AI(人工知能)との競争時代2019年04月20日 08時23分04秒

今から10年ほど前に読んだ新聞の記事の内容を最近ちょっと思い出した。それは、何かの学者(だったと思う)が、これからの未来の予想について書いた話で、要旨だけを言えば、「これからの社会は、ロボットを人間化し、人間をロボット化する時代になる」という内容だった。

「ロボットを人間化する」のほうは確実にそうなりつつあることが、多くの人たちに知られてきている。囲碁や将棋では、AI(人工知能)が人間の最高のプレイヤ―を打ち破った話が話題になったが、今、あらゆる分野でAI(人工知能)は人間の思考パターンを急速に学びつつあり、人間の知性を超える可能性も指摘されている。

その衝撃的意味とは、これからは多くの仕事がAI(人工知能)で間に合う、いや、AI(人工知能)にさせるほうが安上がりという時代がやって来るということだ。

たとえば、私は90年代からパソコンに翻訳ソフト(翻訳の仕事のためではなく、自分が書いた英文メールをチェックするために)を入れているが、90年代のソフトは翻訳の精度がひどくてまず使いものにならなかった。それが最近はパソコンに入っている無料の翻訳ソフトもかなりの精度になっている。もうすぐ非二元の本だってまともに翻訳できるかも(笑)、だ。

新しいパソコンは5年前に比べて、AIがはるかにお利口さんになり、いちいち先走って、勝手に設定し、しかもパソコンの親会社に情報を提供する仕様になっている。対抗しようにも、便利さには抗えない(悲)

スマートフォンに入っている無料の翻訳・通訳、音声認識ソフトでさえ、かなりの精度だ。もう海外旅行程度のために外国語を勉強する必要は全然ない。

こういった分野のAIの進化が何を物語るかと言えば、今は高級な仕事だとみなされている通訳や翻訳の仕事さえ、近い未来AIに置き換わるということである。さらに言えば、少しぐらい外国語ができても仕事上たいして有利にもならないということである。「ああ、その程度なら、AIにやらせますから」という時代がもう来ているのだ。

ということは、外国語を必要とする仕事一つとっても、AIに勝つためには、「自分は、AIにはできない何かができる」ことを証明しなければならないということである。

話を、10年前の記事に書かれていたもう一つのこと、「人間をロボット化する」に戻すと、それは、人間から思考能力を奪い、人間を機械の召使いにする、ということである。こちらのほうの進行も恐ろしいくらい進み、一部の学者たちは警告しているが、ほとんどの人は無意識である。

なぜ無意識かといえば、それは怪物GAFA(巨大IT産業の頭文字をとってこう呼ばれている)などによって提供されている無料で便利なものによって私たちは眠らされ、GAFAたちの奴隷になっていることに気づかないからだ。

たとえば、スマホでメールを打つと、ご親切にも言葉を先走って考えてくれる。スマホでメールを打つときにはとても便利な機能なのだが、実は私たちが自分で文章を作る能力を奪っている。本来は自分の力で脳から検索し、呼び出し、選択するべき作業を機械にやってもらっている。

実は一つの言葉に続ける言葉の選択は無限にあるはずなのに、私たちはもうスマホの言うとおりにメールを書く。これも「機械による奴隷化」の一つである。G社のメールではさらにご親切にも、返事のサンプル文章まで書いてあることがある。(人のメールを勝手に読むな、と思うけど、無料のサービスだから仕方がない)

これを長年続けていると、もう自分一人で文章を書くことができなくなる。昔、ワープロ、パソコンが普及してから、漢字を書く私たちの能力が激減した。そして今はAIの進化によって、自分で考え、文章を書く人の能力も激減しつつある。

最近、教育学者が、今のAIはすでに小学6年生の文章読解能力をうわまわっているという調査・研究を発表し、一部の教育界に衝撃を与えた。このままいけば、あと10年したら、大学生の文章読解能力よりもうわまわるだろう。

30年後には、ホテル、居酒屋、その他接客業で、ほとんど人間そっくりな人型ロボットが出迎える時代が来るかもしれない。

では、AIにできなくて、人間だけができることとは何なのだろうか? あるいは、AIがどうしても不得意で、人間が得意なこととは何なのだろうか?

それを一人ひとりが考えることが、怪物GAFAたちが提供する便利さを少しは享受し、かつ完全な奴隷化からは脱出する道であろう。もうキャリアがほとんど終わっているシンプル堂にはどうでもいいことだけど、これからキャリアを作っていく若い世代の人たちは真剣に考えるべきことだと思う。


〔イベント〕

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〔今後の会の予定〕
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8月に想うこと2018年08月30日 15時10分29秒

 8月は季節柄、新聞やテレビでは戦争の話題が多い。この夏も、私の両親と同じ世代、あるいはそれより少し若い世代の人たちの戦争体験記を新聞でたくさん読んだ。

最近は、特に今まで語られなかった話、あるいは今までは語らなかった人たちの話が多く掲載されている--仲間を海に振り落として生き延びた男性の話や戦争孤児の体験記。その他、終戦直後、日本人の集団が生き延びるために、ロシア人に性を提供させられた女性たちの話など。

実は、私が戦争体験記をたくさん読み、母にも戦争時の話を積極的に尋ねるようになったのは、父が亡くなってからのことだ。父が生きていたときは、父のいる前では戦争体験の話は何となくタブ-というか、ある種の地雷だった。この話題を「地雷」にしてしまった遠因は私にあった。

8月のこの時期になると、今でも鮮明に思い出す心痛む思い出がある。私が大学の夏休み(だったと思う)で帰省したときのことだ。夕食のとき、何かのはずみで話題が戦争の話になり、私が「戦争はバカがするもの」と生意気に言ったとき、日本を守るために出兵し、戦ったことが自慢の父が激怒して、それから激しい口論となり、そのあと私と父はかなり長い期間口をきかなかった。もし父が乱暴な人で、私が男だったら、ひょっとしたら口ゲンカではすまなかったかもしれない激しいケンカだった。私は「あの戦争は正しい戦争だった」などという愚かな考えを自分の父親が信じていることが許せなかった。父は父で、自分の子供にプライドをずたずたに切り裂かれてしまい、しばらくかなり落ち込んでいたようだ。

それから私も少しずつ大人になって、父親との意見の違いを受け入れられるようになってからは激しい口論はしなくなったが、今度はなぜ父が「あの戦争は正しかった」という論にそこまで執着するのかを考えるようになった。父は「あの戦争は正しかった」という論を展開する本をかき集めては読んでいた。

そしてあるとき、ようやく気がついたのだ。父の心の根底にはたぶん無意識の(人を殺したか、傷つけたことに対する)罪悪感があって、それを感じないようにするためには「あの戦争は正しかった」と信じるしかなかったのだと思い至るようになった。もしあの戦争が正しくない戦争だったとしたら、自分たちがやったことは犯罪と同じ暴力で、自分たちは英雄どころか、犯罪人と同じ罪人になってしまう。「正しい戦争」だったからこそ、自分たちのしたことに正当性がある、たぶん、父はこんなふうに無意識に考えていたにちがいない。

私の父もそうだったが、戦争へ送られた若い10代後半の若者はほとんどがみな心優しい青年たちだったと思う。元々暴力的でない人たちが無理やり暴力に参加させられたら、それはものすごい罪悪感やストレスを生むはずだ。(という話を、ベトナム帰還兵の人が書いた「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?(アレン・ネルソン著 講談社発行)」という本を読んだとき知った)

戦後しだいに世の中が「あの戦争は間違っていた」という論調に傾くにつれて、父は無意識にますますかたくなに「あの戦争は正しかった」に固執するようになったのだと思う。

父の死後、遺品を整理していたら、父が所属していた戦友会の人たちが戦後作製したらしい手書きの地図と日誌が出てきた。自分たちの部隊が戦いながら歩いた場所が中国大陸の地図上に記され、「○月○日、××君死亡」や「○月○日、××君発病」、「○○一等兵戦死」などの記載もとろどころにある。出兵時の凜々しい父の写真を眺め、「ああ、そうやってたくさんの仲間の死と敵の死を経験しながら、父はやっと日本に帰国したのだ」と思って胸が痛かった--帰国したとき父は23歳だった。

戦争--人類という種の愚かしさの極み--私は今も昔も、戦争に関してこの見解を変えていないが、今では、人類は自分の意志でこの愚行を止めることができないことも理解している。

このことを言ったのは、二十世紀前半に活躍したロシアの賢者グルジェフで、彼は「戦争は惑星と惑星の関係の影響で起こり、無意識である人類はこの影響を止めることができない。だから人類は自分の意志で戦争を始めることも、止めることもできない」という主旨のことを言っている。驚くべきことに、ニサルガダッタ・マハラジにも似たような発言がある。全然別の時代に別の国に生きた二人の偉大なスピリチュアルな賢者が言っているのだから、たぶんこの見解は正しいのだろうが、本当かどうかを証明するのは難しいことだろう。

よりわかりやすい範囲の理由で言えば、戦争とは「愚」と「欲得」と「恐怖心」が三位一体で結集して、頂点に達するときに起こる可能性が最大になるというのが私の印象だ。政治家と国民の「愚」と「欲得」と「恐怖心」--それが一つの国だけでなく、関連諸国の「愚」と「欲得」と「恐怖心」全部が結集したときに、止めようもなく「戦争」という「愚」という結実になる可能性が大きくなる。人類の歴史は「愚」をめぐって展開し、その「愚」の後始末に長い間人々が苦しまざるをえないことを教えている。

スピリチュアルな賢者たちはほとんど国家の話を語らないが、私が今まで読んだ人の中で、20世紀前半から中頃に活躍した偉大なキリスト教神秘主義者であったジョエル・ゴールド・スミスは、人と同じように国家にもカルマがあるという話を書いている。彼が書いたことによれば、国家は自分が犯した過ちを謝罪しないかぎり、そのカルマの影響を受け続けるということだ。またたとえ、国家が正式に謝罪しなくても、その国民は自国が他国民に与えた苦しみを心の中で一人ひとりが謝罪するべきだとも書いている。

彼がこれを書いたとき、たぶん自国アメリカが日本のヒロシマ、ナガサキへ原爆を投下したことを念頭に置いている。アメリカは原爆投下はおろか、それ以後、世界中で爆弾をばらまき続け多数の人を殺してきた愚行を国家としてはほとんど謝罪していない。

ジョエル・ゴールド・スミスは、(政治的な理由などで)表だっては謝罪を表明できないとしても、あるいは表面的には国家に賛成するふりをしてもかまわないが、少なくともスピリチュアルな道にいる人たちは、心の中で一人ひとりが国家の間違いを謝罪するべきだと言っている。

私はジョエル・ゴールド・スミスの国家のカルマの話に納得したので、日本国が犯した愚行に苦しんだすべての他国民に、特に父が戦った中国の人たちに、父に代わって、謝罪と赦しの祈りを捧げている。
 
新約聖書マタイ伝第6章

*(の国)は私が付け加えたものです。

12 わたしたち(の国)の負い目を赦してください。 わたしたちも自分に負い目のある人(国)を赦しましたように。(新約聖書1文春新書版より)



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「そうだ、トルコへ行こう!」(1)2018年07月31日 15時38分34秒

皆様、暑中お見舞い申し上げます。 ブログを再開します。

この春のある日、「そうだ、トルコへ行こう!」と突然に思いついた。思いついたのは突然だったけど、トルコへ行きたいという想いはかなり昔からのものだ。

きっかけは、かなり前「シナン上下」(夢枕獏著 中央公論新社) という本を読んだことだった。シナン(1490年頃~1588年)とは、トルコが誇るオスマン帝国時代を代表する建築家のことである。天才シナンの生涯を描いたこの本を読んで、シナンの作品を猛烈に見たくなって、トルコへ行きたいという想いが募ったというわけである。

私は昔から、自分でもなぜかその理由がわからないままイスラム風の建築が好きだ。実際のモスクをほとんど見たことがないにもかかわらず、モスク風の建築を写真で見るだけでもある種の高揚感を感じる。イスラム教の教えをほとんど知らないし、学んだこともないので、自分でもいつも不思議に思ってきた。

もっと昔の話をすれば、私が20代のとき初めてインドのタージ・マハル(ムガール帝国の皇帝が愛妻のために作ったインド・イスラム文化を代表する墓廟)を見たときの感動にまで遡る。タージ・マハルまで辿り着く列車の旅が大変だったこともあって、タージ・マハルを見た瞬間、その美しさに圧倒され涙が流れた。建築を見て涙が出たのはあとにも先にもそのときだけである。そのとき、タージ・マハルがイスラム建築だと知り、以来私の中でイスラム建築の美しさがずっと印象に残ってきた。

で、この春マハラジの本も終わったので、気分転換に、「そうだ、トルコへ行こう!」と思い立ったというわけである。

本当はイスタンブールにずっと滞在して、シナンの建築だけを見る旅でもよかったのだけれど、自分でアレンジするのも面倒だし、初めてのトルコ旅行なので、先月(6月)、トルコの有名な遺跡、世界遺産、観光地を1週間かけてバスで巡る一般向けのツアーに参加してきた。

旅行会社が主催するいわゆる観光パック海外ツアーに参加するのも、一週間もバスに乗る旅行も初体験だったので、出発前どんなものなんだろうと思っていたが、とても楽(らく)で快適だった。

荷物はもって歩かなくていい、ホテルは五つ星高級ホテル、全行程食事付き、どこでもガイドさんのあとについて行けばいい。海外旅行でこんなに緊張感をもたずにすんだのも初めてだった。最初の頃、ホテルの食事がとても豪華でおいしいので、普段の二倍くらい食べていたら、暑さもあって途中で具合が悪くなり一日ほどダウン。

それでもバスの旅は、風景を眺めたり、風景に飽きたら、ガイドブックを読んだり、スマホをやったり、疲れたら昼寝もできるのでとても快適だった。ほとんどの人がバスの中で爆睡していると、ガイドさんから突然「皆さん、ギュナイドン(トルコ語で、おはようございます)。起きてください。もうすぐドライブインです」とアナウンスがあり、ほどなくドラブインに着くと、少ない休憩時間でトイレに行ったり、チャイ(安くておいしいトルコの紅茶)を飲んだり、売店でおみやげを買ったりとかなり忙しい。

最初、イスタンブールに二日ほど滞在して、この街の世界遺産や有名な観光地を駆け足で見てまわった。イスタンブールという街、そしてトルコという国は過去数千年の間に様々な民族、宗教が支配し、その意味では日本や日本の都市とは全然異質の歴史をもっている。今日、観光客が見てまわっている有名な世界遺産、遺跡は多くの民族、宗教に支配されてきたトルコの歴史そのものなのだ。
 
イスタンブールの街はモスクなどが見えなければ、ほとんどヨーロッパの街に似ている。ツアーなので街歩きはほとんどできなかったが、ブラブラ歩いたら楽しそうな街である。盛りだくさんな世界遺産、いつくかのバザール(観光用なので地元の人はあまり利用しないとか)、そして洒落た町並みとボスフォラス海峡。

でもここが現在イスラム教の国だということを感じさせられたのは、イスタンブールに滞在中、一日に数回突然、街中に祈りの声が響いたことだ。早朝や夜ちょうど眠りかけた頃に、突然の大音響の祈りで目が覚め、しばらく祈りの声をベッドの中で聴いていた。祈りの声で目覚めさせられたにもかかわらず、不思議なことに祈りの声はなぜか耳に心地よかった。


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動物園のセクハラ2018年05月01日 10時57分00秒

昔、知人が、「ありがとうを唱える」教えで有名な小林正観さん(何年か前に亡くなられたそうである)の本の一部をコピーして送ってくれたことがある。

私は「ありがとうを唱える」教えのほうは実践したことはないが、そのコピーの内容には啓発されるところがかなりあった。テーマは「男はとても弱い生き物なので、女性の皆さん、そのことを理解し、くれぐれも男性をいじめないでください」というほとんど嘆願とも読める内容である。
 
その内容を下記に一部引用すると、

「人間の体には、約4000ccの血液があります。男性はそのうち1000cc を失った段階で出血多量で死にます。男性はいくら偉そうにしていても、もともと生命力が弱い。女性は、4000cc のうちなんと3000ccを失ってもまだ生きています。
 
1000cc失うと死んでしまう男は、弱いということを悟られたくないがために、2000cc失っても死なない風に見せようと威張ってみせてきました。弱いものほど威張りたがるということ。(中略)
 
どれだけ男が弱い存在であるかということを、女性のみなさんにぜひわかっていただきたい。そのことを知ったら、くれぐれも弱いものいじめをやめてあげてください。女と同等かそれ以上の強さが男にあると錯覚しているから、どんなことにも男がちゃんと耐えていけると誤解するのでしょうが、男はものすごくかわいそうでいたいけな存在なのです。まともにわたりあうのはやめましょう。(中略)

ちゃんとしている女性からみると、全部正しいことを言っていればそれが男性にも伝わるはず、と思っているのではないでしょうか。理解しているのにやらないのだと思って頭にきていたのでしょうが、完全に誤解です。『理解できない』のですから。理解した上でやらないのではなく、理解する力が無いのです。(中略)

男は、理屈や理論や正論で動く動物ではないのです。男は理性的で女性は感情的だと思われていますが、まったく逆です。男は好きか嫌いかでしか動かない。女は正義や正論を信じることができて、そっちのほうが感情より優先します。正しいと思ったら、やり方を変える。正しくないと思ったら即座にやめることができる」(得する男女関係  「究極の損得勘定」小林正観著


このコピーを読んで、それまでの人生経験や生物学から学んだことからぼんやりと感じていたことを再確認し、「これからは男性にもっとやさしくしよう」(笑)と思ったものだ。特にその当時まだ生きていた父親にそれまでかなり冷たかったことを反省し、これからは父親にできるかぎりやさしくしようと心に誓った。

さらにこのコピーの他の箇所では、男性が何よりも必要としているものとして、「女性からの称賛」ということも非常に強調されている。男性は弱いゆえに、女性からの称賛、支援、つまり愛情を非常に必要としているという内容である。

そこで、「生物学的弱者としての男」という観点から、お偉い男性方の最近のセクハラ騒動や援助交際騒動を考えてみると、彼らが地位や名誉、家庭を失う危険性をかえりみず、それでも女性たちからの称賛や支援を求めざるをえない切ない習性を理解できる(その習性は生物学的用語では、「交尾のための求愛行動」と呼ばれている)。

女性記者にセクハラをしたとされる高級官僚はセクハラを否定しているそうであるが、人間的理性の働かない動物脳状態では、彼の言っていることはもっともなことである。彼はセクハラしているつもりはまったくなく、高級官僚というブランドを精一杯バタバタさせて、「どうだ、おれはこんなにすごいオスなんだぞ。交尾させろ!」と必死に女性に求愛しているのである。頭のいい知的な記者をくどくにしては、求愛の言葉にまったくセンスがないのが笑えるところだけど。

セクハラしたと女性から訴えられる多くの男性は、今述べたように彼らの動物脳の中では、セクハラという認識ではなく、むしろ自分は女性によいことをしていると勘違いしている人が非常に多い--自分は女性の魅力や能力をほめている、あるいは女性を励ましていると思い込んでいる。

ここで動物脳状態と人間脳状態の違いを述べておくことは役立つと思う。

人間脳状態とは、理性が働いている状態で、自分の言動がもたらす結果を予測し、状況に言動を合わせることができる状態である。職場の女性に言ったりやったりすれば、セクハラになる言動も、妻や恋人に対してやれば、それは愛情表現になりうる場合もある。状況に合わせて相手の立場に立って言動を使うことができたら、理性の働く人間脳まで進化したということである。

それから動物脳に特有なことは、対等や平等という観念を理解できず、目の前にいる人は、自分の言うことを聞くべき目下の者から、自分が言うことを聞くべき目上の者かのどちらかである。だから、平気で女性を自分のヒーリング・グッズのような物として扱うことができるのだ。

以上のことをまとめれば、(男性による)セクハラの悲劇とは、私の考えでは下記の理由が複雑にからまって起こるのだろうと思う。

1男性が非常に弱い生き物で、女性の愛情(支援)を非常に必要としている。

2脳が動物状態なので、自分の目の前の人を尊重して対応することができない。


3人間関係の距離や状況を読み解くコミュニケーション能力の不足。

では、セクハラの悲劇を防止するにはどうすればいいかといえば、一人ひとりが人間関係について学び、特に男と女の一般的違いについて、本や日々の経験から学び、そして特に他人の立場に立つ練習をすることだと思う--少なくとも私たちが動物園の住民ではないならば。あらゆる組織の中にゴリラやチンパンジーのような人たちがたくさんいる「サルの惑星」状態の地球上で、セクハラやパワハラから逃れるためには、人は本当に賢く(時にはずる賢く)なる必要がある。

私にとっては生物学や進化論の本が非常に役立ったので、生物学や進化論の知見を広め、男女間のコミュニケーション・ギャップをうめるためにも、普通の人向けに「動物園から神の王国へ」(PDF版販売中です)を書いたのだ。    

さて、以上のような「男は生物学的にも精神的にも弱い生き物」  という論に、「男(私)はそんなに弱くない」という反論(特に男性の皆さんからの)もあるかと思う。もし本当にそう言い切れる男性がいるなら、それは大変素晴らしいことだと思う。

強さの一つの証拠は、「自分には○○が必要」という観念がないことであり、もし男性が女性の称賛や愛情をまったく必要としないならば(=依存しないならば)、その男性は強い存在であるということである。

話は飛ぶが、ニサルガダッタ・マハラジのような賢者がなぜ「強い人」なのかといえば、「私はこの世の中の何も必要としていない」と彼が本当に言い切れるからだ。マハラジは何も必要としていないが(彼は信者や弟子、帰依者さえ必要とはしていなかった)、必要なものは自然に集まるそういう神の王国に住んでいたのだ。

彼が「私は勇気と自信を皆さんに与えている」と言うとき、それは「強い人」になるためのレシピを彼は与えているという意味でもある。それは小林正観さんが書いたような、女性たちへの嘆願を(あるいは誰への嘆願も)必要としない境地である。

最終的には非二元の教えの探求者たちが目指す(「目指す」という言葉は本当は適切ではないが)境地は、マハラジのように「強く」なることだが、その強さとは、自分の弱さや動物的欲望、肉体感覚を抑圧したり、強いふりをしたりすることによって達成できるわけではない。自分はスピリチュアルな探求をしているから、動物的欲望から解放されていると思い込むのは危険なことである。むしろ、自分の弱さや動物性をどこまでも正直に誠実に見て、それを受容していくしかないのだと思う。
 
[イベント]
 
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[お知らせ]
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[ゆか様への質問への答え]
 私がダグラス・ハーディングに尋ねた最後の質問については、機会を改めて書きたいと思います。


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恐怖ビジネス2017年05月26日 14時31分38秒

 現在、私が全世界の国の中で一番関心をもっている外国が北朝鮮(笑)だ。 なので、ネットでけっこうな量の北朝鮮情報を読んでいる。

なぜあの国に関心をもつかといえば、一つは隣人(隣国)であるという理由であり、もう一つは北朝鮮はジョージ・オーウェルの名作「1984年」(本書は1949年に出版されている)で描かれている独裁システムのまさに生きた見本だからだ。
 
北朝鮮の歴代の金一族の方々が「1984年」を読んで、独裁システムを作る参考にしたとも思えないし、私が知るかぎり地球上の過去・現在の独裁国は皆非常に似通っている事実から考えてみると、独裁システムには人類共通の何かがあるに違いなく、そこが社会学的研究に値すると私は思っている(私は社会学者じゃないけど、勝手に研究している)。「1984年」の本も、小説という形態ではあるが、どちらかというとすぐれた研究書という感じである。

で、先日も、北朝鮮の内情を特集したテレビ番組をネットで視聴していた。その番組には二人の脱北した女性(一人は北朝鮮の女性で、もう一人は日本人の女性) と、北朝鮮の内情を世界に発信している日本人のジャーナリストが出ていて、北朝鮮にいる協力者がこっそり撮った動画を映しながら、自分たちの経験を語っている。

彼らのいくつかの話が興味深かった。一つは、現在の北朝鮮は1990年代よりも食料事情はかなりよくなっていて、日常品を売買する市場まであるという。90年代は社会主義的配給制の元で、たくさんの飢餓者が出たそうだが、皮肉にもそれが完全に崩壊して、国民が勝手に自分達で小さい商売をやるようになってから、食料事情はよくなったということである。

それから興味深かったのは、日本人ジャーナリストの人が、なぜこんなにひどい体制なのに、北朝鮮の国民が金体制に反乱を起こすことができないかを説明した理由だ。

それは全国民に対する徹底した恐怖思想教育で、金一族に逆らうと、どれほどひどい目に会うかを子供の頃から徹底的に骨の髄までたたき込まれる。すべての国民が守るべき10箇条が書かれた本が配布され、時々、地域の人たちが集まって、自分がどれだけそれに従って生活しているか、従って生活していないかを告白し合う反省会のようなものをおこなう。その反省会がまた興味深く、まず全員が自分の反省点を語り、それから出席している他の誰かを名指して、批判するという具合だ。

これは人々を恐怖に縛り付けるものすごい頭のいい方法である。自分だけが反省するのではなく、他の人を名指しで批判する。そうすることで相互監視システムができあがり、他人をよく監視すればするほど、「よい国民」だと思われ、上層部に気に入られ、体制の出世街道を上っていけるといわけだ。これはかつてのソ連、東欧など、すべての独裁的社会主義・共産主義にも採用された方法である。

今、制作しているダグラス・ハーディングのグラフィック伝記「頭がない男」(この夏に発売予定)に、ダグラス・ハーディングが20代の頃に共産主義に共感し、1936年に、同じく政治に関心をもっていた妻と一緒に、スターリン粛清時代のソ連を実際に訪れ、その貧困と恐怖の現実をまのあたりにし、驚愕したことが描かれている。

なぜ高遠な理想――すべての人の平等、すべての人の豊かさを約束する共産主義が、その正反対なもの―――恐怖と貧困と暴力、指導者たちの腐敗と堕落、そして特権階級の形成、極端な階級社会に墜ちてしまうのか? 共産主義の堕落は、宗教の堕落とまったくそっくりでもある。

すべての宗教の創始者は、愛と慈悲、許しを教えたにもかかわらず、宗教の歴史は暴力と搾取、指導者たちの堕落と、理想とは正反対なところへ墜ちていくのが通例である。

実は、今回のブログのタイトル、「恐怖ビジネス」という言葉は、 最近見たインド映画「PK」の中で使われていた言葉である。この映画は、世界的大ヒットとなった「きっと、うまくいく」(原題three idiots)で主演したアミール・カーンがPK役を演じ、いわゆる宗教というものが硬直化し、空疎な儀式や観念に堕してしまった現代のインドの宗教的風土を軽くからかった娯楽映画だ――(PKという言葉は、インドの人々がおかしな人々をからかうときに使う言葉、酔っ払い=おかしな奴。他の惑星から地球を調査するためにインドに降り立った主人公が、宇宙船を探すコントローラーが盗まれたために、インド中を放浪する羽目になり、あまりに言うことが可笑しいため、インド人からPKと呼ばれる)。

宗教大国のインドの貧困もまた、国民があまりに宗教的観念に縛られ、恐怖心にもとづいた宗教活動にエネルギーを費やしているからだ――もし私が○○をしなければ、あるいは○○をすれば、グルに献身しなければ、グルの言うことを聞かなければ、病気になるとか、ひどい目に会うとか、死んだあと地獄へ行くとか、来世にひどい境遇に生まれるとか、あるいは、多額のお金を払えば、悟る方法を伝授するとか、そうやって「恐怖心」や「希望」をあおって、インドでは宗教が多数の信者からお金を吸い上げるビジネスが非常に盛んである。

さて、宗教にしろ、共産主義にしろ、なぜ人間はこんなに「恐怖ビジネス」に弱いのだろうか? それは私が思うに、人類という種が他の生物との闘争を勝ち抜いてきた理由にある―それは「集団の力」である。一人ではひ弱なので、集団で団結して敵と闘う。だから、自分が所属している集団――家族、地域社会、宗教教団、会社、国家の中で、集団の規範に絶対的に従うように求められる。集団の規範に逆らう者は集団の存続を危険にさらすので、罰を与えなければならない、という具合だ。その罰を与える理由のためには、絶対的権威、絶対的に正しい存在が必要で、政治であれば、金一族とか、スターリンとかヒットラーが必要で、宗教であれば、神とか仏とか、グルとか師が必要である。

そして、人間が感じるひ弱さのさらにもっと根源をさぐれば、それは「私は一つの死すべき肉体である」という肉体との一体化がある。そこから肉体にまつわる無数の怖れが派生する。もし人が、自分がどれほどの怖れに取り込まれて生きているのかをじっくりと眺めてみるなら、滑稽なほど多種多様である。そして、どれほどの恐怖ビジネスが世の中では知らずに仕掛けられているのか、はびこっているのか、恐怖がビジネスになるのか、知ったら驚くものだ。

日本では、絶対的な神も仏も独裁的指導者もいないように見えるが、では、何がその「権威」の代わりだろうか? それはたぶん、「世間」、「みんな」、「ご近所」、そして「親」あたりが、権威である。たいした権威には見えないかもしれないが、実際は人々の生活を非常に縛っている。日本人の多くが、もし私が○○をすれば(しなければ)、「世間」、「みんな」、「ご近所」、「親」にどう思われるか、何と言われるかという恐怖心をもっていて、そこを狙ってたくさんの恐怖ビジネスがおこなわれている(子供のいる老人たちを狙う、振込め詐欺もその一つだ)。

人類と呼ばれる種の社会は、善意と生存の名の元に、代々怖れを子孫に伝え、そうやって恐怖が人々をコントールする道具となってきたのである。

だから、「恐怖ビジネス」を甘くみてはいけない。怖れは私たちの骨の髄まで根深く染み込んでいるので、タマネギの皮をむくように、私たちが無意識に怖れているものの正体を一つひとつ尽きとめ、それが「幻影」に過ぎず、何のパワーももっていないことを自分自身で確認する必要がある。私たちが信じないかぎり、「幻影」は権威にはならない。

私もこうやって怖れについて考え、書くとき、自分自身にとっても自分の中に残存している怖れを見る機会でもある。面白いことに、若い頃あった怖れはもうほとんどいないのに、若い頃は想像したこともない怖れが新たに出てくることに気づき、驚くことがある――たとえば、将来歩けなくなる怖れとか、親しい人たちが全員先に死んで一人取り残される孤独の怖れとか、老いにまつわるものがほとんどだ。もちろんそれらはすべて妄想で(なぜかというと、今の現実ではなく、想像にしか過ぎないので)、掴んで信じたりしなければ、別に問題でもない――ああ、かわいい怖れよ、という感じである。

また怖れは、私たちを収縮させ、創造力と活力を奪い、貧困へと転落させる原因にもなるものだ。恐怖が支配する独裁国や宗教国がほとんど貧乏なのはそういう理由である。

ここに私たちがスピリチュアルな探求をする理由の一つがあるのだと思う。私たちは怖れにまみれて生きて死にたくはないし、あらゆるところで仕掛けられている恐怖ビジネスの餌食になりたくはない(笑)ですよね?

本当のところ、私達を生かしているのは、外側の神でも仏でもグルでも世間でも集団でもなく、私(たち)自身の内なる本質である。あらゆる真正なスピリチュアルな教えが教えているのは、怖れからではなく、内なる喜びと愛から生きることができる可能性である。

それは社会全体、地球全体で全員が一緒には無理だとしても、一人ひとりにはそう生きることができる可能性があるという教えである――様々なことを学び、少しずつ怖れから解放されて、自分の内なる本質に辿り着き、そこで生きる――自分に一番近いところへ行くのに、ものすごい時間のかかる長い旅をする――いつ考えてもスピリチュアルな旅とは奇妙なものだが、この奇妙な旅を心ゆくまで堪能し、(今後のこの国のことはわからないけど、さしあたって今のところは)許されている環境に生きている幸運をありがたく思うのである。

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愛国と防衛2017年04月24日 08時14分39秒

先日、「ダグラス・ハーディングの会」のために岐阜市を訪れた。岐阜県に降り立つのは何度目かだが、岐阜市に来たのは初めてだ。岐阜市在住の方に車であちこち案内してもらい、ちょうど桜が満開の岐阜市内とその周辺地域を散策した。岐阜県の魅力や歴史についても色々と教えていただき、日本再発見という感じである。

ついでに養老郡まで行って、荒川修作さんの有名な作品である、養老公園にある「養老天命反転地」も訪れ、何とか転ばずに歩くことはできたのもものの、彼がこの公園にこめた意図―「死ぬという宿命を反転する」――は、残念ながら私には理解できなかった。

日本の町を歩くといつも思うのだ――ああ、なんて日本はいい国なんだ、地上の天国だなあと――風景は美しい、町は清潔、食べ物はおいしい、人は親切、汽車は遅れない――日本のよいところを数え上げるときりがない――愛国同盟の一員になったみたいな気分だ(笑)。もちろん私は、海外へ行けばその国のよいところを認め、その国を愛する者になるけど。
 
大学生の頃、私はよく日本国内を旅行したが、その時代は気分が暗かったので、旅の風景もそれを反映して、何となく暗い印象が思い出に残っている。若い頃は自分のことで精一杯で、自分が見ている風景・環境、あるいは住んでいる日本という国に思いをはせる余裕がなかったのだ。ようやくのんびり平和に風景を眺めることができる愛国者になれて、うれしい気分である。

「愛国」という言葉は、政治的な意味合いで使われることが多い気がするが、「自分を愛する」ことが自然なことで、政治的なことではないように、「自国を愛する」ことも、どこの国民にとっても自然なものだ。

ただし、他者を貶めて、その比較による自己愛が本当の自己愛ではないように、他国を貶めて語る愛国も本物ではないと私は思っている。

そして、愛は、自己に対するものにしろ、国家に対するものにしろ、親に対するものにしろ、「愛すべき」として強制すべきものではないし、道徳的なものでもない。それは自然に生まれるときにしか、本物ではない。

私の考えでは、その国に今いった意味での愛国者が多いほど、国家は安定し、強いものだ。そして、世界に日本の友人が多いほど、つまり、世界で日本や日本文化(日本語)を愛し、関心をもつ外国人が多ければ多いほど、日本はより強くなるのだ。 「関心=愛=パワー」である

話は少しそれるが、最近、youtube で非常に上手な日本語を話す外国の若い世代の人たちの動画を見たことがある。彼らは日本のアニメや漫画から日本語を学んだという。彼らは非常に日本びいきで、ありがたいことに日本と日本文化に純粋な関心をもっている。

アメリカにこびて、防衛費を増やすくらいなら、世界で日本語や日本文化を学んでいる人たちのためにそのお金を使って、日本語と日本文化の普及に努め、世界中に日本のファンというか応援団を作るほうが、これから数十年の日本という国のパワーアップと防衛に、はるかに役立つはずだと、私は思っている。

そんなふうに最近時々、愛国と防衛について考えて楽しい気分になっていたら、地上の動物園(政界)では、日本の防衛のリーダーである安倍首相と稲田防衛大臣は、愛国同盟の同志に裏切られて、崖っぷちではないか!  自分すらまともに防衛〈弁護〉できない人たちが、朝鮮半島に戦争機運が高まっている状況で、日本のリーダーとして他国とタフな交渉ができるのかどうか、心もとない感じではあるが……

しかし、私のモットー、「在るものを受容し、ないものを嘆かない」に従って、安倍首相と稲田防衛大臣の存在を受容し、辛口の応援をすることにしよう。

「昨日の友は今日の敵、今日の敵は明日の友」という動物園のルールをよく理解して、 日本国の領土に爆弾やミサイルが落とされないように、倒れるまで頑張ってください!


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創造(構造)と破壊(混乱) (2)2017年02月22日 09時29分45秒

 熱力学という学問の発展の歴史を読んでみると、なかなか興味深いものがある。それは蒸気機関の効率を向上させるために18世紀に始まった学問ながら、現在はあらゆる現象にその考え方を応用することができるとされ、この世の様々な事象はなぜ起こるのかに対する科学的な答えを提供している。

その深遠で平凡な答えとは、一言でまとめると、

エントロピー(無秩序の度合い)が常に増大する方向へ物事は変化する」というものである。

たとえば、私たちの日常でよく見られる現象を挙げれば、
(外から熱を加えなりかぎり)50度のお湯は自然に冷めて、周囲に熱をばらまいてエントロピーを増大させる。熱は自然の状態では温度の高いほうから低いほうへ流れる。なぜなら、これがエントロピーが増大する方向だからだ。

そして、奇妙なことに、熱力学の深遠な第二法則(エントロピーの法則)によって、宇宙は常にエントロピー(無秩序の度合い)が増大する方向が自然でありながら、私たちのまわりには仕事をするたくさんの構造体(人類を含む生物、乗り物、惑星、国家など)が出現しているということである。確かに現象的には私たちのまわりの物質世界は構造体だらけで、(災害等でなければ)混乱を見るほうが少ない。

これはなぜかと言えば、常にエントロピー(無秩序の度合い)が増大するという熱力学の法則に実際は反しているわけではなく、仕事をして構造体を作る過程で、よりたくさんの混乱が生まれ、総量としてはエントロピー(無秩序の度合い)が増大するからだ。逆に言えば、エントロピー(無秩序の度合い)が増大するゆえに、仕事が為されるということである。

たとえば、車などの乗り物は、ガソリンを消費して仕事(動力)を生み出すが、その過程で必ず廃熱を生み出し、排気を必要とする。廃熱を生み出すことで、最初より環境のエントロピー(無秩序の度合い)を増大させる。
 
人類の活動(仕事)はたくさんの廃熱を生み出し、それが現在の地球温暖化の問題となっている。廃熱を出さずに、つまり、環境のエントロピーを増大させることなく、人類は活動することはできない。これは人類がかかえるジレンマなのである。

私が今こうして、皆さんに読んでもらうために秩序ある文書を書こうと奮闘している最中にも、私の心身を通過するエネルギーの一部は廃熱になり、環境のエントロピー(無秩序の度合い)を増加させ、地球温暖化に加担しているはずだ(笑)。

さらにエントロピーの法則から、こういったメンタルな活動を考えてみれば、一部の人たち(文章を書くことを仕事にしている人たち)が、文章という秩序だった構造体(作品と言われるもの)を頑張ってたくさん作るゆえに、それ以外の多数の人たちの思考領域に混乱が生まれる、とも言えるのだ(苦笑)。

エントロピーについて学ぶと何が興味深いかというと、それは人間を含む生物も、エンジンで動く乗り物も、地球や惑星、太陽などの天体も、そして国家などの社会組織も、熱力学の観点から見ると、すべて「エネルギーを消費して仕事をする構造体」と見なすことができ、同じように考えることができるという点である。

人間そのもの、そして地球そのものが太陽エネルギーを消費して、仕事(創造活動)している機械なのだ。創造活動というと聞こえがいいが、その結果エントロピーを増大させ、つまり破壊や混乱を作り出し、その混乱によって事象が変化しつづけている(これがいわゆる「進化」と呼ばれるものの実態である)。
そのことを冷めて語るのか、あるいは熱く語るかは、科学者の間でも多少態度が異なるものだ。前回紹介した2人の専門家の言葉をまた紹介すると、

「世の中は、放っておけば自然に「でたらめ」になっていきます。これは大原則であり、『エントロピー増大の法則』 は決して侵されません。しかし、ある程度のエネルギーが環境から与えられると、ある局所的な部分において、あたかも『エントロピー増大の法則』に反するような現象が生じます。この現象は、『エントロピー増大の法則』の大原則から見ると、大きな流れの中にたまゆらにできた渦のようなものです。(中略)この△H環境は、『エントロピー増大の法則』の大原則に逆行する奇跡を地球上で成し遂げて来ました。(中略)

多くの原始宗教が太陽を神としましたが、これは非常に理にかなっていることです。太陽からのエネルギーの最も重要な効果は、秩序の形成です。つまり、宇宙原理である『』エントロピー増大の法則』の大原則に逆行するには、エネルギーの供給が絶対に必須であるということです。先に述べたように、極めて大きなエネルギーを与えてくれる太陽があってこそ、私たち人類は誕生することができました」
 (「熱力学で理解する化学反応のしくみ」 (平山令明著 講談社) 

一方で、非常に冷めて語るのは、アトキンスで「エントロピーと秩序」(日経サイエンス社)の本を下記の文章で締めくくっている。
 
 「私たちはカオスの子供である。何かが変化するとき、その奥底では腐敗が起きている。根底にはただ、崩壊があるのみで、カオスがくい止めようのない波となって、押し寄せてきている。カオスになることは何も目的ではなく、あるのは、カオス状態に向かう方向だけである。宇宙の内部を奥深く冷静に見ると、このようななんとももの寂しい真理が見えてくるが、これこそ私たちが受け入れなければならない現実なのである。

とはいっても、まわりを見まわして、そこにある美しいものをながめるとき、あるいは意識の中をのぞきこんだり意識を自覚するとき、そして人生の楽しみをいくぶんもつようになるとき、宇宙の中がまえよりずっと豊かなものに思えてくる。しかし、これは人間の心情であって、頭ではこのように考えるべきではない。科学と蒸気エンジンのほうがずっと崇高である。科学と蒸気エンジンが手を組んで、複雑さの中に潜んでいる壮大な単純さを明かりにさらすからである」

冷めて現象を見るにせよ、不思議に思って見るにせよ、世界は混乱(カオス)によって進むという事は、熱力学という学問が発見した科学的な事実である。

エントロピーの法則から私たち素人が学ぶべきこととは、創造の裏には破壊があり、構造(秩序)の裏には混乱(カオス)があるということである。だから、前回も書いたように、創造(構造)→破壊(混乱)→創造(構造)は自然のサイクルであり、もし創造(構造)を喜ぶべきだとしたら、破壊(混乱)も喜ぶべきだということである。
 
ただし、創造しすぎると、つまり、無理に仕事をしすぎること=無理に構造や秩序を作りするぎると、破壊や混乱も早急に起こりやすくなる(起こる確率が高くなる)ことも理解するべきことである。最近、よく話題になる過労死や過労自殺の問題も、エントロピーの法則から考えれば(常識的に考えてもそう言えるが)、仕事をしすぎるので、大規模な破壊(極端な場合は人間構造体の死)も起こらざるをえないということである。

そして政治の世界にもエントロピーの考え方は応用できる。アメリカの新大統領トランプさんのように、極度に自分勝手な秩序を早急に築こうとする指導者は、いっそうの混乱(カオス)を国の内外に生み出し、まさにアトキンスが言うように、「カオスがくい止めようのない波となって、押し寄せてきている」……
 
もし次に、自分の世界の中の何かの構造体が突然壊れることがあったら、たぶんどこかで頑張りすぎたか、無理をしているか、無理をさせすぎているか、物事をコントロールしようとしすぎたか(コントロール願望=自分にとって都合のいい秩序を作りたいという願望)、だと思って振り返ってみるといいかもしれない(私も今年は新年早々、まわりの小さな構造体の一部が突然数個ほど壊れ、慌ただしい一年の始まりとなった)。


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創造(構造)と破壊(混乱=カオス) (1)2017年01月23日 07時45分23秒

 皆様、あけましておめでとうございます。

 今年も、適当にゆるくブログを書いていく予定ですので、お暇なときにお付き合いください。

今年は、久しぶりに科学の話から書こうと思い立った。
 
昨年、何度か東京の街(新宿や渋谷)へ行って感じたことは、2020年の東京オリンピック開催の影響なのか、建築工事(オフィスビル、ホテルの建築、道路工事など)が非常に多いということだ。そして、私が住んでいる首都圏の街でも、ここ5年くらい新築マンションの建築が続いている。

素人の素朴な感覚から言うと、「人口が減っていく時代に、おいおい、そんなに新しい箱物をどんどん造って大丈夫なのか?」  という感じである。

箱物(コンクリート製の建物)  の建築現場を見かけるときに、よく思い出す文章が、イギリスの著名な化学者であるピーター・アトキンスの本、「 エントロピーと秩序 」(日経サイエンス社)の中の次の文章だ。

エンジンは、レンガ、ブロック、鉄骨などからビルをつくりだすことができる。しかし、これは『破壊』の結果としてできあがったのである。」  ( 115P「5章カオスの力」より)

構造の一様性は、ほかのどこかがその犠牲として乱雑な状態になって、はじめて現れる。世の中のある部分に構造ができて一様性が現れるのは、それと同時に、ほかのところが大きな規模で乱雑状態へ崩壊していく場合である」(274p9章「カオスがつくりだす模様」)
 
以上の有名な熱力学の法則(一般的な言葉では「エントロピーの法則」と呼ばれるが)をもう少しわかりやすく言えば、

何かの構造物を造るためには、破壊(混乱=カオス)が必要である、ということである。つまり、じゃんじゃん箱物を建築するためには、それ以外のどこか他の場所でじゃんじゃん破壊(混乱)が必要ということである。

もちろん、創造(構造建築)と破壊(混乱)のバランスが取れていれば、別に問題はないわけで、創造(構造)→破壊(混乱)→創造(構造)というサイクルは自然のサイクルでもある。

しかし、日本の建築構造物に話を限れば、日本全国で使われていない非常に多くの老朽化したビル、人が住んでいない家屋が何もされずに放置されている現状を見ると、建築構造物の創造と破壊のバランスが取れているとは言えない感じである。

本当は、人が使っていない老朽化した建物・家屋をまず壊すか、リノベーション(全部を壊さず、必要なところだけ新しくすること)するほうが順番が先で、それから必要な新しい建物を造るべきなんだと思う。しかし、新築の箱物を造ることはお金が儲かるので、すぐに事が進行するが、老朽家屋の破壊やリノベーションは時間がかかり、お金も儲からないので遅々として進んでいないようである。

この日本の建築構造物の創造と破壊のアンバランスから予想されうることは、人間が創造と破壊の適切なバランスを造らないとしたら、自然がそれを無理やりやる可能性が高くなるということだ。つまり、災害(自然災害、人為災害)等による破壊がより起こりやすくなるということである。
 
 科学者は人間活動のアンバランスについて、熱力学の法則の観点から次のように警告する。

自然界では、温度が上がろうとすると、上がりすぎないように、コントロールが働きます。ある生物が増えすぎると、集団自殺なでも含め、その数をコントロールする力が働きます。自然界はいつでもアクセルとブレーキを操っています。
 人間が本当に賢ければ、この自然界の法則の意味を理解した上での、アクセル操作とブレーキ操作ができるはずですが、人間もどうやら自然の法則に埋没しているようで、自分達のやり過ぎを自然によってきつく制御(叱責)されるまでは、気づくことがないのかも知れません。」  (「熱力学で理解する化学反応のしくみ」182p平山令明著 講談社発行)

この創造と破壊のバランスとアンバランスという観点は、非常に多くのことに応用できる考え方である。

たとえば、「動物園から神の王国へ」の2部でも書いた話であるが、日本も含めて先進国では、高齢化が進んでいる。それは、医学、福祉の発達のおかげで、人が簡単に死ななくなって(死ねなくなって)いるからである。そのため、破壊(死)が不足するために、よって生(誕生)も不足に陥っている。少子化(子供が生まれない)という日本の現実は、子供をもつかもたないか、生むか生まないかという個人の意志には本当は関係なく(見かけはそう見えるかもしれないが)、人間構造物の単純なエントロピーの問題、そして日本という国の領域におけるお金・時間の資源配分の問題なのだと私は思っている。

おそらくあと10年くらいして、日本の少子高齢化の問題がもっともっと深刻になるとき、この国は財政的な理由から、安楽死や胃瘻の是非を問わざるを得ないときがくるだろうと思う。

そんな現状で、日本のような老人国が運動会(東京オリンピック)をやる体力的財政的余裕があるとも思えないし、東京オリンピックの開催をめぐってはトラブル続きで、先行きの暗雲がしばしば暗示されてきた。しかし、もう後戻りもできず、現在日本はオリンピックという名の構造物をかなり無理して造ることに邁進している。

その結果は、いっそうの混乱(カオス)……老いた日本には、過激な運動後の体の疲労、痛みのように感じられるだろうが、大規模な混乱からまた新しい時代に合ったシステムや構造が生まれるなら、それもそれでよいのかもしれない。
 
人間は、 「自分達のやり過ぎを自然によってきつく制御(叱責)されるまでは、気づくこと」ができない生き物……いつも痛感させられる事実だ。


 
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IT 時代の憂鬱2014年07月15日 09時02分07秒

先日、はじめてタブレット・パソコンを購入した。十五年ほど前、最初にノート・パソコンを買ったときに比べて、五分の一以下の値段で、しかも高性能。値段と性能は反比例するというIT業界の法則を思い出した。
 
買ってまず最初にやったことは、タブレットにたくさん入っているショッピング・サイトの広告を削除することだ。新しいOSになってから、やたらショッピングサイトの広告がパソコンやタブレットにたくさん入っている。うっとうしいけれど、こうやってパソコン・メーカーは広告費を稼いで、機械本体の安さを補うんだなあと理解した。

私が今回驚愕したことは、ネットに最初に接続したときのこと――真新しいタブレットだというのに、なぜか私の別のパソコンの「お気に入り」情報が「すでに」タブレットに入っている。わけがわからず、しばらく考えてそのからくりを推測した。

頼んだ覚えもないのに(いや、私はどこかで知らずに同意ボタンをクリックしてしまったのだろうか?)M社のどこかに保存されていたらしい私の別のパソコンの「お気に入り」情報が、タブレットに自動的にダウンロードされてきたということらしい。手作業でやる仕事をやってくれたという意味では、M社からしてみれば、親切なのだろうけど、個人のパソコン内の情報を勝手に集められるのは気分のいいことではない。IT機器をネットにつないだとたん、機械と機械内の情報はもはや個人が管理するものではなく、IT産業の管理化に置かれる時代となりつつある。

現代では、巨大IT企業の個人情報収集への意欲というか情熱は、もはや「強欲」と呼べるレベルに達していると感じることがよくある。彼らがそこまで個人情報を欲望するのは、彼らが個人一人一人に関心があるからではなく、「ビッグデータ」と呼ばれている、人々の好み、関心、消費傾向などの個人情報の大量の蓄積が、お金になることをよく知っているからだ。それに加えて、これからの時代は情報を集め分析するパワーが、世界を支配するパワーであることもよく知っている。私が感じるに、最近のIT機器の仕様自体が、いかにそういった特定の巨大IT企業に「個人情報を献上する」かという観点と意志で造られているようである。
 
アメリカの刑事ドラマを見ていると、警察が関係者の個人情報に簡単にアクセスできることがわかる。顔写真、家族関係、就職履歴、クレジット情報、ローン情報、そして銀行でのお金の出し入れ、送金先、入金先など。個人情報保護など全く無関係で、(アメリカの)権力の側の人たちは国民を情報的に丸裸にできることがわかる。少し前に、そのアメリカの国家権力の情報収集の実態が暴露されて、ネット上で話題になったけれど、高度の監視社会という点では、アメリカと北朝鮮はソウルメイト同士である――違いは、監視の方法がアメリカはハイテクで洗練されていて、北朝鮮はローテクで古くさいというだけである。

IT(情報技術)は確かに便利である。が、便利さの裏側にはいつも多くのリスクと憂鬱がある。最先端IT技術によって個人情報を大量に収集する社会のリスクと憂鬱とは、それは必然的に、高度の管理&監視社会になる可能性が高いということである。おそらくそれは今読んでいるSF小説「ハーモニー」(伊藤計劃著 早川書房)に描かれる近未来のようになるだろうと予想される。

その社会では、生府(この社会は「政府」ではなく、「生府」と呼ばれている)のサーバーとつながっているWatchMe(私を監視して)というソフトを全員が体内に入れることで、病気がほとんどなく、肥満の問題もなく、人々はほぼ全員健康的な体をしている。人々はお互いに親切で人を気遣い前向きで、社会は優しさに満ちている。体はもはや個人のものではなく、生府が完全に管理し、タバコ、お酒など体に有害なものはすべて禁じられている超健康志向でハーモニー(調和)な社会。物語は、そんな社会に反逆して、自分の体への権利とそれを傷つけたり、殺したりする権利を主張する少女たちが主人公である。「ハーモニー」はなかなか予言的な小説である。(著者は日本SF界に彗星のごとく出現し、わずかな作品 を残して、三十代で病気で亡くなられたそうである)。

これから普及が予想される眼鏡型や時計型のIT端末の出現は、まさに個人体内情報をIT企業と政府が管理する社会の始まりであろう。まあ私は、本質的には「個人」はいないという教えの信者だし、「好むと好まざるとにかかわらず、あらゆる人、あらゆるものがこの波動する虚空からできている。読者の思考プロセスはひろがってすべての創造物に作用する。そこではプライバシーなどというものはないし、この時点でもう不平を鳴らしてもおそすぎる」(イツアク・ベントフ著「超意識界探訪」日本教文社)ということらしいので、最終的には個人情報もどうでもいいけど、それでも、IT利用の便利さとその裏側のリスクと憂鬱のバランスはいつも考えさせられることである。
 
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「きっと、うまくいく」2014年06月22日 08時31分12秒

きっと、うまくいく」――ある方に、「とても面白い映画です」と熱心に勧められて、先日、見たインド映画のタイトルだ。 見る前は、3時間を超えるインド映画と聞いて、あの歌って踊りまくるボリウッド映画を3時間も見る体力・気力が自分にあるかどうか自信がなかったけれど、見始めたら、これがまた楽しい。あっという間に3時間が終わり、音楽もすごく気に入ったので、翌日にもう一度見たくらいだ。

日本でもヒットしたそうなので、ご存じの方も多いかもしれないが、インドの超難関工科大学の男子学生寮を舞台にそこに学ぶ三バカ(映画の原題は、3 idiots= 三バカ)学生が起こす騒動と彼らの10年後を描いた作品だ。
 
三バカの一人はランチョーという名前の実はハチャメチャな天才で、彼は仲間から「ランチョー導師(グル)」と呼ばれ、知恵とユーモアでいつも難局を切り抜けていく。彼はことあるごとに、「自分の好きなことをすればいい」とAal Izz Wel(=All is well=すべてはうまくいく)  と仲間に説くが、なかなか理解されない。周囲に理解されないばかりか、彼を嫌う保守的な学長に三人一緒に目のかたきにされ、あわや退学寸前まで追い込まれてしまう。

 この映画を見て、若い頃、両親と激しく喧嘩した日々を思い出した。「自分の好きなことをすればいい」VS「子供は親の期待通りに生きるべきだ」の対立は、インドにかぎらず、日本に限らず、今という時代に限らず、あらゆる時代のあらゆる国の若者が抱える普遍的葛藤である。この作品には、大学生の自殺というインドの社会問題も織り交ぜてあるが、日本でも就活がうまくいかなくて自殺する大学生がいるという話をどこかで読んだことがある。どれだけの若者が親や周囲の期待に応えられずに、苦しんでいることだろうか……

私もランチョー導師同様に、今も昔も自分にも他の人にも、「自分の好きなことをすればいい」と気楽に言うが、ただ  「自分の好きなことをすれば」Aal Izz Wel(=All is well=すべてはうまくいく)なのかどうかは、保証のかぎりではない。好きなことをしていても、見た目うまくいかないこともたくさんあるし、お金がまわらない時期もあるし、精神的に苦痛な時期もある。だから、実は、「自分の好きなことをすればいい」は、ものすごくハードルが高いメッセージであることも理解している。

それでもやっぱり「自分の好きなことをすればいい」とあえて言うのは、映画の中で学生の一人が似たようなことを言っていたように、「他人の言うとおりにして失敗すれば、あとで人を憎むけど、自分の好きなことをすれば、人を憎まずにすむ」からだ。 

死に際の「人生の後悔」についての調査によれば、後悔のNo1は、「自分らしく生きなかったこと」で、「何かをやって後悔している」人よりも、「何かをやらずに後悔している」人のほうが、はるかに多いそうである。だから、「自分の好きなことをすれば」、人生への後悔が減り、(人には憎まれるかもしれないが)人を憎まなくてすむという意味では、確かにAal Izz Wel(=All is well=すべてはうまくいく)である。

さて、ラメッシが亡くなってからインドへの思いと熱もすっかり冷めてしまったが、「きっと、うまくいく」を見てヒンズー語の音楽を聴いていたら、インドへの郷愁にひどく駆られてしまった。そして、インドに滞在していたときに「中毒」していたマサラドーサを突然に思い出し、どこかへ食べに行こうと思いたった。インドまで行くのは無理そうだけど……。

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