情報は必要がなければ、ほとんど入れない方針にしている。
本を読んで、書かれていることに真実を感じ、自分にとって役に立つと思えるときは熱心に読み、さらにもし日本の読者の皆さんにも役立つだろうから、紹介しようという気が起これば、翻訳をする、という具合だ。
その過程で、著者というか先生ついては、本を出すことが決まったあとで、必要な情報だけを調べるという感じである。ほとんどの先生には会ったことがないので(Youtubeなどの動画も、翻訳しているときはほとんど見ない)、人柄もあくまでも私は想像するだけである。
もし本を読んでいて、「この先生はちょっとおかしいし、あやしい(笑)」と、私が感じるようであれば、そのときは翻訳する気にはたぶんならないだろうし、本を読むのもやめることだろうと思う。ロバート・アダムスという人に関しては、「この人は普通ではない」とは感じたものの、「ちょっとおかしいかも」とか、「なんかあやしい」とは、私自身は一度も感じたことはなかった。
ロバート・アダムスのスキャンダルは今述べたこと以外にも、死後多くのスキャンダルが出たそうで(それらに関しては私は一切知らないが)、そのせいで多くの帰依者が教えを去ったらしい。
大物の賢者の方々の多くは、死後、あることないこと色々とスキャンダル的なことを書き立てられる傾向があるが、それだけ多くの人たちのアイドル(偶像)になったということだろう。多くの人たちの愛着的愛情の対象になれば、その反対のバッシング(批判)も避けられないという物理の法則のようなもの――芸能人のスキャンダルと同じレベルの話であるけど。
それでも私が今回のブログでこのことについて話題にしたのは、本を買う・買わないの判断のために、一応お伝えしておいたほうがいいかもしれないと思ったからだ。(ひょっとしたら、読者の皆さんに中には、そんなひどいスキャンダルのある先生の本なんか買いたくないという方もいるかもしれない)
*関連情報は下記に掲載されています。
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*ラメッシ・バルセカール 『誰がかまうもんか?!』
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*目次詳細
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Silence of the Heart(2) ― 2021年06月25日 15時49分14秒
[新着ニュース]
オンライン「非二元の教えの理解を深める会」
日時:2021年7月4日(日曜日)午後2時から午後4時頃まで
日時:2021年7月11日(日曜日)午前9時から午前11時頃まで
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[カエル様―ご質問への答え]
今のところ、Silence of the Heart(ハートの静寂)の発売はたぶん秋頃です。それ以上はまだ決まっていません。
本日は、ロバート・アダムス(Robert Adams 1928 -1997)がどんな人だったのか、簡単に書いてみよう。
*関連情報は下記に掲載されています。
(以下の内容は主に、上記のウィキペディアの情報とSilence of the Heart(ハートの静寂)の初版の本(今回出版される本は、改訂版)の情報によります)
ロバート・アダムスは、1928年ニューヨークに生まれる。彼は子供の頃から、ある種のシッディ(霊能力)に恵まれ、またいつも彼のベッドのかたわらに不思議な老人(あとでそれがラマナ・マハルシだとわかる)が佇んでいたという。
子供の頃の彼のシッディ(霊能力)がどういうものだったかというと、欲しいものがあるとき、それがお菓子であれ、玩具であれ、テストの答えであれ、その物の名前を唱えると、それが現れる(!)という、とても便利なもの(笑)だったらしい。
中学生のある日、数学のテストの最中に覚醒体験が起こり(その経験は、Silence of the Heartの中で、彼自身が詳細に述べている)、それ以後、世俗的な物事への一切の関心を失う。高校生のとき、たまたま図書館で見つけた本によって、自分が幼いときにベッドのかたわらにいた老人はラマナ・マハルシだと知る。
またその頃、同じくニューヨークで活動していたジョエル・ゴールドスミス(先月出版された「スピリチュアル・ヒーリングの本質」(ナチュラルスピリット発行)の著者)に出会った。ジョエル・ゴールドスミスはロバート・アダムスの覚醒体験を認めたが、彼は東洋の先生のところへ行くべきだと考え、その当時、カリフォルニアで活動していたパラマハンサ・ヨガナンダ(邦訳本に『人間の永遠の探究』(森北出版)がある)を彼に紹介し、ロバート・アダムスはパラマハンサ・ヨガナンダの僧院に行き、最初はそこの僧になり、一生を過ごすつもりでいた。
しかし、パラマハンサ・ヨガナンダもロバート・アダムスの覚醒は認めたが、彼がいるべきところはここではなく、インドのラマナ・マハルシのところだと言って、ロバート・アダムスをインドへ送り出す。
折よく、親戚が亡くなって、遺産を受け取ったロバート・アダムスは、そのお金をもってインドへ渡り、ラマナ・マハルシのアシュラムへ行き、最晩年のラマナ・マハルシと3年ほどを一緒に過ごす。Silence of the Heartの中で、ラマナ・マハルシについてのいくつかのエピソードを彼は語っている。
ラマナが亡くなってから、彼は17年間、インドを放浪し、その間ニサルガダッタ・マハラジなど、様々なグルたちに出会ったと言われる。
彼は最初教えることを拒否していたが、あるとき「メッセージを伝えなければいけない」という思いが起こり、1960年代にアメリカに戻り、その間結婚もし、二人の子供の父親になり、ハワイ、コロラド、ロサンジェルスなどで教え、最後は1997年にセドナで亡くなった。
はっきりと言って、ロバート・アダムスもジョエル・ゴールドスミス同様に、普通の人ではない。今も述べたように、子供の頃からシッディ(霊能力)に恵まれ、そして、中学生のときの覚醒体験によって、いわゆる自我(エゴ)が全部ふっとび、彼の場合それが二度と戻って来なかったようだ。
スピリチュアルな探求をしてる人たちの中には、10代の頃、ある種の霊的覚醒体験をしたことがある人が多くいるが、でも、ほとんど場合は、自我が普通に戻って来て、また人間クラブ、あるいは時には動物園まで落ちて、人生の様々な艱難、苦労、奮闘を経験しなければならないのが普通だ。
彼の本を読んだりしていると、この人はたぶん特に若い頃、普通の人間の自我を想像するほうが困難だったのではという感じさえする。つまり、彼から見たら、人間が語る個人的苦労、問題、人類の諸問題が、とても可笑しく聞こえたのではないか、つまり、人間が本当は問題がないところに、問題を無限に想像する様子にむしろ驚いたのではないかと思う。
以前一度だけ、彼の講話の録音を聞いたことがある。彼はあまりに静寂の中に佇んでいて、話すことさえ、大変そうだという印象を受けた。つまり、彼の意識が非常に肉体から離れているところにあって、ダグラスやラメッシ、あるいはマハラジとは違って、言葉を使う次元に降りてくることさえ、困難な感じだった。彼が晩年はパーキンソン病、そしてガンを患って、比較的早死にだったのは肉体から離れすぎた意識状態にあったからかもしれないと思う(しかも、彼は体に悪いものは一切食べない、完全ベジタリアンだったにもかかわらず、だ)。
しかし、彼自身は自分の病気の何一つ、状況・状態の何一つ、「問題」だと見なさなかった。彼が本書で繰り返し語るメッセージがいくつかあるが、その一つがこれだ。
(何が起こっているように見えても)、All is well. (すべてはうまくいっている)
*下記のブログにロバート・アダムスが提唱するIAM瞑想のやり方を紹介してあります。
目次は下記に掲載してあります。
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[お知らせ]
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(横書き版PDFから1部と2部を収録)
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*「ニサルガダッタ・マハラジが指し示したもの」(ラメッシ・バルセカール著)が、発売になりました。本体価格:2,550円 (用語解説と訳者あとがきも含めた本文ページ数、378ページ)
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